異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

232 / 300
230 男女

 

 

 

 

 

ベイル

 

 

 

 

 

「アユム様、主がお話をしたいとのことです。ご足労いただけないでしょうか」

 

 開け放たれた探索者ギルドの入口から、バラダム家の奴らがフィールドウォークで去っていくのを眺めていると、後ろから声を掛けられた。

 振り返ると、顔馴染みとなったアランの所の見習い商人が、丁寧に頭を下げている。

 どうやらアランは、バラダム家の件について何か話しておきたいこと、あるいは確認しておきたいことがあるらしい。

 問題ない旨を伝え、彼と共に商館へ向かう。

 

 

 

 

 

ベイル

アランの館

 

 

 

 

 

 応接室へ通されると、すでにアランが待ち構えていた。

 

「お呼び立てしてしまい、申し訳ございません」

「いや、こちらも確認したいことがあったので、ちょうどよかった」

 

 促されるままソファーへ腰を下ろすと、ほどなくして湯気の立つハーブティーが運ばれてきた。

 俺たちとバラダム家がやり取りをしている間に、準備を整えていたのだろう。

 どうやら、その内容が気になって仕方がないようだ。

 

 こちらがカップに口を付けたところで、アランが口火を切った。

 

「アユム様がお売りになった奴隷なのですが、バラダム家の当主自ら購入に参りました」

「うむ。先ほど表で顔を合わせた。しかし、魔法使いと巫女がいなかったようだが?」

 

 気になっていたことを尋ねると、彼は頷きを返す。

 

「その二名につきましては、すでにオークションへの出品手続きが完了しており、売却するわけにはいかなかったのです。その旨をお伝えしたところ、彼らは入札に参加すると言っておりました」

 

 なるほど……。

 奴隷が出品されるのは季節代わりのオークションだけ。参加料の支払い方法や奴隷の控室など様々な点で、通常のオークションとは違いがあったはず。

 物品ではなく人を扱うため、特別な規定があるのかもしれない。

 本番までもう十日を切っているわけだし、既にエントリーは締め切られているのだろう。

 

 しかし、やはりアランの出品する奴隷が原作と変わってしまったか。

 原作では魔法使いだけだったが、巫女まで加わるとなれば出品順が変わるのは間違いない。

 

 ベスタの他に描写のあった奴隷は、アランが出品する魔法使い、竜騎士の男、令嬢風の美人、そして母娘のペア。

 他にも多数出品されていたようだが、ミチオのお眼鏡にかなうような者はいなかった。

 確か竜騎士が最初に出品されて四十万ナール前後。そしてベスタが三人目で六十四万ナール。

 この落札価格は順番の妙に助けられた結果だ。

 

 俺にとってベスタは何物にも代えがたい素晴らしい女性だが、他の人から見れば、能力面では魔法使いや竜騎士の男が、美人を求めるなら令嬢風の女性や母娘ペアが候補に挙がるのだろう。

 だが、もしベスタの順番が彼らより後になってしまえば、金を残している参加者の間で争奪戦が起こりかねない。

 今回は後先考えず資金を全ツッパするつもりだが、三百万ナールを超える可能性はあるんだろうか……。

 

 

 

 思索を巡らせているとアランが真剣な面持ちで口を開く。

 

「アユム様にお伝えしておきたいことがございます」

「伝えておきたいこと?」

 

 思わず問い返すと、彼は静かに頷いて告げる。

 

「ええ。先ほどのバラダム家の件ですが、サボーの力を利用していた当主は、彼を打ち倒したアユム様のお力を理解しているようでした。しかし、同行していた男は血気にはやり、アユム様に決闘を申し込むと息巻いておりました」

 

 ああ。あのステンとかいう冒険者か。

 どうやら奴はここでも威勢のいいことを言っていたらしい。

 なるほど、アランはそのことを案じ、忠告するために呼び出してくれたわけだ。

 

 ほんと、彼にはいろいろ世話になってんなぁ。

 

「それについては問題ない。先ほどバラダム家とは手打ちということで話が付いている」

 

 その言葉を聞き、無表情が常の彼にしては珍しく、わずかに目を見開いた。

 

「そうなのですか?」

「ああ。詳しく説明するわけにはいかないのだが、何も問題ないと断言できる」

 

 アランはほっとしたように息を吐き、肩の力を抜いた。

 

