戦争コンビの抑止力は、椚ヶ丘の落ちこぼれ 作:時長凜祢@二次創作主力垢
カルマくん登場!
いつも通りに起床して、洗顔を済ませたあと、イザ兄の朝食も含めてキッチンに立つ。
もはや完全なルーチンとなっているそれをこなしていると、側に置いていたスマホの画面が明るくなる。
よく見るとメッセージアプリの通知のようで、そこには赤羽 業の文字。
その下に記されている本題には、やっと停学から復帰できる〜と言う文字があった。
「へぇ・・・カルマ。やっと停学明けるんだ。」
それを見た私は、口元に小さく笑みを浮かべる。
E組に落とされる前からずっと繋がっていた親友。彼は、成績が優秀な一番優秀だった生徒を再起不能にまでしてしまったため、停学と言う重い処分を受けてしまった。
大体、同じ時期に私もE組行きが決まってしまったのだが、A組にいた頃によく話していた生徒の中に、それでも話しかけてくる変わり者が1人いた私は、彼から停学になった赤羽とは関わりを絶っておけと言われ、会うことはしていなかったけど、やっと彼も学校に通えるようになる。
「“それは良かった。E組で待ってるよ。”・・・と。」
今のE組はなかなかカオスなことになっているけど退屈はしない。そんなところに親友の彼も合流するのだから、ますます楽しくなることが決定した。
「あれ?なんか莉兎ちゃん、ご機嫌だね?」
「あ、イザ兄。おはよう。」
「うん、おはよう。で?何か嬉しいことでもあったの?」
そんなことを思っていると、起床してきたイザ兄が背後から私に抱きつきながら話しかけてきた。
キッチンは火を使ってるから、できればくっついてほしくなかったんだけど、この人たまになぜかこうしてくるんだよね。
人肌が恋しいのだろうか?そうじゃないと理由づけできないし。
「うん。カルマの停学が明けるみたいで、今日からE組に参加するらしいんだ。E組に落ちる前からの友人だから嬉しくって。」
「ふぅん・・・?あのカルマ君がねぇ・・・・・・・」
とりあえずイザ兄の質問に答えると、何やら若干不機嫌なイザ兄になってしまった。
不思議に思い、イザ兄に視線を向けて首を傾げると、彼の表情から感情が若干抜け落ちていた。
だけど、私の視線に気づくなり、彼はいつも通りの表情を見せては頭を優しく撫でる。
「よかったじゃん。友達が戻ってきて。でも、仲が良い友達が戻ってきたからって羽目を外し過ぎないようにね。
学校終わりに遊んで帰るのは別に構わないけど、ちゃんと18:30にはうちに帰ってきなよ?」
「・・・はーい。」
何か、さっきのイザ兄、ちょっと怖かったな・・・・・・・と思っていると、スマホが再び明るくなる。
そこには“どうせなら一緒に行こうよ”と言うカルマからのメッセージが入っていた。
すぐに“いいよ”と返信すれば、やったーと言うスタンプが返って来た。それに少しだけ笑いながら、イザ兄の朝食作りに戻ることを伝えれば、了解と言うスタンプが送られて来る。
それに既読をつけて確認したことを知らせた私は、イザ兄に絡まれながらも作った朝食をお皿に盛りつけていく。
「イザ兄。テーブルに並べるの手伝って。」
「は〜い。今日は和食なんだね?」
「和食の気分だったから。」
「なるほどね。鮭の塩焼きに味噌汁。それとこれはほうれん草のおひたしかな?それと、きんぴらごぼうに、玉子焼き。お漬物に白米。
・・・・・・うん、おかずの方結構な量作ったね?学校がある日は簡単なものでもいいのに。」
「暗殺しながら勉強してるから、それなりにしっかり食べた方が体が持つんだよ。」
「あー・・・なるほどね・・・?」
イザ兄から「いつもお疲れ様。」と穏やかな声で告げられ、頭を優しく撫でられる。
イザ兄の手は昔から好きだった。兄さんの幼馴染みなだけあって、小さい時から彼とは関わりを持っていたけど、たくさんの人に頭を撫でられる中で、イザ兄の手が一等好きで安心した記憶は今も鮮明に覚えている。
