防具屋を目指して賑やかな通りを歩きながら辺りを見回すと、やはりエルフの姿が目に見えて多い。
クーラタルや帝都、ベイルなどにいる人間の割合と同じくらいだろうか。
もしかしたら、人口比は統治している領主の種族に左右されるのかもしれない。
足を動かしながら、とりとめもなく考える。
武器屋と防具屋があるといっても今回はスポット的なものだと考えた方がよさそうだ。
このまま際限なく回る場所を増やしてしまえば、毎日どこかしらで開かれているであろうすべての市に参加しなくてはならなくなる。
そんなことは絶対に不可能なので何らかの区切りは必要だろう。
五日ごとにいつもの三つの町を回るとして、他はタイミングが合えばって感じだな。
「あっ。ご主人様、あそこが防具屋のようです」
その声に思索を打ち切りロクサーヌが指さす方へ目を向けると防具屋のマークが描かれた看板がかかっていた。
改めて見ると不思議な形だよなぁ。あれは何を模したものなんだろう?
武器屋は二本の剣がクロスしているマークでわかりやすいんだが、こちらはキノコか自転車のサドルのように見える。
……まあ、今考えることではないな。
「いらっしゃいませ」
中に入るとエルフの防具商人が挨拶の言葉を掛けてきた。
エルフなのか……。大変そうだなぁ。
防具商人や武器商人は鍛冶師であるドワーフとの付き合いが必須だろう。
しかし、ドワーフはエルフに対して偏見を持っている。
いや、エルフはエルフで他種族すべてを見下している奴が多いのでどっちもどっちではあるんだろうが、そんな間柄でよく商売が成り立っているもんだ。
まあ、他人の取引についてなどどうでもいい。早速、掘り出し物を探してみよう。
おお! とんでもない物があるじゃないか!
店内を確認しているとすごい物を発見した。
一見すると赤い幅広の布がいくつか掛かっているだけに見えるが、鑑定結果がヤバすぎる。
サッシュ アクセサリー
スキル 空き 空き 空き 空き
アクセサリーで空きスロットが四つはヤバいだろ! これは絶対に買っておかなくてはならない。
俺がサッシュを見てテンションが上がっていることに気付いたセリーが解説をしてくれる。
「それはサッシュですね。肩から斜めにかけたり腰に巻いたりするアクセサリーで、気休め程度ですが魔法によるダメージを軽減する効果があります」
スロットが四つもある上にそんな効果まで付いているのか。
こいつはとんでもない逸品だ。
「ありがとう、参考になった」
「お役に立ててよかったです」
セリーに感謝を告げて他にも掘り出し物がないか店内を探ってみるが、そうそうめぼしいものがあるはずもなく、三割引対策のためにベスタ用のサンダルを購入することにする。
くっ。三割引が利いても金貨三枚と大量の銀貨が吹っ飛んでいった。
五十万ナールが入ってきたばかりだというのに、所持金がすごい勢いで目減りしていくぞ。
白金貨を崩すことがないよう気を付けなければ。
……とはいっても掘り出し物を見つけたら、躊躇するわけにはいかないんだよなぁ。
防具屋を出て通りを歩いているとロクサーヌが問いかけてくる。
「先ほどの帯は貴重な物なのですか?」
ちょいちょいと二人を呼び寄せ、周囲に聞こえないようサッシュのスキルスロットについて小声で告げると、彼女たちから興奮したようにすごいすごいと声が上がった。
一緒に喜んでくれるのが本当に嬉しい。
「アクセサリーというのが良いですね。他の者とは違いご主人様なら有効に活用できるでしょう」
セリーの言葉に頷きを返して答える。
「うむ。今のところどのようなスキルを融合するのかについては考えていないが、いずれ役に立つことだろう」
彼女たちにそう告げて再び歩き出した。
武器屋に向かう道すがら、サッシュに付けるスキルについて考えを巡らせる。
ボーナス装備であるメギンギョルズに付いているスキルは攻撃力二倍、魔法攻撃力二倍、対人強化、最大MP上昇。
正直、対人強化は死にスキルだし、最大MP上昇も消費MP削減で補える。
