マリー、ママになる 作:新任曇らせ隊
メグを迎えた副産物でコユキがついてきましたが、思いのほかどっちも頭の中ふわふわで笑いました。
メモロビ辺りまで見ると、なんというか小学生くらいのガキだった自分を見ているようで、親近感というか類似点を感じてとても甘やかしたくなりますね。
今回はハナコとそんなコユキについて。
ステラリスは精神と権威がマルチでも強くて好きです。
あと今後の投稿に関わるアンケートを用意してます。期限は一週間くらいに考えてます。
追記:誤字修正しました。報告ありがとうございます。
友人とは一体何であろうか。
一緒に遊んでくれる人?話が合う人?常に一緒にいてくれる人?我儘を言い合える人?間違ったら諫めてくれる人?一緒にいて楽しい人?……それともその全部を合わせた人?
私はそうは思わない。語弊を気にせずいえば、友人とはあまり意識するものでもないと思っている。
勿論挙げたもののような人も友人と言ってもいいかもしれない。でも私にとっては少し違和感を感じるものである。
生まれてこのかた友人を作ろうと思ったことはない。気づけば自分の周りにいて、一緒に遊んだり、お茶をしたり、好きなことを教えあったりしていた。
ただ他人に興味がなかったから、と言ってもいいが、別に一人でいることが好きなわけでもない。
普通。そう普通なのだ。肩ひじ張らずに、必要以上気を遣わずに、自分を表せる。そんな存在こそが私にとっての友人なのだろう。
そうゆう意味で言えば、今聖堂に戻っていった彼女とその連れている子は友人なのかもしれない。
生まれも違えば姿も違う、育った環境も違うし、考えていることも他者に対する印象の抱き方も違う。何もかにもが私と合致しない。
でも初めて出会った時から私は彼女らに元気をもらっている。
この見た目だけ取り繕われた魔物の巣窟にある数少ない休息の場。もし彼女らが私の幼馴染であったら私はどこかの派閥を率いる、或いは新たな派閥の主としてこの世界を革めようと行動していたかもしれない。
現実はそうではなかったが、今はただ元気ももらえるし、自分を偽らず楽しむことができるようになったのだ。
自分の人生を楽しまないことに一体何の意味があるだろうか。
私は結局のところ、トリニティのことを正しく理解していなかった。中等の時と同じように自分のできうる限りの力を出し、多くの人と繋がりをもつ。
今までの私はそう過ごしてきた。トリニティに入った時も、そうして新しい環境に慣れていこうと思った。
しかし現実は違う。見てくれは上品で華やかであるが、一歩足を踏み入れればそこは偽りの太陽が照らす闇の世界。
派閥間の争いは水面下で常に行われ、いじめや陰口、家柄や資産で相手にマウントをとるなど碌でもない行為が横行する。
これでは彼女らが罵るゲヘナと大差ないどころか、面と向かって相手に相対しないところはゲヘナ以下と言っていい。
私はこの世界に入ってから明確な才覚を示しすぎた。学力、対人関係、頭の回転。
気づけば私の周りには健全な友人と呼べる者でなく、自分、或いは派閥の利益のために私を勢力に取り込もうとするどうしようもない人ばかり集まってしまっていた。
その時もう私には普通の学生生活などできないと思ってしまった。この薄汚い、大人の世界にも勝るとも劣らない煉獄で学生生活を終えるしかないと。
でも私はそんなことを納得することはできなかった。自分の人生なのだ。何故こんなどうでもよいことで貴重な時間が浪費されねばならないのか。
そう思った私は一年生の終わり際から自分の好きを隠さず、表に前面に押し出していった。
結果として人間関係は大分孤立してしまいはしたが、自身のアイデンティティーと自由を守ることはできた。何よりも隠さず自分の好きを押し出すことはとても気持ちがよかった。元より自分の内なる思いを曝け出すことは嫌いではないし、恥ずかしいとも思わなかった。
代わりに正義実現委員会のお世話になってしまうことが増えはしたが、今までにない刺激はあったし、正実の構成員はトリニティでも"比較的"真面な人が多いため居心地は意外とよかった。
彼女らは自身のやるべきことを全うしているだけだし、連行されても話し相手になってくれる人は多かった。決まって言われることが多いのが「どうしてあなたが」で、私のイメージが優等生であるということは不満だったが、これから変えていくからそれは問題ではなかった。
それに正実の新入生に中々面白そうな子がいたことも収穫だった。
下江コハル。
