異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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185 魔道士

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

「ご主人様、起きてください」

 

 今日も愛しい人の美しい声で目を覚ます。

 

 予定があるのでいつもよりだいぶ早い起床となった。

 周囲が真っ暗なため、蝋燭の明かりだけではなんだか頼りない。

 

 朝の挨拶を済ませたら、支度を整えて大切なルーティーンを行う。

 それが済んだらリビングへ移動して予定の確認だ。

 

 ハルツ公爵騎士団との手合わせがあるので、ロクサーヌには早めに終了時間を知らせてくれるよう頼んでおく。

 

「お任せください。朝食と食休みの終わる時間がパン屋の開店時間になるよう調節いたします」

 

 ほんと、頼りになる娘さんだなぁ。

 まあ、昨日と同じく朝食は昨夜の残りだから、計算をしやすいのかもしれない。

 朝食は一晩寝かせたカレーによるカレーパスタ。

 うん。実に楽しみだ。

 

 そして、最も大切なことを確認する。

 

「昨日はジョブ変更をしたばかりでMP不足に陥る可能性があったけど、レベルも10を超えたし今日からロクサーヌに全体手当てを使ってもらおうと思う」

「はい」

 

 それを告げたところ、彼女は怖いくらい真剣な表情でこちらを見つめていた。

 

「それじゃあ、試してみよう。ロクサーヌ、詠唱をしてもらえる?」

「かしこまりました」

 

 返事をすると大きく深呼吸をしてから告げる。

 

「いきます」

 

 そして、詠唱を開始した。

 

「あやまちあらば安らけく、巫女の×の×××の、全体手当て」

 

 なんかちょっと違ってたぞ。

 

「少し待ってて、俺も神官をつけて確認してみる」

 

 詠唱省略を外し、神官を設定して呪文を唱えてみる。

 

「あやまちあらば安らけく、巫女の祝の呪いの、全体手当て」

 

 詠唱が終わるとMPが抜けていった。

 

 オッケー。問題なく発動したな。

 

「あやまちあらば安らけくの後は何と言っているのですか?」

「巫女の祝の呪いの、だね」

「巫女の巫女の呪術ですか?」

 

 え? 全然違うんだが……。自動翻訳さん、何かしてるんすか?

 

「俺の後に続けて言ってみて。巫女の祝の」

「巫女の祝の」

「うん。問題なし。今度は続けて言ってみるね。巫女の祝の呪いの」

「巫女の祝の呪いの」

「さすがロクサーヌ、完璧だ。それじゃあ最初から詠唱してみて」

「はい」

 

 彼女はもう一度深呼吸をして、声を発する。

 

「あやまちあらば安らけく、巫女の祝の呪いの、全体手当て」

 

 そして、詠唱が終わると満面の笑みを浮かべ、嬉しそうに体を揺らす。

 

「ご主人様、やりました! MPが抜けていきました!」

 

 喜んでいる様子がめちゃくちゃ可愛いなぁ。

 そして、どことは言わないが、たゆんたゆんしていて目の保養になるわぁ。

 

「今日からはダメージを受けたらロクサーヌに回復をお願いするね」

「はい! お任せください!」

 

 頼られたことがよほど嬉しかったのか、彼女は両手を握りしめながら大きな声で返事を行う。

 

「ロクサーヌさん、頼りにしていますね」

「はい。セリーも回復が必要なときは、いつでも声を掛けてください」

 

 二人は楽しそうに巫女について話をしている。

 

 今日も『いせはれ!』は大好評放送中らしい。

 

 

 

 それをぼーっと眺めていたところ、大切なことに気が付いた。

 これはちゃんと言っておかないと。

 

「ロクサーヌ、MPが少なくなったら躊躇することなく万能丸を使うこと。いいね?」

 

 もし彼女が戦闘中にMP枯渇で鬱に陥ったら、我がパーティーは全滅する可能性だってある。

 MP管理は徹底してもらおう。

 

「かしこまりました」

 

 ロクサーヌもそれを自覚しているのか、真剣な表情で頷いた。

 

 さて、こんなところかな。

 

