異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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205 ほっぺ

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 美味しいカレーを食した後は、歯磨きと洗い物を済ませてリビングへ移動した。

 セリーとミリアは商人ギルドでのやり取りに興味津々らしく、期待のこもった視線を向けてくる。

 とはいえ、まずは武器屋で依頼された警策を作ってもらわないとな。

 

 セリーが板を取りに行っている間に、頭装備六へポイントを振って毘盧帽を用意しておく。

 

 

 

「お待たせしました」

 

 程なくして、小さな体に山ほどの板を抱えて戻ってきた。

 

 おいおい。そんなにたくさん持ってきて、まさか全部作るつもりなのか?

 

 そう思いつつも、ローテーブルに板を置いている彼女の頭に毘盧帽をのせる。

 すると、はにかんだような笑みを浮かべ、お礼を口にした。

 

「ご主人様、ありがとうございます」

 

 あら、可愛い。

 

 セリーは表情を引き締めると、板を一枚手に取り、呪文を唱え警策を製作する。それをローテーブルに置き、すぐさま次の板を取り詠唱を始める。

 

 流れ作業のように同じ工程を繰り返していくその様子は、まるで工場で稼働している機械を見ているかのようだ。

 

 

 

 ラストである十二枚目の板を警策へと変えたところで動きを止める。

 

「警策十二本、完成しました。ご主人様、念のためご確認をお願いします」

 

 おいおい。本当にこれだけの数を一気に作っちまったぞ……。

 

 内心で苦笑していると、リビングにミリアの声が響いた。

 

「こんなにたくさんの装備品を一度に作れるなんて! セリーさんはすごいんですね!」

 

 すると、セリーはかぶりを振って答える。

 

「私がすごいのではありません。たくさんの魔物を倒して経験を積ませていただけたこと、そして消費MPが半分になるこの毘盧帽のおかげです。つまり、すごいのは私ではなく、ご主人様なのです」

 

 そう言ってこちらを見つめてくる彼女の顔は、優しさとあどけなさが同居した、なんとも言えない愛らしさに満ちていた。

 

 ほんと、この表情をしているときのセリーは天使そのものだわ。

 

 そして、我が最愛の人も頷きながら口を開く。

 

「そうですね。私も戦闘中の動きを俯瞰で感じられるようになってきています。これもひとえに、ご主人様の薫陶の賜物でしょう」

 

 いや……。君は俺がどうこうじゃなくて、元々のポテンシャルだと思うんですが……。

 

 二人の言葉を聞き、ミリアは感心したように呟いた。

 

「へー。やっぱりご主人様はすごいんですねー」

 

 俺じゃなくてキャラクター再設定がすごいだけなんだけどな。

 

 

 

 念のため警策に鑑定をかけて確認をしていると、妙なものが目に留まる。

 

警策 杖

スキル 空き

 

 考えてみれば、装備品の括りなんだし、こういうことがあってもおかしくない。

 しかし、予想もしていなかったため、面食らってしまった。

 

「セリー、警策にスキル結晶を融合することってある?」

 

 そう尋ねると、彼女は首をかしげ、少し訝しげな表情を見せる。

 

「警策にスキルを付けるのですか? そんな話は聞いたことがありませんが……」

 

 まあ、そうだろうな。

 警策にスキルを付けたところで、実用性は皆無だ。

 

 でも、知的好奇心をくすぐられてしまう。

 たとえば、攻撃をしてもダメージが出ないこれに、腕力上昇や攻撃力上昇を付けたらどうなる?

 知力上昇や魔法攻撃力上昇を付けた状態で魔法を撃ったら?

 あるいは、疾風剣や火炎剣みたいなアクティブスキルは?

 

 それに、眠っている者を覚醒させる効果のある警策に、睡眠付与や催眠のスキルを組み込んだ場合、スキルは発動するんだろうか? それとも眠ったとしてもすぐに目を覚ますのか?

