術式 『アイドルオタク』 作:まこーらいつもありがとう!
楽巌寺「殺してやるぞ!末永愛彦!」
憂憂 「殺してやるぞ!末永愛彦!」
末永 「殺してやるぞ!楽巌寺嘉伸!」
面白そうな作品探してたらランキング(37位)に自分のが載っててビビりました。
えぇ……やっぱみんなも歌姫先生に甘えたいの?(風評被害)
なんだァ?てめぇ……?(激憤)
ヨガファイヤー出しそうな見た目の後期高齢者め……。こちとら感動の親子の再会、その真っ最中でござるよ?歳取ると空気まで読めなくなるんでござるか?
拙者、ただでさえ冥冥氏の強制圧迫逆面接を食らって既に(心が)満身創痍でござるってのに……。冥冥氏、なんで目を隠してるのに凄い圧の視線を飛ばせるんでござるの?怖すぎてあとちょっとで漏らすところだったンゴね…………。
ん、ここで漏らせば
やめろ!消えるべ!闇のわだす!!!
閑話休題
さて、そろそろ真面目にあの
…………う〜ん。心当たりが多過ぎて逆に分かんにゃい♡だって拙者、上層部の保守派から超嫌われてるからね。
……とはいえ、まぁタイミング的にある程度の予想はついてるでござるが……
「アッアッアッww……楽巌寺学長!お久しぶりでござるな!どうしたでござるか?推しドルのサイン色紙が転売されてるのを見つけちゃった……みたいな顔してるでござるよ?そんなに
一瞬、皺だらけの顔でも分かるほど苦々しい表情を浮かべたかと思うと、さも何も無かったかの様に取り繕う楽巌寺。…………この狸ジジイめ……それと転売ヤーは許さんぞ(鋼の意志)。
「……はて?何のことだ?儂はあくまでも貴様が遅れるかもしれぬという報告を受けたまで。……最近の若者は思い込みが激しく、ロクに人の話も聞けんのだな」
「出たでござるwww最近の若者構文ww…………老いぼれの自覚があるのは結構でござるが、性格の悪い老人なんて需要ないですぞ常考。引退しても介護してくれる相手が居ない老人は哀れでござるな」
楽巌寺と末永の間に流れるヒリつく程に緊迫した空気。それをさも興味深そうにしながら離れて観察する冥冥に、何が何だか分からないといった様子でアタフタしながらも心配そうな表情の歌姫たそ(可愛いね)
あくまで楽巌寺から意識は逸らさずに、教員室の中を静かに観察する。
(ふむ。ここには五条氏や他の教員は居ない様でござるな……。まぁ、好都合でござる。適当におじいちゃんに
「交流会の直前に与えられた臨時の任務…………要注意指定された呪詛師・通称『透明人間』の拠点の特定と潜入、そして捕縛。……さらに言えば、その拠点にはターゲット以上の強者が入り浸っているという状況……はっきり言って、コレ学生がやる任務じゃないでござるよね?任務自体に緊急性も無かったでござるし……嫌がらせとしか思えんのでござるが?」
「…………………」
「拙者、最初は加茂家の策略かと思っていたでござるよ?御三家の次期当主候補が2年連続で一般家庭出身の――――ましてや拙者相手に負けるなどあってはならんでござるからなぁ。ただ、さっきの反応を見て確信したでござる。……今回仕掛けたのは学長殿。いや、加茂家が絡んでいる可能性もあるでござるが、主犯が学長殿なのは間違いないでござろう。
…………よくも
「…………何を言うかと思えば。全て貴様の憶測だろう?……それに貴様に任務を与えたのは歌姫だろう?」
「そうでござる。だからこそ油断したンゴ…………歌姫先生。任務を受けてから急激に学園絡みの仕事が増えたり、代行者として僕の名前が挙げられたりしませんでしたか?」
ちらりと歌姫先生の方を方を確認する。口にこそ出していないもののかなり動揺した様子で、自身の推察が間違っていなかった事を確信する。
「はぁぁ……ここまであからさまでござるのに……どうせ調べても証拠なんて出ないんでござろう?いい加減、うぜってぇでござるな」
「口を慎め若造。……これ以上、謂れなき戯事を抜かすようならばその口、二度と開けぬようにしてやるぞ?」