まぁ、イザ兄には私と年が近い妹ちゃん達がいたから、多分、子供のことはあやし慣れていたのだろう。
「さてと・・・じゃあ、折角出来立てのご飯があるわけだし、早く並べて食べちゃおうか。」
「うん。」
そんなことを思いながら、イザ兄と一緒に朝食を並べた私は、いつも通りイザ兄の向かい側の席に座る。
そして、イザ兄と同じタイミングで手を合わせ、できたご飯を口にした。
うん。今日のご飯も美味しくできた。味噌汁の味もバッチリだね。
「ん〜・・・相変わらず莉兎ちゃんが作る味噌汁ってすごく美味しいよね。俺の家のとは味付けが全然違うし、基本的に人って慣れ親しんだ味を好むようにできてるけど、俺としてはこっちの味付けの方が好きな味だよ。
鮭の塩焼きやおひたし、きんぴらごぼうや玉子焼きもこっちの方が好きな味だな。」
「・・・全部イザ兄の好みの味に調節して作ってるからね。」
「・・・・・・・え?」
私が作ったご飯を食べて、機嫌を戻したイザ兄に、いつも作ってる食事に隠していた秘密を教えると、彼は一瞬固まったあと、私の方へと視線を向けて来た。
私はそんなイザ兄の視線を気にすることなく、朝食を食べ進める。
「ちょ、ちょっと待って莉兎ちゃん。え?全部俺の味の好みに合わせてあるの?本気で言ってる?」
「本気と書いてマジと読む。基本的にここで作ったご飯は全部イザ兄の好みに合わせてるものだよ。
度々味付けを変えて作って、その中でもイザ兄が一番喜んで表情を崩した味付けのものばかりを提供してる。
味の調節はなかなか大変だったけど、イザ兄が一番美味しいって思えるものを作るために頑張ったんだよね。」
「待って待って待って待って!初耳なんだけど!?て言うか、俺、いつのまに莉兎ちゃんに自分の好み把握されていたの!?」
「イザ兄の好みなら、もう1年前には把握できていたよ。」
「そんなに前から!?うっそでしょ・・・ポーカーフェイスには自信あったのに・・・。」
「それを崩せるくらい美味しくすればいいだけの話だもん。」
情報屋としてのプライドか、ショックを受けたような様子を見せるイザ兄を気にせず朝食を食べ終えた私は、さっさと使った食器を流しのほうへと持っていく。
とりあえず水につけておいて、洗い物は全部イザ兄に任せちゃお。
「莉兎ちゃ〜ん・・・」
さて、歯磨き歯磨き・・・と洗面所の方へと向かおうとすると、イザ兄から呼び止められる。
足を止めてイザ兄に視線を向けてみると、彼は私の方に真剣な表情をしながら視線を向けて来ていた。
「・・・やっぱり俺のとこに永久就職しない?お嫁さんでもいいよ?莉兎ちゃんなら絶対良いお嫁さんになると思うんだよね。」
「あと1年で高校とはいえ、まだ中学生を謳歌してる女子に求婚する20歳越えの男性の図は見たくなかったんだけど?ヒト、LOVEイザ兄はどこ行ったの。」
「それとこれとは別問題だから!!俺の好みに合わせてくれる女の子とかこれまでいなかったし、そんな風に想ってくれる人も会ったことないんだよ!?」
「多分、それはイザ兄が変人だから人が寄りつかないんだと思うよ?」
なんか、急に頭バグっんだけどこの人・・・。怖。近寄らんとこ。
・・・・・・・保護者代りだから流石に近寄らないは無理か。
☪︎ ☾
「・・・ってことが今日の朝あったんだよね。」
「あっはははは!!莉兎ってばサイコー!あの臨也さんをバグらせるってどんだけだよ!!」
ところ変わりカルマの家。
純粋なプラスの感情をあまり向けられて来たことがないのか、イザ兄の好みに合わせたご飯を作ったことを暴露したことがきっかけで、秘書として永久就職しない?から、俺のお嫁さんにならない?に変わってしまったイザ兄の話をカルマに話したら、彼は大爆笑してベッドに転がってしまった。
ちなみに、なぜ私がカルマの家にいるのかと言うと、長期間停学を喰らっていたことで発生するであろう体内時計の大幅な狂いを予測して迎えに来たのである。
