異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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193 恩

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 硬貨の確認を終えたところで、今度はアイテムの仕分けに取り掛かる。

 

 うーん……。色々あるが大半はしょっぱいドロップアイテムだな。

 魔法使いや巫女、それにレベル99の獣戦士がいたはずなのに中、高階層では戦っていなかったのだろうか?

 

 ……まあいい。残していてもしょうがないし、今日の探索終了時に一緒に売りに出そう。

 

 えーっと、他は薬系か。

 滋養剤や強壮剤。それと各種状態異常回復薬。さらに滋養錠が六個。

 これらは常備薬としてアイテムボックスに入れておく。

 

 

 

 さあ、ここからが本番だ。改めて鑑定をかけてみる。

 

自爆玉

自爆玉

 

 それぞれドリルヘアーのお嬢様と巫女さんが持っていたものだ。

 女性陣が持っていたということで、少々勘ぐってしまう。

 

 巫女さんは処女だったし、バラダム家は婚約者のいるような家だった。

 もしかしたら、貞操の危機が訪れた場合はこれで自害しろという意味だったのかもしれない。

 

 

 

 ……いや。バラダム家の奴らのことなんかどうでもいい。

 

 自爆玉はいずれ貴族へ贈る機会があるかもしれないため、大切に保管しておこう。

 あと間違えて服用すればとんでもないことになる。アイテムボックスではなく、鍵のかかるチェストにしまっておくべきだ。

 

 ……そういえば、もし自爆玉を間違えて飲んだらどうなるんだ?

 

 セリーに声を掛けたところ、装備品の手入れをしながら説明を始める。

 

「大人が間違えて服用した場合は取り返しがつきません。人や魔物に攻撃的な気持ちを抱いた瞬間、その対象と一緒にドカンです」

 

 こっわ! 誤飲の可能性があるってのに一発アウトかよ! せめてワンペナで済ますとかさあ!

 

 ワンチャン身代わりのミサンガでなんとかなったりしない?

 

 再度問いかけると彼女はかぶりを振る。

 

「自爆玉による攻撃を受けた方は身代わりのミサンガで防ぐことも可能ですが、攻撃する方はどうにもなりません。もしそれが可能だった場合、誰でも簡単に魔法使いになれるでしょう」

 

 あっ。言われてみればその通りだ。

 それが可能なら魔法使いが量産されているはず。

 

「確かにそうだね。やっぱり無理かぁ」

「はい。昔の偉い学者さんが死刑囚を使って確認しているので間違いありません。あっ。これを確認した人は以前お話しした人とは別の方です」

 

 やばっ。そんな奴が何人もいるのか……。

 

 昔の偉い学者さん。死刑囚を実験動物として使いすぎ説。

 

 

 

 気を取り直してアイテムの確認に戻る。

 次はこれ。鑑定っと。

 

ドープ薬

 

 探索者のアイテムボックスに入っていたものだ。

 

 原作ではこいつを服用することによって上級職へのジョブ変更が可能となるものの、パラメーターが伸びなくなると推察されていた。

 しかも、魔道士の場合はドープ薬を用いたところで転職することができないらしい。

 おそらく何らかの条件を満たしていない場合は失敗するのだろう。

 

 まあ、デメリットが大きすぎるため、俺たちが服用することはない。

 そのうち売却するってことで。

 

 しかし、自爆玉にドープ薬か……。これはどうやって手に入れるのだろう?

 

 セリタン。自爆玉とドープ薬の初めてに行ってみない?

 

 分かったよ、お姉さん。それじゃあいくよ? クルクルバビンチョ、パペッピポ、ヒヤヒヤドキッチョのセーリタン。

 

 馬鹿なことを考えながらセリーに問いかけた。

 

「どちらも薬草採取士の上位ジョブとなる薬師のスキルによって生成されます。ですが、これらを作れるようになるまでには、三十年以上経験を積む必要があるのだとか」

 

 マジ? おそらく薬師になるのに二十年近くかかるよな? そっからさらに三十年?

 いやいやいや! 道のりがエグすぎる!