「雑魚が何言ってるんでござるか?メスガキでもない、ただのおじいちゃんを分からせる趣味なんてないでござるが…………もしかして、早めの葬式でも開いて欲しかったンゴか?」
室内の温度が急激に下がると同時に、末永と楽巌寺のボルテージが上昇していく。もはや一触即発となった室内では2人の呪力がうねり合い、不可視の重圧を生み出していた。
しかしながら、彼らが衝突する事はなかった。なぜなら――――
「いや〜、ウチの生徒がここまで逞しく育ってくれるなんて、嬉しい限りだね!……正直、本音を言えば末永に加勢してあげたい所なんだけどさ。今、交流会直前なのよ。2人ともここは大人しくしててくれない?」
教員室のドアを開けながら五条悟――正真正銘、現代最強の男が入室する。
「盗み聞くつもりは無かったんだけどね?なんだか僕がトイレ行ってる間に随分盛り上がってるみたいだったじゃん?つい気になっちゃってね」
楽巌寺がさらに苦々しく顔を歪めるのとは対照的に、末永はすぐさま威圧感を消し平然とした表情を浮かべる。その様相こそが、今回の舌戦――その決着を象徴するものであった。
「とりあえずは末永、任務ご苦労様。話は聞いてたから、後のゴタゴタは僕に任せて。……きっちりと大人のケジメはつけるからさ」
「了解したでござるよ。……来てくれて助かったでござる」
「気にしない気にしない。元々君は悪くないしね。むしろ
………………って言いたい所なんだけどさ」
「?」
「悪いんだけど、末永。今年は交流会見学ね」
◇◇◇◇◇◇◇
やるせない気持ちと耐えがたい罪悪感。止めどなく溢れるそれらの感情が、私自身を徐々に呑み込んでいく。
私のすぐ隣を歩く少年――――末永愛彦に変わった様子は見られない。しかし『それが彼の思いやり』ではないと、どうして言い切れるだろうか?
彼から慕われ、信頼されていた大人であるはずの自分が、知らなかったとはいえ、その気持ちを裏切ってしまった。彼を汚い大人の策謀に巻き込んでしまった。
そんな考えが頭をよぎる度、私――――庵歌姫は、足取りが重くなる様な錯覚を覚える。
「それにしても五条先生が来てくれて助かりました。あのまま続けていても僕の立場が悪くなるだけでしたから…………。うん!おかげスッキリしました!」
落ち込んでしまった私を励ますためか、いっそわざとらしいくらいに明るい声を出す末永。その優しさに少しだけ救われる様な気分になって――――そんな自分に嫌気が差してしまう。
(はぁ……気を遣わせちゃったかしら?……駄目ね。これ以上、この子に何かを背負わせたくないもの。せめて私自身明るく振る舞わないと……)
「そうね。今回だけはあの
「気にしないでください!歌姫先生はそんな事をする人じゃない、っていうのはよく分かってますから!むしろ歌姫先生が行かなくて良かったかも?ケガなんかしちゃったら大変ですし?……なーんてね、あはは」
小生意気な事を言い出した、隣を歩く可愛らしい生徒の頭に軽いチョップを落とす。
「いてっ」
「なに調子乗った事言ってんのよ。……大体私だって準1級なんだし、大人なの。そんな気遣い要らないんだからね?」
自分に対する軽口を少しだけ唇を尖らせながら注意する。しかしながら、その下手人である末永自身は特に気にした様子もなく、にへらと幸せそうな笑みを浮かべており、思わず毒気を抜かれてしまう。
一連のやりとりのおかげで少しばかり自分の心に余裕が出来たせいか……やはり気になってくるのは先程の
「五条も五条よ。『他の生徒に経験を積ませてやりたいから、今年は見学しててね〜』だなんて……アナタだって生徒の1人でしょうに」
「僕は気にしてないですよ?というより、ここ最近学園に帰ってなかったせいで、下級生と全く面識無いですから……。正直、渡りに船だと思ってますよ」
「それだって……!」
思わず声を荒げそうになる。学園に戻れていないのは彼自身の意志ではない、『多くの任務を与えられて、その暇が無かったから』だろうと。
しかし、それを口に出してしまう事は『歌姫のエゴ』に他ならない。喉から出かけた言葉をギリギリの所で飲み込む。