「それじゃあ、装備を整えたら迷宮へ行こう」

「お待ちください」

 

 立ち上がろうと腰を浮かせたところで、セリーからちょっと待ったコールが。

 ソファーへ座り直し、彼女へ問いかける。

 

「どうしたの? 他にも何かあった?」

「はい。注文していたミリアの肌着やエプロンですが、本日引取り可能となっています。いかがなさいますか?」

 

 あー。あれから十日経ってたのか。

 うーん……。でも、今日取りに行く必要はないだろう。

 

「すっかり忘れていたよ。セリー、教えてくれてありがとう。二日後の買い物で帝都へ行く際に引き取ろうと思うんだけど問題ないかな?」

「はい。大丈夫だと思います」

「それじゃあ、そういうことで」

 

 首肯するセリーに答え、今度こそソファーから腰を上げた。

 

 

 

 

 

ベイル

二十六階層

 

 

 

 

 

「くっ」

 

 ひたすら魔物を焼いていたところ、例によってケープカープの魔法を食らってしまう。

 

「あやまちあらば安らけく、巫女の祝の呪いの、全体手当て」

 

 だが、リキャストタイムを待っていた俺の耳に美しい声が届くと、体がほのかな温かさに包まれ痛みが引いていく。

 

 思わずロクサーヌの方に視線を向けたところ、三匹の魔物から繰り出される嵐のような攻撃を余裕であしらっていた。

 

 あの状態で詠唱ができるのかよ! マジでヤベー!

 

 とてつもない戦闘センスに驚いている間にリキャストタイムが明けたため、こちらも負けじとダブルスペルをぶっ放す。

 

 

 

 戦闘が終わり、ドロップアイテムを拾っているロクサーヌへ尋ねる。

 

「魔物を引き付けながらでも全体手当てを使えそうか?」

 

 彼女は体を起こしこちらへ向くと口を開く。

 

「はい。三匹なら問題ありません。おそらく四匹でも大丈夫だと思います。ですが、五匹以上になると少し難しいかもしれません」

 

 いやいやいや。君一人に五匹を担当させるつもりはないから。

 というか、無理ではなく少し難しいなんですね……。

 

 キャラクター再設定を持っている俺より、明らかにバグキャラだわ。

 

 

 

 

 

 その後もひたすら魔法を連発し、魔物を蹴散らしていく。

 攻撃を食らえばロクサーヌが回復してくれるので、俺がジョブ変更をする必要がなくなり、殲滅速度がさらに増している。

 最初は万能丸を使うことに恐縮していた彼女も、湯水の如く使用していくうち、徐々に慣れてきたようだ。

 まあ、今後もこれが続くんだろうし、もったいないなんて思わず使い倒してほしい。

 

 

 

「ご主人様、そろそろ時間です」

「ふぃー」

 

 ロクサーヌの声を聞いて思わず口から息が漏れる。

 

 ダメージを受けた際は戦闘中に彼女が回復していたし、デュランダルによるMP回復もないため、時間も忘れてインターバルなしに突っ走ってしまった。

 

 これはいかんな。集中力が切れたときに事故が起こりかねない。

 次の探索からは意識して適度な休憩をとることにしよう。

 

 

 

 受け取ったアイテムをしまい込み、キャラクター再設定を開く。

 

 ん? あっ! ポイントが増えてる! レベルが上がったのか!?

 

 大急ぎで自分に鑑定をかける。

 

田川 歩 男 18歳

魔法使いLv50 英雄Lv44 遊び人Lv40 冒険者Lv24 戦士Lv37

装備 スタッフ ダマスカス鋼の盾 身代わりの硬革帽子 頑強の竜革鎧 倹約の硬革グローブ 竜燐の靴 よりしろのイアリング

 

 上がってる! 魔法使いが50になってる!

 しかも、英雄と冒険者も上がっているぞ!

 

 逸る心を抑え込み、余っていた1ポイント振ってジョブ設定を開いた。

 

魔道士Lv1

効果 知力中上昇 MP小上昇 精神微上昇 体力微上昇

スキル 中級火魔法 中級水魔法 中級風魔法 中級土魔法 下級氷魔法 下級雷魔法

 

 ある! 魔道士がある! ついに魔道士の解禁だ!