「それはようございました。私も胸のつかえが取れました」

 

 どうやら本気で心配してくれていたらしい。

 そう思ってもらえることが本当にありがたいよなぁ。アランはマジで俺の人生において一番の恩人だ。

 ハルツ公だけではなく、彼にも恩返しを考えないと。

 

「心配をかけたようだな。アラン殿の気遣いに感謝する」

 

 感謝を伝えると、アランの口元に微かな笑みが浮かんだ。

 

 

 

 その後、話題は季節代わりのオークションに移る。

 曰く、魔法使いは間違いなく白金貨が見込めるらしい。

 さらに巫女さんも貴重な回復職であることに加え、若くて美人でそのうえ処女。出品の順番によってはこちらも百万ナールを超える可能性があるのだとか。

 

 つまり、どんなに高く見積もっても、ベスタが三百万ナールを超えることはない、というわけだ。

 

 心の中でそう呟き、胸を撫で下ろす。

 

 ……ところでアランさん? 二百万ナールで売れそうな奴隷を三十九万ナールで買い取ったんすか?

 それに、そのことを本人に伝えるなんて……。

 いや、恩返しのつもりだったから全然いいんだけどね? いいんだけどねー?

 

 そんなことを思いながら、話の区切りがついたところで暇を告げ、商館を後にする。

 

 

 

 

 

ベイル

市場通り

 

 

 

 

 

 武器屋を目指して歩いていると、ロクサーヌが穏やかな声で話しかけてきた。

 

「ご主人様、叔母の家を気にかけてくださり、ありがとうございます」

「ロクサーヌの身内は俺の身内も同然だからな」

 

 その言葉を聞いた瞬間、彼女の表情がふわりと綻んだ。

 柔らかな朝の光を受けて栗色の髪と愛らしいイヌミミが輝き、透きとおるような笑みが浮かんでいる。

 

「世界一の素晴らしいご主人様にお仕えできて、私は本当に幸せ者です」

 

 俺もー! ロクサーヌと一緒に過ごせて超幸せだからー!

 

 

 

 幸せをかみしめていたところ、ジトっとした目をしているセリーと、うらやましそうな表情をしているミリアの姿が目に入る。

 

 おっと。贔屓はいかんよな。

 

「もちろんセリーとミリアの家族だって同じだ」

 

 すぐに言葉を添えると、二人の表情がパッと華やいだ。

 

 俺はこの世界に血のつながった家族がいない。

 だが、彼女たちとの間には確かな絆を感じているし、何よりも大切にしたい存在だ。

 そして、まだ会ったことのないロクサーヌ、セリー、ミリアの家族も、すでに守るべき存在になっている。

 

 それにハルツ公爵家の人々やアラン、それにソマーラ村の住人やケヴィンたちに対しても、自然と情のようなものが芽生えている。

 

 日本にいたころは家族や友人とも疎遠になっていた。

 会社ではただ業務上の付き合いをこなすばかりで、プライベートで関わる相手などいなかった。

 それを想うと、この世界で築いた関係の方が、よほど深く、確かなものに感じられる。

 

 我ながら人との距離感がずいぶん変わったよなぁ。

 もし日本にいたころ、こんなふうに過ごせていたなら、もう少しまともな人間関係を築けたんだろうか?

 

 ……いや、無理だな。

 この世界で堂々と生きていられるのは、圧倒的なチート能力と原作知識があるからこそ。

 そのどちらか片方でも欠けていたら、日本にいたころと同じように、周囲に対して心を閉ざしたままだったに違いない。

 

 そんなことを考えながら、幸せそうに笑っている三人と共に、活気に満ちた通りを歩き続けた。

 

 

 

 

 

ベイル

防具屋

 

 

 

 

 

 目ぼしいものがなかったため、武器屋では売却だけを済ませ、隣の防具屋へ移動する。

 

 ん? なんかあるぞ?

 

 店内に足を踏み入れ、カウンターの奥に視線を向けると、黒い革靴が目に留まった。

 尖ったつま先に高いヒール、そして大きな留め具。

 魔女が履いていそうとでも言えばいいのだろうか、独特の雰囲気を放っている。

 

 まあいいや。とりあえず確かめてみよう。

 

バックルシューズ 足装備

スキル 空き 空き

 

 おっ。スロットが二つあるじゃん。これは当たりかもしれない。

 

 傍らのセリーに小声で尋ねる。

 

「バックルシューズという装備品を知っているか?」

 

 彼女は小さく頷き、背伸びをしながら囁いた。

 

「装備すると魔法の威力が上がると聞いています。また、魔法を食らった際にダメージを軽減する効果もあるのだとか」

 

 おっしゃ! 購入決定だ!