好きなスキルを付けることが出来る分、サッシュの方が優れている気がするほどだ。
そうなるとどんなスキルを融合するべきか……。
アクセサリーに融合が可能で役に立ちそうなスキルは腕力二倍、攻撃力二倍、知力二倍、魔法攻撃力二倍、ダメージ逓増あたりだろう。
ウェブ版と書籍版では仕様が異なるが、この世界に近い書籍版ではダメージ逓増はハチのスキル結晶をコボルトのスキル結晶と共に融合することで付くスキルで、この系統のスキルを持った者が連続で攻撃を入れると徐々にダメージ量が増えていくというものだ。
しかし、その途中でダメージ逓増を持たない者の攻撃が入るとコンボは途切れてしまうとのことだった。
そのためこのスキルを有効活用するにはハチのスキル結晶をパーティー全員分用意する必要がある。
しかも、増加率も微々たるもので何百回と攻撃を行わなければ効果が実感できないらしい。
そんな回数の攻撃が必要な魔物と戦うなんて絶対に嫌だ。
ぶっちゃけありえなーい。
我がパーティーでこのスキルを有効に使うのは難しいだろう。
やはり、腕力二倍、攻撃力二倍、知力二倍、魔法攻撃力二倍の四つが候補となるか。
くそっ。失敗した。
イアリングに腕力二倍と魔法攻撃力二倍を付けるんじゃなかった。鳥のスキル結晶なんて次はいつ手に入るのかまったくわからないってのに。
こんなものが手に入ると知っていたらそんな真似はしなかったんだが……。
あー、もったいない。
……あっ。でも、俺が物理攻撃をするときはデュランダルを使うよな?
攻撃力二倍とデュランダルの攻撃力五倍は同系統のスキルなため、重複した場合どちらかの効果が発揮されない。
となるとアクセサリーに求めるスキルは腕力二倍、知力二倍、魔法攻撃力二倍の三つで十分だということになる。
今のイアリングでも全然問題ないってわけか。
よし。こいつはいずれ仲間に加わるルティナのために保管しておこう。
サッシュの使い道を考えていたらいつの間にか武器屋の看板が見えてきた。
武器屋に入るとこちらの店主もエルフのようだ。
セリーの育った環境がそうだっただけでドワーフとエルフはいうほど仲が悪いわけではないのかね?
「おっ」
考えつつも店内を確認してみると良さそうなものがヒットする。
鋼鉄の剣 両手剣
スキル 空き
普段ならスルーしているところだがウサギのスキル結晶を手に入れたのだ。こいつに融合して詠唱遅延のスキルが付いた武器を六本揃えよう。
本当ならダマスカス鋼の剣あたりが欲しいところだがそう簡単に見つかるはずがないからな。
鏡を納品する際にハルツ公爵家へ営業をかけてみなければ。
後は三割引対策のために何か買っておくか。
うーん……。探してみたがめぼしいものが見つからない。
もういいや。片手剣を模した木剣でも買っておこう。
いずれミリアが加入したときに使うだろう。
店を出てロクサーヌの鼻を頼りに人の居ない裏路地に入る。
そして、キャラクター再設定を開き三十パーセント値引を頭装備六に変更して出現した毘盧帽をかぶった。
それが済むと手に持つ木剣を示しながら二人に告げる。
「では、こいつを置くため自宅へ戻ろう」
彼女たちが頷くのを確認してワープゲートを展開だ。
自宅へ戻ったところでロクサーヌが嬉しそうに口を開く。
「ご主人様。木剣は私が置いてきますのでお預かりします」
「うん。じゃあ、お願い」
「セリー、行きましょう」
「はい」
ん? 木剣を置くだけなのに二人で行くのか?
手渡すと二人は楽しそうに話しながら二階へ上がっていった。
まあ、楽しそうだからいいか。
「お待たせいたしました」
妄想に浸っていると防具を身に着けたロクサーヌに声を掛けられる。
彼女だけではなくセリーの方もフル装備だ。
え? あ、そうか。ペルマスクへはザビルの迷宮を経由してMP回復を行うことを伝えていたため装備を整えたのだろう。
そんなことに思い至らなかったお馬鹿さんはどこのどいつだい? あたしだよっ!!
