異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 木剣を置くために物置へ移動しセリーのMPが回復しているので、もう一度指輪の製造に挑んだ。

 しかし、出来上がったのは先ほどと同じくスロットなし。

 それを伝えると二人も残念そうにしている。

 

 うーん……。現在、設定可能なジョブの中では最も器用のパラメーターが上がるような組み合わせにしているにもかかわらず三個中〇個。

 これはかなり厳しいなぁ。

 店売りにスロット付きが少ない理由をまざまざと見せつけられてしまった。

 

「ご主人様。もう一度試させてもらえませんか?」

 

 考え込んでいると焦ったような表情でセリーが告げる。

 

 ん? スロットが付かなかったことをそんなに気にしているのか?

 ぶっちゃけ、スロット二つの指輪が出来たところでそれを使うことはないだろうから気にする必要はないんだが……。

 

 でも、そうだな。本当に複数スロットの装備品が製造可能なのかをなるべく早いうちに確かめておきたい。

 レベル上げと並行して数をこなすことも必要となるだろう。

 まあ、二十階層のラブシュラブが狩れたら板が手に入るから、明日以降はそっちの製造を優先するかもしれないけどさ。

 

「うん。それじゃあお願い。スロット付きじゃなくても売却する分には問題ないし気負わなくていいからね」

「はい」

 

 気負う必要はないと伝えたものの彼女は緊張している様子でクローセットからメノウを取り出し手のひらに乗せた。

 その様子を見ていたロクサーヌが微笑みながら声を掛ける。

 

「大丈夫です。セリーならそのうち絶対に成功します。ご主人様もあなたに信頼を置いているので焦ることなく取り組んでください」

 

 すると、強張っていた表情が緩む。

 

「ありがとうございます。そうですね。焦らずに製造を行った方がいいですよね」

「ふふ。その通りです。失敗が続き主人に疎まれた鍛冶師の話を気にしているのでしょうが、私たちのご主人様はそのような輩とは違います。このくらいのことで見放すはずがありません」

「はい。そんなことは絶対にないでしょう」

 

 そう言って二人は顔を見合わせ笑い合っている。

 

 なるほど。そういうことだったのか。

 鍛冶師になって一発目の製造であっさりスロット付きのミサンガを作っているし、その後も半分以上がスロット付きだった。

 それからはスロットの有無が重視されない毘盧帽をかぶっての量産だったし、考えてみれば鍛冶師にジョブ変更をしてから製造や融合で失敗らしい失敗をしていない。

 初めての躓きで主人に疎まれた鍛冶師の話を思い出して不安になったのだろう

 

 笑顔で話している彼女たちへ話しかける。

 

「ロクサーヌ、セリー。二人が言っているように俺が君たちのことを見放すことは絶対にない。だから、心配することはないからね。これからものんびり楽しく暮らしていこう」

 

 というか俺の方が彼女たちに見捨てられないようにしないといけないくらいだしな。

 

 その言葉を聞いた二人は輝くような笑顔を浮かべる。

 

「ありがとうございます。これからも末永く可愛がってくださいね」

「ご主人様、私のことも可愛がっていただけますか?」

 

 よかった。不安は解消されたようだ。

 

 

 

 そして、セリーはリラックスした様子で呪文を唱える。

 手のひらから光が溢れ出し、それが収まると先ほどと同じように指輪が出現していた。

 

指輪 アクセサリー

スキル 空き

 

 おっ!? スロット付きだ!

 

「セリー、やったね。今回はスロットが付いているよ」

「二つですか!?」

「え? いや、一つだけど……」

「そうですか……」

 

 それを伝えたところ一瞬喜んだものの、スロットの数を聞いて一気にテンションが落ちてしまう。

 そんな彼女の肩に手を置いてロクサーヌが口を開く。

 

「一つでもすごいです。焦る必要はありません。少しずつ頑張っていきましょう」

「そう、ですね。焦る必要はないですよね……。ロクサーヌさん、励ましていただきありがとうございます」

 

 まあ、セリーには負担をかけてしまうが、最悪デュランダルを用いた製造マラソンを行えば何とでもなるだろうしな。

 

 

 

