吾輩はアトラル・カである。アトラル・ネセトになる予定はまだ無い   作:美味しいラムネ

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 本当にお久しぶりです
 遅れてしまい申し訳ない。今回、現段階で本編未登場のオリジナル造竜が何種か登場します。それと、結構時間も経ったのでワイルズのストーリーには完全に触れていきます。ネタバレが嫌な方はブラウザバックを推奨します。





吾輩はアトラル・カである。造竜パニック!これも全部古代文明ってやつが悪いんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 「造竜種」──それは、かつて人々を護る役割を負ったモノ。

 「護竜」──それは、かつて人類が「命」すら掌中に収めていた、失われた科学の証明。

 

 だが彼らは、自らの役目を全うすることも、守るべきものを守り抜くことも叶わず、ただ跡形を彷徨うばかりだった。

 

 それでも、その強靱さと剛毅さは、人類がかつて栄華を誇っていた証であった。

 

 それらが、蹂躙されていた。

 その相手が、古の災であれば諦めもついただろう。同じ造竜種であれば、ただの性能差だとして説明もついただろう。

 

 だが、それは異様な形をしていた。

 無数の龍を、竜を継ぎ接ぎし、建造物を骨格とした異形の生物。

 禁足地の外から現れた、黄金の女王。

 

 その姿を前にして、「現代の技術が過去を凌駕した」ことに喜ぶべきなのか、それとも──女王の手により、現代ならず過去の尊厳すらも凌辱されていることを嘆くべきなのだろうか。

 

 やがて禁足地に進出したハンターズギルドは、こう結論づけた。

 

 「仮に後半年、我々の進出が遅れていれば──禁足地は、女王の実験場となっていただろう」

 

 外来種により、生態系のバランスが崩れた例は多々ある。しかし、今回はその中のどの事例よりも事態は深刻である。

 仮に、禁足地、各生態系の頂点全てが同時に彼女を襲ったとしても、彼女には敵わない。禁足地という閉じた世界は、彼女という異物を排除できるだけの免疫を所持していなかった。──繭の中で眠る、本当の「頂点」を除いて。

 

 それは、微睡の中から目覚めつつあった。女王の纏う城砦(ドレス)の中に眠る、黒と白の龍の気配に呼応して、久遠の眠りから覚めつつあった。

 

 そんな、なんやかんやで物語の中心(メインストーリー)に引き摺り出された女王は──

 

 

 「ピギャアアアアア(平和なのである...半年近く滞在しているのであるが...本当に平和なのであるよ...)」

 

 太古の息吹を感じさせる遺跡群。その中でも陽当たりのいい場所で、ぐでっとしていた。禁足地を実験場にしようとしているだとか、将来的にとんでもない勘違いをされることになるとは露知らず、天敵のいない環境での生活を楽しんでいた。

 

 

 

 

 ♦︎♦︎♦︎

 

 

 吾輩である。アトラル・カである。

 予めいうと、吾輩は何もしていないのである。吾輩はただ、周辺の地形把握のために散歩をしていただけである。狂竜ウイルスを撒き散らしたり、瘴気を放ったりはしていないのである。

 

 その上で聞いて欲しいのである。

 吾輩は今──古代の防衛システム的な何かに襲われているのである。

 いつからここはファイナルなファンタジーになったのであるか!?

 

 

 「ピギャアアアアア(いや、これ竜っていうか竜機...ッ!)」

 

 

 全身が白く染まった、希少種を反転させたかのような見た目の竜が、女王めがけて突進する。

 「造竜種」護竜ティガレックス。その生命の維持に必要とする莫大なエネルギーの問題を、竜乳により解決。その修復作用により、希少種の爆心を遥かに凌駕する血流を維持、絶滅種に匹敵する巨体を無理やり支えることで嘗て竜都を支えた、護竜の一体。

 

 踏み込んだ瞬間、視界から巨体が消え、地面が抉れる。遅れて爆砕音が聞こえ、衝撃波が草木を地面ごと吹き飛ばす。

 造竜の、作られた体が可能とした、加速が存在しない最高速の突進。

 

 「ピギャアアアアア(自壊すら計算に入った設計理念、嫌になる程に合理的であるな...!)」

 

 それでも、雷速には遠く及ばない。

 金色の糸が、クシャルダオラの甲殻の構造を参考に鍛造された鎖が、大型モンスターすら縛る網が、中空でティガレックスを縛り、停止させる。

 

 踏み出す地面から離れて仕舞えば、再度の加速すらも叶わない。

 「詰み」であるな。

 さて、なんでこんなことになっているのであるか。

 