 

 うーん……。実に興味深い。

 

 考え込んでいると、セリーが声をかけてきた。

 

「あの、そうおっしゃるということは、警策にスキルスロットが付いているのですか?」

 

 ローテーブルの上にある警策の中の一つを手に取り、彼女に見せる。

 

「うん。こいつにスロットが付いている」

 

 そして、頭の中で巡らせていた仮説をそのまま話してみた。

 すると、セリーの瞳がぱっと輝き出す。

 

「おっしゃる通り、確かに興味深いです」

「でしょ? 貴重なスキル結晶を無駄にするわけにはいかないけど、余裕が出来たら試してみるのもアリだと思う」

「はい! いずれ試してみましょう!」

 

 俺たちが盛り上げっていると、ミリアがロクサーヌへ問いかけた。

 

「お二人って、いつもこんな感じなんですか?」

 

 ロクサーヌは慈愛の表情で答える。

 

「ご主人様もセリーも、気になることがあると、考え込まずにはいられない性分なんです」

 

 ロクサーヌさん? そんな風に思ってたんですか?

 いや、まあ、その通りなんですが……。

 

 

 

 アイテムボックスに警策をしまい、食休みをとりながら話し合いをするためにソファーへ座ると、脚の間にセリーが腰掛けてくる。

 そして、首を後ろへ回し、ワクワクしたような顔でこちらを見上げた。

 

 ほんと、可愛い娘だなぁ。

 

 ほっそりしているのに女性らしい柔らかさも兼ね備えたその体に手を回す。

 

 ロクサーヌとミリアが正面に座ったところで話を始めることにした。

 

 

 

 一頻り話を聞いたセリーが、ぽつりと呟いた。

 

「二百五十万ナールですか……。あの仲買人にしては悪くない金額ですが、もう少しいけた気がしますね……」

 

 おいおい。マジかよ……。

 ルークの無茶な交渉にも驚いたというのに、このお嬢さんはそれ以上の交渉をした可能性があったのか……。

 

 ほんと、とんでもない娘だなぁ。さすがセリー。さすセリだ。

 

 彼女の言葉に驚きつつ、続きを口にする。

 

「それで、金額が確定したところで、装備品やスキル結晶を譲ってくれるなら代金から差引くと持ちかけてみたんだ」

 

 それを聞いた彼女はすぐに意図を汲み取り、理路整然と返してくる。

 

「なるほど。貴重な装備品やスキル結晶を入手できるうえに、仲買人にカルクを使用させることで三割アップを狙ったのですね」

 

 あっ……。三割アップや三割引の仕様を知っているんだ。そりゃそう思っちゃいますよねぇ……。

 

 セリーとミリアの表情は輝いていたが、ロクサーヌは困ったような表情をしている。

 この娘は三割アップが発動しなかったことを知ってるんだもんなぁ。そういう顔になるわ。

 

 

 

 ……まあいいや。とりあえず、いったんスルーして話を続けよう。

 

 仲買人から受け取った装備品やスキル結晶について伝えると、セリーが興味深げに話し始めた。

 

「ダマスカス鋼のステッキはMP吸収を付けて売却すれば高値が付くはずです。それから、ティアラ、アルバ、オペラグローブ、エナメルのハイヒールブーツは、いずれも魔法の威力を向上させます。ご主人様のおっしゃる通り、ルティナ用に確保しておくべきでしょう」

 

 予想通り、ティアラとオペラグローブも魔法の威力が上がる装備品だったか。

 やはり、本家に嫁いでくる公女用に準備していたのだろう。

 それなら、俺たちに渡してもよかったのかね?

 

 ……いや。融合に失敗する前提なんだろうし、予備があるのかもしれない。それに、人のことなんかどうでもいいか。

 

「ご主人様とルティナは魔法攻撃を行うためアルバは二つあった方がいいでしょう。それに、魔法攻撃力が上がる装備品は回復魔法を使用した際の回復量を増やしてくれますからね。ティアラもロクサーヌさんとルティナ、それぞれが装備するべきです」

 

 ああ。確かに原作でも回復職は杖を持っていたり、アルバやダルマティカといったヒーラーが身につけるような装備品を魔法使いや魔道士が身につけていたもんな。

 

 ぶっちゃけ、ただ単にロクサーヌのティアラ姿が女神すぎて、ルティナ用を別で用意しようと思っただけなんだけどね。

 

 内心でそう呟いていると、セリーが話を続ける。

 

「ですが、エナメルのハイヒールブーツは装備制限があるはずです。ロクサーヌさんのミセリコルデや、ベスタ用に置いてある、二本のオリハルコンの剣や聖銀の兜、頑強のオリハルコンプレートメイルに剛腕のミスリル手甲といった装備品と同じく、すぐに装備できるというわけではないでしょう」

 

 言われてみれば確かにそうだ。エナメルのハイヒールブーツはスロットの最大数が五つで、それらと遜色のない装備品。装備制限があってもおかしくはない。

 

 あっ、でも公女を迎えるにあたって用意した物なら、ワンチャン低レベルでも装備できるように、限定が施されていたりしないか?

