呪具人間と呪霊   作:マーライオン

7 / 10
色がついて嬉しいです
そんなテンション高めな第七話をどうぞ


邂逅

 

戦闘後、導理は医務室へと来ていた。

今の彼の姿に家入はかなり驚くと、すぐに治療を開始した。

そして三十分前後の時間が過ぎると殆どの怪我は治り、小さな怪我にはガーゼ等の普通の手当が施されていた。

 

「ったく、こんなにすぐに怪我するなっての」

 

 「すいません家入先生」

 

「……今回の相手、特級だったんだって?

そんなに強かったのか?」

 

「いや、奴自体はすぐに終わりましたよ」

 

「オイオイ……」とフィジカルギフテッドの脅威に驚くと、ならあの怪我は?と疑問を投げ掛けた。

それを聞き苦笑いを一つ。

 

「あー……五条先生と一戦交えちゃって」

 

「何したんだよ」

 

「いや、あの……特級を簡単に祓えたからつい嬉しくなっちゃって

それで五条先生に課外授業として実戦を」

 

「呆れた、確かにアイツはクズだけど実力だけは最強よ

それに挑むなんて無謀過ぎない?」

 

「ですよね……三発しか当てられませんでした」

 

その言葉を聞き更に驚きの表情の家入。

あの五条悟に、無限を使い絶対的な防御力や攻撃力を持つ最強の存在なのだ。

それに三発も当てるのは並では無いのだ。

 

「そこは褒めてあげる、でもね……今の導理の力じゃないのは解ってるね」

 

「…………………はい」

 

「その反応、五条にも同じ事言われたね」

 

「うす」

 

五条にも言われた事、それはまだ呪具に振り回されているだ。

今回の五条への攻撃は全て特級呪具があったからこそ出来たのであり、残念だけど実力ではないとだ。

そして五条から課題として二級以下の呪具で一級を祓うまで一級以上は禁止。

そして特級を祓うまで特級の使用は禁止とだ。

 

「ま、無難な課題だね」

 

「そうですか?」

 

「今回の戦いと今までの戦いの大きな違いって解る?」

 

「いや……」

 

そう言われると家入は夜蛾から渡されたリストを手渡した。

そこには担保として渡した呪具の詳細が書かれており、殆どが三級前後ばかりである。

そして数度確認された際の戦闘スタイルの解析も乗っていた。

 

「今までの導理は呪具を切り替えてその場その場に適した使い方をしてたのよ

でもね……あの呪具達を使ったらこんな馬鹿みたいな怪我してさ」

 

「いやもう……申し開き有りません」

 

「まぁ若いんだから間違いはするよ

だから大人がその間違いを正してやって、良い大人に導くのさ

それはアンタが大人になったら子供にしてく、そうやって連鎖するんだよ」

 

「そうなんすね……」

 

そう言いミニえもんを吐くと中から呪具を取り出し、それを家入に全て手渡した。

その顔は少しスッキリしていた。

 

「お説教は終わりだよ

それで、これからどうする?」

 

「そうですね〜……先ずは一年全員に勝てるようにならなきゃ

そしたら二年の先輩、そして三年の先輩……そしたら次は夜蛾学長、そして五条先生に挑みます」

 

「ま、それが一番だよ

ただし言っておくけど夜蛾センはああ見えてかなり強いから道は長いよ」

 

「上等です

壁は高い方が越え甲斐があります!」

 

「なら、夜蛾センの前に御三家のご自慢にでも挑んでおくかい?」

 

「御三家?」

 

そう言えば呪術とは無縁だったな、と苦笑いを浮かべると軽く解説してくれた。

 

「御三家ってのは呪術界の最大名家三家のことよ

呪術師こそ至高、男尊女卑上等な禪院家

血を操る術式と家族を強く思う加茂家

六眼と無下限以外は外れ扱いで仲のいい五条家

これが御三家よ」

 

「……え?五条先生って名家出なんですか!?」 

 

「まぁね、後やたらと強い男の尻を追いかけるのが大好きな禪院の奴が居るから気をつけな」

 

「ヒョッ!?」

 

そう言われ思わずゾッとしてしまうが、軽く笑い「大丈夫よ」と言ってる家入。

 

「よっっし!!!

