異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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130 納品

 

 

 

 

 

ザビルの迷宮

一階層

 

 

 

 

 

 一旦ザビルの迷宮へ移動して倹約の硬革グローブを外しアイテムボックスへしまっておく。

 そして、MP回復速度二十倍と頭装備六を入れ替え出現した毘盧帽を頭にのせた。

 消費MP削減と消費MP半減でスキルかぶりが発生しているため、いちいち防具を変更しなければならないのが面倒だよなぁ。

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 ザビルの迷宮から一気に自宅へ移動すると大量のMPが抜けていく感覚があったものの、やはり鬱に見舞われることはなかった。

 これも全て毘盧帽のおかげだな。本当にボーナス装備様様だ。

 

 

 

 サンダルへの履き替えを済ませたところでロクサーヌが抱えている鏡を持つ。

 荷物がなくなったところで彼女も履き替えを済ませ、セリーが持っていた鏡を預かっている。

 そして、セリーはサンダルに履き替えると俺から鏡を受け取った。

 

 

 

 鏡を物置に運び込み、彼女たちから預かった装備品を返却する。

 ついでに鋼鉄の剣へウサギのスキル結晶の融合をお願いするとセリーは慣れた様子で手早く作業を済ませ、あっというまにこさえてくれた。

 

妨害の鋼鉄剣 両手剣

スキル 詠唱遅延

 

 よっしゃ! 妨害の鋼鉄剣ゲットだぜ!

 

「さすがセリー。もうすっかり慣れたものだね」

「そうですね。こんなに有能な鍛冶師は二人といないでしょう」

「いえ。そんな……」

 

 俺たちの言葉に照れている様子が本当に可愛らしい。

 

 

 

 鏡の状態を確認するため覆われていた布を外したところ、この世界で目にした物の中では格段に映りが良かった。

 ただ、俺が日本から持ってきた物とは比較にならない。

 本当に科学技術の恩恵ってのはすごいものだったんだなぁ。

 

 確認を終えたところで今日手に入れたサッシュとサンダルをクローゼットにしまい込む。

 そして、その他の荷物を置くために彼女たちと別れ自室へ入った。

 鍵が掛かるチェストに購入したスキル結晶とすぐに使用しない分の銀貨と銅貨をしまい、装備品をアイテムボックスに放り込んでからリビングへ移動する。

 

 

 

 部屋に入ると二人が先に来ていたためソファーに腰を下ろして彼女たちも座るように促した。

 

「ネックレスは問題なく保管できそう?」

 

 問いかけたところロクサーヌが嬉しそうに答える。

 

「はい。鍵のかかるチェストがありますので盗まれる心配はありません」

 

 そういうことじゃなくて傷がつかないかという意味だったんだが……。

 まあ、問題ないならそれでいいか。

 

「セリーも大丈夫?」

「はい。問題ありません」

 

 オッケー。なら、本題へ入ろう。

 

「それじゃあペルマスクでの出来事について教えてもらえる?」

 

 問いかけてみると二人は顔を見合わせて頷きセリーが報告を始めた。

 

「はい。では、ご報告いたします。町へ入って、ご主人様が仰っていたようにネックレスを身に着け鏡工房を探しそこを訪ねました」

「すぐに見つかった?」

 

 その質問にロクサーヌが答える。

 

「はい。冒険者ギルドの入り口にいた騎士に尋ねたので問題ありませんでした」

 

 ああ。そう言えばインテリジェンスカードの確認をされた後に何か話していたな。

 あのときに鏡工房の場所を教えてもらっていたのか。

 

 俺が納得したことが分かったのかセリーが話を再開する。

 

「鏡の買い付けとコハクの原石やネックレスの販売を行いたいと伝えたところ、工房の親方が奥さんに声を掛け商談に同席することになりました。しかし、隣に奥さんがいるにもかかわらず親方はずっと私たちの胸元を凝視し続けたのです」

 

 軽蔑したような表情でそう言ったセリーに続きロクサーヌも困り顔で口を開いた。

 

「とてもいやらしい視線でした。チラチラ見てくる人は多いですがあそこまで堂々と凝視する人はなかなかいません」

 

 おいおい。原作とは違いロクサーヌだけではなくセリーの胸も凝視していたのか?