 魔法の威力が増すだけではなく、雷魔法で属性を気にすることなく攻撃が可能となる。

 それに、氷魔法によって氷冷蔵庫も稼働することで、お菓子作りだって捗るぞ。

 実に素晴らしい!

 

 

 

 興奮している俺の様子を見て気が付いたのだろう。ロクサーヌが問いかけてくる。

 

「ご主人様、もしかして魔道士のジョブを得たのですか?」

「うむ。次の探索からは大幅に魔法が強化されるだろう」

 

 すると、彼女たちの表情がみるみるうちに輝き出した。

 

「さすがご主人様! 本当にすごいです!」

「今までこんなに早く魔道士のジョブを得た人はいないでしょう。信じられないような偉業です!」

 

 すごいすごいとはしゃいでいる彼女たちに感謝を伝える。

 

「これもすべて素早く魔物を見つけ、前衛を支えてくれているロクサーヌと、迷宮や魔物の情報を調べ、スキル結晶の融合をしてくれたセリーのおかげだ。本当にありがとう」

 

 言い終わるや否や、二人は左右から俺の腕を抱きしめた。

 

「こちらこそありがとうございます。ご主人様が私の能力を生かしてくださるおかげで、何の心配もなく迷宮探索に挑んでいられます」

 

 ロクサーヌの言葉にセリーも続く。

 

「それもこれも、鍛冶師にしていただき、そのうえ図書館を利用させていただけたからです。ご主人様、本当にありがとうございます」

 

 ハハハ。可愛いお嬢様たちよ。ここは迷宮だぞ?

 そんな柔らかで幸せなふくらみを押し付けられたら、俺のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲が戦闘態勢に移行してしまうではないか。

 

 

 

 その後、彼女たちのレベルを確認したところ、ロクサーヌの巫女が上がっていた。

 三人で喜びを分かち合い、キャラクター再設定は自宅ですることにして迷宮を後にする。

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

「ご主人様、魔道士を得たことで色々と見直しが必要ですよね? 朝食の支度は私たちにおまかせください」

 

 ロクサーヌの言葉にセリーも頷く。

 

「はい。パスタを茹でてカレーを温めなおすだけなので、大した手間ではありません」

 

 ほんと、良い娘たちだなぁ。

 

「二人ともありがとう。それじゃあ、リビングでキャラクター再設定とジョブの見直しをしてくるよ」

 

 感謝を伝えてリビングに移動し、ソファーへ腰を下ろす。

 

 さて、まずは今後の迷宮探索においてのレギュラーについて考えなくてはならない。

 

 とりあえず、現状では一番レベルが高く、また魔道士が育つまでは外すことができない魔法使いをファーストジョブ。

 圧倒的なパーティー効果とオーバーホエルミングを擁する英雄をセカンドジョブ。

 ダブルスペル、いや次回からはトリプルスペルを可能にする遊び人をサードジョブ。

 そして、育成枠としてフォースジョブに冒険者。

 育成枠でありながらメイン火力となる魔道士をフィフスジョブ。

 

 これが魔法戦闘における最大火力の組み合わせとなるはずだ。

 トリプルスペルによるワンターンキルが可能だった場合、時間当たりの経験値効率がとんでもないことになるだろう。

 

 また、ポイント的にも今はこの組み合わせ以外考えられない。

 迷宮で最低限必要なポイント数は、キャラクター再設定で1、フィフスジョブで15、詠唱省略で3、必要経験値二十分の一で63、獲得経験値二十倍で63、合計145ポイント。

 つまり、いずれかのジョブがレベル47に到達する必要があるため、しばらくはこのままだ。

 

 

 

 それじゃあ、遊び人の設定を変更しよう。

 

 といっても効果については、いじる必要がない。

 魔道士の知力中上昇と同じ効果を英雄も持っているため、既に設定済み。

 なので、スキル設定の変更を行う。

 

 頭の中に浮かんだたくさんのスキルの中から魔道士の中級火魔法を選択した。

 

遊び人Lv40

効果 知力中上昇

スキル 効果設定 スキル設定 中級火魔法

 

 オッケー! 次の探索からはバーンストームが火を噴くぜ! 文字通りな!