 装備品の手入れを済ませ風呂場でお湯を沸かしてキッチンに入る。

 

 さあ、明日の仕込みを開始だ。

 

 アイテムボックスから取り出した赤身を程よい大きさに切って小鍋に入れ、潰したニンニクとローリエ、塩胡椒を加える。

 そして、赤身が完全に浸かるくらいオリーブオイルを入れて火にかけた。

 色が変わり中まで火が通ったら五徳から下ろし、そのまま明日の昼まで寝かせることにする。

 

 俺の様子を見守っていたロクサーヌが不思議そうに尋ねた。

 

「油に漬けたままにするのですか?」

 

 そりゃそういう料理ですもの。

 

「うん。これはこのまま漬けておいて明日のお昼に使うつもり」

「なるほど。先ほどの調味料に関係するのですね」

 

 おっ。セリーさん、察しがいいじゃあーりませんか。

 

「その通り。明日の昼と夜は色々な魚料理を作るから楽しみにしてて」

「どんな料理なのでしょう? とても楽しみです」

 

 嬉しそうに呟いた彼女に続きロクサーヌも笑みを浮かべながら口を開く。

 

「ご主人様の作る料理はどれも本当に美味しいですからね。食べるのが待ち遠しいです」

 

 白身を使ってフィッシュバーガーやかまぼこにフリッター。ムニエルやアクアパッツァもいいし煮込みにするのもありだ。

 赤身の方もカツや唐揚げ、ステーキなんかもありだし、こちらの煮つけも美味いだろう。

 

 ミリアが加入する前に色々試してみないとな。

 

 

 

 二人が作ってくれた夕食を取った後は洗い物を済ませ、着替えを用意してバスルームへ移動する。

 

 いつものようにロクサーヌとセリーを洗った後は二人がかりでこちらを洗ってくれた。

 だが、今日のロクサーヌは何故かお腹を執拗に撫でさする。

 クスクス笑いながらそんなことをしてる姿に愛らしさを覚えるものの、少しだけ引いてしまったのは秘密ということで。

 

 石鹸シャンプーとビネガーリンスを終えると五日に一度のお楽しみ。カメリアオイルを使った髪のお手入れだ。

 ロクサーヌはともかく俺とセリーの天パ同盟にとっては超重要な儀式。気合を入れてケアしなければ。

 日本三大まつりの一つ。ヘアケアまつりの開幕だ。

 ちなみに残り二つはまんがまつりとパンまつりな。

 

 

 

 お手入れを終え手櫛で梳いてみると指に絡むことなくサラサラと通りがいい。

 さすがファンタジー世界のアイテム。その効果に驚くばかりだ。

 二人も嬉しそうに鏡を見ながら自分の髪を触っている。

 

 美女たちが全裸ではしゃいでいる姿を見られるだなんて、ここは楽園に違いない。

 

 

 

 落ち着いたところでお湯に浸かるとロクサーヌが俺の右側に腰を下ろし、腕を抱きしめてきた。

 今日は彼女の番だったのに正面から抱き着くわけじゃないのか。

 

「とても気持ちが良いですね」

 

 はい。君の体の柔らかいところが当たって本当に気持ちが良いです。

 

 セリーも俺の左側に座ったので腰に手を回す。

 すると、彼女も俺の太ももにそっと手を添えた。

 

 信じられないくらい幸せだなぁ。

 

 

 

「くふっ……。な、なに?」

 

 三人でのんびりお湯に浸かっていると不意にお腹を撫でられ、くすぐったさから思わず声が出てしまう。

 

「ふふ。可愛らしい声です。ご主人様のお腹がゴツゴツしていてとてもたくましかったのでつい撫でてしまいました。申し訳ありません」

 

 彼女は謝ったものの笑顔で腹を撫で続けている。

 

 たくましくねぇ……。

 

 ロクサーヌに少し離れてもらい自分の腹を確認したところ、今まで気が付かなかったのだが腹筋が薄っすら割れていた。

 

 マジか! インドアオタクである俺の腹筋が割れてる!

 いやいや。これ結構すごくね!?

