異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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121 交渉

 

 

 

 

 

ベイル

防具屋

 

 

 

 

 

 ん? あれ? こいつ。

 

アンドレア ♂ 31歳

竜騎士Lv42

装備 強権の聖銀剣 鋼鉄の大盾 ダマスカス鋼の兜 オラクル聖銀鎧 聖銀のガントレット ダマスカス鋼のグリーヴ 身代わりのミサンガ

 

 鑑定を使用したところ、頭の中に情報が浮かぶ。

 

 やっぱり。あのときの男だ。

 それにしてもこいつ、町中をフル装備でうろついてんのか。

 

「よう。以前迷宮で会ったよな?」

 

 問いかけてみると男は驚いた表情を浮かべる。

 

「おお。あんたたちだったのか」

 

 アンドレアという男は少しだけ考えるそぶりをして、再び口を開いた。

 

「あのときあんたたちのパーティーに竜人族はいなかったよな? そいつは竜人族にしか使いこなせない装備品だろ? 申し訳ないが、譲ってもらうわけにはいかないか?」

 

 ああ。割と良い防具を身に着けてるもんな。色々こだわりがあるんだろう。

 ダマスカス鋼の大盾なんて、滅多に手に入らない貴重品。是が非でも手に入れたいという気持ちも分からないではない。

 

 ……でもなぁ。我がパーティーにもいずれ竜人族であるベスタが加入するのだ。こいつは何としてでも確保しておきたい。

 

 ロクサーヌの方を見遣ると、俺の考えに気付いているのだろう。

 彼女はそれを後押しするように頷いた。

 

「すまん。俺たちにもそいつが必要な理由があるんだ。悪いが譲るのは難しい」

「そうか……」

 

 断りの言葉を告げると、アンドレアは残念そうに呟く。

 

 俺たちの様子をうかがっていた防具商人は、揉め事が起こらなそうな雰囲気に安心したようだ。

 

 

 

「それなら、必要な理由っての教えてもらえないか? もしかしたら俺の方で何か力になれるかもしれない」

 

 えぇ……。めっちゃくちゃグイグイくるやん……。

 

 と言われてもなぁ。『いずれ竜人族の奴隷を購入するから』なんて口にしたら、希少種族である竜人族を手に入れる当てがあるのかと、疑問に思われるだろう。

 

 うーん……。ここは適当なことを言ってけむに巻いておくか。

 

「この前会ったときにドワーフの女性と一緒だっただろ? 彼女は鍛冶師でな。ちょうどいいスキル結晶を持っているため融合に挑んでみるつもりなのだ」

 

 すると、彼は表情を輝かせ声を上げる。

 

「本当か!? 何のスキル結晶なんだ!?」

 

 ヤバっ! なんかめちゃくちゃ食いついてきた!

 

「複数のスキル結晶を持っているため、鍛冶師と相談して決めるつもりだ」

「それなら、俺も相談に参加させてもらえないか? そして、融合に成功したら買い取らせてもらいたい。物は大盾なんだ。あんたたちで使うってわけじゃないんだろ?」

 

 ……あれ? これは悪くないかもしれない。

 いや。悪くないどころか、スキル結晶を融合してこいつに売却してしまうのはありだろう。

 そしてなにより、あのスロットが四つ付いたダマスカス鋼のグリーヴ。

 あれも売却する条件に含めて、入手することはできないだろうか?

 

 そうなると、この男がどうしても欲しがるようなスキルを付ける必要があるよな……。

 

 

 

 彼の装備品を見てみると、スキルの付いた防具は身代わりのミサンガを除けば一つ。

 

オラクル聖銀鎧 胴装備

スキル 魔法ダメージ削減

 

 こいつだ。そして、そのスキルは魔法ダメージ削減。

 それにしても、魔法ダメージ削減はオラクルって名称になるんだな。

 確か魔法ダメージ軽減はマジカルだったし、どうしてこの系統だけ命名規則が違うんだろう?