 

 その旨を告げてセリーに離れてもらい、アイテムボックスからエナメルのハイヒールブーツを取り出した。

 その表面は、まるで夜の湖のような深い紺色で、エナメル特有のつやつやとした光沢を放っている。

 膝下までしっかりと覆うブーツのラインに、高めに設計されたヒールが妙に艶めかしい。

 

 改めて見ると、形状と色と光沢が相まって、すげーエッチだわぁ。

 実際にこれを、あの清楚で儚げな雰囲気のルティナが履くのかと思うと、背徳感でドキドキするぞ。

 

 ……いやいや。そんなことを考えてないで、試してみないと。

 

 思索を振り払い、ロクサーヌへと差し出した。

 

「それじゃあ、試してもらえる?」

「かしこまりました」

 

 彼女はそれを受け取ると、両手で抱え込むようにして持ち上げる。

 その手に力が入るのが分かった。重たい物を持つときの動きだ。

 

 あー。駄目だったかぁ。

 いくら公女の装備品として用意してあったとしても、限定を施すなら、装備できないのを確認してからになるだろう。

 貴重なギルド神殿を無駄にする可能性があるようなことをするはずがなかったわ。

 

 まあ、しょうがない。ロクサーヌやベスタの高性能な装備品と同様、装備可能になるまで寝かせておこう。

 

 

 

 しかし、そうなると気になるのは原作で登場したエナメルのハイヒールブーツだ。

 おそらくあれは皇帝ガイウスのために用意された物なのだろう。

 

 帝国解放会の入会の際に行われる、自分の性的な秘密を打ち明けるという儀式で、彼は踏みつけプレイが好きだと告げ、侍女に踏んでもらいたがっていた。

 それに対し、ミチオはどうせ踏んでもらうのならハイヒールを履かせた方がいいんじゃないかと言う。

 その言葉を聞いた皇帝は感銘を受けていたはずだ。

 

 皇帝が指示を出したのか、ロッジの管理人であるセバスチャンが気を利かせたのかは分からないが、エナメルのハイヒールブーツが入荷していたときの、あの下賜と献上のやり取りをみるに、そうとしか思えない。

 

 だが、皇帝が履かせる相手としていたのは侍女。迷宮でレベルを上げているということはないだろう。

 それなら、ロッジに置いてあった二つについては限定が施されている可能性は十分ある。

 まあ、仮にそうだったとしても、入手の機会がないんだけどさ。

 

 

 

 そんなことを考えている間に、ハイヒールブーツはロクサーヌからセリー、セリーからミリアへと渡っていった。

 そして、ミリアはブーツを抱えたまま、重たそうにしながら俺へ返却する。

 

「やはり限定は施されていないようですね」

 

 セリーのその言葉に頷きながら、ロクサーヌも口を開く。

 

「そうですね。あれを装備して迷宮に入ったら魔物の攻撃を避けられないでしょう」

「とっても重かったですからねー」

 

 ミリアも苦笑いを浮かべながらそう言った。

 

「それじゃあ、エナメルのハイヒールブーツはルティナのレベルが上がるまで、物置で保管しておこう」

 

 三人にそう伝え、そのままソファーに腰を下ろす。

 

 ……やはり、レベルアップだな。

 俺だけではなく、彼女たちも含めレベルを上げる必要がある。

 

 内心で決意を新たにしていると、再びセリーが脚の間に腰を下ろして話を再開した。

 

「エナメルのハイヒールブーツは残念でしたが、スキル結晶については、コボルトが三つ手に入ったのは大きいですね。それに、今後は入手の機会も増えるはずなので、有用なスキルはドンドン付けていくべきだと思います」

 

 確かにそうだな。次回、入手できる数を確認して、問題ないようならスキル付与によるパーティー強化といこう。

 スキルは迷宮探索における安全性に直結する。コボルトが大量に手に入るなら出し惜しみはナシだ。

 

「それで、装備品やスキル結晶の金額は、結局いくらになったのですか?」

 