 

 若返ったことで四十五年間蓄積されていた贅肉が削ぎ落とされた上に、四十日近くガチの肉体労働と修行をしていたもんなぁ。

 

 お湯からザブンと立ち上がり、見よう見まねでボディビルのポーズをとってみる。

 

「ダブルバイセップス!」

 

 仁王立ちになり両手を肩の上に持っていき力こぶを作った。

 

「あ、あの。ご主人様……。一体何を……」

 

 股間にチラチラ目を遣りながら戸惑った様子のセリーが問いかけてくる。

 

 あっ。このポーズは不味い。

 

 再びお湯に浸かり体を寄せてきたロクサーヌを抱きしめた。

 

「知らないうちに体が引き締まっていたから確認をしようと思ってね」

「出会った頃のようなぷにぷにのお腹も可愛らしくて素敵でしたが、今の引き締まったご主人様もとても素敵です」

 

 そう言って再び俺の腹を撫でている。

 

 いや、ぷにぷにって……。

 

 

 

 それにしても自分の体のことだというのに、これほど引き締まっていたことに全く気が付いていなかった。

 このまま筋トレを始めたら憧れだった某戦闘民族のような体になれないだろうか?

 

 どんなトレーニングをすればいいんだろう?

 腕立て伏せ百回、上体起こし百回、スクワット百回、ランニング十キロメートルを毎日やるみたいな感じか?

 いやでも、この鍛え方は髪の毛を犠牲にしてしまう。

 

 うーん……。この世界にバーベルやダンベルなんてないだろうしなぁ。

 

 あっ! 以前、棍棒を持ったときは腕にものすごい重さが掛かっていた。

 あれでウェイトトレーニングをできるかも。

 しかし、ジョブを複数設定している上にレベルもそれなりに高いせいで、盛に盛られたパラメーターがパワーアシストのように作用して筋トレの邪魔をしてしまうだろう。

 鍛えるときには低レベルのジョブを一つだけにしておいた方がいいか。

 ついでに修行の前半でもそれを取り入れれば、全身に負荷が掛かったのと同じ状態で鍛えることができる。界王星や重力室でトレーニングをするようなものだ。

 これはすごいことになるかもしれないぞ。

 数年後にはゴリマッチョな体形になってたりして。

 

 魔法を使えばエネルギー波的なやつを撃てるし、オーバーホエルミングと歩雲履があれば高速戦闘や空中機動といった超人的な動きも可能だ。

 筋肉ムキムキで縦横無尽に駆け回り戦う俺。いい。実にいい。

 

 

 

 オレは怒ったぞーーーー!!!!! フリーザーーーッ!!!!!

 

 シュインシュインシュインシュインシュインシュイン。

 

 あのドワーフのように……? セリリンのことか……。 セリリンのことかーーーーーーーーっ!!!!!

 

 ……なんだろう。想像の中でもロクサーヌがやられるところが思い浮かばない。

 

 

 

「ご主人様、随分楽しそうですね」

 

 宇宙の帝王と肉弾戦を繰り広げているところを妄想しているとセリーが話しかけてきた。

 

「うん。自分の体が引き締まることが嬉しくてね。筋肉をつけるためにトレーニングをしようかと考えていたんだ」

 

 彼女の問いかけに答えたところ不思議そうな表情を浮かべている。

 

「筋肉をつけるためのトレーニングですか? どうしてそのようなことを? 力を強くするためには迷宮で魔物を倒して経験を積んだ方がいいと思いますが……」

 

 まあ、この世界だとそうなるわなぁ。

 この娘なんてこんなにほっそりとした腕なのに筋骨隆々の男より遥かに力が強い。

 体を鍛えるより魔物を倒して腕力のパラメーターを上げる方が効率的だ。

 

 でも、そういうことじゃないんです。

 悟空みたいな体になれるかもしれないんだぞ?  そりゃ、やるでしょ。

 

 それに、まったく関係がないとも考え難い。鍛えて損はないだろう。

 

「そっちはそっちでやるけど昔から筋肉質な体に憧れがあってさ。いい機会だから鍛えようと思ったんだ。それで、棍棒でも振ってみようかなってね」

「なるほど。確かにドワーフでも鍛冶師でもないご主人様だと槌の重量はかなりのものでしょう」

 

 あー。やっぱり種族やジョブによって装備品に適性があるんだな。

 

「オリハルコンの剣でもあればよいのですが、そのクラスの装備品はそう簡単に出回りません。私が作るにしても隻眼になる必要があるため何十年も掛かってしまいます」

 

 ん? オリハルコンの剣? どういうことだ?