そしたらやはりと言うか、カルマの自宅に足を運んでチャイムを鳴らしてみたところ、彼は髪をボッサボサにしたまま慌ててやって来て、その後ろはごちゃごちゃな御自宅と言う有様だったのだ。
予想通り過ぎる現状に、思わず溜め息を吐いてしまった私は、そのま彼の家にお邪魔したのである。
「・・・にしても随分とごちゃごちゃしてるな。」
「いやぁ・・・・・・親が安定の旅行狂いだからさぁ、1人で退屈してだんだよね〜。
そんで、新しいゲームとか漫画とか買って漁るばっかで、散らかっちゃった。」
「まぁ、かなりのスパンの停学処分喰らっていたしね。暇になるのはわかるけど、少しくらい片付けながら過ごしなよ。
ほら、手伝ってあげるから片付けるよ。全部終わったら朝食作ってあげるから。」
「え?莉兎が作った飯食えるの?」
「ご飯食べないで学校に行ったらお腹空くばかりでしょ?だから食材を買って来たんだよ。」
「マジ?莉兎の飯超美味いからラッキ〜!」
「片付けしてからだけどね?」
「は〜い・・・」
カルマがちょっとめんどくさそうな様子で片付けを始める。
おそらくだけど、かなり散らかっている現状をなんとかしないといけないことに少しだけ気が滅入っているのだろう。
そんな風に思うくらいだったらちゃんと整理整頓をしろと思ってしまった私は悪くないと思いたい。
「・・・本当にいろんな漫画買ってるな。漫画雑誌から単行本まで大量に。あ、珍しく小説も読んでたんだ。いつも漫画しか読まないくせに。」
「ネットで見つけたSF小説でね。内容が面白かったから読み進めたら、書籍化してるって書いてあったから買ったんだよ。
WEB版にはない書き下ろしの話とかも盛り込まれていたから、最新刊まで買っちゃった。」
「へぇ・・・。」
「気になるなら貸すけど?」
「ん〜・・・とりあえず私もWEB版に一旦目を通してから借りるか考えるよ。」
時折雑談を挟みながら、散らかっているカルマの部屋を次々と片していく。
本とかゲームとか積まれまくったりしてるけど、ゴミとかが混ざってないだけまだマシかな。
世の中にはゴミも必要なものも関係なく部屋に散らかしまくる人がいたりするから、カルマがそのタイプの人じゃなくてよかったよ。
「こんなもんかな。」
「おー・・・やっぱ莉兎がいると即行で部屋綺麗になんね。」
「できればこれを自分でしてほしいんだけど?まぁ、いいや・・・。
さっさと顔とか洗って身支度を済ませなよ。私はその間にカルマの朝食を作っとくから。」
「・・・たまに莉兎って母親っぽくなるよね。」
「君みたいな体の大きい子供を持った覚えはないけどね。」
未だに髪の毛をボサボサにしたまま寝巻き状態のカルマに、さっさと準備するように告げ、私はこの家にあるキッチンの方へと足を運ぶ。
イザ兄に作ったような凝ったものは作れないけど、まぁ、簡易的な洋食を作ることができるように材料は買ったからいっか。
「あ、莉兎〜。あとでレシート見せて。莉兎がこっちに来る時って基本的に俺の飯も作ってくれる時だから、親から材料費くらいは払えって食費渡されてんだよね。」
「ん?ああ・・・・・・・わかった。あとで見せるよ。」
まずは目玉焼きと焼きベーコンかな・・・なんて思いながら、お邪魔した時にキッチンに置かせてもらったスーパーの袋に手を突っ込んでいると、制服に着替えてきたカルマからレシートを見せてほしいと言われた。
そう言えば、おばさん達って私がカルマの家にたまにご飯を作りにくること知ってたな、と少しだけ思い返しながら、目玉焼きと焼きベーコンを作っていく。
同時進行で拝借したお鍋で簡易的な野菜たっぷりのコンソメスープを作り上げる。
サラダを作ってもよかったけど、トーストと一緒に飲むスープに野菜をぶっ込んだ方が手っ取り早いからこれが一番楽だ。
ついでにカルマと私の両方の弁当も作っとこうかな。それを想定して食材は買っておいたし、こんなこともあろうかと、使い捨てができる弁当箱も持って来たんだよね。
