621「全部燃やしたら、ごすずん達が異世界転生しちまった!」 作:静かなるモアイ
「なんだありゃ?間違いなく星のようだが……センサーには全く反応がない。どうなっている?」
ある日のこと。621ことレイヴンはカーラ、エアと共に宇宙を旅していた。621はカーラに新たに発行して貰った傭兵ライセンス、そしてウォルターに貰った新たな個人としての戸籍を用いて傭兵稼業を行いながら路銀を稼いだりして、眼をあんまりつけられないように旅をしているのだ。
カーラがそこら辺のジャンクショップで購入し、技研の科学者としての腕を用いて改造した小さな宇宙船を拠点として旅をしている。人としては621とカーラだけであり、エアにはまだ肉体はない。積み荷も日用品と食料、そしてカーラのACと621のACホワイトグリントだけであり、そこまでの大荷物は無いのだ。故に小さな宇宙船でも快適な旅路を送っていたのだが……ルビコン3からワープを繰り返すこと暫く、センサーに全く反応がない地球に良く似た惑星が目の前に現れたのだ。国際機関のデータベースにもその惑星は登録されておらず、表向きには全く発見されていない星のようだったのだ。
『カーラ……それはどういう事ですか?』
「未発見の惑星が見つかることは別に珍しい事じゃない。ルビコンのように人間が問題なく住める惑星なんて、探せばいくらでも見つかる。
だが、この区域は人類が到達している筈だが……あの惑星はリストにない。それどころか……レーダー等で探知できないんだ」
視覚では惑星を視認できる。だが、レーダー等の文明の力を使えばその惑星は存在しないと出るのだ。科学では証明できず、まるで魔法や神通力のように摩訶不思議な力で守られているかのようなようだった。
「エア……ビジターを起こしてきな。少し調べるよ」
カーラはそう告げて探査ドローンを未知の惑星に飛ばした。それから暫くして……
3時間後。エアに起こされた621がカーラの待つ艦橋にやって来た。
「『カーラ、ご飯?』」
「いや。残念だが違う……そして良く聞くんだビジター、私でも自分がイカれてるのか思ってしまった事があの惑星で起きている」
カーラは深く息を吐き出して、目の前に居る14歳の少年に告げる。14歳と言えど、人間で同い年の友人は誰も居らず、人間として接してくれたのはウォルターや今の保護者であるカーラ、戦友のラスティ、そして鬼軍曹のミシガン位だろう。まだ表情から感情が読み取れず、少女とも見てとれる顔立ちに白髪に赤い瞳の少年にカーラは告げる。
「ドローンをあの惑星に飛ばして調べた結果だが……ウォルターを含めて、ルビコン3で死んだ者達やかつて地球で死んだ若者が復活……転生してあの星に移住しているらしい。
それは人として判断されれば転生されるようでな、チャティも居たよ。チャティから色々とデータが送られてきた……ビジター、読んでおきな……私は現実離れし過ぎて頭が痛くなってきたよ……」
カーラは現実離れした転生だとか神々だとか、魔王とか、摩訶不思議な出来事を転生した筈の人々からデータを送られた為か、頭を抑えて座り込んでしまった。
621はカーラに言われた通り、置いてあるタブレットからチャティ……カーラの息子のようなAIから送られた情報を見る。チャティはAIでありながら、ACを操縦する人間に近い感情を抱いていた存在だ。だが、ザイレムでの戦いでヴェスパ-の最高戦力 V.Ⅰフロイトの操るACロックスミスで殺されてしまった。どうやらアクアは適当にめんどくさがって転生させた為か、本来は人間ではないので転生出来ないチャティも転生出来たのだろう。
『ビジター。その惑星は地球の古典では異世界と呼ばれている所だ。古典が描かれた時代、平成や令和の日本人が思い描いた異世界転生と呼ばれる物に近いだろう。
異世界転生とは女神から不思議な力を貰った若者が異世界とやらで復活して活躍する英雄譚らしい。俺達は特典とやらを何も貰ってない……女神が手抜きしたからな。だが、お掛けで俺も転生できた。ビジター、ボスには言ったがあの星ではレベルや魔法がある。魔王を倒せばどんな願いでも叶えられるそうだ……多分、嘘だと思うがな。
言い忘れた……ウォルターも居る。ビジター、お前がこの星に来るなら俺達は全員で心から歓迎する。もう一度会えるのが楽しみだ』
とチャティからメッセージが送られており、画像データも添付されていた。その画像は写真のようであり、ギルドの食堂で食トレを行うレッドガンのメンバー、アーキ坊やの人形を抱えて笑みを浮かべるスネイル、そしてハウンズと共に過ごす養父ウォルターの姿があったのだ。
「『カーラ……僕は行くよ。本当にウォルターが居るのなら』」
レイヴンはそう告げ、タブレットを元の場所に戻して椅子に置いてあったジャケットを羽織る。そのジャケットは621のサイズからすれば少しブカブカで、袖を折っていてサイズを合わせている代物だ。元々、これはミシガンのレッドガン部隊のジャケットだったがアイスワーム討伐ブリーフィングの時にミシガンから貰ったのだ。