「大丈夫。全然待ってないよ。それじゃあ、鏡の買い付けとコハクの売却をしにペルマスクへ行こう。物語では鏡の工房から直接購入していたのでそこに行ってみるといい。それから、その工房の奥方にコハクのネックレスを販売していたから町へ入ったらネックレスを身に着けた上で勧めてみて」
二人の返事を聞きながら他にも何かなかったか思い返す。
確かセリーが一枚あたりの値段をかなり落とした上に、まとめ購入することでボリュームディスカウントを引き出し、一括前払いをすることでさらなる値引を受けていた。
今のうちにお金を渡しておかなくては。
「鏡の購入資金を渡しておきたいんだけど、セリーのアイテムボックスに空きはある?」
問いかけてみると彼女は笑みを浮かべながら答える。
「必要のないものはクローゼットにしまい、装備品も身に着けているので問題ありません」
その言葉に頷きながらロクサーヌも口を開く。
「一階層とはいえ油断できませんからね」
ですよねー。低階層だろうと油断するはずないですよねー。
でも、私もこのあと装備する予定でしたから。本当ですから。嘘じゃないですから。
金貨十枚をセリー、委任状をロクサーヌへ。そして、ペルマスクの入市税である銀貨一枚をそれぞれに渡しておく。
「それじゃあ、鏡は全部で十七枚をお願い。二枚はうちで使うのでシンプルな枠やスタンドが付いたものを。十五枚は鏡のみで枠や装飾が一切ついていない物で」
必要な鏡の枚数を告げてお願いしたところ、彼女たちはグッと力こぶを作るポーズを取る。
「セリーと一緒に鏡を安く仕入れ、コハクを高く買い取ってもらうよう頑張ります」
「はい。私たちにおまかせください」
本当に頼もしい娘たちだわ。
うん。彼女たちに任せれば何の問題もないだろう。
あとは販売枚数だよな。原作において公爵家は十枚を超えても買い取っていた。おそらく、このくらいなら買い取ってもらえるだろう。
ですよね? 公爵閣下に騎士団長閣下? 信じていますからね?
打ち合わせを終えたところでアイテムボックスから装備品を取り出し身に着ける。
魔法攻撃をするつもりはないし、アクセサリーは身代わりのミサンガのままで問題ないか。
「よし。では、行こう」
二人に告げてワープゲートを展開した。
「ぐっ」
毘盧帽の消費MP半減の効果があってもMPが大きく削られ、思わず声が漏れてしまう。
おそらく、こいつがなければ鬱状態一直線だったな。
本来、三人で移動するような距離ではないのだろう。
キャラクター再設定を開き頭装備一に落として強情のバンダナを頭に巻き、倹約の硬革グローブを身に着けた。
そして、デュランダルを取り出しロクサーヌへ頼む。
「MPを回復しておきたい。魔物の場所へ案内してくれ」
「かしこまりました」
「ふぅ」
エンカウントしたニートアントを切り捨てたところでため息が漏れた。
原作ではザビルの迷宮の魔物が描かれていなかったため不明だったがこいつだったのかよ。
一階層が毒持ちの魔物とかハズレもいいところだ。初心者が入ったら死にかねんぞ。
それに、吸収できるMPは相手へ与えたダメージによって決まるため、レベルが1で与えられるダメージ量の上限が少ないことにより回復量がめちゃくちゃ少ない。
今後、鏡の買い付けでここには何度も訪れることになるだろう。
効率を考え階層を上げることも視野に入れなければ。
この後は待機部屋を探しながらMP回復を図ることにしよう。
二人にその旨を伝えて先へ進む。
その後、MPが満タンになったため、次に入った小部屋でボーナスポイントを振りなおし、彼女たちの装備品を預かってペルマスクへ移動した。
「ご主人様、行ってまいります」
「良い取引ができるよう頑張ります」
ペルマスクへ着いたところで二人は気合が入った声でそう告げる。
「うむ。あまり気負わずにな」
彼女たちはインテリジェンスカードの確認を受けて入市税を支払い、対応をした騎士と何やら話した後に扉の向こうへ消えていった。
「ふぅ」
二人を見守ったところで思わずため息が漏れる。
ロクサーヌもセリーもあれだけの美貌だ。変な奴に絡まれたりしなければいいんだが……。
……いかんいかん。彼女たちと離れるとすぐに不安が顔をのぞかせる。
あまり気にし過ぎるのは良くない。二人を信じて待とう。
気を取り直してギルド内を見回すと辺りにはいくつかのテーブルが置かれており、そこに腰を下ろしてくつろいだ様子で飲食をしている者たちがいた。
ミチオはずっとここにいたら変に思われると別の場所で時間を潰していたが注文をすれば問題なさそうだよな?