 

 ……いやいや。今はそんなことを考えている場合じゃない。

 この男が望むようなスキルを考えなければ。

 

 

 

 ……スライムだな。

 こいつはソロで迷宮に入っているのだ。物理ダメージに対する耐性は喉から手が出るほど求めているだろう。

 ならスライムとコボルトのスキル結晶を融合して物理ダメージ削減のスキルを付ければ、絶対に食いついてくるはず。

 

「一応今のところスライムとコボルトを融合して物理ダメージ削減を考えている」

「そいつはいい! 是非俺に買い取らせてくれ!」

 

 俺の言葉にアンドレアのテンションは一気に上がり、大声を上げた。

 

 おいおい。まだ融合に成功すると決まったわけではないだろうに。

 ……いや。俺たちなら絶対に成功するんだけどさ。

 

「分かった。もし融合に成功したら売却はあんたを優先しよう。ただ、ダマスカス鋼の大盾にスライムとコボルトのスキル結晶を融合するのだ。かなりの金額になるぞ?」

 

 それを聞いた彼は、こちらの様子を見ていた店主に問いかける。

 

「すまない。今の話を聞いていたと思うのだが、ダマスカス鋼の大盾に物理ダメージ削減のスキルが付くと、いくらくらいになるのだ?」

 

 そいつを巻き込むんかい!

 いやまあ、俺の方にしてもルークくらいしか当てはないしなぁ。

 

 店主は困惑していたものの、少し考えてから答えた。

 

「そうですね……。当店で買取を行うのでしたら二十万から二十五万ナールといったところでしょうか。ただし、オークションに出品すれば五十万ナールは確実でしょう」

 

 それを聞いて思わずロクサーヌと目を見合わせてしまう。

 彼女の顔にも驚きの表情が浮かんでいた。

 

 五十万ナールか……。こいつはすごい。セリー二人分だぞ。

 

 

 

 アンドレアは店主の言葉に頷き、こちらに向かい口を開く。

 

「では、五十万ナールで売ってもらえないだろうか?」

 

 三割アップが効かないのは残念だが、オークションに出品した場合でも同じだろうしな。五十万でも十分だ。

 あとは……。

 

「うーん……。五十万か……」

「五十万では無理か? では、五十二万ではどうだ?」

 

 悩むそぶりをすると、さらに上乗せしてきた。

 

「そうだな……。あんたがいま足に装備しているものはダマスカス鋼のグリーヴだよな? それを付けてくれるなら五十万ナールで売却してもいい」

 

 すると、彼は訝しげな表情を浮かべ問いかけてくる。

 

「確かにこれはダマスカス鋼のグリーヴだが、これと五十万ナールでいいのか?」

 

 まあ、スキルスロットが見えなければ、この行動はわけわかんないよなぁ。

 だが俺にとってこれはシャークトレードそのもの。何としても成立させなければ。

 

「ああ。ちょうど探していたところだったのだ。ダマスカス鋼のグリーヴはなかなか手に入らないからな。この機会に入手しておきたい」

「なるほど。そういうことか。もちろん俺の方は構わない」

 

 そう言うと彼は右手を差し出してきた。

 そして、その手を握り商談が成立する。

 

 

 

「ただ、今日は鍛冶師であるセリーとは夕方まで別行動なのだ。どうしたものか……」

「では、夕方にどこかで落ち合わないか? 融合に成功していた場合は馴染みの防具商人に頼んで明日にでも確認してもらう。失敗した場合でも知らせてもらえると助かる」

「ああ。構わない」

 

 こんなまどろっこしい手順を踏んで確認しないといけないのは面倒だよなぁ。

 他の人は鑑定での確認ができない以上、仕方がないけどさ。

 

 俺の返事を聞いたアンドレアが尋ねてきた。

 

「俺はベイル亭という宿に泊まっているんだが、あんたたちはどこに宿泊しているんだ?」

 

 おお! マジか!? こいつもベイル亭に泊まってんのかよ!

