なんでこう、次から次へと訳の分からない概念が──
突如脳内に溢れ出した、
当初の想定よりもかなり話がとっ散らかってしまった感じはしますが、本編はこの話で締め括ります。
後は短編みたいな感じで、各陣営を書けたら良いな。特にレッドガンは書いてみたい。
後書きにも、執筆中に思い浮かんだ小ネタを書いてるので是非。
「政府」による惑星封鎖機構の派遣及びルビコン3の恒久的封鎖の宣言。
これに対してアリサワ本社はアリサワグループの代表として、以下の内容を以って猛抗議を行った。
・ルビコン3にはまだ救助艦隊が収容しきれなかった多数の生存者が居る。しかもアイビスの火によってルビコン3のあらゆるインフラが壊滅しており、このまま星外からの支援が無ければ膨大な餓死者が発生してしまう。
・封鎖時、生存者達をルビコン3から脱出させる手段が明言されていない。もし退避勧告のみを実行し、ルビコン3からの脱出の援助は行わないなんて事なら、アリサワグループはルビコン3の生存者を見捨てる行為と認識せざるを得ない。
・そもそもアイビスの火の観測情報は、救助艦隊が救助活動で副次的に手に入れたに過ぎず、情報が不足している。恒久的封鎖の決定は時期尚早ではないのか?
・こっちは人助けしたいだけなんだから、ある意味封鎖の手伝いは出来るだろ?そっちの言いたい事は分かるから、ルビコン3を封鎖する事自体は別に構わない。だけどせめて進入許可をくれ。
・進入許可さえ貰えれば、人道支援活動と活動資金は全部受け持っても良い。ていうか受け持つ。だから早く首を縦に振れ。
この発表の直後から「政府」に対してアリサワ本社は直接交渉を開始。
なぜ惑星封鎖機構ではなく「政府」との交渉を選んだのか。それにはしっかりとした理由がある。
…
まず前提として、惑星封鎖機構を管轄しているのはAIである。
そもそも「封鎖惑星」に指定された惑星には、封鎖惑星になるに足る理由が存在する。
例えば、一息吸うだけで麻薬中毒症状を発症し、やがて死に至る危険な花粉を散布する、繁殖力及び環境適応力が高い植物が発見された惑星。
例えば、惑星開発の事故で深刻な環境汚染を引き起こす危険粒子が拡散され、入植不可能となった惑星。
例えば、惑星開発によって刺激された危険な原生生物が大繁殖し、入植していた人類を殺戮された惑星。
人類社会そのものに影響を及ぼし得る要素を惑星ごと封印し、人類社会を守護する。
その為ならば数億の人命すらも切り捨てる、その選択に心情や人情は介入されるべきでは無い。そこで躊躇や逡巡が生まれれば、犠牲はそれだけで済まないかも知れない。
だからこそ、惑星封鎖機構の指揮系統はAIに委ねられた。
惑星封鎖機構中央統括AI「パクス・ブロケーオ」。
惑星封鎖機構が派遣された地域に配備された封鎖管轄AIを統括し、あらゆる封鎖活動を取り纏める。
人類社会を護る為には合理的で、無慈悲で、正確な戦略が求められる。そこに不正や腐敗が存在する事は許されない。
この条件を満たせる人材は極めて限られるが、AIならばそれが可能。
故に惑星封鎖機構が封鎖した惑星に進入する事は、惑星封鎖機構以外の者は認められる事は絶対に無い。
ただ一つの例外を除いて。
パクス・ブロケーオには、AIの暴走を防ぐ為に設計された安全機構が存在している。
その一つが、
上位命令機能は、文字通り惑星封鎖機構の上位機関である「政府」が保有している。「政府」による上位命令が発令されれば、パクス・ブロケーオは最優先で上位命令内容を確認し、その内容が惑星封鎖を崩壊させてしまう程に破綻した物で無い限り100%認められ、実行される。
アリサワ本社はこの
…
アリサワ本社と「政府」の交渉は、最初から暗礁に乗り上げた。
如何せん今回の人命救助活動にアリサワ本社が本気を出しているように、「政府」も
人類社会を緩やかに支配する「政府」にとって、第二のアイビスの火が起きる可能性は絶対に許容出来ない。
今回はルビコンとその周辺の星系が燃える
今回ばかりは緩やかな手段ではなく、断固たる厳格な手段を以ってルビコン3を封鎖しなければ、人類社会の崩壊すらあり得る。
「政府」はそう判断し、アリサワ本社の要求に対して否を突きつけている。
対するアリサワ本社も、はいそうですかと簡単に諦める訳には行かない。
「どんな場所でも、あらゆる人々に食べ物を」。その社訓に例外は存在しない。
どんなに貧しく、苦しい生活を送る人々でも。
どんなに過酷で、凄惨な戦場に立つ兵士達でも。
