店に入り並べられている歯ブラシを確認していく。
俺とロクサーヌの物は購入してから三十日ほど経ち少しヘタってきている。
ちょうどいい機会だしセリーと使用日数を揃えるため俺たちの分も交換しておくか。
一本は残っているので交換分と三人分の予備で五本だな。
歯ブラシを購入してからも暇つぶしに商品を確認していると指輪が目に入った。
鑑定に引っかからないってことは装備品ではないようだ。
……指輪か。
つい先日プロポーズには失敗してしまった。
だが、ロクサーヌとの結婚をそう簡単にあきらめるわけにはいかない。
再びそれを行う機会はあるだろう。
そのときに備えいずれエンゲージリングを用意しておかないとな。
アクセサリー枠の装備品である指輪だと実用性重視のため、あまりにも風情に欠ける気がする。
たとえ有用なスキルが付いていたとしても、婚約指輪や結婚指輪となるとなにか違うんだよなぁ。
よし。プロポーズの際には宝石が付いた煌びやかなエンゲージリングを送り、受け入れてもらえたらずっとつけていられるシンプルで美しいマリッジリングを用意しよう。
おっ。ロクサーヌたちが移動を始めたか。
妄想に浸っていると彼女たちがこちらへ向かってくるのを感じた。
そして、程なくして二人は店内へ現れる。
「ご主人様、お待たせいたしました」
「お待たせして申し訳ありません」
「それほど待っていないので気にするな。今日の買い物はもういいのか?」
「はい。良いものを買うことが出来ました」
問いかけたところロクサーヌはニコニコ笑顔で楽しそうに答えた。
その後ろでセリーが恥ずかしそうにしているのはどうしてなんですかねぇ。
購入した物を置きに自宅へ戻るとセリーが問いかけてきた。
「ご主人様はどうしてそんなに女性物の肌着に詳しいのですか?」
ちょっと! 言い方! 誤解を生むような言い方をせんとって!
ほら見ろ。ロクサーヌも『そういえばどうしてでしょう?』って顔をしてるじゃないのさ。
「いや。特別詳しいわけじゃないよ。俺のいた世界は情報が溢れていて意図しなくても知識を得る機会がいくらでもあったんだ。それに大抵のことを調べることが可能な手段もあったしね」
「それはすごいです! まるで夢のような世界ですね!」
すげーキラキラした目で見てくるなぁ。
好奇心旺盛な彼女からすれば本当にそう思えるんだろう。
「まあ、女性物の下着についてもそういった機会があったってこと」
「そうだったのですね。ちなみにあの肌着は何という物なのですか?」
「胸につける方がブラジャーで下の方がパンティとかショーツとかいうみたい」
「なるほど。下の方については私たちが普段履いている物の発展形といった感じですが、ブラジャーの方はすごいアイデアですね」
本当にこの娘さんの好奇心よ。今も感心したように頷いている。
まあ、いつまでも話をしているわけにはいかない。
「それじゃあ、時間もないし迷宮へ行こうか」
「かしこまりました」
「あ、申し訳ありません」
俺たちに迷惑をかけたと思っているのだろう。彼女の顔が少し曇っていた。
別に気にするほどのことじゃないんだけどな。
恐縮している様子のセリーに声を掛ける。
「大丈夫。そのくらいのことで誰も怒ったりなんかしないよ。ね?」
「はい。セリーには色々なことを調べてもらうのですから、頼もしいくらいです」
ロクサーヌに同意を求めるとナイスアシストを決めてくれた。
「ありがとうございます。母には『何でも知ろうとするんじゃない』と言われ、身の程をわきまえるようにといつも叱られていたので……」
あー。確か原作でもそう言っていたな。
「俺たちは絶対にそんな風に思わないから心配しないで」
「ご主人様のおっしゃる通りです。安心してください。私たちは決してそのように思うことはありません」
俺たちの言葉を聞いたセリーの顔には安心したような表情が浮かぶ。
「はい! ありがとうございます!」
あら、かわいい笑顔だこと。
「では、魔物を倒していこう」
二人に声を掛け早朝と同じくひたすら魔物を焼いていく。
弱点も耐性も考える必要がなくひたすらファイヤーストームを放つだけの戦闘を続け、MPが少なくなったらデュランダルで回復を図る。
それを繰り返していたところ早々にロクサーヌから声が掛かった。
「ご主人様、そろそろお昼になります」
速攻で終わったなぁ。
まあ、買い物に時間が掛かったししょうがないか。
「では、ドロップアイテムの売却を済ませて昼食にするか」
すると、セリーがポツリと呟いた。
「本当に一日に三回食事をするのですね」
「言った通りでしょう? 私たちはとても恵まれているのです」
「はい。今ならロクサーヌさんが言っていた意味が分かります」
一日に三食とっている人はほとんどいないということだからなぁ。
ロクサーヌによると昼に食事をしている人は混む時間帯を避けて迷宮へ入っているために食事の時間がズレているだけで、その人たちも一日に三回食事をしているわけではないらしい。
さて、ポイントを振りなおして迷宮を出るか。
おっと。ついでに鑑定にポイントを振ってレベルも確認しておこう。
ん? あ! ボーナスポイントが余ってる!