 

 その言葉に戦慄していると、ロクサーヌが満面の笑みで口を開く。

 

「ご主人様ならすぐに成功するはずです! 何の問題もありません!」

 

 え? あ、うん……。

 ……でも確かにそうだな。俺の経験値効率は四百倍。普通の人が四百年かかるレベル上げが一年で済んでしまう。

 

 どう考えてもこっちの方がエグイ……。

 

「ロクサーヌの言う通り、近いうちに作れるようになるかもしれないね。まあ、どちらも自分たちで使うことはないだろうけどさ」

「そうですね。ドープ薬は安易に強くなろうと考える愚か者が使うもの。本当の強さを得ることは出来ません」

「はい。ロクサーヌさんの言う通りです」

 

 レベルが上がってもパラメーターが上がらないんじゃなぁ……。

 

 

 

 セリーは一つ咳ばらいをすると話を続ける。

 

「それらの材料についてなのですが、自爆玉はつぼ式食虫植物の最上位種であるブロッキニアが残す鳳仙を三つ。ドープ薬ははさみ式食虫植物の最上位種であるドラゴントラップが残す龍牙草を三つとなります」

 

 ブロッキニアにドラゴントラップ……。どんな魔物なんだろう?

 

 つぼ式食虫植物やはさみ式食虫植物の最上位種は七十八階層以降のボスということになる。

 今の俺たちが挑むのは無謀だろうなぁ。

 

 ……そこのお嬢さん。そんなキラキラした瞳を向けても駄目です。

 あなたは何とかなっても、私たちが死んでしまいます。

 

 

 

 最後に緑魔結晶が六個。これは例によって彼女たちの物ってことで。

 

 それを伝えると感謝の言葉を口にしてから、二人で楽しそうに話し合いを始めた。

 

「前回同様、ミリア、ベスタ、ルティナも含めた五人で分けることにしましょう」

「はい。それがいいと思います。前回は私たちに青魔結晶を譲っていただいたので、今回はロクサーヌさんが二つ選んでください」

「ありがとうございます。では、次の機会があったらセリーの番ですね」

「ふふ。こちらこそありがとうございます」

 

 本当に仲が良いなぁ。

 

 それにしてもこの娘たち次の機会があると思っているぞ……。

 俺はもう決闘も盗賊退治もするつもりはないんだが……。

 

 内心で反論しつつ彼女たちの様子を見守っていると、ロクサーヌが緑魔結晶の中から二つを選ぶ。

 そして、元から持っていた物へ押し付けた。

 一つ目を融合したものの色は変わらず、続けて二つ目を手に取る。

 

 え? 二つ目もいくの?

 

 魔結晶は色が同じなら、貯まっている魔力の量に関係なく同じ金額で売却することになる。

 つまり、黄魔結晶の場合は十万匹分だろうが、九十九万匹分だろうが売却額は十万ナールとなってしまう。

 十万匹を超えた魔力分は損をするかもしれないというのに、彼女は一切躊躇う様子がない。

 

 ヌルンと魔結晶が沈み込んだ瞬間、放っている光の色が緑から黄色に変わった。

 

 マジ!? 黄魔結晶!?

 

 ロクサーヌは呆然と手の中の魔結晶を凝視している。

 

 でも、これってどうなんだろう? 相当オーバーフロー分があったんじゃないか?

 

 あ、いや。魔結晶の色が変わるのは喜ばしいことなんだ。水を差すべきじゃない。

 

「ロクサーヌ、黄魔結晶だよ。おめでとう」

 

 祝福の言葉をかけるとセリーもそれに続く。

 

「ロクサーヌさん! おめでとうございます!」

 

 俺たちの言葉で我に返り、魔結晶を持ったままこちらに飛びついてきた。

 

「すべてご主人様のおかげです! 本当にありがとうございます!」

 

 彼女のその背中を撫でながら声を掛ける。

 

「今日ドロップアイテムを売却するときにそれも一緒に売却しよう。三割アップを使うから十三万ナールを渡すね」

 

 原作では奴隷を売却した際、売却金はミチオとソマーラ村が折半で受け取ることになっていたものの、ミチオの取り分に対してしか三割アップは効いていなかった。

 この辺りがどういう仕様になっているのかは不明だが、もしかしたらロクサーヌの所有物だと判定され、魔結晶には三割アップが乗らないかもしれない。

 でもまあ、試すだけ試してみよう。

 

「はい。ありがとうございます、ご主人様」

 

 俺の体がさらに強く抱きしめられ、彼女の大きなものが押し付けられた。

 

 これだけ喜んでいるのだ。三割アップが適用されなくても、いつも頑張ってくれているボーナスってことで十三万ナールを渡すことにしよう。

 

 

 

 その後、セリーも融合を試みるも色が変わることはなかった。

 

 ロジカルなこの娘も躊躇なく融合に挑んでるぞ……。

 