マリーちゃんとミー君のように新しくトリニティに入ったばかりの新入生。話をしてみて分かったが、言葉の節々で妄想を膨らませては、勘違いをしたまま暴走してしまう子で、私が好きな分野に興味がある。
本人はそのことをあまり気にしてはなさそうであるけど、私から押収した"アレ"な本を顔を真っ赤にしながら読んでいる姿はとても素晴らしい。
その姿を他の人に余すことなくさらけ出すことができれば、私と一緒にもっともっと面白いことができるのに、とは常々思っている。
しかしさすがに入ったばかりのコハルちゃんにそれを求めるのは酷というもの。
あの子自体もハスミさんやツルギさんに憧れる正義感の強く、根はとてもいい子だから今は"まだ"自然なままでいさせたい。
勿論時が来たら……ふふっ楽しみね♡。
☆☆☆
ハナコさんと別れた後、私は聖堂に戻ってシスターとしての午前の活動を始めるための準備に取り掛かっていた。
とはいえ経験の浅い内は、トリニティの内部で人手が必要な場所に要請されて手伝いに行く、というのが普通であり、人によって準備の内容は様々であるために私もよくわからないことが多いです。
他にも得手不得手によって割り当てられやすいものはあります。地域の活動の手伝いを任せられる人もいれば、事務仕事に駆り出されて一日中書類整理、なんてことも。
私の場合、よく任される活動は他の方々の悩みを聞き、心に寄り添うことでしょうか。
恥ずかしながら体力仕事や事務のような作業はあまり馴染みがなく、足を引っ張るわけにもいかないためサクラコ様から悩みを抱える方々の助けとなるべく努めるように、と助言を頂き、実際に請け負わせてもらっています。
私としても悩める方が少しでも前向きに、明日へと向かって進んでいける助けとなれたのであれば、とても嬉しいです。
ミーも見た目から驚かれることは多いですが、他者と心を通わす力があるのでしょうか、始めはあまり内なる気持ちや悩みを話すことを躊躇しがちな方々から、笑顔、そして少しづつ話していこうという前向きな気持ちを引き出すことをよく目にします。
決して言葉が通じるという保証はありませんし、見た目から忌避されることも多々ありましたが、ミーは諦めません。
鳴き声や身振り手振りで相手と意思を通わせようと、毎回必死に体を波打たせながら鞄の中でアピールをするのです。これも彼なりの元気になってほしいという表現。
下手をすれば人よりも感情豊かなものですが、見ているとどこか穏やかな気持ちになれるようです。始めてお会いした時よりも再会した際の表情が柔らかになっている方は多いですし。
故に日々の活動にも力が入ります。ミーと共に出来ることを頑張るだけでなく、人々の平和と安寧を祈る。
まだまだ新米のシスター見習いと言っていい自分から、真のシスターになるために。今日も一人でも多くの方に寄り添えるように。
しかしながらこのような相談、といってもいいかと悩ましいですが、私が活動している間に訪れてくださる方はあまり多くありません。
まだ私が新米であるということとそもそもそこまで認知されていない、ということが大きいと思います。一応、紙や電子メール、モモトークなどで活動を行っている主旨は予め示してはいるのですが、やはり活動を始めてから日が浅いという点が芳しくない原因なのでしょうか。
……今後について一抹の不安はありますが、ここでどうしようもないことを悩むよりは、今日お会いする方の助けになれるよう気を引き締めなくては。
ええと、確か今日お会いする方はミレニアム所属と仰られていましたが……。
☆☆☆
……ここでいいのでしょうか。聖堂までお越しになられる時間がないと聞いたので都合のよい場所で、と言われはしましたが。見たところ誰もいない公園のようですけど…。
「おやっ、そのシスター姿……。もしかしてっ」
「…?えっと、そのどちら様ですか?」
『ミッ?』
人気のない公園を外から眺め、まだ件の方が到着していないのかと思い、公園のベンチに腰を下ろし待とうとすると、ふと私に向かって話しかけてくる声が聞こえたため思わず振り向く。
振り向いた先には、私と同じくらいの背丈で、ハナコさんと同じような桃色の髪をツインテールでまとめた、ミレニアムサイエンススクールの制服を着た少女がいました。
ミーもあまりトリニティでは見ることのないミレニアムの制服に興味があるのか、鞄から身を乗り出して眺めていた。…心なしか瞳が輝いているように見えます。
「あっー、どうもどうもすみません!私、黒崎コユキって言いますっ、多分シスターさんに依頼しました!」
「あっ、なるほど。初めまして、トリニティ総合学園一年、シスターフッドに所属しております、伊落マリーと申します」