「わかった。だが、その前に……私達の後を追ってきた宇宙海賊さん達の掃除だな」
ニヤリと笑みを浮かべるカーラ。その目線の先のモニターではカーラ達の後をこっそりと着いてきた、宇宙のならず者集団 宇宙海賊の皆様が居たのだ。その船の数は10隻、宇宙海賊としては大規模だが……621の敵ではない。
「ビジター……歓迎してやりな」
「『うん』」
621は艦橋を後にして、ホワイトグリントに乗り込む。その後は宇宙海賊達の悲鳴が宇宙に響いた。
「621……」
ウォルターは617、618の護衛……そして久し振りに621に会いたくなったミシガン総長と戦友のラスティと共にアクセル近辺の草原に来ていた。
ウォルターの見上げる視線の先は満天の星空が輝いており、その時だった。
「ウォルター!!あれではないか!?」
この中でもっともレベルの高いミシガンが何かを発見した。レベルが上がれば五感も強くなり、視力や聴覚も発達する。その為なのかミシガンの眼は何かを見たのだ。
「そうだな……間違いない!戦友だ!!」
ラスティもそれを視認する。
「あれが……俺達の弟か……」
「そうだね」
617、618も確認する。
やがてウォルターの目でも確認できる距離までそれはやって来た。
「621……」
にっと久し振りに息子に会えるためか、ウォルターは笑顔を浮かべた。
彼等の視線の先では轟沈した敵ACをサーフボードのように乗りこなす、白きAC ホワイトグリントが此方に向かって降りてきている。ホワイトグリントの少し離れた後方ではカーラの乗る宇宙船が後を追いかけていた。
無事に大気圏を突破したホワイトグリントは、サーフボードにした敵ACを人の居ない場所に蹴り飛ばし、紅いブーストを灯してウォルター達の前に降り立った。
ホワイトグリントのハッチが開き、ブカブカなレッドガンのジャケットを羽織った621ことG13ことレイヴンが降りてきたのだ。
「621……大きくなったな」
「やあ、戦友。元気そうでなによりだ」
「G13!!そのジャケットが似合う男と成ったな!!訓練は続けているようだな!!」
「『うん、ただいまウォルター』」
最強の少年。生きたまま、異世界に降り立つ!!
翌日。
カズマとアクアは項垂れていた。ラスティからのアドバイスで、パーティーの募集を始めたが残念な事に誰も入ってくれないしなんなら見もしてくれないのだ。
「『ウォルターから頼まれた。人を集めてるって?その依頼、受けるよ』」
声帯の再生手術をまだ受けてないために、機械音声混じりの声が項垂れた2人に話しかける。何事かと思い、カズマとアクアは声の方を見る。そこでは白髪で赤い瞳、サイズの大きいレッドガンのジャケットを羽織った少年が居たのだ。
「だれよ?弱そう…………てっ!?何者よ!?貴方……この世界でも転生者でもないじゃない!!しかも……神を殺してる?」
その少年を見たアクアはどういう訳か、怯えてしまう。だが、カズマからすれば折角来てくれたパーティー候補だ。無下には出来ない。
「えーと……お前は?」
「『強化人間C4-621。またの名をハンドラー・レイヴン、或いはG13レイヴン』」
「621?ウォルターさんの言っていた息子か!!」
カズマの言葉に対してレイヴンは頷き、冒険者カードを見せてきた。
冒険者カードにはレベルや職業が書かれている。そして異世界転生した瞬間、生前での経験値はリセットされて転生してからは誰でもレベル1からだ。これはアクアでもミシガンでも同じである。だが、転生しなかった場合……経験値はリセットされない。621は仕事の為に沢山殺した、月の魔物もぶっ殺した。その為か……
冒険者カード C4-621 ハンドラー・レイヴン
職業 ドミナント レベル98
ぶっ壊れだった。なお、武器は月光の聖剣、人間大ジマーマン、人間大ロングハンドガンである。
次回!!621……冒険者ライフが幕をあげる!!めぐみんも出てくるよ!!
621のパーティーメンバー めぐみんとラスティ兄貴は確定、カズマとアクアとダクネスは定期的合流
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カズマと駄女神の原作御一行で
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ルビコニアンニンジャァ!
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ミシガン総長!!
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めぐみんとラスティだけで
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ハウンズの先輩達!