出来上がった料理をダイニングに運び込むと、食卓の上にはパン、それからミリアとロクサーヌが作ったブイヤベースにセリーが作った肉野菜炒め、そして俺の作ったかまぼこが並ぶ。
それじゃあ、主人としての仕事を果たすとしますかね。
しかし、寸胴鍋に手を伸ばそうとしたところでミリアがロクサーヌに一声掛け、急いで部屋を出て行った。
何だ何だ。一体どうしたんだ?
突然の行動に呆気に取られていたところ、ロクサーヌが説明してくれる。
「リュックに入れてあるツナサンドを取ってくるそうです」
あー。そういうことね。
ミリアは葉っぱに包んであるツナサンドを持ち、笑顔でダイニングに戻ってくると再びロクサーヌに何かを告げた。
「四人でツナサンドを分けましょうと言っています」
彼女に渡したものなのに分けようとするなんて、めちゃくちゃ良い娘だなぁ。
「ロクサーヌ、セリー。ツナサンドはミリアのものってことでいい?」
確認したところ、二人とも優しい笑みを浮かべて頷く。
本当にうちの娘たちは良い娘ばかりだ。
ロクサーヌがそれを伝えると彼女は嬉しそうに笑いながら感謝の言葉を口にする。
「ごしゅじんさま。おねえちゃん。セリーさん。ありがとう、です」
どういたしまして、ミリア。
さあ、全員揃ったところで今度こそ主人としての大切な仕事を果たそう。
ブイヤベースがそれぞれに行き渡ったところで食事の挨拶をして、スープを口に運ぶ。
うっま! これめちゃくちゃ美味いぞ!
魚とエビ。それからトマトに玉ねぎ、ニンジンといった野菜。そして、サフランやニンニク、ブーケガルニといったスパイスやハーブ。
それらの旨味や香りが混然一体となり、とても濃厚で複雑な美味しさに仕上がっている。
続けて魚を食べると幸せが口いっぱいに広がった。
尾頭付き自体の力も大きいのだろうが、この味に仕上げたミリアの腕も相当だ。
彼女もかなり料理上手だぞ。ロクサーヌのポトフやセリーのボルシチに勝るとも劣らない。
「ミリア、とても美味しいよ」
顔を見つめながら伝えると、俺の言ったことを理解したのかロクサーヌが伝える前に笑みが浮かぶ。
そして、ロクサーヌに話しかけた。
「ご主人様に喜んでいただけて、とても嬉しいそうです」
めちゃくちゃ可愛いじゃないか。
まったく。この娘たちはこれ以上、俺を虜にしてどうするつもりなんだ。
「ごしゅじんさま。ありがとう、です」
あまりの可愛さに身悶えしそうになっていると、彼女は無邪気な笑顔でお礼の言葉を伝えてくれた。
撃ち抜かれた! ハートが撃ち抜かれちゃったよ!
あー! 可愛すぎるんじゃー!
俺が食べ始めたのを見て三人も食事を始める。
「初めて食べましたがブイヤベースとはこんなに美味しいものなのですね」
一口食べたロクサーヌが感心した様子でそう言うと、セリーも続く。
「本当ですね。とても濃厚な味わいなのに、ホッとするような気持ちになります」
彼女たちの様子を見て安心したのか、ミリアは笑みを浮かべながらかまぼこを口へ運び咀嚼を始めた。
「んー!」
しかし、彼女はピタッと動きを止め、大きく目を見開きかまぼこを口に含んだまま叫び声を上げる。
しばらくその状態が続いたものの、再起動するとすごい速さで口をモグモグ動かし飲み込んだ。
そして、立て板に水の如く、めっちゃ早口で喋り出した。
「ごしゅじんさま。ありがとう、です!」
ミリアはバーナ語で長々と話していたが、最後にブラヒム語で感謝を伝えて笑みを浮かべる。
……思わずその天衣無縫な笑顔に魅了されてしまった。
ロクサーヌもセリーも、そしてミリアもそれぞれ違う魅力にあふれていて、改めて自分が恵まれていることに気付かされる。
この幸せを維持できるよう努力を続けていかなくてはならない。
ブイヤベースに続いてセリーの作ってくれた肉野菜炒めを口に運ぶと、こちらも本当に美味しく仕上がっている。
「セリー。とっても美味しいよ」
それを告げたところ、はにかんだような笑みを浮かべ口を開いた。
「本当ですか? ふふ。ご主人様に喜んでもらえてよかったです」
控えめな笑顔が実に可愛らしい。
冷たいジト目や、仲買人やエルフに対して嘲り笑いとは全然違う。
なんとまあ、多面的な魅力を持った娘さんだこと。
セリーの笑顔に見惚れながら考え込んでいると、かまぼこを口にしたロクサーヌから声が漏れた。
「初めての食感と味ですがこのかまぼこ? という料理はとても美味しいですね。さすがご主人様です」
その言葉にセリーも続く。
「はい。今までこのような料理は食べたことがありません。ミリアが興奮するのも無理はないです」
うんうん。二人にも喜んでもらえたようでなによりだ。
「マヨネーズを付けるのもアリだし、チーズを入れても美味しいんだ。それに、さっき説明したように練り物には色々なバリエーションがあるからそのうち作ってみるね」
その言葉で彼女たちの顔にうっとりした表情が浮かぶ。
「どれも美味しいのでしょうね……」
「聞いたことのない料理法ばかりでとても興味深いです」
ロクサーヌとセリーの言葉に続き、満面笑顔のミリアが口を開いた。
「ちくわ、はんぺん、つみれ、さつま揚げ、魚肉ソーセージ、フィッシュハンバーグ、です」
待て待て待て。一回しか聞いてないのになんで覚えてるんだ!? それにアクセントも完璧だったぞ!?