「私の鞄から出てきている者は、ミーと言います。気軽に呼んで頂けるとミーも喜びます」
『ミッキュンっ』
どうやら彼女は今回依頼していただいた黒崎コユキさんのようである。確かに文面で見た時と同じような雰囲気を感じます。
この公園に来たのも偶然ではなく、自分で設定したからだと納得できますが…。
しかし彼女からは途轍もない明るさを感じる。あまりシスターとしては褒められたものではないですが、悩みがあるようには思えません…。
「おぉー!何とも不思議な物体ですねっ。触手が元気に蠢いて鳴いている!?」
『ミッ?ミーミ…』
「私の言っていることが分かるんですか?面白いですねぇ!」
とてもミーに興味がある様子。鞄からミーを持ち上げて前に抱えると、目を輝かせながら近づき、ミーの触手を握ってまるで幼子のように喜んでいます。……何だか無性に彼女の頭を撫でたくなってきました。
…………っは!?
いえっ、その、ま、まさか初対面の方、しかも悩みの相談をしてくださった方に対してこんなことを思ってしまうなんて…。一体どうして……。
「いやぁー、適当に抜け出すために依頼出したのは正解でしたね!」
「えっ、コユキさんそれはどうゆうことなのですか……?」
『ミィ、ミンミ……』
「まぁ話し出すと長くなりますけど……」
それからコユキさんは私の隣に座ると今の生活に対する不満を出し始めました。
ミレニアムではいつも色々な仕事が任されるが、どれもこれも面白味のない作業ばかりで、やればやるほど新しい雑用が増え、雑用に忙殺される毎日。
他の人は仕事が早いと褒めてくれるが、こんな小学生でもできる案件を「よく早くできたね、偉いね」なんて褒められた所で何も嬉しくない、むしろ馬鹿にされているようで腹が立つ。
なのに仕事をサボって面白いことを探したり、遊んでいると怒られて"反省部屋"行きにされるし、先輩たちは無慈悲だし、誰も私のことを分かってくれない。
今日も仕事だらけの日だったけど、シスターに悩み相談をしたいとごねにごねてようやく認められて脱出。だからこの依頼自体はサボるための口実に過ぎなかった、と。
「にはは、でも普通にサボるより、ミーちゃんみたいな面白そうなものを見れたからよかったですね!!」
「ちゃちゃっと済ませて町でもぶらつこうと思ってましたけど、どうせなら面白いに面白いを計上していきましょうか」
「マリーさん、いえ同い年ですしマリーちゃんでいいですかねっ。マリーちゃん、ミーちゃん一緒に遊びませんか!?」
そう言って立ち上がると途端にグイグイと私の手を引っ張り出すコユキさん。ミーも乗り気なのかいそいそと鞄に戻っていくと、早く早くというように私の肩を叩いて催促してきます。
ですが悩みを聞き、他の方に寄り添うという意味では、コユキさんのしたいことに付き添うことも大切ではあります。遊ぶ、ということですが一体何をどうするつもりなのかは分かりません。あまり普通の生徒の方がしているようなことには疎いのですが大丈夫でしょうか。
いえ、ここで尻込みしていてもコユキさんに寄り添うことなどできません。せっかくミーも乗り気なのですし、少しだけ羽を伸ばす気持ちでコユキさんとの時間を楽しみましょうか。
この世界のマリーちゃんはミー君との遭遇で大分変わってきてます。
コユキもちょっと迎えてから好きになったので出番増やそうかなと考えてます。
これらを踏まえてアンケート考えました。シナリオを中心に書いていくのでVol.なんぼについて望むものに投票してください。
ただこれで投票が一番多いものに決定というより、書く上で意識を寄せていくということにご留意ください。エデン条約と最終章は核になるのでさすがに確定しています。
マリーちゃんと主人公が関わるメインストーリーについて
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Vol.2,3と最終編
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Vol.2,3,4と最終編
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Vol.1,2,3と最終編
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全部やれ
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全部やってミー君のVol.6やれ