 

「人間族はオリハルコンの剣に適性がないの?」

「えっ? そんなことはないと思いますが……」

 

 不思議に思い尋ねてみるとセリーは戸惑ったような表情を浮かべる。

 だが、俺がこの世界の常識を持ち合わせていないことに気が付いたのだろう。先ほどの言葉を解説してくれた。

 

「オリハルコン製ほどの高性能な装備品になると、迷宮で経験を積んでいない者ではすさまじい重さが掛かりまともに扱うことが出来ません。あっ。でも、ご主人様なら問題なく扱えるかもしれませんね」

 

 レベル制限! それってレベル制限じゃないのか!?

 

 あ、いや。俺は村人のレベルが1だったころからデュランダルを問題なく振り回すことが出来ていた。

 デュランダルはオリハルコンの剣より遥かに高性能な装備品だ。レベル制限があるのなら引っかかるはず。

 それに、原作では低レベルのルティナが聖槍を扱えていた。聖槍のスロット数は五つ。オリハルコンの剣と遜色がないのだ。レベル制限が存在した場合、普通に考えると引っかからなくてはおかしい。

 

 うーん……。セリーに確認してみるか。

 

「オリハルコン製の装備品にそんなことがあったとしても、俺はそれより高性能なデュランダルを低レベルのときから十全に扱えていたし、物語の中ではほとんど経験を積んでいなかったルティナも聖槍を扱えていた。これはどうしてだろう?」

「おそらくそれらには限定が施されているのではないでしょうか?」

 

 限定? なんだそれは?

 

 彼女は俺が理解していない様子を見て説明を続ける。

 

「高性能な装備品も限定をすれば初心者でも扱えるようになります。ただし、それを行うと装備品の性能は著しく低下するそうです。そして、限定を行うためには迷宮の最上階のボスを倒した時に手に入るギルド神殿を融合する必要があります」

 

 待て待て待て! なんだその新情報の洪水は!

 

 装備品のレベル制限に、それを取っ払って低レベルでも扱えるようにするための限定。

 デュランダルや聖槍がそのせいでデチューンされている可能性。

 そして、それを行うためにはギルド神殿を融合する必要があるということ。

 さらに、ギルド神殿はアイテムだということに加え、最上階のボスからドロップするという情報。

 

 何なんだ一体……。

 原作のどの媒体でもそんな話は出てこなかったよな?

 この世界だけの独自のシステムなんだろうか?

 それとも、俺がいなくなった後に出るであろう話の続きで明かされる情報という可能性も……。

 いずれにしても確認することは不可能だ。

 

 

 

「んっ」

 

 混乱した状態で考え込んでいたところ、お腹を撫で続けていたロクサーヌの手の動きが変わり、ムニムニと揉み始めたため思わず声が漏れる。

 

 ……こやつ、シリアスなやり取りの最中や俺が思い悩んでいる間もずっと撫で続けておったぞ。

 

 彼女の方を向くと悪戯っぽい笑みを浮かべてこちらを見つめていた。

 

 可愛い娘だなぁ。

 

 

 

 いやいやいや。違う違う。

 今は考えなければならないことがあるだろ。

 

 セリーの言葉を信じるならデュランダルや聖槍には限定というものがかけられている。

 あの鬼強なデュランダルが実はデチューンされた姿で、まだパワーアップの余地が残されている……。

 おそらく他のボーナス装備品についてもその可能性があるだろう。

 

 限定を解除する方法はないのだろうか?