どんなに遠く、過酷な環境に置かれた
人種が違っても、住む場所が違っても、所属企業が違っても。
果てには、人体実験の果てに人権すら奪われた、哀れな強化人間であったとしても。
どんな人間にも幸福を追求する権利があり、そして我々には
そして今、その幸福と共に人類社会から見捨てられようとしている人々がいるならば、その人々を救い出す最後の希望となるべきだ。
それがアリサワ・コーポレーション、そしてアリサワグループの社訓と解釈であり、原動力。
正にアリサワグループの正念場だと言わんばかりに、アリサワ本社のみならずアリサワグループ全体が総力を以って様々な圧力を掛けていく。
しかし「政府」も負けじとルビコン封鎖に関する正当性の主張や、第二のアイビスの火に関する被害想定の宣伝を開始。
交渉は一進一退の五分五分。
生存者救助の為にも短期決戦で決着を付けたかったアリサワグループにとって、交渉が長期化してしまった時点で一種の敗北に近い。このまま手間取っていれば、惑星封鎖機構の封鎖艦隊がルビコン3に辿り着いてしまい、進入許可を得るのがより困難になると予想されているからだ。
一方で「政府」も、アリサワグループがここまでの拒絶反応を見せ、今まで殆ど見せて来なかった政治力を全面的に押し出してくるのは想定外だった。しかし惑星封鎖機構がルビコン3に到着するまで耐え凌ぐ事が出来れば、後はなし崩しのようにアリサワグループのルビコン3進入を完全に止める事が出来る。
しかしここで、新たな勢力が姿を現した。
ベイラム・インダストリー、アーキバス・コーポレーションが突如アリサワグループの姿勢に賛同を示し、アリサワグループ側に立った。
当然だが、何よりも利益を最優先する両グループがアリサワに手を貸したのも、ある見返りを求めて。
両社がそれぞれアリサワに条件として求めたのは、ルビコン3に滞在していた研究者等、特定人物の優先的な捜索及び救助。
ルビコン技研都市がコーラルを発見、研究している最中。コーラル利権に一枚噛めるチャンスを探る為、両社は有力な研究者やスパイ等をルビコン3へと派遣していた。
スパイは兎も角、研究者となると使い捨てるには惜しい程度には価値がある。しかし「政府」から封鎖発表された際、両社はあっさりと救出を諦めていた。
しかしそこに、アリサワグループの猛抗議が目に入った。アリサワに少し力を貸せば、諦めていた人的資源の
そんな思惑が透けて見えているのは、協力を持ち掛けられたアリサワ本社も分かりきっていた事だが、今は一分一秒が値千金の価値となる。
その条件を飲み、ベイラムとアーキバスを味方へと引き込んだ。
アリサワ、ベイラム、アーキバス。
人類社会の三大企業、事実上の三大グループが協力して圧力を掛けてくる異常事態に、流石の「政府」も交渉を引き延ばし続ける事は出来ず、妥協せざるを得なくなった。
・進入許可はアリサワ本社が保有する、輸送艦及び護衛艦から成る
・コーラル調査は救助活動時の探査を除いて一切認めない。その際、コーラル関連の情報は惑星封鎖機構に全て引き渡す事。
・ルビコン3から離脱する際、無作為に抽出した輸送艦は惑星封鎖機構の監査を必ず受ける事。
・惑星封鎖機構が制圧している土地の侵犯は認めない。侵犯した場合は警告を発し、退去しない場合は武力行使を実施する。
・進入許可料の代替として、ルビコン3に進駐している惑星封鎖機構の部隊に対して、割引で食糧を提供する事。
・以上の条件を遵守する場合に限り、ルビコン3への進入を特別に許可する。
以上の条件でアリサワ本社と「政府」の交渉は取り纏められ、上位命令としてパクス・ブロケーオに送信、受理された。
それは惑星封鎖機構の封鎖艦隊がルビコン3に到達するまで、後1ヶ月となる時の出来事だった。
…
そうして始まった、アリサワグループの救助活動。
この為だけに
かなり大掛かりな計画の為、第二次救助艦隊の編成及び出発だけでおよそ1年もの月日が掛かった。
その上アリサワ本社にとって予想外だったのは、何と過半数を超える数の生存者が、ルビコン3に留まる事を選んだのだ。
より特徴的だったのは、救助艦隊に乗ってルビコン3から離れる事を選んだ生存者は、
明確に行動が分かれた理由の一つとして考えられるのは、コーラル汚染。
超巨大建造物に避難していた者達は、救助艦隊の援助もあってコーラルを浴びる事やコーラルに汚染された食料を食べる事になる事は殆ど無かった。対してそれ以外の者達は、アイビスの火によってそれなりのコーラルを浴び、尚且つ生き延びる為に燃え残ったコーラルを餌として育った、コーラル塗れのミームワームを食べていた。
