ルビコン3食糧輸送記録   作:クローサー

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現在の小ネタ状況一覧

もう少し設定や展開が煮詰まれば書き始められそうなネタ
・ルビコンの解放者√ 「遊撃艦隊撃滅」
621と合流し、共同でスマートクリーナーを撃破したラスティ。ザイレムに接近するアーキバス遊撃艦隊を迎撃する為、単身で艦隊と相対する。圧倒的な物量差に苦戦しつつ、何とか戦闘を進めていた──

書きたくてもアイデアが浮かばないネタ
・レッドガンBBQ
・解放戦線withアリサワ
・621とアリサワ製強化人間用食糧


今話投稿後の追記
感想返信のついでに小説情報を覗いたら、なんかお気に入り登録数が3倍位増えてたし評価バーも赤だった。ありがとう、ありがとう…


番外編という名の小ネタ集
お人好しな始発点 前半


全ての始まりは、或る男の一言からだった。

 

「俺は、不味い飯を延々と作り続けたいんじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当時の人類社会は恒星間航行技術によって、光年単位ですらそれなりに気軽に行き来出来る程度に世界が狭くなっていた。

数十の惑星に入植し、開発し、資源を集め、それを糧にして更にその先の惑星へ。人類社会の経済そのものとも言える星外企業達は、ライバル企業に負けないと言わんばかりに、惑星開発にあらゆるリソースを集中していた。

 

それ故に、惑星開発とは関係ない分野や文化は尽く切り捨てられ、退化し、代替されていく。

最も代表的な一つは、美術。それらは人の手で作られる事は無くなっていき、AIの出力によって代替され始めている。速く、安価で、お手軽な働き手となったAIによって、人間の美術家は急速に駆逐されつつある。

 

 

そしてもう一つが、食文化。

数十の惑星に入植し人口爆発を続ける人類の食糧需要に対して、食糧供給は全くと言って良い程に追いついていなかった。

しかし惑星開発を遅れを取るような事をしたくない。そう考えていた星外企業達はこう考えた。

 

「自然を使って食糧を作るから無駄に時間が掛かるし足りなくなる」

「だったら、「化学的」に素材を合成して作れば良い。速いし大量生産も容易、一石二鳥だ」

 

そうして「天然食糧」の代替として開発されたのが、「合成食糧」。

その名の通り、非生物素材をも含めた代替可能素材を使って化学的に合成して食糧を生み出す、現代の錬金術。

これによって不足していた膨大な食糧需要を満たす事に成功し、増え続ける需要に確実に応える供給を手に入れた星外企業は、改めて惑星開発へと全力を注ぎ始めた。

だが当然の事ながら、合成食糧には合成食糧なりの欠点がある。

見た目は天然食糧そのもの。食感も天然食糧にそれなりに近い。

 

しかし何よりも、「不味い」。美味なんて感じる余地すら無い程に不味い。

取り敢えず見た目と食感をそれなりに再現して、何よりも大量生産出来れば良いという考えの元に開発されたというのもあるが、何よりも当時の技術の限界もあった。

条件さえ合えば無機物すら素材とする合成食糧で、「取り敢えず人が食べれる味」に仕上げられただけでも上等とさえ言えた。何せ紐付きの星外企業達は「食べられる事さえ出来れば良い」と言って、無機物な素材が多くを占めていたのだ。

とはいえそんな酷い食糧を作っても、人並みな生活を送るには十二分な給料が出ていたし、後に世代交代によって不味い飯に元から慣れていた者達にとっては、品質向上を行うという発想すら無かった。

 

そうして不足分を補うように大量生産され始めた合成食糧だが、これが食文化への死滅の始まりだった。

食糧不足で飢えていた人々にとって、不味くても腹を満たせる食べ物があれば当然それに飛び付く。餓死が目の前にあれば、味などどうでも良いのは至極当然。

辺境どころか中心部(太陽系)の一般層の人々すら食料の調達に苦労し始めていた状況では、食事とは「生きる為」のピースと成り下がっていた。

 

 

素材を集め、合成し、包装する。

食材とはそう作られる物であるという事が当たり前となり、食事とは生きる為に食べているに過ぎない。

それが「一般的な常識」であるとされてから、数十年が経過していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして話は、冒頭に戻る。

 

「俺は、不味い飯を延々と作り続けたいんじゃない」

 

そう言った男はすぐさま上司に辞表を提出し、気が合う同僚達に声を掛けつつ手にかけていた仕事と共に引き継ぎ作業を終わらせると、用は済んだと言わんばかりに、同調してくれた同僚達と共に退社した。

