カンニングの濡れ衣を着せられた秀才が試召戦争で大暴れする   作:Kicks

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第21問

「これで1対3です。」

 

高橋先生の顔色が変わった。

 

姫路や神野がいるとはいえ、Fクラスのリーチがかかってしまったのだ。

顔色が変わっても仕方ないだろう。

 

Aクラスの人達も流石に緊張した顔つきになった。

次負けてしまったら、敗北が確定してしまうのだから。

 

「アタシがいくよっ、科目は総合科目で。」

 

Aクラスからは秀吉の姉、木下優子が名乗り出る。

負けたら終わりの状況で名乗り出るのだから、なかなかの胆力である。

 

「それならば、ワシが行こう。」

 

弟である秀吉が出る。

 

ここで、雄二から指示が出る。

 

「秀吉、姉貴の集中力を乱すんだ。真っ向勝負じゃあ勝ち目が無い。」

 

「了解じゃ、ならば召喚直後に姉上の弱みをちらつかせよう。」

 

常識人の秀吉にしては珍しく外道なことを行おうとしている。

おそらく、日ごろの姉への不満を晴らそうとしているのだろう。

 

「「試獣召喚(サモン)」」

 

『総合科目

 Aクラス 木下優子 3576点 VS

 Fクラス 木下秀吉 914点』

 

点数差が歴然としている。

 

「姉上の愛読している本は男同士-」

 

優子の召喚獣が秀吉の召喚獣を一閃し、一瞬で勝負を決めた。

 

「秀吉。ちょっとこちらに来てくれる?」

 

「うん?ワシを廊下に連れ出してどうするんじゃ?姉上?もう勝負はついているんじゃが。」

 

優子は弟を廊下に連れて行った。

 

『アンタ、どうしてアタシのプライべートのことをペラペラしゃべろうとしたのかしらぁ?』

 

『少しはプライベートを知った方が同じ趣味を持ったクラスメートと仲良くできることじゃろうと―

 あ、姉上!ちがっ……!その関節はそっちには曲がらなっ……!』

 

優子は弟に折檻をした。もう二度と自分の弱みを暴露されないように。しっかりと。

 

「これにて、2対3です。」

 

高橋先生は廊下に響いている秀吉の声をスルーした。

神野は教育者としてそれでいいのか?と突っ込みを入れたかった。

 

「ウチが出るわ。科目は数学で。」

 

美波が名乗り出た。美波の数学はBクラス並の点数だ。

おまけに試召戦争で2回も経験しているので、試召戦争の経験がないAクラスなら勝てる可能性は少ないがあるだろう。

 

「数学ならば、俺が出よう。」

 

Aクラスの空手部のホープである紺野が応じる。

 

試獣召喚(サモン)

 

『数学

 Aクラス 紺野洋平 372点 VS

 Fクラス 島田美波 171点』

 

数学の戦力差が2倍以上である。

点数差がありすぎて、力の差がありすぎて、まともな戦いならばあっけなく倒されるだろう。

 

「点数差では勝ってる!力で押し切る!」

 

紺野の召喚獣は力の差を活かして、正面から突撃する。

 

「させないわ!」

 

美波の召喚獣は突撃すると見せかけて、紺野の召喚獣の突撃を横に躱し、サーベルで脇腹を切り裂く。

 

「くそ!」

 

紺野の召喚獣はダメージを受けながらも、再び突撃する。

 

「甘いわ!」

 

美波の召喚獣は回避しながら、紺野の召喚獣の左手を切り落とそうとする。

 

「同じ手は二度は喰らわないぜ!」

 

しかし、読んでおり紺野の召喚獣は回避する。

 

何合か似たような状況が続いて、点数が更新されていく。

 

『数学

 Aクラス 紺野洋平 317点 VS

 Fクラス 島田美波 171点』

 

お互いの召喚獣は距離を置いて、にらみ合う。

 

「まだ、全然削れていない…。」

 

何度か攻撃を当ててはいるが、決め手には欠けている状況に、美波は歯噛みする。

 

しかも、紺野は召喚獣の操作が上手くなっているので、攻撃を当てるのが難しくなっている。

 

「……今の俺の召喚獣の操作では自分の武器で島田を倒せない。」

 

紺野はそう言って、両手剣を足元に置く。

 

「来い、島田。」

 

左手で指を曲げて、美波を挑発する。

 

「素手で挑んたことを後悔させてやるわ!」

 

勝ち気な美波の召喚獣はサーベルを構えて突撃し、サーベルで紺野の召喚獣の首元を狙った。

 

同じく、紺野の召喚獣が突撃して、空手の蹴り技である飛び後ろ蹴りを放った。

 

美波の召喚獣は助走付きの飛び後ろ蹴りの直撃で倒れてしまった。

 

その隙に、紺野の召喚獣は美波の召喚獣のサーベルを奪って、止めを刺した。

 

『かっこいい……』

 

『ほぼ素手で相手を倒すなんて!』

 

紺野の勝ち方に、至る所から驚きの声があがる。

 




本当は胴回し回転蹴りを考えてましたけど、召喚獣の体格では無理だと思い、飛び後ろ蹴りにしました。
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