 え? いくら? 六十数万ナールだったはずだが、正確な数字は覚えてないぞ……。

 

 俺がうろたえているのを見て、ロクサーヌが助け舟を出してくれた。

 

「装備品とスキル結晶を合わせた金額は、六十七万六千八百ナールでした」

 

 ……一度聞いただけの数字を、よく正確に覚えてられるなぁ。

 この娘たちは本当にすごいわ。俺なんかとは頭の出来が違う。

 

 その金額を聞いたセリーは、嬉しさを隠しきれないような弾んだ声を上げる。

 

「ということは、二百五十万ナールが三割増しになって三百二十五万ナール! そこから六十七万六千八百ナールを差し引いて、二百五十七万三千二百ナールを得たのですね!」

 

 あぁ……。それを追及しちゃいますかぁ……。

 

「えーっと、その、三割アップはなかったかなぁ……」

 

 おそるおそる言うと、彼女の顔が驚きに染まった。

 

「えっ!? 途中で計算を挟んだのですよね!? どうして発動しなかったのですか!?」

 

 まるで、月初に口座の確認をして、月末期限の売掛金の入金がなかったのに気がついた、経理担当者のような顔をしている。

 

 ……クソが。遅れるなら遅れると先に一言断れよ。こっちだってカツカツなんだ。ダマで未入金だと資金繰りがヤバくなるだろうが。

 

 嫌な記憶が掘り起こされてしまった。

 

 俺たちのやり取りを、ミリアはキョトンとした表情で、そしてロクサーヌは困った表情で見つめている。

 

 ……返事をしないといけないよなぁ。

 

「いや、あの、なんといいますか、三割アップを付けるのをうっかり忘れてしまいまして……」

 

 その言葉を聞いた瞬間、彼女の顔からスンと表情が消えた。

 無言でこちらを見つめ、しばし沈黙。

 そして、重たいため息をひとつ漏らし、絶対零度の視線を向けてくる。

 

 ほんと、この表情をしているときのセリーは鬼そのものだわ……。

 俺だって反省してるんだから、そんな目で見ないでおくれよぉ……。

 

 やがて、彼女は淡々と口を開いた。

 

「七十五万ナールもの金額を、みすみす逃してしまったのですね……」

 

 金額でいわれるとダメージがでかい。

 七十五万ナールってセリー三人分だもんなぁ……。

 

「人は誰しも、うっかりミスをするものですから、仕方がありません。もっとも、こういった重要な場面でやらかす方はそう多くはないでしょうけど……。まあご主人様らしいと言えば、ご主人様らしいのではないでしょうか」

 

 シニカルな笑みを浮かべ、含みのある声でそう呟く。

 

 感じ悪っ! この娘、超感じ悪っ!

 

 くそー。俺のチョンボのせいだとはいえ、やられっぱなしだと思うなよ。

 

 あまり私を怒らせない方がいい。

 

 お腹に回していた手をセリーのもっちりほっぺに移動させ、そのまま軽く摘まんでムニムニと動かした。

 

「やめへふらはい」

 

 ジタバタ暴れるセリーの体を両脚でがっちりホールドして逃がさない。

 

 飛騨の山中に篭ること十余年。あみ出したるこの技、名づけてカニバサミ。もがけばもがくほど身体にくい込むわ! 動けるもんなら動いてみい!

 

 愛らしく、手触りも抜群なほっぺを、これでもかといじり倒す。

 

 本気を出せば俺より力が強いというのに、無理やり止めるでもなくされるがまま。

 

 案外、満更でもないんだな?

 可愛いツンデレさんめ。このこの。もっとムニムニしちゃうぞ。

 

 

 

 ひとしきり堪能してから頬から手を離すと、セリーはジトっとした目でこちらをにらみながら頬をさすっている。

 

「もう……。本当に困ったご主人様です」

 

 小さく漏らした声には、呆れと喜びが半分ずつ混じっていた。

 どうやら、本当に満更でもなかったらしい。

 

 正面のロクサーヌは頬を膨らませて呟く。

 

「またセリーに。ずるいです……」

 

 えっ? されたかったの?

 

 すると、ミリアも笑いながら注意をしてきた。

 

「ご主人様? 贔屓は駄目だと思いますよ?」

 

 あ、はい。申し訳ありません。

 

 ……でも、ほっぺたムニムニを希望されるとは思わないじゃん。しょうがなくない?