 ティガレックスと戦っている間に、繭の中から目覚めた、全身を白く染めたリオレウスが、そしてオドガロン...多分亜種?が襲いかかってくるのを弾き飛ばしながら、過去に思いを馳せる。

 

 

 

 

 

 破龍砲を受け切って彷徨って数ヶ月。正直にいうと、この土地についてからの吾輩は順風満帆だったのである。まず第一に、この土地、ハンターのハの字もないのである。

 

 砂漠地帯に、火山地帯で人里っぽい場所は見つけたのであるが...まともな武装があるようには見えなかったのである。勿論、狩人も。

 砂漠地帯の方は、多分入り組んだ地形と、鳴子...多分砂漠の頂点捕食者の出す音を再現しているのであろうな、そういった装置を利用してモンスター避けはしているようである。しかし、よく滅ばないなぁというのが感想である。ちょっと凶暴なモンスターでも、例えば狂竜化とか獰猛化して現れたら吹き飛ばされそうなものであるが...

 

 火山地帯の方は、もっと歪なのである。製鉄技術はそこそこ発展していたのである。大自然のエネルギーを利用した製鉄なんかは参考になるし、ちょっとしたモンスターの撃退兵器っぽいものも見つかったのであるが...あれだけ優れた製鉄技術があるのに、狩人が使用するレベルの武器がない。ちょっと外に出れば危険なモンスターが跋扈する火山地帯なのに、武器のぶの字もないのであるよ。

 

 遠目に観察した感じ、精油技術や、高度な機械の数々は、この土地の外と比べても高度なものだと思うのであるが...もしかするとあれは古代の遺物とかを利用しているだけなのであろうか。これだけ高度な技術を持ちながら。「武器」や「兵器」を作ることに思い至っていないことには、恐怖すら感じるのである。誰かの手によって、その概念自体が取り払われているような...?

 

 まぁ、技術自体は参考になったので油と一緒に頂戴したのであるが。

 しかし、古龍とかがきたらどうするのであろうか、この里。なんならゴア・マガラ一体で詰みそう。人身御供でも捧げて耐え忍ぶのであろうか。火の国かな?そう言えば、あの生贄にされかかっていた娘、元気にしているのであろうか。師匠曰くG級ハンターになったらしいのであるが。怖い。流石に元気すぎるのである。

 

 閑話休題、他にも、吾輩にとって有利な点があるのである。全体的に、生態系が整備されているのである。どこに行っても現れる、イビルジョーやバゼルギウスもいないし、古龍の影はないのである。

 まぁ、冷静に考えてみると吾輩が古龍に出逢いすぎなだけなのかもしれないのであるが、それにしても生態系が、調整されてるのかってぐらい綺麗なのである。吾輩の夕飯をよく台無しにするジョーもいないし。

 

 こう、安心して眠れるのは久しぶりなのである。あれ、もしかして吾輩ここの生態系の頂点...?慢心は禁物であるよ。

 そんなこんなで、砂漠地帯、森林地帯、火山地帯とところどころ襲ってくる相手を蹴散らしながら、地図を書いていた時のことであるよ。 

 

 寒冷地帯に突入し、エスカトンジャッジメント擬きを使ってくる超大型モンスターとの激戦を経て、その先に新たな地帯──古代遺跡地帯とでもいうべき場所を見つけたあとのことである。

 

 そこは、あまりにも異様だった。空気感としては、龍結晶の地に似ていたのである。雪とも異なる白に、その土地は支配されていた。

 この土地に初めて入った時に感じた違和感。弄られた地脈、その収束地。乳白色の液体に乗ったエネルギーが巡る、謎の土地。

 

 そこを跋扈するモンスターも異様だった。解剖した結果、生殖器官は疎か、「捕食」という概念を持たない上で、闘争本能は失っていない異常生物。

 生物として明らかに破綻した、液体に──時々見られる現地人の言葉からなんとなく感じた意味は、「竜の乳」だろうか──頼り切った生態。

 

 吾輩も兵器の開発者の端くれ、なんとなくわかるのであるがこれ自然に生まれたものじゃないのであるな、このことに気づくとは吾輩は天才かもしれない。

 

 「ピギャアアアアア(うん、これ見なかったことにした方がいい気がするのである)」

 

 まぁあれであるな。やっちゃってるのであるな。そこら中を跋扈する竜機兵擬きってここは地獄であるか?まぁ強くはないのであるが。作られた生物...脳裏に、ラスボスっぽい叔父さんが過ぎったのである。

 ちなみに奴らの主食らしき液体は、啜ってみたところ結構美味しかったのであるよ。エネルギー源としても優秀、傷口に塗れば傷があっという間に治るのである。代わりにしばらく若干肌が白く(文字通り)なるのであるが。