 神性能な装備品たちの性能がさらに上がるなんて頼もしいどころの話じゃない。

 

「セリー。その限定というものを外すことは出来るの?」

「はい。もう一度ギルド神殿を融合することで限定を解除することができます」

 

 なるほど。それにもギルド神殿が必要になるのか。

 ……迷宮討伐を目指す理由が増えたな。

 

 

 

 原作の描写では領地を得る関係上、討伐する迷宮の選定には色々な思惑が絡んでいそうだった。

 カッサンドラ婆さんとかすげーうるさそうだ。

 

 だが、それは領地を得るための迷宮討伐についてであって、放棄されていない土地の迷宮はたとえ討伐に成功しても領主になることはできない。

 なので、攻略したとしても誰にも迷惑はかからないはずだ。

 

 夏の途中にゴスラーのパーティーが攻略したハルバーの迷宮。

 あれはハルツ公が入るように依頼した三つの迷宮のうちの一つ。

 討伐しても問題ない迷宮なのか、それとも討伐出来ないと高を括っていたのか。

 いずれにしても討伐したら駄目だとは言われていなかった。

 

 しれっと横取りをしても問題なさそうだよな?

 

 ハルバーの迷宮は若かったため五十階層だったとのこと。

 夏の途中である十二巻終了時のミチオの攻略階層は四十五階層。

 原作知識のおかげもあって、現時点では俺の方が先に進んでいる。

 このまま順調に行けばゴスラーに先んじて五十階層のボスを倒すことも可能ではないだろうか?

 

 他にもベイルやボーデの迷宮も出来たばかりだったので狙い目だ。

 あとは管理している者がいないザビルの迷宮もか……。

 

 

 

 

 

「あっ! ちょ、ちょっと!」

 

 討伐する迷宮について考えを巡らせていたところ、お腹を揉んでいたロクサーヌの手がアレをキュッと握ってきたため思わず声を上げてしまう。

 そちらに顔を向けると彼女は小悪魔のような表情を浮かべて俺を見つめていた。

 

「ご主人様、考え事もいいですが私のことも構ってください」

 

 このかまってちゃんめ。可愛すぎるんだよ、もー。

 

 すると、セリーの手もそこへ伸びる。

 

「私のことも忘れないでください」

 

 この悪戯っ子たちめー。

 

 反撃を行おうとしたところでふと気づく。

 

 ん? え? あれ?

 ギルド神殿を入手したいとはいえ、なんで俺は急いで迷宮討伐を行おうと思っていたんだ?

 

 いやいやいや。冷静に考えれば危険すぎる。

 デュランダルがパワーアップするかもしれないという美味しい話に惑わされ、まともな判断ができていなかった。

 

 もし彼女たちに相談していたら今以上のスピードで階層を駆け上げることになっていただろう。

 危ない危ない。口に出さなくて本当に良かった。

 まったく。安全第一の田川さんらしくない。

 

 何が何でも討伐しようなんて考えるのは事故の元。

 色々準備を整えた上で可能なら挑戦ぐらいの気持ちでいよう。

 

 自分を取り戻したところで彼女たちの大切な場所に手を伸ばす。

 

 

 

 風呂から上がり自室で二人を待っているとノックの音が響いた。

 

 すごい……。目にしているだけでどうにかなってしまいそうだ……。

 

 黒で大胆なデザインの下着を身に纏ったロクサーヌは妖しい雰囲気が漂っており、すぐにでも事を始めたくなってしまう。

 

「ロクサーヌ……。とても綺麗だ……」

「ふふ。ありがとうございます」

 

 彼女が色っぽく微笑むと、その後ろにいたセリーが姿を現しおずおずと尋ねてきた。

 

「あ、あの……。いかがでしょうか……」

 

 恥じらっているセリーの体を彩るのは薄いピンクで可愛らしくも大胆なランジェリー。

 小柄でありながら手足が長くスタイルの良い彼女の魅力を存分に引き出している。

 

「本当に可愛らしくて美しい。セリー、似合っているよ」

「あの、嬉しいです……」

 

 俺の言葉を聞いて彼女ははにかんだような笑みを浮かべた。

 

 ベッドから立ち上がり二人へ近づいていく。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

探索者Lv42 英雄Lv37 魔法使いLv41 僧侶Lv15

装備 身代わりのミサンガ

 

BP振分 残BP:0

キャラクター再設定:1

フォースジョブ:7

必要経験値二十分の一:63

詠唱省略:3

鑑定:1

ワープ:1

ジョブ設定:1

MP回復速度二十倍:63

 

所持金:1,172,575ナール

 

春の42日目

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