ブルーアーカイブ・白銀の記録   作:Wandarel

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前回のあらすじ
ブラックサンダーが美味しかったです(小並感)


第3話「知らないことを知ろうとすると後悔する」

ダレル(………ここは?)

 

いつものように目が覚める。

あの時とおなじで鉄の匂いが脳を覚醒させる。

その時、ふと名前を呼ばれる。

 

「サブト=ラディエル。」

その名を呼ぶ人間を覚えている。

 

ラディエル「アンタは……!?」

 

その名を呼ぶのはかつての仲間とボスと呼ばれた育ての親だけだ。

 

???「すまなかったな。」

ラディエル「アンタは死んだはずだ、俺がこの手で……」

 

だが、ボスは抱擁するかのように手を広げこちらに歩み寄る。

 

???「さぁ、ラディエル……私を撃て。それだけが私を止める唯一の術だ。」

 

ラディエル「……。」

 

既にLucasの引き金に指はかけてある。後はそれを引くだけだ。

やることは簡単だ。引け、引き金を…

 

???「本当にそれでいいんですか?ダレル先生?」

ダレル「誰だ!?」

 

突然背後から声をかけられる。しかし、どこかで聞いたことのある声だった。

その声のした方を見ると、1人の少女がいた。

だが、覚えがない。名前も分からない。

 

ダレル「一体いつから……?!」

???「いつかわかる日が来ますよ、ダレル先生。」

 

少女が少しづつ遠くへと離れていく。

 

ダレル「待て!お前はなんだ、一体何者なんだ!?答えろ、女!!」

 

だが、その声は少しずつ小さくなっていった。

 


……最悪の寝覚めだ。

ここに来て昔の夢を見るなんて思ってもいなかった。

それに……。

 

ダレル「あの女は……誰だ?」

 

覚えがあるのは数名、かつて戦場で共に戦い生き抜いた仲間のシータ=ガヴォエル、そしてキサキ、ミナを含めた数名の生徒だ。

しかし、どれにも該当しない。

 

ミナ「どうした、ダレル?」

 

ふと声をかけられ、警戒態勢を取っていたダレルは昔の癖でLucasをミナに向ける。

 

ダレル「……ミナ……か。」

ミナ「……一体何があった?」

 

ミナは銃口を向けられているにも関わらず、冷静だった。

 

ダレル「いや、すまねぇ。ちょっと亡霊に付きまとわれる系の夢を見てな。」

ミナ「ふっ、ダレルにも恐れるものがあるんだな。」

ダレル「まぁな。」

 

近くにあったブラックサンダーを手に取りほおばる。

 

ダレル「んで、どうした?」

ミナ「門主様が呼んでいる、と言えばいいか?」

ダレル「おっけ、すぐ行くわ。」

 

すぐさま支度をしてダレルはキサキの元に向かった。

そして、ダレルが去った後、ミナはへたっと座り込んだ。

 

ミナ(け、結構、こ、怖かったな……あの目……。)

 

その眼差しは確実に相手を殺すという目だった。

 


キサキ「……ふぅ。」

 

キサキはいつもの日課であるある事を行っていた。

折り合いがつき、席に座る。

ふと、窓に目を向けるといつの間にかダレルが窓に座ってた。

 

キサキ「い、いつからいたのだ、ダレル。」

ダレル「あー、俺は何も見てないぜ。」

 

どうあってもあの事を見たかのような反応だった。

 

キサキ「……まぁよい。ダレル、今日は其方に用があって呼びつけた。」

ダレル「おうよ、密輸に護衛、機械点検や座学の代理、んでもって科学調合なり変装なり子供(ガキ)のお守りまでなんでもござれだぜ。」

キサキ「最初の部分は絶対に起こしてはならんぞダレル。」

ダレル「で?結局何の用よ?」

キサキ「ふふ、まぁ此度は其方に護衛を頼みたい。何せ……」

 


ダレル「クッソ…お忍びで出かけるってんなら断ればよかった……。」

キサキ「そう腐るでない、悪くはないだろうこういうのも。」

 

ダレルもそこそこいい変装だが、キサキの服装はそこそこ攻めている服だった。

はたからみればちょっとしたカップルにも見える。

 

キサキ「ねぇ、今日はどこに行きましょうか?」

ダレル「そうだねぇ、じゃあとっておきの場所に案内してあげるよ。」

 

と、恋人の真似事をしているとちょっとだけ噂話が聞こえる。

話してる内容は俺の見た目が山海経とは少し離れているがゆえのことだろう。

大抵は排他の考えのコソコソと話してるのが聞こえた。

そうして二人は小さな公園についた。

そこは人も子供すらもいない公園だった。

 

キサキ「ふぅ、ここまで来ればもういいじゃろう。」

ダレル「OK。」

 

二人は変装を解き、公園のベンチに座る。

 

ダレル「……キサキ、なんというかだいぶ排他的だなここは。」

キサキ「……其方もそう思うか。」

 

キサキはベンチで空を見上げ、話し始める。

 

キサキ「…ダレル、妾はこの席に着いてから見たものは多い。だが、今までの積み重ねでもあるのだろうな。」

ダレル「……まぁそんなもんだろ。で、ミナから聞いたが玄武商会とはあんまり仲がよろしくないじゃねぇか。」

キサキ「ふっ、耳が早いな。確かにその通りじゃ、革新を謳う玄武商会とは折り合いが悪い。……じゃが、」

 

ふと、キサキは空に手を伸ばし言う。

 

キサキ「玄龍門は……「玄龍門」のものじゃ。たとえ門主とはいえ、玄龍門としての在り方に反することは出来ぬ。そして妾がいなくなれば、山海経をダメにする無秩序な集団になってしまうだろう。」

 

その目は悲哀も入っていたのだろう。

 

ダレル「……まぁ、確かにな。どう見てもお前じゃなきゃ過激派を抑えられないだろうな。そんで、お前も知らないとこで抗争も起きてんだろう。」

キサキ「否定できんな。」

ダレル「だが俺はそんなこと知ったことじゃねぇ。」

キサキ「……まぁ、そうなるじゃろうな。」

ダレル「だが、お前のやりたいことは分かる。山海経の為に頑張るなんざ偉いことじゃねぇか。」

 

ダレルはまっすぐキサキの眼を見て言った。

 

ダレル「だからお前がもしこの先でどうしようもない時、玄龍門でお前が困った時は俺が必ず助けてやる。俺の眼とLucas(コイツ)が届く所は俺の国だ。」

 

その言葉にキサキはふと安堵の表情を浮かべ、笑った。

 

キサキ「大胆なことを言う…なら、其方のことを信じるとしよう。」

ダレル「お前は俺に引き金を引かせるなよ?」

キサキ「問題ない、其方に妾は撃てないからのう。」

ダレル「頼りにしてんぜ、キサキ。」

キサキ「うむ。」

 

そして二人はまた変装し帰路に着いた。

その帰りの道中、ダレルはキサキを信じ、改めて守る事を誓った。

 

ダレル(頼むぜ、キサキ。)

 

願いはいつか届く時が来る。

ダレルは宣言通り、ミナと共にキサキを守り続けた。

何回も、何回も、今度こそ後悔しないために……。

そうして、とても早く1年は経過したのだった。




皆さんお待ちかねぇ!
作者のワンダレルです。
さて、今回はようやくプロローグに入るという話ですはい。
ながっらくお待たせしましたマジで。
次からはようやく、ようやくブルアカ本編に入ります。
というわけで次回!
白銀の記録 第4話「あまねくなんかの始発点」
乞うご期待
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