 旅亭ギルドが運営しているだけあって、信頼できる宿として有名なのかもしれない。

 

「俺たちはクーラタルに家を借りている。なので、こちらがベイル亭を訪ねよう」

「すまない。助かる。俺の名はアンドレアだ。受付で呼び出してくれ」

「俺はアユムだ。それではよろしく頼む」

 

 もう一度握手を交わすと彼は店を出て行った。

 

 ……なんか怒涛の展開だったなぁ。

 

 

 

 

 

ベイル

 

 

 

 

 

 支払いを済ませ店の外へ出ると、ロクサーヌが話しかけてくる。

 

「この短時間で五十万ナールも稼いでしまうとは、さすがご主人様です」

 

 まあ、利益は四十万ナールほどだが、それでもとんでもない額だ。

 だが、得たものはそれだけではない。彼女に近寄り耳元で囁く。

 

「しかも、ダマスカス鋼のグリーヴにはあれが四つ付いている」

 

 すると、ロクサーヌは大きく目を見開いた。

 

「なるほど。だからあのグリーヴにこだわっていたのですね。ご主人様の鑑定は本当にすごいです」

 

 ふふん。まあねー。

 

「それじゃあ、ベイル亭で昼食をとったら、ロクサーヌの買い物とウサギの毛皮の売却をして家に戻ろう。買い物は帝都でいいのか?」

「少しでも長くご主人様にかわいがっていただきたいので、私の買い物は結構です」

 

 買い物好きなロクサーヌが、それより俺との時間を望んでくれている。

 あまりの嬉しさで彼女を抱きしめてしまいそうになるが、人通りがあるためグッと堪えた。

 

「俺も同じ気持ちだ。少しでも長く二人の時間を過ごそう」

「ふふ。はい」

 

 ロクサーヌは妖艶な笑みを浮かべるとこちらに顔を近づけて告げる。

 

「たくさんかわいがってくださいね」

 

 こんな場所で誘惑しおって。こちとら既に臨戦態勢は整っているのだ。今日はいけるところまでいくぞ。

 

「当然。ロクサーヌ、覚悟するように」

「ご主人様こそ覚悟なさってくださいね。すべて搾り取って差し上げます」

 

 色魔を擁する俺に宣戦布告とは。その心意気やよし。

 からかうようなその表情に興奮が収まらず、改めて限界まで突っ走ることを決意した。

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 ベイル亭で食事をとり、帝都の高級服屋でウサギの毛皮を売却して自宅へ戻る。

 そして、靴を履き替えているときにふと思いついた。

 

 原作では災害救助から戻ったときに、お姫様抱っこでロクサーヌを寝室へ運んでいたよな?

 

 大好きな娘をお姫様抱っこで運ぶ……。

 いい。実にいい。

 

「ロクサーヌ。ちょっとごめんね」

「あっ」

 

 断りを入れてその体を掬い上げると、彼女も俺の首へ腕を回した。

 

「このまま寝室まで行こう」

「えっと、あの、はい……。お願いします……」

 

 頬を朱に染め、恥ずかしそうにしているロクサーヌの姿を見て興奮を覚えながら、足を進める。

 

 

 

 彼女をベッドに横たえ、覆い被さりながら口づけを交わす。

 舌を絡め、お互いのそれを激しく吸い合う。

 

「脱がせるよ」

「はい」

 

 頷いたのを確認して一枚一枚衣服を剥いでいく。

 緑色のアウターと白いシャツ。それからサンダルとズボンを脱がすと、白い下着を身に纏った女神が現れた。

 

「ロクサーヌ……。信じられないくらい綺麗だ……」

「ありがとうございます……」

 

 思わず漏れた声に対し、お礼の言葉が聞こえてくる。

 

 

 

 いつまでも凝視しているわけにはいかない。

 彼女の体を美しく彩るブラジャーに手を伸ばし、それを外すと大きな胸がたゆんと揺れた。

 

 すごい……。本当に綺麗だ……。

 

 そして、大切な場所を覆っている最後の一枚に手をかけ、スルリと脱がせていく。

 

 彼女の生まれたままの姿を改めて見ると、その美しさに圧倒されてしまう。

 毎日見ているというのに全然慣れることがなく、目にする度に興奮で頭がどうにかなってしまいそうだ。

 

 もう、矢も楯もたまらず、その大きなふくらみに手を伸ばして揉みしだいた。

 

「ああ!」

 

 ロクサーヌの嬌声を耳にしながら、愛撫を続けていく。

 

 

 

 

 

 何度も気を遣り、荒い呼吸をしている彼女を撫でていると、しばらくして体を起こし口を開いた。

 

「今度は私の番です」

 