 ……考えてみれば結晶化促進を持っていない人は、魔物を倒しても一匹につき魔力は一しか貯まらない。

 それだと緑から黄色にするまでに何年も、いや下手をすれば何十年もかかるだろう。

 二個、三個と貯め続けるなんて無茶もいいところで、先に寿命が尽きる可能性だってある。

 ボスだと五匹分の魔力が貯まるものの、キャラクター再設定がなければ魔結晶狙いのボスマラソンはとても現実的とはいえない。

 

 普通なら緑三個として売却することが選択肢に上がるはず。

 しかし、彼女たちは再び魔結晶が手に入ると考えているふしがある。

 そのため、個別に売却するのではなく、黄色を目指して融合をするってわけだ。

 

 ともかく、オーバーフローがもったいないと考えるのは結晶化促進を持つ俺だけで、融合するかしないかを悩めること自体が贅沢な話なんだろうな。

 

 

 

 すべての仕分けが終わったところで俺も装備品の手入れに加わる。

 

 だが、あの女やサボーの血で汚れた装備品を見て気が付いた。

 

 奴らの装備品は全てアイテムボックスにしまった状態で運んできている。

 つまり血が付いた状態で入っていたということだ。

 アイテム以外は入らないはずなのにおかしくないか?

 これってワンチャン食べ物や飲み物を詰めてアイテムボックスにしまえるんじゃ?

 

 手前にあった竜革のグローブを手に取り、彼女たちに見せながら問いかける。

 

「ロクサーヌ、セリー。ちょっと教えてほしいんだけど、例えばこれに何かを入れてアイテムボックスにしまうことってできる?」

 

 その言葉にロクサーヌがかぶりを振って答えた。

 

「いいえ。それはできません。たとえアイテムであっても、何かが入っていたらアイテムボックスにしまう際に弾かれてしまいます」

 

 セリーは手入れをしていたダマスカス鋼のグリーブをこちらに示す。

 

「こんな風に血で汚れた装備品を入れることができても、例えば塩や砂糖を同じように塗った場合は入れることができません。昔の偉い学者さんが言うには、物を出し入れする際にそれらを判別する魔法が発動しているのではないかと」

 

 へー。そんな仕組みになってんのか。

 アイテム以外も持ち運べるかと思ったがそう上手くはいかないようだ。

 

 

 

 三人掛かりで装備品の手入れをしながら、今後についての話し合いを行う。

 

「シモンのインテリジェンスカードはどうしよう。すぐに持っていったら不自然かな?」

「今日持ち込むのでなければ問題ないのではないでしょうか。既に倒していると疑っていない限り、不自然だとは思わないはずです」

 

 確かにロクサーヌの言う通りかもしれない。

 疑われるかもしれないと思っているからこそ、不自然だ何だと気にするのだろう。

 

 セリーも頷きながら答える。

 

「今日の午後の探索で襲われたことにして、明日私とロクサーヌさんがペルマスクでコハクの引き渡しをしている間に、持ち込んでみてはいかがでしょう」

 

 なるほど。二人が早朝から夕方までいないので、どうせ時間を持て余す。

 よし。明日の朝に提出だ。

 

 懸賞金を確認する際にはインテリジェンスカードの確認があるため、ミリアがパーティーから外れてしまう。

 だが、時間ならいくらでもあるだろうし、その後でベイルの商館にも寄るってことで。

 

 それに、いい機会だからクーラタルの迷宮三十三階層のブクマ登録をしておこう。

 三人の時間を無駄にするより、俺一人で順番待ちをする方がいいはずだ。

 

 

 

 さて、今日襲われたことにするとして、どこで襲われたのかを詰める必要があるな。

 

 ……よし。こうしよう。

 午後イチでハルバーの迷宮二十七階層にブクマをしたら探索者と一緒に外へ出る。

 そのままターレの迷宮へ移動して入口から入り、迷宮内からハルバーの二十七階層へ飛んで探索開始。

 探索が終わればターレの迷宮に戻り、入口から出て探索者に盗賊がいた旨を告げる。こんな感じでどうだろう?