コーラルには麻薬の効能もある。約1年半もの間コーラル塗れのミームワームを食べ続けた結果、身体が汚染されてルビコン3から離れたくても離れなくなったのではないか、とも考えられている。
だが所詮は仮説止まり。それに加えてコーラルに関して、アリサワには分からない事が多過ぎる。
無理矢理連れ出そうとしても、地上に降り立てられる人員は艦隊の規模に比べて極めて限られている為、そんな強硬手段は取れない。
最終的にアリサワ本社は、更に同規模の艦隊をもう一つ建造及び編成。
総数720隻の3艦隊をローテーションする事により、半年毎にルビコン3に人道支援が継続的に行える体制を確立した。
…
それから約半世紀の現在。
生存者改めルビコニアン達がルビコン3解放を目的として「ルビコン解放戦線」を結成。
ルビコン3で活動していた独立傭兵による、コーラル再検知のリーク。
コーラル再検知のリークにより、ベイラムグループとアーキバスグループがコーラル利権を求めてルビコン3への不法進駐。
ドーザー同士による、コーラルドラッグの販路の奪い合い。
一攫千金を夢見る傭兵達の密航。
今のルビコン3は、絶え間ない戦火の炎が吹き荒れている。
それでも、アリサワ・フードコーポレーションはルビコン3へ食糧を運び続ける。
『アリサワ・フードコーポレーションです。お待たせしました、食糧の配達です』
『此方は『壁』管制オペレーター。いつもありがとう。誘導する、指示に従って着陸してくれ』
値段の差異こそあれど、提供先は選ばない。
「1番訓練成績の良い奴には、ワギュウブランドの1番高い肉を奢ってやる!あのババアが焼く肉は美味いぞ、食いたければ死ぬ気でついてこい!!」
「相変わらずアリサワは我々を足元に見ている…しかしフィーカは美味なのが、また腹立たしい」
ルビコニアン、星外企業、ドーザー、独立傭兵。その全てがアリサワ・フードコーポレーションの商売相手。
『あー…一応聞くが、前回みたいな事にならないよな?』
『安心しな、コーラルをキメている馬鹿共は奥に下げてる。もしまたやらかす奴がいたら、私が直々に蹴っ飛ばすさ』
アリサワには戦いを止める力を持っていない。しかし人々を助け、支え続ける事は出来る。
『レイヴン、あそこがアリサワのヘリの着陸地点よ。良い物が買えたら良いわね』
アリサワ「生存者見捨てて封鎖とか何考えてんの?救助活動こっちで全部受け持つから進入許可くれ」
ベイラム&アーキバス「そうだそうだー」(って言っとけば、アリサワに人的資源回収して貰える)
政府「………………条件付きでルビコン3進入して良いよ」
アリサワ「おk、救助活動は任せろ」
第二次救助艦隊「結構な人数がルビコン3から離れてくれないんですけど」
アリサワ「…ならしょうがない。人道支援は継続するぞ」
半世紀後(原作時系列)
アリサワ「皆ー、いつも通り美味い飯持ってきたよー」(モールス信号打ちながら大気圏降下)
各勢力「わぁい」(直前から紳士協定による自然停戦)
小ネタ集
企業グループの大雑把なイメージ
ベイラムグループ
影響力:スゴイ
戦力:物量による制圧
政治力:現場は滅茶苦茶優秀だが、上がひたすらにクソ
アーキバスグループ
影響力:スゴイ
戦力:量より質な側面がある
政治力:現場も上も優秀、但しスネイルのストレスは溜まる
アリサワグループ
影響力:美味い飯を作って皆と食べたい。
戦力:ウチの美味い飯が二度と食べれなくなっても良いんだな?
政治力:そんな事より皆で炬燵入って鍋つつこうぜ!
各陣営が好んでそうな飲み物や食べ物
レッドガン
飲み物はビールや日本酒。
絶対ミシガンがレッドガンやミシガン直属のMT部隊隊員全員を集めて、楽しくBBQしてる。
食堂のババアが焼いた肉と野菜は絶対滅茶苦茶美味い。
ヴェスパー
飲み物は主にワイン。
フロイトは空気読まずに炭酸飲料。
スネイルはストレス軽減の高級フィーカ。
ラスティは酒は好まない(という設定)から綺麗な水。
フランス系統の料理を好んで食べてそう。
ルビコン解放戦線
綺麗な水…美味い缶詰…!
コーラル塗れのミームワームじゃなければ何でも良い!
621
ウォルターがまたアリサワの強化人間用食糧を買ってきてくれた。
アリサワ「強化人間でも美味いと感じてくれる飯を作る。当然の事だ」