ふと、末永の服に目線が移る。今まで気が付かなかったが、不自然に学生服の片腕のボタンが外れている。話を変える意味合いも込め、服装の乱れを指摘する。
「ねぇ、ボタン外れてるわよ?」
「ッ!?あっ、ほ、本当ですね。すぐ閉めますから……」
露骨に取り乱す末永。不審に思った歌姫は、本人の制止を無視して腕を掴み、裾をまくって服の下を確認する。そこにあったのは小さな火傷痕。既に処置を施した後なのだろう、皮膚の表面からは軟膏特有のテカリと独特な薬臭さが感じられた。
それだけ聞けば『ただ自炊にでも失敗して火傷しただけ』、多くの人がそう思うだろう。
――――しかしながら、その火傷痕は『人の手のひらの形』をしていた。
「えっ、ちょ、ちょっと!」
気がつけば私は彼を抱きしめていた。
大人達によって傷付けられたとしても相談せず、1人で抱え込んでしまう彼に同情したのか。それとも、自分を頼ってくれない事に対して怒りを感じたのか。それとも10歳以上も歳の離れた教え子に、心のどこかで母性の様なものを感じてしまったのか。
なぜこんな事をしたのか、自分自身でも分からない。しかし、それでも身体は勝手に動いていた。
やがて抵抗するのを諦めたのか、腕の中で末永が大人しくなっていく。少しだけ身長差があるせいで、傍から見れば私がしがみついている様に見られるかもしれない。
僅かな羞恥心を隠しながら腕の拘束を解き、正面から彼の瞳を――嘘や言い訳は許さないという意志を込めて――睨みつける。
「…………今回の任務?相手は強かったの?」
「まぁ…………はい。強くは無いです。歌姫先生だと厳しいくらいです」
もう一度、チョップを振り下ろす。
「いてっ」
「……なんで職員室の前に保健室に寄らなかったの?」
「それは……久しぶりだったので、早く会いたくて……」
もう一度、チョップ。
「いてっ……うぅ……ごめんなさい」
ようやく観念して素直になった末永の――項垂れて少し位置の下がった――頭を優しく撫でる。
毛先が指に絡まってしまわない様に、腕に強く力が入り過ぎない様に、気をつけながら丁寧に優しく撫でていく。末永は気持ち良さそうに目を細めながら、歌姫のされるがままになっている。
「大体、1人で抱え込み過ぎなのよ。まだ学生なんだから、しっかり大人に頼る事も覚えなさい。……それだって一つの社会勉強よ?」
「はい……」
「五条……は役に立たない事の方が多いだろうし、冥さん……はちょっとアレだけど……。力になってくれる、マトモな大人だって居るんだからね?」
「はい……」
「はぁ…………ほんとに分かって言ってるの?…………まぁ、いいわ!説教終わり!交流会まであと30分も無いんだから、早く硝子の所行って戻って来なさい!それと
「はい!!」
気持ちの良い返事をし、勢いよく走り去っていく末永の背に目を向ける。途中でコチラをふり返りながら手を振る彼は、今日一番の笑顔を咲かせていた。
そんな変わり者でどこか子供っぽい所のある少年に、苦笑しつつも軽く手を振り返す。なんだかんだ言っても元気そうな彼の様子に、少しだけ安心してしまう。
やがて呪術師にしては大きな彼の背中が見えなくなった後、歌姫は長年の疑問に目を向ける。
「それにしてもあの子……俗にオタクっぽいって言うのかしら?……なんで私の前だと普通に喋れるのに、他の人相手だと出来ないのかしら?」
前にそれと無く理由を聞いてみたものの、はぐらかされるだけだった。以来、歌姫自身も『そういうもの』だと納得して受け入れてはいたが、こうして久しぶりに直接話してみるとやはり気になってくる。
「私の前では“自然体でいれる”って事だったり……」
もし、そうであるなら良いと思う。いつも抱え込み過ぎな後輩にとって、唯一安らげる場所になれているという事だから。
少しだけ笑みを浮かべた歌姫は――先程とは打って変わって――足取り軽く教員室への道を引き返していった。
◇◇◇◇◇◇◇
んぉぉぉぉぉ!!!ぎもぢぃぃぃぃぃ!!