 

 それを伝えたところ、二人も問題ないと言ってくれた。

 

 

 

 次は聖槍関連についての相談だ。

 

「予定では公女を迎えた家の仲買人に、スロットが五つ付いた聖槍とMP吸収の付いたスタッフを交換しようと考えていた。でも、それが手に入ったことで交換する必要がなくなったでしょ?」

 

 彼女たちは頷きながら話を聞いている。

 

「だけど、これをしなかった場合、相手はスキル結晶の融合に失敗し続けると思うんだ」

 

 すると、ロクサーヌがドヤ顔で口を開いた。

 

「ご主人様以外の人はスキルスロットの有無が判別できませんからね。さすがご主人様です」

 

 はいはい。さすごしゅありがとさん。

 

「現状、俺たちはコボルトのスキル結晶が足りないせいで融合を躊躇することが多い。これは彼と協定を結んだことで落札できる数に制限が掛かっていることが原因だ」

 

 それを聞いてセリーの顔が歪む。

 

「確かにそうですね。まったく、忌々しい話です」

 

 まあまあ、セリーさんや。そんな表情をしなさんな。可愛い顔が台無しだぞ。

 

 ……いや。これはこれで可愛いな。

 

 気を取り直して話を続ける。

 

「ひもろぎのカッカラが手に入ったことでスタッフも使わなくなるだろうし、スキルを融合して販売を持ち掛けようと思う。その際、知力二倍とMP吸収、両方のスキルを付けたら不味いかな?」

 

 セリーに尋ねると、ロクサーヌも彼女へ顔を向けた。

 俺たちに見つめられながら考えだし、しばらくして口を開く。

 

「こう説明してはいかがでしょう。二本のスタッフへ知力二倍を付けることに成功したので、失敗しても一本は残ると考え、MP吸収の融合も試みたことにするのです。二回目の融合を行う人は滅多にいませんが、このケースなら絶対にないわけではありません」

 

 予備があれば欲に駆られ、二回目の融合を試みるギャンブラーがいるってことか。

 

「それに決闘は非公開でしたが、バラダム家がボーデの騎士団に向かうところや、ご主人様が彼らを連れてアラン様の所へ移動している姿を至る所で目撃されているはずです」

 

 ベイルの商館へ行くまでには、ボーデの街中、冒険者ギルド。そこから移動したベイルの探索者ギルドに商館までの道のり。

 確かに色々な人に目撃されただろう。

 

「そのため、すぐにご主人様がバラダム家の者たちを倒したという情報が出回るでしょう。それなら、ひもろぎのカッカラが手に入ったので手放すことにしたとルーク氏にあらかじめ伝えるのです。それを聞いたら貴重な装備品を手放す理由について納得するかと」

 

 原作でもサボーが決闘で負けた話はすぐに広がっていた。

 俺の場合、奴隷も売っているし、今後装備品も売却する予定だ。そうなれば倒したのが誰かなんて、一発で気づかれてしまう。

 それならあらかじめ伝えたとしても問題ないか。

 

 すると、セリーが悪い顔で笑い声を漏らす。

 

「せっかくの機会なのです。足元を見て暴利を貪るべきでしょう」

 

 この娘の言い方よ……。

 確かに俺もそう思うけど、まったく、君って娘は……。

 

 ともかく、コボルトのスキル結晶がもう一個手に入り次第、ルークに確認を取ろう。

 融合するのは確実に取引することになってからだな。

 

 

 

 装備品の手入れを終え、使わない分を物置に片付けたところでロクサーヌに尋ねた。

 

「時間はどんな感じ?」

「そうですね……。少し早いですが昼食の準備をしてもいいと思います」

「よし。それじゃあ、買い物に行こうか」

 

 二人と共に部屋を後にする。

 

 

 

 昼食をとり、ソファーでロクサーヌを抱きしめてのんびりしていたところ、彼女がポツリと声を漏らす。

 

「ご主人様がおっしゃっていた通りでした。私は叔父に守られていたのですね。狼人族やその関係者に売らないという条件が付けられていなければ、慰みものにされた上に殺されていたかもしれません……」

 

 確かにな……。

 もしこの娘がバラダム家に購入されていたら、筆舌に尽くしがたい目にあっていただろう。

 その条件を付けてくれた叔父さんと、律儀にそれを守って売先を吟味してくれていたアランには感謝しかない。

 

 ロクサーヌは落ち込んでいる様子だ。きっと叔母さんの家族に迷惑をかけたと思っているのだろう。

 セリーも心配そうにその様子をうかがっていた。

 

 彼女の背中をゆっくり撫でながら声を掛ける。

 

「前にも言ったけど、俺たちに余裕が出来たらロクサーヌの叔母さんの家族へ恩返しに行こう。君と出会えたのはその人たちのおかげだからね」

 

 その言葉を聞き、ロクサーヌは顔を上げた。

 するとそこには、柔らかで可憐な笑みが浮かんでいる。

 