探索者が上がったのか!?
急いでそのポイントを振り自分へ向けて鑑定を使用する。
田川 歩 男 18歳
探索者Lv37 英雄Lv32 魔法使いLv36
装備 ひもろぎのスタッフ ダマスカス鋼の盾 硬革の帽子 頑強の竜革鎧 硬革のグローブ 硬革の靴
きたー! レベル37! 経験値効率四百倍とフォースジョブが併用できる!
よし! よし! 午後からは商人のレベル上げを再開だ!
しかも魔法使いまで上がっている!
これは良い流れが来てるぞ!
アニメなら勝確BGMが鳴り響いている場面だろう。
「ご主人様、レベルが上がったのですか?」
俺の様子を見ていたロクサーヌが問いかけてきた。
「うむ。探索者のレベルが37に、魔法使いのレベルが36になっていた」
「さすがはご主人様! 本当にすごいです!」
「探索者になって三十日ほどでレベル37……」
ロクサーヌからはさすごしゅをいただいたものの、セリーは呆然としている。
また一つ彼女の中の常識が崩れてしまったようだ。
でもまあ、ロクサーヌも最初はそうだったしそのうち慣れるだろう。
二人のレベルも確認してみたところロクサーヌは変化なし。セリーは7になっていた。
それをセリーに伝えて喜びを分かち合ったところでワープゲートを開いて迷宮を脱出する。
昼食を済ませてリビングへ移動しソファーへ腰を下ろした。
……いつものようにロクサーヌを抱きしめたいところだがそれをするとセリーが疎外感を覚えるかもしれない。
初日からそんなことではいけないよなぁ。今日は我慢するしかないか。
立ったままのロクサーヌへ目を遣ると彼女は俺の言いたいことを理解してくれたのだろう。微笑みながら頷いてくれた。
いつもなら当然のように俺の脚の間に座ってくるのに、朝のときもそうだったが今日は自重してくれている。
セリーに気を遣って我慢をしているのだろう。本当にやさしい良い娘だよなぁ。
ロクサーヌの思いやりに満ちた行動に心が温かくなっていると彼女はいつものように俺の脚の間へ腰を下ろした。
あれ!? アイコンタクトは? 気持ちが通じ合ったんじゃないの?
「セリー、食休みの際はこうしてご主人様の脚の間に座り抱きしめていただいていました。今後は順番にしていただきましょう」
なんかこの娘すごいことを言い出したんだけど……。
「あの……。私が割り込んでしまってもいいのでしょうか?」
「ご主人様を独占したい気持ちは確かにありますが、私はセリーのことも大切な仲間だと思っています。二人で一緒にご主人様のことを支えていきましょう」
「ロクサーヌさん……。はい。ありがとうございます」
良い話風になっているけどその内容が俺の脚の間に座るかどうかってのが何ともいたたまれない気分にさせられるなぁ。
今後も二人のことを大切にしていこう。
彼女たちに対し横柄な態度で雑な扱いをしたり、自分がモテると勘違いして五人以外の女性に言い寄ったり、オラついた言動を取ったりしないよう自分を戒めておかねば。
いつものようにロクサーヌを抱きしめ背もたれに体をあずけたところでセリーが口を開いた。
「あの、ご主人様。今後の大まかな方針について伺ってもよろしいでしょうか?」
大まかな方針か。
そうだな。数日ごとに今後について話し合い情報共有を図っていった方がいいかもしれない。
「大丈夫。問題ないよ」
返事をすると彼女は安心したような表情でホッと息を吐き質問をしてきた。
「では、直近の予定はどうなっているのでしょうか?」
直近の予定? 直近の予定なぁ……。
セリーは仲間になったから次はミリア加入に向けて資金稼ぎを行うとか?