ミリアの顔を凝視すると、そこには得意気な表情が浮かぶ。
俺だけではなく、二人も驚いたように彼女を見つめていた。
……この娘さん、魚関係だと常識外れの能力を発揮するなぁ。
「えっと、うん。ミリアがベイルの商館から戻ったら練り物系の料理を出すからね」
ロクサーヌがその言葉を伝えたところ、ミリアは興奮で体を揺らしている。
「ごしゅじんさま。ありがとう、です」
わあ。めちゃくちゃいい笑顔だわぁ。
これだけ期待してもらえたのだから、近いうちに作らないといけないな。
食事を終えると、三日に一度の歯磨き粉を使った歯のケアを行う。
ロクサーヌの説明を受けながら歯磨きを済ませたミリアは大興奮だ。
どうやら歯がツルツルになったことに感動したらしい。
昼食の後に行った歯磨き粉を使ったうがいにも喜んでいたが、どうやら今回のそれはレベルが違ったようだな。
唇を開いて歯をニッと見せつけている姿がめちゃくちゃ愛らしい。
これからは君も一緒にハチマルニイマル運動に取り組んでいこうじゃないの。
洗い物を済ませたところで大切な相談を行う。
「ロクサーヌ、セリー。今、ミリアと俺は意思疎通を図ることが出来ない。そんな状態で体を委ねるのは恐怖があるはずだ。だから、今日のところは風呂と寝室は共にしない方がいいと思うんだけどどうかな?」
体を拭き合い、イチモツを慰めてもらったものの、ロクサーヌと一つになったのはこの家に移ってからだ。
セリーとはベイルの商館にいる間に会話を交わし、関係を深めてから行為に至っている。
短い時間だが、彼女たちとはお互いのことをわかり合う機会があった。
しかし、ミリアとはその時間が取れていない。きっと、不安があるだろう。絶対に無理強いはしたくない。
俺の言葉を聞いてロクサーヌとセリーはキョトンとした表情を浮かべ顔を見合わせた。
そして、頷きを交わすと笑みの浮かぶ顔を俺の方へ向け、ロクサーヌが口を開く。
「ご主人様、お気を遣いすぎです。今日一日ともに過ごしたことで、ミリアもご主人様に好意を抱いたことでしょう。きっと、お情けをいただきたいと思っているに違いありません」
「はい。これほどまでに恵まれた待遇を与えられた上、信じられないほど優しく接していただいたのです。ロクサーヌさんの言う通り、好意を抱かずにはいられないでしょう」
いやぁ……。それはどうかなぁ……。
二人を疑うみたいで申し訳ないが、言葉が通じないんだし、いきなり好意を抱くなんてないだろう。
ミリアへ視線を向けたところ、こちらを見つめていたようで目が合った。
すると、彼女の顔に嬉しそうに笑みが浮かぶ。
やっば。めちゃくちゃ可愛いな、おい。
「それでは本人に確認してみましょう」
ミリアの表情に見惚れているとロクサーヌが提案を行い、バーナ語で喋り出した。
話し掛けられたミリアは両手を握りしめてコクコク頷き、何かを伝えている。
その様子に満足そうな表情で頷きを返すと、ロクサーヌはこちらを向いて口を開く。
「ミリアは今日一日でご主人様に好意と尊敬の気持ちを抱いたそうです。この後、どのように可愛がっていただけるのか楽しみだと言っています」
マジで?
思わず目を遣るとミリアは笑みを浮かべたまま言葉を発する。
「ごしゅじんさま。だいすき、です」
うわー! すごい威力だ! これはヤバい! これはヤバいだろ!
ロクサーヌよ。何という言葉を仕込んだのだ。いくらなんでもクリティカルすぎるぞ。
……よし。こんなに純粋に好意を伝えてもらったんだ。グダグダ考えていないで突っ走ることにしよう。
「ミリア、受け入れてくれてありがとう。絶対に大切にするからね」
彼女の目を見ながら感謝の気持ちを口にすると、ロクサーヌがそれを伝えていた。
「ごしゅじんさま。ありがとう、です」
ああー。可愛いんじゃー。
自室から着替えを取ってバスルームへ移動する。
湯かき棒でかき混ぜてから温度を確認するとやはり温くなっていたため、ファイヤーボールで追い炊きだ。
もう一度お湯に手を入れたら今度はちょうどいい温度になっている。
よし。準備オッケー。
今日は髪の毛を洗う日だが、カメリアオイルによる髪の毛のケアは明後日だ。
どうせならミリアにもヘアケアまつりを体験してもらいたい。
しかし、彼女はベイルの商館に預けることになるため、今日のうちで髪の毛のお手入れをしておこう。
喜んでもらえるといいなぁ……。
それにしても、明日からしばらくはベイルの商館へ預けることになるとはいえ、ついに三人……。
絶世の美女三人と一緒に風呂に入れるなんて本当に信じられない。
いったい前世の自分はどれだけ徳を積んでいたのだろう? 感謝しかないぞ。
前世の俺、ありがとう! 歩は幸せになります!
