カンニングの濡れ衣を着せられた秀才が試召戦争で大暴れする   作:Kicks

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第11問

「坂本君、Bクラスに宣戦布告を済ませた?」

 

「ああ、昨日の午後のテストの合間に済ませた。」

 

「あの、明久君…。」

 

昼休憩中、神野が雄二にBクラスに宣戦布告したかの確認を取った。

 

「雄二、よくボロボロにならずに済んだね?」

 

「まあ、Bクラスに宣戦布告の内容を紙に渡して戻っただけからな。」

 

雄二は明久の質問に何てことも無いようにして返す。必死で現状から目を逸らしつつ。

 

「それならどうして、僕にDクラスの時に教えなかったのさ。」

 

「自分で考えろよ、それくらい。」

 

雄二があっさりと返す。

明久は冷たい対応に憤慨しつつも状況に目を逸らしてた。

 

「あの、明久君!!」

 

「「「…はい…。」」」

 

明久達はとうとう逸らしていた現実と向き合うことになった。

 

「あの、よかったらこれをどうぞ…。」

 

「…は、は、は。ありがとう…。」

 

ガタガタガタガタと明久達は震えていた。

ちなみに、ムッツリーニは早々に学食に行って、逃亡していた。

 

「はい、お弁当。今度は失敗がないように、美波ちゃんと怜奈ちゃんと一緒に作って味見しましたから!」

 

「「「おお!」」」

 

明久達はホッとした。生命の危機になる可能性が低いことを知ったからだ。

 

「橘さん、美波ありがとう。」

 

「二人は生命の恩人じゃ。」

 

「いよいよ、昨日見捨てて逃げたお詫びだし。」

 

「それに、死人を出してしまったら、目覚めが悪いしね。」

 

「でも、材料費とか大丈夫か?」

 

雄二は、お弁当の材料費とか心配した。

 

「はい、大丈夫です。材料は美波ちゃんと怜奈ちゃんも用意しました!」

 

「ウチは母子家庭でよく作りすぎるからね。」

 

橘は特に気にした様子もなく返す。

 

「そうか、じゃあ何かお礼をしないとね…。」

 

神野は、しみじみと思う。

 

「じゃあ、今度の週末、ファミレスで勉強教えてくれない?」

 

「うん?いいよ。」

 

橘のお誘いに神野は快諾した。神野はいつも休日に図書館で勉強をしているので、大して変わることはない。

 

「じゃあ、アキ。今度の休みに、駅前の『ラ・ペディス』でクレープ食べたいな~」

 

「だ、ダメです!吉井君は私と映画を観に行くんです!」

 

「え、塩水で生活しているのに、そんな贅沢できないよ。」

 

「諦めろ、明久。弁当を作ってくれるんだから、それくらい甘んじて受けろ。」

 

雄二が明久を説得し、明久を納得させる。

 

こうして、皆は特に食中毒を起こすことなく、無事に和気藹々とした昼休みを送ることができた。

 

 

「さて皆、総合科目テストご苦労だった。」

 

教壇に立った雄二が机に手を置いて皆の方を向く。

 

今日もFクラス達は午前中にテストを受け、全科目が終わってBクラス開戦前のブリーフィングに参加していた。

 

「午後はBクラスとの試召戦争に突入する予定だが、殺る気は十分か?」

 

『おおーっ!』

 

設備が変わってないので、Fクラスのメンバーはモチベーションは下がっていない。

 

「今回の戦闘は敵を教室に押し込むことが重要になる。その為、開戦直後の渡り廊下戦では絶対に負けるわけにはいかない。」

 

『おおーっ!』

 

「そこで、前線部隊は姫路瑞希に指揮を取ってもらう。野郎共、きっちりと死んで来い!」

 

「が、頑張ります。」

 

姫路は男のノリについていけないのか、若干引き気味で一歩前に出る。

 

『うおおーっ!』

 

Fクラスの男子勢の士気は最高潮に達しようとしていた。

 

今回の目的は廊下での戦闘で勝ちに行くことだ。校内2位の姫路と40人のFクラス生徒が参加しているので、廊下での戦闘はまず取れるだろう。

 

「明久、神野、姫路!」

 

雄二が神野と明久を呼びかける。

 

「明久は、姫路が消耗しないようにアシストに徹しろ。」

 

「Dクラス戦と同じ戦い方だね、わかったよ。」

 

「姫路は、数学でBクラスのメンバーを何人か倒して士気を上げるだけでいい。」

 

「わかりました!」

 

「神野は、前線に参加するが基本的には戦うな。少なくとも得意科目な数学と化学を使うな。」

 

「え?なんで?」

 

神野は不可解な指示に疑問を浮かべる。渡り廊下を取ることが必須なら得意科目で挑むならそれが普通だと思ってたからだ。

 

「Bクラスの後半戦でお前の戦いが肝要になって来る。姫路がDクラス戦でマークされているからな」

 

「…何となく、坂本君の狙いが読めてきたよ。わかった、戦うのは控えるよ」

 

キーンコーンカーンコーン

 

昼休み終了のベルがBクラス戦開始のゴングとして鳴り響く。

 

「よし、行ってこい!目指すはシステムデスクだ!」

 

『サー、イェッサー!』

 

今回は敵を教室に押し込むことが目的であるので、勢いが重要となる。

 

そのため、Fクラスメンバーがほぼ全力でBクラスへと向かう廊下を駆け出した。

 

今回の勝負科目は数学で、長谷川先生を呼んだ。Bクラスは比較的文系が多いのと、なぜか長谷川先生は召喚可能範囲が広いというのが理由である。

 

また、英語のライティングの山田先生と物理の木村先生を呼んでいる。立会いの教師を多くして一気に駆け抜けることが目的だ。

 

「いたぞ、Bクラスだ!」

 

「高橋先生を連れているぞ!」

 

明久が正面を見るとゆっくりとした足取りでBクラスのメンバーが歩いてくる姿があった。

 

人数が10人程度で、様子見といったところである。

 

「生かして帰すなーっ!」

 

物騒な台詞が皮切りとなり、Bクラス戦が始まった。

 




現時点の姫路の料理レベル:
生命の危機⇒一人で作るとお腹壊すレベル、フォロー有なら問題なし
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