あ、いや。資金は準備できているしそれに紹介状もある。春の五十五日目に帝都の奴隷商のところに行くだけでオッケーだ。
さらに言うとベスタの分の資金まで用意できているから彼女についても季節と季節の間にある休日にオークションへ参加すればいい。
ルティナを得るための流れとしては……。
うーん……。
だめだわ。パッと出てこない。
よし。攻略本を確認しよう。
ロクサーヌにどいてもらいソファーから立ち上がる。
残念そうにしてくれているのがめちゃくちゃ嬉しいぞ。
パイプファイルと書籍版の四巻と五巻を持ってリビングに戻り、それらをローテーブルに置いてソファーに腰を下ろすと当然のようにロクサーヌも俺の脚の間に腰を下ろした。
もう! 好き! 超好き!
そのままぎゅっと抱きしめお互いの顔を近づけようとしたところで声が聞こえてきた。
「あの、今はそういうことをしている場合ではないと思うのですが……」
声のした方へ顔を向けると、呆れたような表情でこちらを見つめているセリーが……。
あ、初のジト目だ。
「ごめんごめん。セリーの言う通りだね。じゃあ、確認していこうか」
「はい」
ロクサーヌを抱きしめたままセリーに謝ると小さな声が聞こえてくる。
「残念です……」
そんなかわいいこと言われたらそのままちゅーしたくなるじゃん!
かわいさを加減しなさい!
「えーっと。まず今日この後の予定だけど、セリーのレベルをある程度上げたところで装備品の製造とスキル結晶の融合を繰り返し行ってもらう」
「ええっ! ご主人様、ジョブ変更を行ったばかりの鍛冶師はそれらを何度も行うことは出来ません!」
午後の予定を伝えたところセリーから大きな否定の声が上がる。
彼女の顔には不安そうな表情が浮かんでいた。
「大丈夫だよ。鍛冶師になったばかりの者が装備品の製造やスキル結晶の融合を何度も行えないのはレベルが低くMPの量が少ないからだ。でも俺たちには――」
「あ! デュランダルですね!」
まあ、セリーならすぐに気が付くか。
「そういうこと。最初の内は一回ごとに回復を挟む予定だけどスキルを使っているうちにMPの減り具合や、あと何回くらい使えそうといった感覚がわかるようになってくる。絶対に無理をさせるつもりはないから安心してね」
「はい。お気遣いいただきありがとうございます」
彼女は安心したのか柔らかな笑みを浮かべ感謝の言葉を口にした。
……無理をさせる気はないが最低でもスロット付きのミサンガを三つ作ってもらい、スキル結晶の融合を七回してもらうことになるんだが今は言わない方がいいか。
「それじゃあ、明日以降の予定を確認していこうか」
「はい」
「よろしくお願いします」
ロクサーヌへ背後から覆い被さったままの姿勢でローテーブルに置いてあるパイプファイルをペラペラ捲り、目当ての箇所を探していく。
「えーっと。ああ、これだ」
時系列のページを見つけそこを確認する。
原作では明日の三十三日目にウサギのスキル結晶、もしくはモンスターカードをゲットし、同じ日に黄魔結晶が出来たことでそれを売却して資金を作りセリーを購入するという流れだ。
てか、俺は間違いなくミチオの倍以上スローラビットを倒しているはずなのにウサギのスキル結晶を手に入れてないなぁ。
しかし、こちらは早い段階でコボルトが手に入っているしどっこいどっこいってとこか。
三十四日目は……。
ああ、パーンにやられて妨害の銅剣を残す奴らとの遭遇だ。
「明後日の春の三十四日目。ベイルの七階層のボスであるパーンに全滅させられるパーティーがいる」
「なるほど。魔の七階層を突破できなかったのですね」
俺の言葉を聞いてセリーがそう言った。
まあ、準備を整えていたのに全滅してしまったんだ。迷宮探索に慣れが出てしまい身の丈を越えたチャレンジを行ってしまったのだろう。奴らにとってはまさに魔の七階層だったってわけだ。
「そいつらは妨害の銅剣を五本用意してパーンに挑んでいたため、それをミチオが得たという流れだね」
「パーン相手に詠唱遅延のスキルが付いた武器は有効ですが、それを五つも用意していたパーティーが直前で全滅するのですか……。ミチオさんはとんでもない豪運の持ち主ですね」
「確かに。ご主人様も絶対に入手しなければなりませんね」
二人から物騒なセリフが聞こえてくる。
人の生き死によりスキルの付いた装備品の方に注目しているのが本当に頼もしいわ。
人命第一と言われそいつらを助けるように乞われたところで正直戸惑ってしまっただろう。
俺にしたって妨害の銅剣五本の方が重要だしな。
……魔物にやられてしまうパーティーといえば原作でラピッドラビットにやられた男はどうなったのだろう?