彼等は早速会社を起業すると、借金して建物と倉庫を借り、仕事道具を購入。それ等を搬入すると休む暇無く自分達が売り出す商品開発を開始した。

 

 

商品コンセプトは、「美味しい合成食糧」。

元より不味い飯を作り続ける事が嫌で企業を退社した者達の集まり、なればそのコンセプトとなるのは必然。後はそれに向けて開発するだけ。

 

そして幸運だった事を代表して一つ挙げるとするならば、社長となった男がこの分野に於ける「天才」の才能を開花させた事だろう。

 

そも合成食糧とは、適切な素材を製造機械に投入し、何の食材を合成するのかを入力すれば、後はプログラムに沿って化学合成され、完成する。

合成食糧の生産の殆どの過程を機械に委ね、人間は素材の投入と機械のメンテナンスだけで済む。そして味は不味くとも100%同じ味が保証され、ブレる事はない。

 

男は此処に、主に二つの工夫を加えた。

一つは、投入する素材は塩を除いて有機物のみとし、無機物は一切使用しない。

一つは、製造プログラムに「遊び」を持たせる事。

 

素材に言うまでもなく、品質向上の為。人が食べる物の素材に無機物を含めるなど、味の云々を評価する以前の問題だとして真っ先に決定された。既存の有機物素材の流通量は比較的少ない為、代替可能な有機物を探さねばならない所だが…そこは企業を辞める前にコッソリと調べて大まかな当たりを付けていた為、用意する事は簡単だった。

製造プログラムについては、それぞれの食糧の「個性」を引き立たせる為。既存のプログラムでも味の再現は素材の品質されあれば十分に再現出来たが、味があまりにも同一で単調過ぎたのが男にとって気に食わなかった。そこで製造時にほんの僅か、0.01%未満の範疇で素材の比率をランダム化させる事により、既存の製造プログラムでは再現出来なかった食材ごとの「個性」を引き出す事に成功した。

 

 

いくつかの試作と改良を経て開発された新しい合成食糧を量産した彼等は、早速スーパーやコンビニ等の販売店に足を運び、売り込みを掛けた。

最初こそ星外企業の紐が付いていない小さな企業の売り込みなど殆ど相手にしていなかったが、取り敢えず食べてみてくれと差し出された合成食糧。それを調理して食すと、共通してこの一言を放った。

 

「美味い」

 

それをきっかけに、容易く交渉は纏まった。

後は販売されて人気となった合成食糧の売り上げを元に倉庫…もとい工場と人員を拡大させ、より広範囲に売り込みを掛け、更に商品を開発しつつ会社を拡大させる。

このサイクルを繰り返せば、あっという間に大企業の仲間入り。

 

当然同業他社はこの台頭を座して見ている訳でもなく、取り潰そうと画策するが全く通用しなかった。

そもそもとして紐元の星外企業の認識として「飲食業は全く儲からない」であり、しかし食糧が無くなるのはそれはそれで困る。という事で最低限の援助を惰性でやっているに過ぎなかった。そこに「このままだと潰れるから支援してくれ」と言われた日には、その回答は以下となった。

 

「何で儲からない分野に金出さなきゃ行けないの?折角援助出さなくても勝手にやってくれる奴等が出てくれたんだし、お疲れ様」(悪いんだけど惑星開発で手一杯で、其方に援助を増やすのは難しい。企業努力で頑張って)

 

という訳で、競争力を失っていたライバル企業は紐を切られて(損切りされて)次々と倒産。倒産せずにギリギリ存続を続けられた幸運なライバル企業も、やがては傘下に入っていく。

ガラ空きとなったシェアを埋めるように、元ライバル企業の人員や設備をブラックホールのごとく吸収拡大を続け、それに伴って社名を改名した彼等の企業は、指数関数的に成長を続け。

 

気付けば彼等の企業…「アリサワ・フードコーポレーション」は、大規模グループを形成する立派な「星外企業」の仲間入りを果たしていた。




星外企業「食べられるんなら不味い飯でも良いだろ」
飲食業界「援助はクソだし、作れる飯も不味いけど、まぁ給料出てるから良いや」
或る社員「俺は美味い飯が作りたいんだよ!!!!」

新興企業「新しい合成食糧を売り込めー」
販売業達「この合成食糧、美味い!買えるだけ買うぞ!」
飲食業界「ヤバイこのままだと潰れる助けて!」
星外企業「いや、金出しても儲け無いじゃん。丁度良いし損切りするわw」
飲食業界「」

アリサワ(新興企業)「やったぜ」
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