 

 新しい素材も手に入り、少しワクワクしながら探索を続けていたら、繭が立ち並ぶ場所に辿り着いたのである。そうしたら、その繭から次々と肌が白くなったよく知る竜たちが現れて、襲いかかってきたという訳である。

 

 

 「ピギャアアアアア(古代遺跡の探索中に襲いかかってくる守護者(ガーディアン)といったところであるか)」

 

 踠くティガレックスの咆哮を耳栓越しに聞き流しながら、飛びかかってきたオドガロン亜種を外装で蹴り飛ばす。リオレウスの火球は全て、砲弾で相殺した。

 

 生物と戦っているのか、それとも彼ら越しに、過去の技術と現代の技術が戦っているのか。

 

 吾輩の知らない、熊のような見た目のモンスターをモデルにした兵器がその腕を振るい、リオレウスが大火球を放つ。オドガロン亜種はステップを踏みながら強襲し、一際大きい繭からは、新たな守護者が生まれ落ちた。

 「造竜種」護竜ブラキディオス。竜乳との相乗効果で、炎王龍に匹敵する破壊を生み出すことを可能にした、護竜の一種。それがティガレックスの拘束を爆砕しながら、その拳を突き出す。

 

 その白く染まった黒曜を見て、女王の纏う雰囲気が少し変わった気がした。

 

 豪炎が、裂撃が、豪腕が、音速が──爆砕が。女王の玉座を狙って振るわれた。

 

 「ピギャアアアアア(これは感傷であるが──気に入らないのである)」

 

 豪炎は、水のヴェール──ウズ・トゥナの素材を利用し、竜乳と龍結晶、天眼の泡で強化した防御膜を発生させる竜機装で散らされ、空の王者は、無数の打ち上げタル爆弾と、そこから溢れた鱗粉と鬼火に焼かれ、地に落ちた。

 裂撃は、巨剣に両断され、剛腕は届く前に無数の弾丸に散らされる。

 音速は、それを凌駕するレールガンに脳天を貫かれ、制御を失った体は慣性のまま壁に激突し、爆砕の一撃は──

 

 臨界した拳の一撃の前に、儚くも砕け散った。

 

 

 「ピギャアアアアア(まぁ...あいつには遠く及ばないのであるな)」

 

 

 供給の止まった、守護者たちの死体を眺める。

 これらを生み出した文明は、周囲の遺跡や、人々の文明のレベルをみれば滅んでいるであろうことは分かるのである。

 果たしてこの土地に、過去何があったのであろうか...まぁなんとなく脳裏によぎる龍の顔はあるのであるが。

 

 「まだ」危険らしい危険にも出会っていないのである。強いていうならあの超大型モンスターぐらいである。まだまだこの土地から学ぶことは多そうであるし、この液体の性質の解明も碌に進んでいないのである。

 冷静に考えると、最近アルバトリオンにアマツマガツチ、ナルハタタヒメと死地に赴きすぎであるし、ちょっとくらい休憩して行ってもいいと思うのであるよ。

 

 

 

 

 

 こうして、冒頭へ戻る。

 

 「ピギャアアアアア(大きく育つのであるよ〜)」

 

 陽当たりのいい場所に構えた拠点で、植物を育てていた。吾輩、本格的な農業を始めるのであるよ。肥料は竜の乳...言いにくいし竜乳、それと龍結晶である。あとオストガロアの干物。

 若干この世のものとは思えない育ち方をしている気がするが気のせいである。多分。

 

 並行して、火山地帯の里やカムラの里を参考にした大型炉を作成し、破龍砲の作成もしているのであるよ。何本か新形の撃龍槍も作れたのであるし、腰を落ち着けられる場所というのはなんとも便利であるなぁ。

 

 

 

 

 なんて、呑気に生活を満喫している女王は知らない。

 自分が今いる場所の足元に眠る存在を、そしてその鼓動が、早まっていることを。

 

 

 

 




 

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 リハビリ回。
 次回が本格的な兵器製作回、まだ本編は開始していないけどそろそろ開始する。
 ぶっちゃけゾ・シアさん以外に天敵になり得る相手はいないがゾ・シアさんは文字通り文明一個滅ぼした性能なのでゾ・シアさん1匹でアトラル・カちゃんの未来は危うい。
 ついでにいうなら今作主人公ハンターは経歴的にド級のプロなのでアトラル・カの未来は危うい。

 ここからは禁足地編というよりかは禁忌編と言い換えてもいいかもしれない。

次の番外編で使うかもしれない(エイプリルフールでつかうかも)

  • 掲示板if②
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