セリー加入まで俺たちはクーラタルの迷宮ではなくベイルの迷宮を狩場にしていたせいで彼を見かけることはなかった。
うーん……。まあ、無事だろうがやられていようがどっちだろうと関係ないか。
四巻を確認しつつ二人へ答える。
「事が起こるのは午後一番なので明後日は早めに昼食を済ませてその後は七階層の待機部屋付近で狩りをしよう。ロクサーヌは六人組の男が待機部屋に入りそうになったら教えてね」
「おまかせください!」
「先のことがわかるとこんなことが出来るのですね」
その様子を見ていたセリーが感心したように呟いた。
「先のことがわかるのは夏の途中までの期限付きだけどね」
「それでもすごいです」
まあ、確かに彼女の言う通りかもな。
首尾よく妨害の銅剣を手に入れてもルークに売るのはやめておこう。
妨害の銅剣は六個セットだと騎士団の需要があるとのことだった。
この時点でのミチオにはそんな伝手はなかったが俺はこの後ハルツ公と交流が出来ることを知っているのだ。
彼の覚えをめでたくしておく必要がある以上、後々のことを考えるのならそちらへ流しておいた方がいいだろう。
三割アップが効かないのは残念だがそこは諦めるしかない。
しかし、六本すべて妨害の銅剣にするのと一本は高価な武器につけるのとではどちらの方に需要があるのだろう?
六本セットで運用する場合、全員同輩で差が無い方がいいのか、それとも引率の者がいてそいつは良い武器の方がいいのか……。
うーん……。わからん。
セリーに確認してみよう。
「セリー、妨害の銅剣五本が手に入ったらもう一本用意してハルツ公の騎士団に売ろうと思うんだけど、妨害の銅剣を六本にするのと一本は良い武器につけるのだと、どちらの方が良いと思う?」
問いかけると少し考えてから口を開く。
「若い団員だけで探索を行うことはないでしょう。おそらく、率いる者はそれなりの地位にいるはずなので良い武器に融合した方が良いのではないでしょうか」
「そうなの? 戦士を経て騎士になった者たちならそれなりに戦えそうな気もするんだけど」
「ご主人様、騎士団にいる者は騎士だけではありません。迷宮探索や領内の治安維持等をこなすため探索者や冒険者、それから騎士へのジョブ変更を目指す戦士といった様々なジョブの者がいます」
あっ、そりゃそうだわ。探索者や冒険者がいなければ不便なことこの上ない。
それに、原作でもハルツ公の騎士団にはそれらの者たちに加え僧侶や沙門だっていたもんな。
「ありがとう。参考になった」
「お役に立てて嬉しいです」
感謝の言葉を述べると笑みを浮かべて答えた。
「その後は春の三十七日目にハルツ公領で災害救助があるからそれに参加しないといけない」
「いよいよ貴族と渡り合うことになるのですね」
ロクサーヌはやる気十分といった感じで気合のこもった声を出す。
渡り合うって別に彼と戦うわけじゃないんだからそんなに気負わなくても……。
「そこからルティナを得るための流れになっていくのですか」
「うん。あとは早めにワープでペルマスクへ移動できるようにしておいた方がいいかな。申し訳ないけど明日から朝食と昼食の準備は二人にまかせてもいい?」
セリーの言葉に答えた後に頼んでおく。
「おまかせください。ご主人様に美味しいものを召し上がっていただくために頑張ります」
「は、はい。私も頑張ります」
二人ともめちゃくちゃ良い娘だよなぁ。
他の重要な予定は十日以上先になるため、また数日後にミーティングを行うことにして今はのんびりと食休みを楽しもう。
いつものように目の前にあるかわいらしいイヌミミをハムハムしていたところ、視線を感じて横を向くとジトっとした目でこちらを見つめているセリーの姿が……。
「あ、あの、セリーさん? 何か気に障ったことがあったでしょうか?」
「えっ!?」
問いかけると彼女はいきなりワタワタし始め小さな声を漏らす。
「お二人は仲が良いのだなと思っただけです……」
そう呟いたセリーの顔には拗ねたような表情が浮かんでいた。
もしかして嫉妬してる?
あのセリーが? マジで?