行くか!!!」

 

導理は立ち上がるとすぐに夜蛾の元に行き、課題の説明をした。

最初こそ大丈夫なのかと心配をしたが、まさか自分の提案が彼の武器を潰していたとはと申し訳ない気持になってしまうが、彼からの「大事な事に気づかせてくれてありがとうございます」と言われ、少しだけだが間違いではなかったのだなと思えた。

 

そして呪具の保管庫に向うと複数の低級呪具をミニえもんに詰め込むと、すぐに上級任務を回してくれと言いすぐに任務へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして三日後、今日は初めて見る女性との共同任務なのだが……何て言うのか戦闘を行う気がない気怠い表情なのだ。

 

銀の髪を右目の編み込んでいる黒のドレスを着た美女だ。

なんて言うか、下手に逆らうと月に変わってお仕置きされそうなのも特長と言えるだろうか?

 

「えっと……芦屋導理です」

 

「そうよろしくね

私は冥冥、今回は君を見守るのが依頼なの」

 

「依頼?」 

 

「この世界にはねフリーランスの呪術師、お金で雇われる呪術師が居るのよ

それが私、解るかしら?」

 

「えぇ、まぁ金が無きゃ何も出来ませんしね」

 

「素直なのね」

 

「一応、生きてきたうえでの持論です」

 

二人は仲良くなれそう(ビジネスパートナー的な意味で)と感じ、それなりに自分を売り込んでおこうと考えた。

 

ちなみに今回は三級呪霊の祓いであり、場所は長野県にある古い屋敷だ。

補助監督が帳を下ろすとすぐにミニえもんを吐き出し、手にビリヤードのキューの様な物を取り出した。

 

三級呪具「円路」

これも特殊な力はなく、ただ突くのに適した形程度の呪具だ。

だがこの様な姿だからこそ扱いが楽なので敵の出方を見るのに適してる。

 

「君、呪力を感じないけど天与呪縛なの?」

 

「えぇ、何でも呪力が全く無いフィジカルギフテッドらしいので便利ですよ」

 

「フフフ……いいパートナーになれそうね」

 

「一応、まだ四級呪術師なので冥冥さんとデート出来る金額が貯まるまで何年かかるか解りませんよ」

 

「君になら割り引きしておくよ」

 

「それはありがたいですね……疾っ!!!」

 

二人で穏やかに屋敷を歩いていると突然出てくる呪霊だが、すぐに円路で突き祓い足を進めるのだった。

そしてとある部屋の前で感じる風の流れる音に立ち止まり、発生源を見つけた。

 

「へぇ、そこまで解るのね」

 

「匂いは冥冥さんのに潰されてますけど音は解りますし」

 

「あら、臭うかしら?」

 

「女性だって意識させられる匂いですね

っと、これ三級越えてますよね?」

 

屋敷の畳張りの部屋の押し入れを開くと隠し階段が現れた。

そしてそれを下ればまるで狙ったかのようなそこそこの広い空間と見るからに三級を超えている頭のない女性型の呪霊。

 

これには驚きを隠せないのが本心だが、冥冥が先の気怠さから一転しそれなりにやる気を出しているので予想外の相手だと教えてくれる。

 

「コレは……追加を請求しなきゃね」

 

「でしょうね

感覚的に準一級なんて今の手札じゃ苦労しますよ」

 

「フフ……負けるとは言わないのね」

 

「負けるのが嫌いなので」

 

円路をしまうと今度は苦無の様な呪具である『薩魁』を取り出して呪霊へと投げつけた。

だがそれは敵のそばで見えない何かに弾かれてしまい、弾かれた薩魁の地面に落ちる音がゴングになるのだった。




薩魁
苦無の様な見た目の呪具
等級は四級
それなりに探せば見つかるので投げての牽制や相手の動きを誘導するなど、等級に見合わない自由さを持っている

円路
ビリヤードのキューの様な呪具
等級は三級
特殊な力は持っていないが『叩く』と『突く』が本領なので相手の出方を伺いには使える
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。