一人で迷宮へ入って階層を上げる気にはならないし、別の場所へ移動するのもMPの無駄だ。
近くにいるギルド職員らしい女性に声を掛け、飲み物を頼んでテーブルで待つことが可能か問い合わせたところ、何も問題ないとのことだった。
そのままハーブティーを頼み一番近くの席に着く。
何して時間を潰すかなぁ……。
この世界に来てからこんな風に一人で時間を持て余すのは初めてかもしれない。
普段はやることが盛りだくさんだし時間が空いた場合でもロクサーヌと共に過ごしていた。
あ、クーラタルの迷宮に初めて入ったときにもこんな感じだったか。
あー。スマホがいじりたい。
普段はそんなことを思ったりしないが、この状況だと禁断症状的なものに襲われる。
考えてみればもう四十日近く触ってないんだな。
いずれこの衝動もなくなるのだろうか?
運ばれてきたハーブティーを少しだけ口に含みカップを戻す。
ちょうどいい機会だ。遊び人の効果設定とスキル設定、それからキャラクター再設定の確認してみよう。
いくつかの項目を解除して余ったポイントでフォースジョブにチェックを入れると遊び人が自動で設定される。
よし。まずは効果設定からだ。
ジョブごとに区切られた形で表示されているそれを確認するが、やはり英雄の効果が圧倒的すぎるため変える必要性を感じられない。
これについては勇者を取得するまでこのままだな。
効果設定の画面を閉じて今度はスキル設定を開く。
じゃあ確認していこう。
こちらもジョブごとに区切られたスキルがズラッと並ぶが、村人と農夫、それから盗賊の箇所は空欄だ。
いくら基本ジョブとはいえスキルを持たないのはなかなか厳しいよなぁ。
自分の意志とは無関係で落とされてしまう盗賊は別として、村人や農夫のまま過ごしている奴らはジョブ変更をしようとは思わないんだろうか?
あと、盗賊の上位ジョブに兇賊があるように村人と農夫にも上位ジョブがあるのか?
あるとするなら農夫は精農や豪農あたりと推察できるが村人の上位ジョブは何だろう?
まさか、町民とか市民ではないだろうしなぁ。
おっ。ラッシュだ。
これを設定して、フォースジョブに戦士を設定したらどうなるんだ?
魔法のダブルスペルと同じように両方発動するんだろうか?
あっ、ダメか。一時間のクールタイムがあるため、これを設定してしまえばしばらくの間ダブルスペルが使えなくなる。迷宮で試すわけにはいかないな。
いや、待てよ? 戦士と剣士を設定してラッシュとスラッシュを重ね掛けすればどうだ?
もし、これが可能だった場合、ボス戦にかかる時間は相当短縮されるはずだ。
とりあえず午後の探索で試してみよう。
ん? 鐘の音?
スキル設定を確認していると遠くの方から鐘の音が聞こえてくる。
ペルマスクはもう正午になるのか。だとするとクーラタルだと十時くらいかな?
まあいいや。続きだ続き。
確認を続けているとメッキというスキル名が目に入る。
メッキかぁ。結局全然使ってないなぁ。
次の探索は十五階層からでセリーのレベルである14を超えている。
彼女の受ける攻撃はレベル補正によるダメージ軽減がない状態だ。
これの使用を検討するべきだろうか?
でもなぁ。そのために遊び人のスキル枠を潰したり、錬金術師を設定するのは難しいんだよなぁ。
うーん……。早急にセリーの防御力を上げるべきだろう。
スライムのスキル結晶は使用してしまったため、海水魚とコボルトのスキル結晶で体力二倍を付けて対応するしかない。
さて、どの防具に融合するべきか……。
正直、硬革のジャケットや硬革のグローブに付けるのはもったいない気がする。かといってロクサーヌの装備品とスイッチするのもなぁ。
あ、いや。そういえばベスタ用の装備品があるわ。
プレートメイルは無理だろうが、ガントレットやグリーヴならセリーでも装備できるんじゃないか?
戻ってきたら確認してみよう。
あっ! オーバーホエルミング!
これを設定して二重に発動した場合どうなるんだ?