 

 

 

 んじゃ、この後はボーデの宮城へ行くことになるため、ファーストジョブを冒険者に変更しておかないと。

 

田川 歩 男 18歳

冒険者Lv24 英雄Lv44 遊び人Lv40 魔道士Lv1 戦士Lv37

装備 サンダル 身代わりのミサンガ

 

 うん。オッケー、オッケー。

 

 

 

 ジョブの変更が終わったところでソファーに体を預け思索に耽る。

 

 やはりミチオに比べてレベルアップが早い。

 彼が冒険者や魔道士を得たのは書籍版だと十一巻。夏になって三、四十日経ってから。

 原作知識のおかげでだいぶ効率のいい経験値稼ぎができているのだろう。

 そして、魔道士を得たことでそれはさらに加速する。

 

 あとはどのタイミングで階層を上げるかだな……。

 

 弱点属性が揃っているベイルの迷宮二十六階層は、経験値稼ぎにベストな階層だ。

 しかし、雷魔法を得たことでその状況が変わるかもしれない。

 雷魔法は弱点としている魔物がいない代わりに、耐性を持った魔物も存在しないという特殊な属性。

 もしかしたら、もっと上の階層でもダブルスペルによる二ターンキルが可能かもしれない……。

 

 

 

 ……よし。当面の目標は英雄か遊び人のレベルを47以上にして魔法使いを外すこと。

 ボス対策として、戦士と剣士のレベルを50まで上げ、中級ジョブを解放することで強力な物理攻撃を手に入れること。

 そして、薬草採取士のレベルを上げて滋養錠や強壮錠、万金丹を作れるようになることだな。

 

 それを達成したら階層を上げることにしよう。

 色魔や盗賊のレベル上げは追々ってことで。

 

 

 戦士と剣士の上位ジョブを手に入れたら、遊び人も含めてトリプルアタックができるのかを確認しておかないと。

 

 ……あ、いや。確認だけなら今でも可能か。

 よし。それじゃあ、今日のうちで試しておこう。

 

 

 

「ご主人様、お待たせいたしました」

 

 今後の迷宮探索について考えを巡らせていると、ロクサーヌが部屋に入ってきた。

 

「ありがとう。それじゃあ、朝食にしようか」

 

 ソファーから立ち上がり、ロクサーヌと共に部屋を後にする。

 朝食をとったら、リビングでのんびり過ごす。

 中級魔法についてあれこれ話しているうちに、話題はいつの間にか氷魔法を使ったお菓子作りにシフトしていた。

 

「氷を使ったお菓子なんて貴族でもそうそう食べる機会はないでしょう」

「セリーの言う通りです。本当に私たちは恵まれています」

 

 彼女たちの表情には隠し切れない期待の色が浮かんでいる。

 

 ここまで期待されているんだ。おやつも用意することにしよう。

 きっと喜んでもらえるはずだ。

 

 

 

 食休みを終えたらロクサーヌに装備品を身に着けてもらい、ボーデの宮城へ飛ぶ。

 

 

 

 

 

ボーデ

宮城

 

 

 

 

 

 ワープゲートから抜け出すと、いつもの騎士と目が合い挨拶を交わした。

 それが済むと公爵とゴスラーに知らせてくると言い、彼は奥の方へ入っていく。

 

 その場で待っていたところ、前に待っていたときとは比べ物にならないほどジロジロ見られている。

 まあ、見られているのは俺ではなくロクサーヌとセリーなわけだが。

 美人を見慣れているであろうエルフから見ても、彼女たちの美しさは飛び抜けているらしい。

 

 ふふん。どんなもんよ。

 

 内心で鼻を高くしていると、騎士たちに聞こえないようロクサーヌが小声で話し掛けてくる。

 

「サボーとの決闘ではご主人様も本気で闘うのですよね?」

 

 なんでこの状況でそんなことを聞くんだろう。

 

 うーん……。でもまあ、そうだな。エクストリームドロップデッドを使うとはいえ、本気と言えば本気かな。

 

「そうだな。おそらくそうなるだろう」

 

 すると、彼女の顔に輝くような笑みが浮かぶ。

 

「やはりそうなのですね。ご主人様、私にお任せください」

 

 何をするつもりなんだ?

