呪具人間と呪霊   作:マーライオン

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個人的には男なら夜蛾先生、女性なら小川さんが好きです。


遠征

 

翌日、導理は京都のとある廃屋に来ていた。

何故だろうか、とある上の人間から指名が入りこうして来ているのだ。

 

そばには今回の相棒である不思議な髪色をした男。

彼は胡散臭い笑みを浮かべながら自己紹介を始めた。

 

「君が東京校の新人?

ボクは禪院直哉、気軽に直哉君でええよ」

 

「よろしくお願いします禪院さん

自分は芦屋導理です」

 

「ほなどーり君でええな」

 

「お好きに呼んでください」

 

今回の招集はただの連携確認や東西での親交を深めるなんてヌルいものではない。

禪院直哉

コイツはとある天与呪縛の男の完全熱狂的信者であり、それ以外の天与呪縛はクソ、呪力無い一般人は猿等と超過激な思考を持っているのだ。

 

今回、導理を呼んだのは紛れもないくらいに前者の思考でであり自身の実力を見せつけて圧し折るつもりなのだ。

なのだが……

 

廃虚の中、導理の足下には大柄な呪霊が倒れ伏し頭を大剣に串刺しにされていた。

 

(んん〜〜〜???

あれ〜コイツってなり損ないの猿やよな?なんなんこの動き、トージ君にそっくりやんけ!?)

 

「二級程度の雑魚でしたね禪院さん

お疲れ様でした、一応見回りして安全確認をしてから帰りましょう」

 

「そら大丈夫や、呪力を探ったけどコイツで完全に終わりやな」

 

「ありがとうございます」

 

五条に言われた禪院の事を真に受け、最低限の距離感で居ようとするのだが何故か妙に距離を詰めようとしてくる。

その目には何か違う思惑が見えるので困惑が止まらないのだが。

 

廃虚を出ると流石に時間が早すぎるので京都の観光をしてから帰ろうと直哉に提案され、それくらいならと納得し京都の街を歩く二人。

 

「ウチな、結構大っきな家でな兄弟がぎょーさんおるんよ

んでその一人の兄貴に憧れてボク頑張っとるんや」

 

「へぇ〜禪院さんが憧れるお兄さんですか

凄く強そうですね」

 

「せやで〜」

 

なんとかして和やかな話から圧し折ろうとするが糸口が掴めず、半ばヤケクソ気味に変な話を始めてしまう。

 

「ほな、どーり君は何で呪術師になったん?

天与呪縛で呪霊とか見えんならオリンピックの選手とか色々将来あったやろ?」

 

「その……昔、呪霊に襲われたんですよ」

 

これは使える!

そう思いガンガンと近寄る直哉。

だが思い出に浸る導理はそんなのガン無視で話を進めてしまう。

 

「へ〜どない人なん?悟君みたいなカッコええ人?それとも真依ちゃんみたいなかわええ子?」

 

「真依ちゃんさんって人は知らないので何とも言えませんが……凄くカッコよかったです

禪院さんと何処か似てる黒髪の人で、凄く大きくて……片手で呪霊を祓ったんです」 

 

それを聞くと何か感づく直哉。

もしやと思いちょくちょく合いの手を挟み情報を聞き出した。

 

「そらカッコええわな〜片手なんてボクでも出来んわ〜

他に何か特徴とか無かったん?黒髪のカッコええデカい以外のさ〜」

 

「えーっと……口元に一つ傷があって、何て言うかアングラ臭のする人でした」

 

「ほ〜アングラ臭のする傷男な〜」

 

ビンゴ

もしかしたらと思い聞いてみたらそれが予想通りだった事に気を良くする直哉。

 

「はぁ〜なるほどなぁ〜

どーり君はその人に憧れてる訳な〜」

 

「まだまだですよ……あの人はもっと強くて……早くて……デカいです!!!」

 

「せや!!!あん人は最強なんや!!!」

 

「知ってるんですか?」

 

つい熱くなってしまい失言してしまうと、しまったと言った顔をして苦笑いを一つ。

この男、過去に伊地知の話した天与の暴君の名は『伏黒甚爾』

またの名を『禪院甚爾』

そう、禪院家の関係者であり禪院家の恐怖の象徴なのだ。

だが禪院直哉はこの男の強さを絶対と思っており、またそれと同等の力を持つ五条をも崇拝しているのだ。

 

「え!?あ、あぁ……まぁ、一応な」

 

「名前は?」

 

「知っとる……彼はな禪院甚爾君言うんよ」

 

「ゼンイントウジ……ぜんいんとうじ……禪院甚爾……」

 

「せや、どーり君と同じ天与呪縛でな……すっっっごく強いんよ!!!」

 

「解ります!!!

一瞬で目測一級呪霊を祓う実力、一瞬で消える脚力、突進すら微動だにしない脚力

最強です」

 

「最強なんよ……」

 

二人がうっとりとした表情で語ると突然握手した。

しかも超強力故に、人気のない路地で強い衝撃が放たれる。

 

「どーり君とは仲良くなれそうやな」

 

 「禪院さんとは仲良くなれそうです」

 

「直哉君でええで、同志が出来たんは初めてや

君、ホンマにええ子やな〜」

 

「噂と違って直哉さんが良い人だからですよ」

 

ある意味恐怖の仲良しが出来てしまった瞬間であった。

そして二人は適当な喫茶店に入り、禪院甚爾もとい伏黒甚爾トークに花を咲かせて仲良くなってから帰還するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、東京に戻るとわざわざ駅まで出迎えてくれていた五条。

それを見て一安心の導理と、何処か哀愁が漂う風景だ。

 

「お疲れサマンサー

どうだった初京都と初禪院は?」

 

「えぇ、良かったです……

直哉さんとは仲良く出来そうですよ」

 

「あっれ〜〜〜?

まさかのまさかのそのまさか〜?」

 

まさかの発言に五条は思惑と外れ、何とも言えない表情になってしまうのだがお土産のチョコバナナ生八ツ橋とイチゴチョコ生八ツ橋を受け取り上機嫌になりどうでも良くなってしまうのだった。




呪霊祓い
二級呪具であり、五条家の情報網を使い作り上げた頭のイカれた呪具。
見た目は分厚く、太く、大雑把なあれである。
流石五条家、変態も完備している。
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