驚いて彼女の顔を凝視しているとロクサーヌの声が響く。
「ふふ。大丈夫ですよ。次の食休みはセリーの番です。ご主人様はあなたのこともたくさんかわいがってくださいます」
そう言って彼女はこちらを振り返り続きを促すような視線を寄こしてきた。
ロクサーヌの気遣いを無駄にするわけにはいかないし、何よりセリーはとてもかわいらしく彼女を抱きしめるのに文句のあろうはずがない。
「ロクサーヌの言う通りだよ。もしセリーが嫌じゃないなら次の食休みでは抱きしめてもいいかな?」
「よろしいのですか?」
「もちろん。かわいいセリーを抱きしめることが出来るなんてとても嬉しいよ」
本心を言っているのになんか俺チャラ男みたいだなぁ。
今の自分を過去の俺が見たら、その顔でモテ男気取りかよと罵倒することだろう。
「あの、ご主人様にかわいがっていただけると、その、私も嬉しいです……」
彼女はそう言って朱に染まった顔を伏せる。
……いや、かわいすぎん?
小さく華奢な体も相まってまさに守りたくなるような愛らしさだ。
その魅力にノックアウトされてしまうぞ。
……まあ、その細っこい腕は丸太ん棒をブンブン振り回すほどパワフルで、守られるのは俺の方なんだろうけどさ。
食休みを終えると迷宮へ行く前に物置部屋へ立ち寄る。
糸と融合する装備品を回収しておかないと。
糸をすべてアイテムボックスに移し保管してある装備品を確認する。
うーん……。とりあえずスロットが三つ付いたエストックだけでいいか。
他はロクサーヌが装備している竜革の靴とセリーが装備しているダマスカス鋼の槍、そして俺が装備している硬革の帽子にこの後製造するミサンガだからな。
あ、棍棒は置いておこう。しばらく使う機会はないはずだ。
アイテムボックスから棍棒を取り出し、そしてエストックをしまいこむ。
それが済むと今度は自室へ移動して鍵の掛かっているチェストを開いた。
さて、必要なスキル結晶を取り出そう。
芋虫が四個にウサギが二個、牛が一個とコボルトが三個でオッケーだ。
芋虫とウサギは今日で在庫切れか……。
それにコボルトだって残り二個だしなぁ。
できればこれらのスキル結晶は常にある程度のストックを確保しておきたいんだが……。
玄関へ行くと既に二人が待っていた。
「お待たせ。それじゃあ、行こうか」
「かしこまりました」
「よろしくお願いします」
彼女たちの返事に頷きを返しワープゲートを展開する。
「予定通りセリーのレベルを上げたら装備品の製造とスキル結晶の融合を行うので、いつもより一時間ほど早く声を掛けてもらえるか?」
「はい。おまかせください」
請け負ってくれたロクサーヌに頷きを返しセリーにも声を掛ける。
「セリーもよろしく頼む」
「かしこまりました。私に出来ることを精一杯行います」
二人とも本当に良い娘すぎだわ。
俺はむちゃくちゃ幸せ者だなぁ。
さあ、いつまでも浸ってないで仕事に取り掛かるとしますかね。
「よし。それでは魔物を狩っていこう」
「はい。ご主人様、こちらです」
ロクサーヌの案内に従い歩き出す。
田川 歩 男 18歳
探索者Lv37 英雄Lv31 魔法使いLv36 商人Lv23
装備 ひもろぎのスタッフ ダマスカス鋼の盾 硬革の帽子 頑強の竜革鎧 硬革のグローブ 硬革の靴
BP振分 残BP:0
キャラクター再設定:1
フォースジョブ:7
必要経験値二十分の一:63
詠唱短縮:1
獲得経験値二十倍:63
所持金:1,219,851ナール
春の32日目
・アイテムボックス内にある装備品
エストック(スロ3):1
・アイテムボックス内にあるスキル結晶
コボルト:3
牛:1
ウサギ:2
芋虫:4
・物置にある装備品
シミター(スロ2):1
レイピア(スロ1):1
銅の剣(スロ1):1
銅の槍(スロ1):1
棍棒(スロ1):1
ロッド(スロ2):1
鋼鉄の盾(スロ1):1
盗賊のバンダナ:1
硬革の帽子(スロ1):1
鉄の鎧(スロ1):1
硬革の鎧(スロ1):1
ダマスカス鋼のプレートメイル(スロ4):1
硬革のグローブ(スロ1):1
硬革の靴(スロ1):1
・自室にあるスキル結晶
コボルト:2
サンゴ:1
ヤギ:1
はさみ式食虫植物:2
海水魚:1
トロール:1
潅木:1
スライム:1
サイクロプス:1
特別篇が1話あるためサブタイトルのカウントは99ですが、今回の更新で100話に到達しました。
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ここまで続けることが出来たのも、本当にお読みいただいている皆様のおかげです。
これからもマイペースに更新してまいりますので、今後もお楽しみいただければ幸いです。