 あ、いや。今日のセリーは胸元が開いた服を着ていて愛らしいふくらみの上部が見えているし、そもそも魅力的な娘だ。男がそこに目を向けないのは難しいだろう。

 とはいえ、俺のロクサーヌとセリーをエロい目で見られるのはめちゃくちゃイラっとするな。

 

「二人とも大変だったね」

「はい。ですが、その様子を見ていた奥さんが怒り出し罰としてコハクのネックレスを金貨二十五枚で買い取ってくれることになりました」

 

 よっしゃ! 原作と同じ流れだ!

 

 いやー。それにしても二十五万ナールはエグイわ。

 セリーと同じ額だぞ? そんなものをポンと出せる財力がヤベーよ。

 普段は装飾を盛りまくった鏡でぼったくっているのだろう。

 

「それからコハクの原石は一つ銀貨三十五枚で全て引き取ってもらえることになりました」

 

 イェス! イェス! 三千五百ナールを三十個!

 合計、えーっと……。商人の出番か?

 ……いや、この程度ならカルクに頼るまでもない。

 

 三千掛ける三十で九万。五百掛ける三十で一万五千。

 おお! 合計十万五千ナール! すげー!

 

「そんなに高く売るなんてロクサーヌもセリーも本当にすごいよ」

「いえ。私は見守っていただけで交渉は全てセリーが受け持ってくれましたから」

「そんなことはありません。ロクサーヌさんが絶妙なタイミングで笑顔を浮かべたり言葉を挟んでくれたおかげです。あれで親方は骨抜きになっていました」

 

 ……ロクサーヌは親方相手に普段俺へ見せているような小悪魔ムーブをしたのだろう。

 くっ。嫉妬で脳が破壊されてしまいそうだ。

 

「次に鏡のことなのですが奥さんの助けもあり銀貨二十五枚まで値切りました。また、大量に購入した上に一括で支払いを行うということで合計四万二千五百ナールのところを四万ナールとしてもらえました。そして、うちで使用する二枚に関しては明日までに枠とスタンドを取り付けてくれるそうです。あ、もちろんその加工については無料となっています」

 

 よっしゃ! 確かハルツ公爵家には一枚一万ナールで卸していたはずだから十五万ナールが入ってくる。

 めちゃくちゃ美味しいぞ!

 

「それにしてもよくそんなにまけさせることができたね」

「あんなにいやらしい目で女性の胸を凝視するような者には当然の報いです」

「そ、そうなんだ」

 

 たぶん俺もそんな目で見てます……。ほんとすんません……。

 

「はい。あのような輩は滅びればいいのです」

 

 え!? 『滅びればいいのです』だ!

 胸にコンプレックスがなくてもこの言葉を使うのか……。

 

 

 

 セリーが落ち着いたところで二人に感謝を伝える。

 

「ロクサーヌ、セリー。本当にありがとう。二人のおかげで資金に余裕が出来そうだよ」

「ふふ。ご主人様のお役に立てて嬉しいです」

「無事に遂行することが出来て安心しました」

 

 二人ははにかんだような笑みを浮かべて喜んでいた。

 

 

 

「ご主人様、これが鏡を購入したおつりとコハクの原石の代金です」

 

 金貨十六枚に銀貨五十枚。うん。間違いない。

 受け取ったお金をそのままアイテムボックスへ流し込む。

 

 とりあえず今日予定していたアンドレアとの取引にルークへの追加注文。それからコハクの仕入と二人へのプレゼント。そして、鏡の仕入にコハクの売却と全て済ませた。

 この後はどうしたもんかなぁ。

 

「ロクサーヌ。今の時間はどのくらい?」

「お昼の鐘まであと一時間といったところでしょうか」

 

 問いかけるといつものようにスパッと答えてくれる。

 さすがロクサーヌ。さすロクだ。

 

 お昼まで一時間か。

 

「それじゃあ俺はハルツ公爵家へ鏡と詠唱遅延の付いた武器を持ち込んでみるよ。二人はその間にお昼の準備をしてもらえる? 今日は早めに午後の探索に出よう」

「それはとても良い考えだと思います!」

「そうですね。早めに迷宮へ入って階層を上げていきましょう」

 

 本当にイケイケドンドンなお嬢様たちだこと。

 

 

 

 こっちはワープで自由に出入りできるため自宅の鍵と買い物用のお金をロクサーヌへ渡しておく。

 二人は準備を済ませると連れだって玄関を出て行った。

 

 さて、俺の方も用事を済ませますかね。

 

 

 

 

 

ボーデ

宮城

 

 

 

 

 

 鏡を抱えたままワープゲートから抜け出すとボーデにあるハルツ公の宮城にある一角へ出る。

 そして、正面にはこちらを見つめている騎士が数人。

 

 ん? あれ?