 

 

 

 ロクサーヌとミリアのほっぺをムニムニしたあとは、ゆったりとした時間を過ごし、いつもより早く午後の準備を開始した。

 

 この後は、帝国解放会の入会試験に向けた予行演習だ。

 本番と同様に魔法とデュランダルを封印することになるので、いつものジョブ構成とは異なる組み合わせになる。

 

 フィフスジョブのうち、英雄、遊び人、冒険者は鉄板。

 そして、ファーストジョブは一番レベルの高い英雄だ。

 

 本番ではファーストジョブを冒険者にする必要があるが、予行演習ではそこまでガチじゃなくてもいいだろう。

 それに、増えたポイントは迷宮では獲得経験値二十倍に回すつもりだし、戦闘能力自体は本番と変わらない。

 

 さらに、遊び人のスキルにはラッシュ。効果には腕力中上昇を設定しておく。

 

 さて、残り二枠のうち一枠は、いざというときにダブルアタックを発動できるよう、戦士で確定だ。

 

 問題は最後の一枠……。

 トリプルアタックのために剣士にするか、回復を考えて僧侶にするか……。

 

 ……いや、待てよ。

 こういうガチ狩りじゃないときこそ、普段育っていないジョブを育成するチャンスじゃないか?

 このタイミングでレベルを上げておきたいジョブ……。色魔、薬草採取士、盗賊あたりか……。

 

 色魔と薬草採取士については、上位ジョブの取得を目指して、ガチのレベル上げをしていく必要がある。

 そのためには、ある程度まとまった時間と、効率重視の狩りが欠かせない。

 

 一方で、盗賊はといえば、派生ジョブの博徒を取得しておけば、しばらくは育成を後回しにしても問題ない。

 それに、今はミリアが加入して暗殺者を目指しているタイミングでもある。

 博徒を取得していれば、ミリアがジョブを得た瞬間、博徒の状態異常耐性ダウンと暗殺者の状態異常確率アップで、状態異常攻撃のシナジー全開だ。

 そうなれば戦闘が格段に楽になる。

 パーティー全体のバランスを考えると、ここで盗賊のレベルを上げておくのがベストだろう。

 

 よし。ここは盗賊ってことで。

 

 

 

 ボーナスポイントとジョブの変更が終わると、こちらを見つめていた三人に声をかけた。

 

「それじゃあ、そろそろ出ようか」

「はい。それでは、窓を閉めますね」

 

 ロクサーヌがにこやかに答え、ソファからすっと腰を上げる。

 

 その瞬間、ふわりと穏やかな風が部屋に届いた。

 窓からは柔らかな光が差し込んでおり、その先には遠くの山々が緑に包まれ、のどかに連なっている。

 

 ロクサーヌが木窓を閉め、さらに内側のガラス窓も閉めた。

 

 さて、午後も頑張りまっしょい。

 

 装備を整え、玄関からワープで移動する。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

英雄Lv48 遊び人Lv46 冒険者Lv36 戦士Lv37 盗賊Lv4

装備 竜革の帽子 頑強のアルバ 身代わりの竜革グローブ オラクルビットローファー よりしろのイアリング

 

ロクサーヌ ♀ 16歳

巫女Lv22

装備 強権のエストック ダマスカス鋼の盾 オラクルティアラ 頑強の竜革ジャケット 剛腕の古代樹手甲 駿馬の竜革靴 身代わりのミサンガ

 

セリー ♀ 16歳

鍛冶師Lv24

装備 耐風のダマスカス鋼額金 ダマスカス鋼のチェインメイル ダマスカス鋼のガントレット オラクルダマスカス鋼グリーヴ 身代わりのミサンガ

 

ミリア ♀ 15歳

戦士Lv23

装備 強権のレイピア 剛健のダマスカス鋼盾 ダマスカス鋼の額金 オラクル竜革ジャケット 竜革の手甲 駿馬の竜革靴 身代わりのミサンガ

 

BP振分 残BP:30

キャラクター再設定:1

フィフスジョブ:15

詠唱省略:3

必要経験値二十分の一:63

鑑定:1

ワープ:1

ジョブ設定:1

MP回復速度十倍:31

 

所持金:14,137,464ナール

 

春の67日目

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