 ロクサーヌはそう言うと俺の服を脱がせていく。

 覆うものがなくなり、天に向かって突き出している物に手を添え、笑みを浮かべた。

 

「ふふ。たくさん気持ち良くなってくださいね」

 

 そして、そこへ顔を近づけていく……。

 

 

 

 

 

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 ロクサーヌの口撃を受け、情けなくも我慢することができず何度も達してしまう。

 その度に彼女は喉を鳴らして俺の出したものを飲み込んでくれた。

 

 体だけではなく、心まで満たされていくような気持ちになる。

 ロクサーヌの奉仕を味わうことが出来るなんて、日本にいたときには想像もつかなかった。

 こんなに幸せでいいのかと少し不安になってしまうほどだ。

 

 

 

 そこを綺麗にしている顔に手を遣り、そっと動かしこちらを向かせる。

 

「ロクサーヌ。ありがとう。信じられないくらい気持ちがよかった」

「ご主人様に喜んでいただけて本当に嬉しいです」

 

 そして、淫靡な笑みを浮かべ言葉を続けた。

 

「では、今度はこちらにお情けをいただけますか?」

 

 彼女はそう言うと脚を広げ、秘密の花園に添えた指でそっと割り開く。

 

 こんなの我慢できるか!

 

 ロクサーヌのそこに狙いを定め、ゆっくりと腰を突き出す。

 

 

 

 

 

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 何度も何度も体を重ね、ロクサーヌの中で果てる。

 彼女も俺を受け入れ、何度も絶頂を迎えその度に大声を上げていた。

 

 一つになったまま俺の上で荒い呼吸を繰り返している彼女の背中の毛を優しく撫でる。

 

 今までで一番激しく愛し合ったな。

 それに、こんな時間に致すのも初めてだ。

 本当にすごかった。

 

 

「んっ……。ご主人様……」

 

 ロクサーヌの口から言葉がこぼれ、俺の上で身じろぎをする。

 

「とてもすごかったです。ご主人様にはいつも素敵な体験をさせていただいていますね」

 

 そう言うと彼女はマーキングするかのように、俺の首筋をぺろぺろと舐めだす。

 そして、自分の物だというように吸い付き、印を刻み付けていた。

 ロクサーヌはそれを続けながらも時折不安そうに顔を上げ、こちらの様子をうかがっている。

 

 ロクサーヌが不安にならないように、その行動を肯定していることを示すため、彼女の頭を撫でる。

 すると、安心したようにその行動に没頭し始めた。

 

 

 

 しばらくすると、気が済んだのか顔を上げて口を開く。

 

「これで私だけのご主人様です」

 

 その言葉に心臓を抉られるような罪悪感を覚えてしまう。

 

 彼女はセリーのことを間違いなく受け入れている。

 しかし、それでも二人きりじゃないことにフラストレーションがあったのだろう。

 ロクサーヌに対して申し訳ない気持ちが湧いてくる。

 

 彼女はこの時間を本当に喜んでくれていた。

 これからも二人だけの時間を作るようにしよう。

 ロクサーヌだけではなく、セリーともだ。

 

 これからも彼女たちのことを大切にしていこう。

 不誠実な自分が本当に嫌になるが、絶対にそれだけは違えるわけにいかない。

 

 

 

「心も体も満たされるような素晴らしい交わりだった。ロクサーヌ。本当にありがとう」

 

 感謝を伝えると、俺のものを包み込んでいる場所がキュッと締まり、再び刺激を与えられた。

 そして、彼女は淫らな笑みを浮かべると問いかけてくる。

 

「夕方まではまだまだ時間があります。もっとお情けをいただけますか?」

 

 こっちだってまだまだいける。望むところだ。

 

「ロクサーヌ。愛してるよ」

「はい。私も愛しています。ご主人様」

 

 言葉を交わし、見つめ合ったまま再び愛し合う。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

探索者Lv39 英雄Lv34 魔法使いLv38

装備 身代わりのミサンガ

 

BP振分 残BP:1

キャラクター再設定:1

サードジョブ:3

必要経験値二十分の一:63

詠唱省略:3

ワープ:1

鑑定:1

ジョブ設定:1

MP回復速度二十倍:63

 

所持金:1,057,415ナール

 

春の37日目

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