 

「あっ。昨日は大変お世話になりました」

 

 その中の一人はそう言って俺の方へ近づいてきた。

 

 やはり昨日随行した騎士か。

 

「うむ。こちらこそ世話になった。災害救助の方は上手くいったのか?」

「はい。皆様のおかげで領内の村へ滞りなく食料が行き渡りました」

 

 

 

 一頻り会話をしたところで彼は俺の抱えている物を見ながら尋ねる。

 

「ところで本日はどうしてこちらへ?」

 

 一旦鏡を下ろしリュックからワッペンを取り出して彼へ差し出す。

 

「うむ。ご依頼いただいた品が用意できたのでゴスラー殿へお取次ぎ願いたい」

 

 それを受け取りしばらく確認した後にこちらへ返却する。

 

「確かに当家の紋章です。それでは団長に確認してまいりますので少々お待ちください」

 

 

 

 もしものことがあると不味いので再び鏡を抱えて辺りを見回してみる。

 すると、正面の騎士たちはまるで万引きGメンのようにこちらの様子をうかがっていた。

 

 ……あんな風に見られると何も悪いことはしていないのに気まずさを覚えてしまうのはなんでだろう。

 

 視線から逃れるため後ろを振り返りフィールドウォーク用に設置されているエンブレムを確認してみる。

 昨日ゴスラーに聞いたところによると宮城には遮蔽セメントが使用されており、フィールドウォークで直接移動できるのはエンブレムのあるこの場所だけだそうだ。

 

 デザインはワッペンの刺繍と同じで、二本足で立ち頭に冠をかぶってハルバードを持ったヘラジカのような動物が描かれている。

 ハルツ公爵家の紋章なのだから冠はコロネットというやつなのだろうか?

 

 そして、セルマー伯の居城にもこれと同じものがあり、このまま上手く事が進めば俺がそれに向けて移動魔法を使い襲撃の尖兵となる……。

 

 

 

「アユム殿。お待たせいたしました」

 

 エンブレムを見つめながら思索に耽っていたところ後ろから声を掛けられた。

 聞こえてきた方へ向くとそこには昨日出会った短髪のイケメンが。

 

「ゴスラー殿。さっそく購入してきたので今後の打ち合わせを行いたいのですが」

「はい。閣下も執務室でお待ちです。すぐに鏡の確認と取り決めを行いましょう。ご案内いたします」

 

 やっぱハルツ公も一緒なのか。高位貴族なのに気さくでフッ軽だよなぁ。

 

 

 

 彼の案内で廊下を歩きながら考えを巡らせる。

 ハルツ公がフレンドリーなのもそうだが、公爵家の継嫡家名である『アンハルト』を持つれっきとした貴族であるはずのゴスラーがなんでこうまで腰が低いんだ?

 騎士団長まで務めているのだから確実に自由民より身分は上だろう。

 

 というか昨日は俺だけではなく庶民の冒険者にも敬語で接していたわ。

 ただ単に彼の性分なのかね?

 

 

 

 取り留めもないことを考えているうちにハルツ公の執務室にたどり着く。ゴスラーがノックをすると入室を促す声が聞こえてきた。

 

「アユム殿。まさか昨日の今日でペルマスクの鏡を手に入れてくるとはな。さすが余の見込んだ男だ」

「もったいないお言葉、痛み入ります」

 

 全身から小物臭が漂っているだろうによく俺みたいなやつを見込んだよなぁ。

 

 いや、今の俺は日本にいたときとはだいぶ心持ちが異なっている。

 自分だけに与えられた反則級の能力を持ち、期間限定ではあるものの未来のことがわかるのだ。

 俺自身に自覚はないがいつも心のどこかに余裕というか慢心のようなものがあり、傍からは泰然自若とした人物に見えているのかもしれない。

 まあ、良いことなのか悪いことなのかは分からないけどさ。

 

 座るよう促されローテーブルの上に鏡を置いてゴスラーと共にソファーへ腰を下ろし包んでいた布を外す。

 

「ほう。確かに映りがいいようだな」

「はい。それに、装飾が一切なくタルエムで枠を作るという目的にも合致するかと」

 

 だしょー?