おっ♥︎おっ♥︎おっ♥︎(失神)
ふぅ〜〜(深呼吸)
ンアッーー!!キクゥーーッ!!
濃厚な母性が脳髄に染み渡るでござるね(天下無双)。それに拙者の火傷痕を見た、あの時の曇り顔――――アレが毎日見れるなら日本に四季なんていらないでござる(?)拙者、一年中曇り空の下で良いでござるよ。大英帝国バンザイ。
『人は、理性的であるから、酔わねばならぬ。人生の最上は、バブみによるオギャりと推し活にしかないものだ。本能寺』 まつえ
ふぅ……やっと心が落ち着いてきたでござるよ。BPM2000の心拍数が元に戻るンゴね。
正直、全部が上手く行き過ぎてて怖いでござる。五条氏公認の交流会見学からの歌姫お母さんの密着甘やかしASMR。これを思えば、先ほどの楽巌寺おじいちゃんとの
え?そんな事より、普段の口調と歌姫たんの前での口調が違い過ぎるって??
はぁ〜〜〜〜(クソデカ溜め息)
全く、なにも分かってないでござるね?『ただ甘えれば良い』、それは雑魚の思考でござるよ。真のオギャリストたる者、大切なのはロールプレイングによる
普段通りのオタク口調での会話はどうしても親子感が薄れるでござろう?それに、そういった界隈に疎い歌姫先生はどうしても
そう、没入感がぁ……違うんでぇ……ござるよぉ……(ネットリボイス
さて、交流会が見学になった今、同校下級生との顔合わせは試合の後に回しても構わんでござろうな。むしろ試合前の士気を思えば、知らないオタクに発破をかけられる事などマイナスにしかならんでござろうし。お〜ん(泣)
反対に、歌姫先生にも釘を刺されてしまった以上、家入氏の治療と
うむ。やる事がシンプルになって良かったでござるね。早速、行動を開始するでござる。
「ふざけるなぁぁぁぁあああ!!!!」
大地を揺らす様な大音量が響き渡り、木々に止まっていた鳥達が一斉に飛び立つ。私――――西宮桃は、可愛らしく整った顔を僅かに歪めながら、その声の主である東堂葵に非難の目線を向ける。まぁ、恐らく何の意味も無いだろうが。
交流会が始まる10分前。作戦や連携の確認を終えて、各々がストレッチやら精神集中に取り組んでいた時、
西宮と同じ3年でありながら、1級術師の末永愛彦。
相変わらずの彼の弛んだ体型と挙動不審で不可解な言動に、私は女性として思わず不快感を感じてしまう。しかし、私はその感情を口に出す事は出来ない。それだけの力の差とトラウマを、私は去年の交流会でこの男に植え付けられてしまったからだ。触らぬ神に祟りなし。
見れば私と同様――真っ先にあの男に狙われた真依も顔を青くしながら、身を縮こませている。
(カワイイ後輩を怖がらせたアイツはぶっ飛ばしてやりたいけど……ここで出て行っても拗れるだけ。大体、東堂とアイツに挟まれるなんて地獄でしかないじゃない。はぁ…………)
突如として京都陣営に現れたあの男は、いきなり『交流会への不参加』を宣言した。唐突で一方的なその知らせに、参加者の多くがホッと胸を撫で下ろすなか、唯一東堂のみが激昂した。そして今、現在に至る。
「……どういうつもりだ?マイフレンドであり、ライバルでもあるお前が不参加だと?」
「そのままの意味でござるよ。後輩に華を持たせるため、見学してるよう五条氏に言われたんでござる」
「それを聞いてこの俺が納得するとでも?骨の無いくだらん連中を相手にするくらいなら…………俺は今ここで、お前と始めてもいいんだぞ?」
「それは困るでござるなぁ…………ただ、
「……確かなのか?」
「知らんでござる。拙者、面識無いし」
あたりに緊張感が漂い始める。末永に構える様子は見られないが、今の東堂にはいつ飛びかかってもおかしくない恐ろしさがあった。しばらくの沈黙の後、静かに東堂が語り出す。
「……なぁ、末永。本当に参加しないのか?」
「……そうでござるな」