 まあ、よく分からないがロクサーヌに任せておけば何も問題ないはず。

 

「うむ。ではよろしく頼む」

「かしこまりました!」

 

 ニコニコ笑顔のロクサーヌと見つめ合っていると、ハルツ公爵夫妻にゴスラー、そして呼びに行った騎士と聖騎士の男がこちらへやってきた。

 

 あの男が模擬戦の相手か。

 

「アユム殿。今日はよろしく頼む」

「こちらこそよろしくお願いします」

 

 俺たちの所まで来たところでハルツ公はそう言うと、ロクサーヌを探るように見つめる。

 

「ほう。まるで隙が見当たらぬ。かなりやるようだ」

 

 その言葉にゴスラーが頷きながら答えた。

 

「はい。アユム殿が言っていた通り、いえ、聞いていた以上の実力があるようです」

「うむ。余では相手にならないかもしれぬ」

 

 原作を読んでいるときにも思ったが、よく見ただけで実力が分かるなぁ。

 ぶっちゃけ俺はそんなの全然分からないぞ。

 人の強さについては鑑定で見たレベルでしか判断できない。

 その場合、ロクサーヌは弱い判定になってしまうという重大な欠陥があるわけだが。

 

 そして、二人を見つめていたカシアが口を開く。

 

「アユム様、昨日は本当にありがとうございました。それにしても、こんなにお美しいパーティーメンバーがいらっしゃるとは思いもよりませんでした」

「はい。私の自慢の仲間たちです」

 

 俺の言葉を聞いて少しだけ目を見開いたものの、すぐに笑みを浮かべた。

 

「まあ。ふふ。今後、ルティナは大変そうですね」

 

 あの、奥様。そんなことを言うのは勘弁してもらえませんかね。

 うちの娘たちがジトっとした目でこちらを見ているんですが……。

 

 ハンカチの意味を理解した今となっては、彼女がどういう意図でそんなことを言っているのか理解できる。

 そして、その言葉を聞いた二人の視線が俺に突き刺さっている理由についてもだ。

 

 というかカシアって人をからかうようなことを言う女性だったのか。

 原作にはそういう描写がないせいで少し驚いてしまうぞ。

 

 美人にからかわれるなんてご褒美でしかないが、時と場合は考えてもろて。

 

 

 

 俺たちが話していると、公爵が聖騎士に声をかけた。

 

「どうだ?」

「は。私では及ばないでしょうが、是非胸を貸していただきたく」

 

 こらっ! 誰が貸すか! ロクサーヌのおっぱいは俺だけのもんだ!

 慣用句だとしてもただじゃおかねーぞ。言葉に気を付けやがれ!

 

 ……それとも自動翻訳くんの仕業だろうか?

 

「うむ。騎士団にとっても実りの多い手合わせとなろう」

 

 益体もないことを考えていると、ハルツ公はこちらに顔を向ける。

 

「アユム殿、参ろうではないか」

 

 そう言ってスタスタと歩きだしたため、俺たちもそれに続く。

 

 ほんま、せっかちなお人やで。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

冒険者Lv24 英雄Lv44 遊び人Lv40 魔道士Lv1 戦士Lv37

装備 竜燐の靴 身代わりのミサンガ

 

ロクサーヌ ♀ 16歳

巫女Lv14

装備 強権のエストック ダマスカス鋼の盾 耐風のダマスカス鋼額金 オラクル竜革ジャケット 古代樹の手甲 駿馬の竜革靴 身代わりのミサンガ

 

セリー ♀ 16歳

鍛冶師Lv22

装備 皮の靴 身代わりのミサンガ

 

BP振分 残BP:6

キャラクター再設定:1

フィフスジョブ:15

詠唱省略:3

必要経験値二十分の一:63

鑑定:1

ワープ:1

ジョブ設定:1

MP回復速度十倍:31

 

所持金:4,346,095ナール

 

春の60日目

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