有効ならとんでもないチートスキルだぞ。
再設定時間があるため迷宮で試すわけにはいかないが修行のときに確認しなくては。
うーん……。さすがに遊び人は表示されていないか。
そりゃそうだ。
スキル設定の確認を終えると今度はキャラクター再設定を開く。
まずはパラメーター設定。
重要度が低いため迷宮ではほとんど用いることはなかった。
だが、腕力を盛りに盛って遊び人に腕力中上昇の効果を設定し、腕力二倍の付いたよりしろのイアリングと攻撃力五倍の付いたデュランダルを装備した上でラッシュを使い、さらにクリティカルまで乗ったらどのくらいのダメージが出るんだろう?
完全なロマン砲だが興味深いよな。ロマン輝く何とやらだ。
ポイントに余裕が出来たら試してみよう。
レベル制限解除とダメージ上限解除か。
原作のセリーによると使用することでレベルが上げるアイテムであるドープ薬は大量に服用しても無限に強くなるわけではなく五十個までとされている。
それを聞いたミチオはレベル99に達した後は無駄になっているのではないかと推察していた。
おそらく、この世界を構成しているゲーム的なシステムによりレベルは99で制限が掛けられているのだろう。
これはその制限を取っ払うスキルというわけだ。
そして、同じく与ダメにも上限が設定されていると考えられる。
もしかしたら、先ほど検討した攻撃はその上限に達する可能性があるだろう。
しかし、ダメージ上限解除を付けるとそれを超えたダメージを与えられるはず。
でもまあ、通常の攻撃でそれらに引っかかるとは考えにくいし、まだまだ俺には必要ない。
あっ。パーティー項目解除!
これを設定するとパーティーライゼイションが選択できるようになったり、ジョブ設定の次にパーティージョブ設定が出現するんだよな? 他にも何か増えたりしないだろうか。
暇ならあるんだ。しらみつぶしに調べてみよう。
パーティー項目解除にチェックを入れて一つ一つ確認していく。
当然だがパラメーター設定やボーナス装備に新しい項目が表示されているということはなかった。
うん。まあ、そうだろうな。
ボーナス呪文にパーティーライゼイションが増えていたがこれは予想通り。
その後はボーナススキルをチェックしていくものの、なかなか見つけることができない。
あっ! 増えてる!
しばらく作業に没頭していたところ、レベル制限解除にチェックを入れた瞬間にパーティーレベル制限解除という項目が出現した。
おお! 彼女たちもレベル100以上にすることが可能なのか!
今はともかく、将来的にはこのスキルを付けっぱなしにしておく必要があるだろう。
きっと、そのころには3ポイントはそれほど負担ではなくなっているはず。
さて、次だ次。
また増えた!
ダメージ限界解除を設定するとパーティーダメージ限界解除の項目が表示された。
いいじゃん、いいじゃん。
彼女たちの与ダメが上限に引っかかる日が来るのかはわからないが、ないよりはあった方が絶対にいい。
こいつも将来の楽しみにしておこう。
最後にキャラクター再設定を見てみるが増えている項目はなかった。
そりゃそうだ。他の人に対してキャラクター再設定が可能ならとんでもないバランスブレイカーになってしまう。
まあ、しょうがない。
「ご主人様。お待たせいたしました」
その後もキャラクター再設定の画面と睨み合っていたところに声を掛けられる。
聞こえてきた方に目を遣るとそこには布に包まれた大きな板状の荷物を抱えたロクサーヌとセリーが立っていた。
おお! 首尾よく行ったのか!
それにしてもパピルスではなく布で包まれていて原作とは少し異なっているようだ。
「二人ともよくやった。詳しい話は自宅でしよう」
ボーナスポイントの振り分けを行い椅子から立ち上がり、二人と共にフィールドウォークに使用されている壁へ近づいてワープゲートを展開した。
田川 歩 男 18歳
探索者Lv39 英雄Lv34 魔法使いLv38
装備 頑強の竜革鎧 倹約の硬革グローブ 硬革の靴 身代わりのミサンガ
BP振分 残BP:0
キャラクター再設定:1
サードジョブ:3
必要経験値二十分の一:63
詠唱省略:3
鑑定:1
ワープ:1
ジョブ設定:1
パーティー項目解除:1
MP回復速度二十倍:63
所持金:1,275,544ナール
春の38日目