「ありがとうございます。そうですね。私がご主人様と出会えたのも叔父や叔母のおかげなのです。その恩を返さなければなりません」

 

 うん。少しは元気を取り戻したかな。

 それとセリーにも伝えておかないと。

 

「もちろんセリーの家族にもだよ。君をここまで育ててくれたんだから」

 

 セリーは一瞬戸惑った表情をしたものの、すぐに笑顔に変わる。

 

「はい! ありがとうございます!」

 

 あら、可愛い。

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 食休みが終わると普段よりだいぶ早いが、迷宮へ出かけるために装備を整えて玄関へ移動する。

 

 カッカラはスタッフに比べてだいぶ長いので、腰に差すというわけにはいかない。

 両手を開けるためには背中に背負う必要があるため、取り回しが面倒になっている。

 

 そして、輪っかがシャンシャン鳴ってうるさかったので、紐で括っておいた。それでも性能は変わらないらしい。

 罰当たりな気がしないでもないが、使いやすさが第一ってことで。

 まあ、セリーの身に着けているチェインメイルやグリーヴも相当うるさいんだけどさ。

 

 さて、二人が来るまでにジョブとボーナスポイントの確認をしておこう。

 

 アイテムボックスの中身を入れ替えてから探索者を魔道士へ変更し、遊び人のスキルを下級雷魔法に、効果を知力中上昇へ変えておく。

 キャラクター再設定を開き、MP回復速度二十倍を獲得経験値二十倍に入れ替えた。

 よし。あとは戦闘を行う前に鑑定、ワープ、ジョブ設定を外し、結晶化促進四倍を付ければいい。

 

 一応鑑定っと。

 

田川 歩 男 18歳

魔法使いLv50 英雄Lv46 遊び人Lv43 冒険者Lv31 魔道士LV29

装備 ひもろぎのカッカラ ダマスカス鋼の盾 ズケット 頑強のアルバ 身代わりの竜革グローブ オラクルビットローファー よりしろのイアリング

 

 うん。問題なし。

 でもまあ、これからハルバーに行ったり、ターレに行ったり、ハルバーに戻ったりするのだ。カッカラと盾、それからズケットはしまっておこう。

 

 彼女たちも二階から下りてきたので、確認をしておく。

 

 まずはロクサーヌから。

 

ロクサーヌ ♀ 16歳

巫女Lv19

装備 強権のエストック 剛健のダマスカス鋼盾 オラクルティアラ 頑強の竜革ジャケット 剛腕の古代樹手甲 駿馬の竜革靴 身代わりのミサンガ

 

 ついているスキルは詠唱中断、体力二倍、魔法ダメージ削減、物理ダメージ削減、腕力二倍、移動力増強。そしておまけに身代わりのミサンガ。

 走攻守揃って、まったく隙がない。

 おそらく世界最強であろう彼女がスキル盛り盛り状態なのだ。実に頼もしい。

 

 次はセリー。

 

セリー ♀ 16歳

鍛冶師Lv23

装備 強権のダマスカス鋼槍 耐風のダマスカス鋼額金 ダマスカス鋼のチェインメイル ダマスカス鋼のガントレット オラクルダマスカス鋼グリーヴ 身代わりのミサンガ

 

 こちらは耐風のダマスカス鋼額金に変わっただけだが、魔法ダメージ削減と体力二倍の付いたオラクルダマスカス鋼グリーヴを装備しているので問題ないだろう。

 

 二人の確認が終わったところでアイテムボックスから用意していた黒魔結晶を取り出し、ロクサーヌに渡しておく。

 

「黄魔結晶になったから、今回からはこれを持っていて」

 

 すると、彼女は俺の手を包み込むようにして受け取った。

 

「ご主人様、ありがとうございます」

 

 それはあかんて。その受け取り方はあかんて。惚れてまうやろー!

 

 

 

 ロクサーヌが黒魔結晶をリュックにしまったところで彼女たちに告げる。

 

「それじゃあ、いこうか」

「かしこまりました」

「はい」

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

魔法使いLv50 英雄Lv46 遊び人Lv43 冒険者Lv31 魔道士LV29

装備 頑強のアルバ 身代わりの竜革グローブ オラクルビットローファー よりしろのイアリング

 

BP振分 残BP:0

キャラクター再設定:1

フィフスジョブ:15

詠唱省略:3

必要経験値二十分の一:63

鑑定:1

ワープ:1

ジョブ設定:1

獲得経験値二十倍:63

 

所持金:7,300,064ナール

 

春の63日目

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