馬鹿なことを考えていると扉の開く音が聞こえてくる。
きた!
「お待たせいたしました、ご主人様」
ロクサーヌの美しい声が聞こえてきたため、そちらへ振り替える。
「大丈夫。全然待ってないよ」
すると、ミリアが小走りでバスタブに近づいた。
「おー!」
声を上げると振り返り、ロクサーヌに何かを尋ねている。
その問いかけに笑顔で答えてから、俺たちに話の内容を伝えてくれた。
「こんなにたくさんのお湯を見たのは初めてだそうです」
二人が初めて風呂に入った時と全く同じことを言っている。
帝国内に温泉はないんだろうか?
いや。そんなことを考えている場合じゃない。もう我慢できないぞ!
「それじゃあ、服を脱ごうか」
「はい。ご主人様、よろしくお願いします」
声を掛けるとロクサーヌが俺の前にきた。
毎日、目にしているというのにロクサーヌとセリーの生まれたままの姿は、決して見慣れるということがなく、今日も新鮮な魅力で俺の心を引き付ける。
華やかで健康的な魅力にあふれていながら、肉感的な淫靡さを併せ持ち、神々しさすら感じるロクサーヌの裸体。
小柄でほっそりとした体は可憐で愛らしいにもかかわらず、胸部の山は十分な標高を誇り、手脚が長く抜群のスタイルで女性としての魅力にあふれているセリー。
こんな娘たちと暮らしている幸運に改めて感動してしまう。
ああ……。本当に幸せだ……。
脱がせ終わるとセリーが場所を譲り、入れ替わりにミリアがススッと近づいてくる。
そして、はにかんだような笑みを浮かべ口を開いた。
「ごしゅじんさま。よろしく、おねがい、です」
可愛すぎる! この娘は今日一日でどれだけ俺を虜にする気なんだ。
「うん。それじゃあ、脱がすね」
「はい、です」
言葉の意味を理解しているのだろうか? それとも、空気を読んだ? いずれにしてもたいしたものだ。
笑みを浮かべているミリアに手を伸ばし、花びらを散らすように上着、ズボン、インナーを一枚一枚脱がせていく。
下着姿になると笑みが消え、少しだけ緊張の色が見える。
彼女を怯えさせないように気を付けなくては。
「ミリア、とても綺麗だ。見ているだけでドキドキしてしまうよ」
それを伝えられると彼女の顔に再び太陽のような笑みが浮かぶ。
「ありがとう、です」
俺も笑いながら頷きを返し、再び手を伸ばす。
ブラジャーとパンティーを脱がせ、彼女の生まれたままの姿を目にした瞬間、心臓がドクンと跳ねた。
すごい……。本当に美しい……。
濃紺の髪からぴょこんと突き出たキュートなネコミミと、その内側に覗くフサフサした白い毛。
丸っこい輪郭の顔に絶妙な位置へ配置されたパーツ。美しさと愛らしさが同居する笑顔はまさに天衣無縫な魅力に満ちている。
細身でスラリとした体形なのに胸部は豊かな双子山が誇らしげにそびえ、頂上には淡いピンクに色づく麗しの果実。
目に見えないコルセットでも着けているのかと思ってしまうほど美しく括れたウエストの下には、若草が茂る小さな菱形の草地。
そして、濃紺の毛に覆われた尻尾が左右にクネクネと動いていた。
すごい……。ロクサーヌやセリーとは全く違う魅力に満ち溢れている。それぞれ異なる美しさでドキドキが止まらない。
彼女の美しい肢体に見惚れていると、ロクサーヌに声を掛けられた。
「それでは、ご主人様を脱がせていきますね」
三人がかりで脱がせたところで、ロクサーヌとセリーは服を片付けている。
しかし、ミリアはその間も好奇心に輝く瞳を俺のイチモツに向けていた。
緊張より好奇心の方が勝っているのかな?
まあ、どっちだろうと初々しくてめちゃくちゃ可愛らしい。
田川 歩 男 18歳
探索者Lv47 英雄Lv41 遊び人Lv35 僧侶Lv15
装備 身代わりのミサンガ
BP振分 残BP:2
キャラクター再設定:1
フォースジョブ:7
必要経験値二十分の一:63
詠唱省略:3
鑑定:1
ワープ:1
ジョブ設定:1
結晶化促進四倍:3
MP回復速度二十倍:63
所持金:2,443,552ナール
春の50日目