 うちのロクサーヌとセリーが頑張って仕入れてくれたのだ。問題なんてあるはずがない。

 

「ペルマスクの鏡工房へ直接依頼してこの形で仕入を行いました。また、サイズについても大小さまざまに用意をするとの言葉をもらっています」

「なるほど……」

 

 ハルツ公は俺の言葉を聞いてなにやら考えている。

 しばらくして考えがまとまったのかデスクに置いてあったベルを鳴らした。

 

 おっ。これはカシアを呼ぶ流れだ!

 作中一の美人として扱われており、ロクサーヌたちを見慣れているミチオでさえガチ惚れした程の女性。どれほど美しいのか気になるぞ。

 

 

 

「お呼びでしょうか」

 

 程なくして男が入ってくる。

 

「カシアを」

 

 ハルツ公が告げると彼は困ったような表情で答えた。

 

「閣下。本日カシア様は女性たちの会合にご出席なさるためカッサンドラ様の下へ赴いております」

「なに? 今日であったか……。あい分かった。下がるがよい」

「はっ」

 

 えー! マジで? 今日はおあずけ? 生カシアを拝めないの?

 

「ん? ああ。カシアとは余の妻室でな。鏡については女性に確認してもらうのが一番だと思ったのだがすぐには無理なようだ」

 

 俺の表情を見て疑問を覚えたものと勘違いしたのか公爵が説明をしてくれる。

 

「なるほど。そういうことでしたか」

 

 納得した振りをするとゴスラーが打ち合わせを再開した。

 

「本日の晩にでも確認いたしますので購入額については後日ということでよろしいでしょうか?」

 

 まあ、金貨一枚以上は確定なので大丈夫だろう。

 

「問題ありません。ただ、色々と無理を言ったため十枚の予定が十五枚の購入となってしまいました。超過分の五枚についてはご不要であればこちらで引き取りますのでお申し付けください」

 

 原作ではオーバーした分も引き取っていたんだから俺にもその対応をしてくだされー。

 何卒。何卒。

 

 二人は顔を見合わせると公爵が口を開く。

 

「ゴスラー。どうなのだ?」

「はい。他にも使い道はありますのでそのくらいなら問題ありません」

 

 よっしゃー! 五枚分多く売りつけてやったぜ!

 

「ありがとうございます。では、明日から一枚ずつ納品いたします」

「うむ。次回からは直接ここへ来るがよい」

 

 どこの馬の骨とも分からないような奴を相手によくそんな対応が取れるよなぁ。

 日々、高階層の探索を行い迷宮討伐も数えきれないほど成し遂げているのだろう。

 それらに裏付けされた自信がうかがえる。

 この男、金髪ロン毛の麗人でありながら実に豪胆だ。

 

 

 

 ゴスラーが布で鏡を包み部屋から持ち出し、しばらくしてから手ぶらで戻ってくる。

 そのままここに置いていたら割ってしまう可能性もあるからな。

 

 取引が終了したような雰囲気になっているがさらに商談を続ける。

 

「ところで話は変わりますが、私は妨害の銅剣を五本と妨害の鋼鉄剣一本を所有しております。騎士団ではこれを用いて団員を鍛えるとの話を耳にしたのですが閣下の騎士団でご入用はありませんか?」

「ほう。詠唱遅延の付いた武器を六本か。ルークではなく余のところに持ち込むとはやるではないか」

 

 ハルツ公はそう言ってニヤリと笑う。

 

 まあ、ここに持ち込むよりルークに依頼してオークションに出した方が高く売れるのは確実だ。

 恩を売ろうとか目をかけてもらおうというこちらの思惑はお見通しか。

 なら、取り繕ってもしょうがない。正直に打ち明けておこう。

 

「ルークには申し訳ないのですが、どうせ恩を売るのなら高く買っていただけそうなお方にと思いまして」

 

 その言葉に彼はくつくつと笑い声を漏らす。

 

 やはりこの人には回りくどい言葉より正直に伝える方がよさそうだ。

 俺のことを気に入ってもらえたかはわからないが少なくとも不愉快な思いはしていないはず。

 