「ふぁ・・・あ〜あ・・・1ヶ月も停学してたせいで身体めっちゃダル〜・・・。別に出かけなかったわけじゃないけどさぁ・・・こんだけ長く休まされたら学校で勉強すんのめんどくさくならね?」
「それは否定しないけどサボったらダメだよ。」
「サボらないって〜。だって先生を殺せるって話じゃん。俺、一回先生とか言う生き物殺してみたかったんだよね〜。」
「側から聞いたらただの異常者なセリフだね・・・ん・・・コンソメスープのでき完璧。」
ダイニングにある席に座り、物騒なことを口にするカルマの言葉を軽く聞き流しながら、私はあらかじめ用意していた皿にこんがり焼けたトーストを乗せ、トーストに重ねるようにして目玉焼きとベーコンをまとめて焼いたベーコンエッグを乗せる。
またの名をラピ⚫︎タパン。簡単な洋食だとこれが一番手っ取り早いのだ。
続けて、深めの器に野菜たっぷりのコンソメスープを注いでっと・・・うん、完成。
「はい、できたよ。」
「ありがとう〜莉兎。あ、このコンソメスープ、絶対味付け拘ったやつでしょ?」
「そうだよ。野菜たっぷりだと、しっかり味を調節しないと薄過ぎるからね。
だからと言って、コンソメスープをドバドバ入れたら、今度は味が濃過ぎるから、結構難しかったりするんだよ。」
「簡単なもの作るとか言いながらしっかり味を整えるのって莉兎の癖だよね。まぁ、めちゃくちゃ美味しいものが必ず出てくるから悪くないと思うけどさ。」
いただきますと言って朝食に手をつけ始めるカルマ。
一口食べただけで「うっま!!」と弾んだ声をあげる彼を見て、小さく笑いながら、私は2人分のお弁当を作り上げていく。
一緒に大遅刻が決定しちゃったけど、久々にE組に落ちる以前からの最高の親友と顔を合わせて話したわけだし、気にしない方向にしておこう。
だって私にも、親友を独占したい時があるのだから。
旭 莉兎
椚ヶ丘に通い始めた頃からカルマとよくつるんでいる女の子。
カルマのことは大切な親友であり、手のかかる弟のような認識をしているため、何かと彼の世話を焼く。
こう見えて、ちょこっと独占欲強めで、親友のカルマがクラスに合流する前に、彼をちょっと独占しようと迎えに来た。
カルマとの距離感はかなりおかしいのだが、本人は気づいていない。
赤羽 業
椚ヶ丘に通い始めた頃から莉兎とよくつるんでいる男の子。
莉兎のことは大切な親友であり、世話を焼いてくれる姉のような認識をしているため、彼女にしょっちゅう甘えている。
莉兎に対する独占欲はかなり強く、親友である彼女の独占欲も把握しているので、彼女が迎えに来ることは想定済みのため、どうせ起こしてもらえるしと二度寝を決めていた。(慌てていたのは演技)
莉兎との距離感がおかしいのだが、もちろんこれは意図的なもので、彼女が気づいていないことをいいことにおかしな距離感で過ごして周りを牽制している。
折原 臨也
妹みたいな幼馴染みが自分の味の好みを把握していたことにかなりびっくりした情報屋。
彼女から自分が食べて一番美味しいと思える料理を研究して提供していたことを告げられ、何かが爆発した。
莉兎ちゃん、俺のお嫁さんに来ない?
主人公のオチは誰がいいですか?
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主♀溺愛臨也さん
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妹分から特別になっちゃった静雄さん
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悪友?いいえ、特別ですよカルマくん
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執着強め?主♀に惚れてる学秀くん