硝子とは幼馴染ですよ   作:ノワールキャット

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術式制御

太陽がサンサンと照り付け、比較的温暖な1日である。暑くもなければ寒くもなく非常に温暖で過ごしやすい気候だ。

 

呪術高専のグラウンドで悟、傑、硝子、千里はジャージ姿で訓練に臨んでいた。悟と傑は術式を用いた模擬戦をやっており、硝子と千里は組み手をやっていた。

 

─────ピー!

 

グラウンドに夜蛾のホイッスルが鳴り響いた。

 

「そこまで!今日の訓練はここまでだ。この後は自由時間だ。問題はくれぐれも起こさないように」

 

「「「「はーい」」」」

 

「起こすなよ」と釘を刺し、夜蛾は校舎へと戻っていった。

 

「はぁー、疲れた!」

 

「そろそろ休憩しようか」

 

訓練を終えた悟と傑はその場に座り込んだ。

 

「お疲れー」

 

「硝子、千里お疲れ様」

 

スポーツドリンクを片手に千里と硝子が話し掛けて来た。

 

「飲み物もらっていいかい?」

 

「あ!俺も俺も」

 

「千里、私にもちょうだい」

 

「はいよ」

 

持っていたスポーツドリンクを千里は各々に投げ渡すと木陰に座り、休憩に入った。

 

「そう言えばさ、千里の術式って俺の術式みたいなことって出来るの?」

 

「蒼とか赫?」

 

「そーそー」

 

「うん?でも千里の術式って確か呪力を主としたエネルギー吸収だろう?物体の吸い寄せとかって出来るのかい?」

 

「千里なら出来るんじゃない?昔から発想力とかあったし」

 

「多分...こんな感じか?」

 

千里はグラウンドに手を翳し、術式を発動する。イメージするのは悟と同じ【術式順転(じゅつしきじゅんてん)()(あお)】の吸い込み反応。吸収するのではなく吸い寄せる。

 

─────ドガガガ!

 

地面が抉られ、抉られた土が空中へ吸い寄せられ、一箇所へ固まっていく。千里が手を横にずらすとそれに合わせて、地面も横に抉られていく。

 

「出来た」

 

「「「はっや」」」

 

「いやいや!千里の術式ってエネルギーの吸収だろ!何で物体が引き寄せられるんだよ!」

 

「俺の術式は確かにエネルギーの吸収だけど別に物質が吸収出来ないなんて一言も言ってないぞ」

 

千里曰く、吸収の術式は対象とした物を自身のエネルギーに変換するものだと言う。吸収した物が物質だった場合は手動もしくは自動でエネルギーに変換する必要があり、変換する為にはその物質の情報を全て把握しなければならないとのこと。

 

「単純な術式かと思ったけど結構複雑な術式なんだね」

 

「そうなんだよね。

エネルギーの場合は既に『それを起こす為の物になっている』から

【エネルギー(呪力等)→吸収】って出来るんだけど物質の場合は

【物質→取り込む→物質の全情報把握→手動or自動でエネルギーに変換→吸収】って感じでやることが増えるんだよね。しかも情報の把握のせいで脳にも負荷が掛かるから反転術式で修復しなきゃならん」

 

「なるほどね。だから普段は呪力に限定してるのか」

 

「そうそう、そっちの方が楽だし物質の吸収にあまり必要性は感じないんだよね」

 

「でもさ、脳の負荷は反転術式でどうにか出来んだろ。お前反転術式使えるし、どうにかならねぇのかよ?」

 

「五条みたいな六眼か膨大な呪力量があればな。自己保管の範疇ならば六眼並の呪力操作ならば理論上24時間365日回し続けられるけど絶対量が決まってる呪力量だと流石にカバーは出来ないかな。素の呪力と備蓄の呪力でも頑張って3日保つかどうかって辺り...かな?」

 

「へぇ〜」

 

「と言うか3日も持つ時点でやっぱ呪力量化け物だな」

 

呪力の消費量が倍はある反転術式を3日も回し続けることが出来るという規格外っぷりは彼がやはり天才の部類だと感じさせた。仮に今の悟が反転術式を使えるとしても呪力操作が覚束無い悟ではすぐに呪力切れを起こしてしまうだろう。

 

「呪力操作の技術を上げればどうにか出来るだろうが...まぁ、夜蛾センから呪骸でも借りてどうにかするわ」

 

「ほーん、そっか」

 

夜蛾正道の制作した訓練用の呪骸は非常に高性能だ。呪力操作の為の物や体術訓練のあり、夜蛾の設定次第で幾らか調節が可能だからだ。

 

「それさ名前とか付けねぇの?」

 

「ん?名前?」

 

「そうそう、技名みたいな奴」

 

「出たよ五条の厨二病」

 

「硝子そう言うな。悟もそう言う年頃なんだよ」

 

「お前ら...後で覚えとけよ」

 

厨二病だと悟をイジる傑と硝子。

 

「名前...名前ねぇ」

 

悟に指摘され拡張術式に当たる先ほどの物質の吸い寄せの名称を考える千里。

 

(しき)かな」

 

「「「累?」」」

 

「あぁ、累積の累を取って(しき)だ」

 

「良いんじゃない、千里らしい名前だよ」

 

「私も良いと思うよ。悟のネーミングセンスよりもずっと良いよ」

 

「おい、傑。誰のネーミングセンスが何だって?」

 

「「ここで喧嘩すんな」」

 

目を離したらすぐに喧嘩をする2人を止める。千里と硝子は担任である夜蛾から「もしアイツらが喧嘩しそうになったら止めてくれ」と言われていた。

 

「つーかさ、放課後どっか食べに行かね?」

 

「私はいいよ。千里と硝子はどうする?」

 

「俺も行くわ」

 

「じゃあ、私もー」

 

「何処で食べようか?」

 

「サイゼかガストでいいんじゃない?」

 

「マックは?」

 

「遠いからパス」

 

非日常が当たり前の彼らの日常。

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