 おやびん、オイラは見どころがあるでヤンしょ? 帝国解放会に勧誘してほしいでヤンス。

 これからもおやびんのために励むでヤンスから、セルマー伯の娘を託してほしいでヤンスよ。

 

 

 

 公爵は一頻り笑うとゴスラーに告げる。

 

「ゴスラー。我が騎士団で引き受ける」

「かしこまりました。妨害のスキルが付いた武器はいくらあっても十分ということはありません。我らにとっても有益となりましょう。アユム殿、ありがとうございます」

「いえ。正当な取引なのですからお気になさらず」

 

 俺たちが話をしている間にハルツ公は再びベルを鳴らし、先ほどの男に誰かを呼ぶように告げていた。

 そして、程なくして男が部屋に入ってくる。

 

 ん? おっ。武器商人じゃないか。

 

「アユム殿。この者は騎士団に所属する武器商人で仕入や払い下げを担当しているのだ。先ほど申しておった妨害のスキルが付いた武器を確認させてくれ」

 

 なるほど。公爵家騎士団ともなれば武器商人も所属しているんだな。

 ということは今日買い取ってもらえるってことか。

 

 ……取引相手が武器商人ならカルクのスキルを持っているため三割アップが効果を発揮するはず。

 しかし、今の状況はこれまでに三割アップや三割引を使ってきた場面とは明らかに異なっている。

 ここで使うとかなりヤバいことになるだろう。

 一団員が領主や団長の目の前で許可も得ず勝手に高く買い取るのだ。

 この男が背任に問われてもおかしくないし、買取を行う際の不自然なやり取りを目の当たりにすれば俺に対しても疑念を抱く。

 今回は諦めるしかないか。

 

 

 

 アイテムボックスから妨害の銅剣五本と妨害の鋼鉄剣一本を取り出しローテーブルの上に置くと、武器商人は一つ一つ手に取り武器鑑定を掛けていった。

 

「妨害の銅剣が五本に妨害の鋼鉄剣が一本。間違いありません」

 

 鑑定結果を聞いた公爵が尋ねる。

 

「ふむ。その六本でどのくらいになる?」

 

 問いかけられた武器商人はしばらく考えて口を開いた。

 

「そうですね……。六本合計で十二万七千ナールといったところでしょうか」

 

 くそー。三割アップが使えれば十六万ナール以上だったのかよ。

 

 

 

 内心歯嚙みしながら受け取ったお金をアイテムボックスへしまい、明日以降の予定について確認を行う。

 

「この度はお取引いただき誠にありがとうございます。明日からは朝に鏡を持ち込もうと思うのですが、いかがでしょうか?」

 

 昼食の準備中より朝食の準備中に出かける方が予定を立てやすいからな。

 

「うむ。我らもその方が何かと都合がいい」

「お昼だとどうしても業務や迷宮探索に手を取られることが多いのです」

 

 俺のようなフリーランスの迷宮探索者とは違い、彼らは領内統治や治安維持、騎士団の鍛錬に迷宮探索とやることが山のようにありそうだ。

 

 成り上がりを果たしたら俺もそうなってしまうのだろうか?

 

 明日の納品を約束したところで暇を告げ宮城を後にする。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

探索者Lv39 英雄Lv34 魔法使いLv38

装備 硬革の靴 身代わりのミサンガ

 

ロクサーヌ ♀ 16歳

戦士Lv20

装備 サンダル 身代わりのミサンガ

 

セリー ♀ 16歳

鍛冶師Lv14

装備 サンダル 身代わりのミサンガ

 

BP振分 残BP:0

キャラクター再設定:1

サードジョブ:3

必要経験値二十分の一:63

詠唱省略:3

鑑定:1

ワープ:1

ジョブ設定:1

パーティー項目解除:1

MP回復速度二十倍:63

 

所持金:1,567,378ナール

 

春の38日目




いつも拙作をお読みいただき本当にありがとうございます。

今回の更新で百万文字を超えました。
これも全てお読みいただいている皆様と原作の魅力のおかげです。

感想、UA、お気に入り、評価、ここすきのおかげでモチベーションを維持して更新を行えています。

これからもマイペースに更新していきますので、今後もお楽しみいただければ幸いです。
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