好戦的な様子から、一転して寂しそうな表情を浮かべる東堂。普段の態度からして、ここまでしおらしくなった東堂は、同じ京都校である私達でさえ見た事が無い。少し気持ち悪いな、と思うと同時にこんな一面もあるんだと内心驚く。
末永もどこかバツが悪そうな表情を浮かべている。
「…………分かったでござるよ。腐っても友達の頼みでござるからな。……交流会が終わって、元気が有り余るようなら
「ッッ!!あぁ!!それでこそ我が好敵手!思う存分、やり合おう!!!!」
一瞬で元気を取り戻した東堂が固く拳を突き出す。苦笑する末永も、その想いに応える様にして拳を突き合わせていた。漢と漢の熱い青春ドラマ、その一幕を目にした西宮は――――
(なにこれ?バカらし……)
冷めた瞳で2人を眺めていた。
――――数時間前 都内某所
照りつける強烈な日光が薄いビニールのビーチパラソルを貫通して、真っ白な砂浜の上に七色のゴシック模様を描き出す。ふと耳をすませば、砂浜に打ち付けられるさざ波の音が耳に心地良く感じられる。
まるで南国のリゾートを思わせるこの空間は、都内の
グラスいっぱいに氷を詰め込んだソーダを片手に、目に優しい色のゆったりとしたアロハシャツを着込んだ
「そう言えば、今日の高専襲撃なんだけど……新しく追加メンバーが来るからよろしくね」
食事の献立を決める時の様な気軽さで、襲撃計画の変更を報告する。
隣で同じ様にビーチチェアでくつろいでいた男――――顔中を継ぎ接ぎして無理矢理くっつけた人間、そんな見た目をした白髪の呪霊・真人が抗議の声を上げる。
「えぇ〜。ただでさえ、人間の呪詛師が2人も来るんでしょ〜?後は俺たちだけでいいじゃーん!」
呪霊として純粋で、実に奔放な彼らしい物言いに軽く笑みを浮かべながら答える。
「まぁ、そうなんだけどね。いわゆるダメ押しみたいなものだよ。…‥たまたま目的が一致しただけの、一時的な仲間に過ぎないさ」
「ふ〜ん」
興味深げにコチラを窺う真人に、詳しい話を説明する。
「つい先日、
「はぁ?何それ?誰かが俺らの情報を流したって事?」
「さぁね?向こうが抱えてる術師に『そういうのが分かる』奴が居るだけかもしれないし……。どちらにせよ、高専にさえ情報が流れなければ問題ないさ」
どこか腑に落ちないといった様子で唸る真人に思わず苦笑してしまう。実際夏油からして見れば、この一件は割とどうでもいい出来事だった。“たかだか一マフィアごとき”に今回の情報が渡っていようと、真の計画には大して影響を及ぼさない。もし仮に、向こうが何かしらのアクションを起こしたとしても、その程度どうとでもなる。
「……あ〜あ、うざいなぁ。全員殺してやれたら楽なのに。…………って事は、もしかしてかなりの大所帯で高専に侵入するの?」
「いや、向こうから――マフィアから派遣されるのは1人だけだよ」
「1人?」
「うん。どうやら戦闘・暗殺部門のトップらしいよ。私も直接会った事は無いけれど、この業界じゃあそれなりに有名だよ」
そこまで聞くと一転して、真人は瞳を輝かせながら身を乗り出してくる。
一見すると新しい玩具を目の前にしてはしゃぐ子供の様に愛らしい仕草だが、その瞳には「面白い奴なら俺が殺してやりたい」という呪霊らしい、禍々しくも歪んだ願望が浮かんでいた。
「……一応言っとくけど、こちらから先に手を出すのはやめておくんだよ?我々が目立つにはまだ時期が早過ぎるし、下手な恨みを買ってちょっかいを出されたくないからね」
「向こうが先に手を出してきた場合は別に良いんだろ?……それにもしソイツが使えない奴だったなら、それを理由にして作戦前に殺しても文句は言われないんじゃない?」
「それについては問題無いと思うよ」
「少なくとも今日、同行する他2人の呪詛師よりは
この刺客が最後のオリキャラです。
ちょこっと一口
末永は、歌姫の前では(没入感を味わうために)猫を被るし、実は普通に喋れる
西宮は末永がマジで嫌いだし、真依はトラウマを抱えている
末永は意外と友達思い