 

 他の奴に横取りされてはかなわない。セリーに感謝を告げ、大急ぎでカウンターに突撃する。

 購入する旨を伝えると、店主は少し驚いたように目を瞬かせ口を開いた。

 

「こちらは五日ほど前に買い取り、つい先ほど手入れが終わって店に並べた品なのです。以前にも同じようなことが何度かございましたよね? お客様は本当に運に恵まれているようで」

 

 あー、確かにそんなことがあった気がするな。

 まあ、俺には幸運の女神が三人もついてますんで。

 

 バックルシューズの価格は十二万ナール。

 魔法攻撃力が上がり、魔法ダメージ軽減の効果がある割にずいぶん安い。

 正真正銘の掘り出し物だ。

 こんなのが見つかるなんてなぁ。これだからお宝探しはやめられねぇ。

 

 

 

 三割対策のために安いサンダルと一緒に購入した結果、十二万ナールだった品が八万四千ナールちょっとで済んでしまった……。

 

 すまん! いまは三百万ナールしかないんだ! 金持ちになったらこんなセコい真似はしないから!

 

 内心で必死に言い訳をしながらも、今度は三割アップに付け替える。

 

 

 

 

 

ベイル

 

 

 

 

 

 店を出て少し歩いたところでロクサーヌが口を開いた。

 

「十二万ナールですか……。すごい金額でしたね」

「良い装備品は本当に高いですよねー」

 

 ミリアが頷きつつ同意を示すと、セリーもそれに続く。

 

「はい。やはり魔法使い用の装備品は別格です。それらは製造に失敗することも多く、さらに需要も高いため、なかなか店舗に出回ることがないのだと思います」

 

 彼女たちはそのまま、『良い装備品高い問題』について話し始めた。

 

 それを聞きながら、先ほど自分が考えていたことを思い出す。

 

 この男、十二万ナールを安いと感じていたぞ……。

 

 オークションでセブンリーグブーツやフランベルジュを落札し、帝国解放会のロッジではオリハルコンの槍やミスリルのグリーヴを購入している。

 どれもこれも百万ナール超えの代物ばかり。

 

 装備品に求める水準が上がるたび、金額も指数関数的に跳ね上がっていく。

 そして俺はもう、そんな感覚にすっかり慣れてしまった。

 ロクサーヌと二人で木の盾や皮の防具を買い揃えていた頃を思えば、隔世の感がある。

 

 それでも、高性能な装備品を用意すれば、迷宮探索の安全性が増すのだ。

 身上を潰しては元も子もないが、これについては躊躇するわけにはいかない。

 

 

 

 

 

クーラタル

商人ギルド

 

 

 

 

 

 帝都の店舗が空振りに終わったところで彼女たちと別れ、一人でクーラタルの商人ギルドへ飛ぶ。

 受付でルークを呼び出し、そのまま待っていると、やけに視線を感じることに気がついた。

 辺りを見回し何人かと目が合うが、スッと逸らされる。

 

 なにこれ? 俺はいじめでも受けてるの?

 

 訳の分からない空気に戸惑っていたところ、オークションだの、セブンリーグブーツだのという単語が耳に届いた。

 

 ……なるほど。そういうことか。

 

 どうやら先日のオークションが噂になっているらしい。

 俺はセブンリーグブーツとフランベルジュ、さらにスキル結晶を全て落札している。

 そりゃ、注目も浴びるはずだ。

 しかもこの辺りの人間族とは明らかに異なる黒髪に平面顔という容姿。オークションに参加していない人でも、一発であの男だと気付いてしまうだろう。

 

 多少の煩わしさはあるものの、以前のように慌てることはない。

 なにせ俺のバックにはハルツ公がついている。

 小物ムーブ全開で情けないが、何かされたらのび太がドラえもんにするみたいに全力で泣きついてやるぞ!

 

 

 

「お待たせいたしました」

 

 みっともない決意を固めていたところに、ベレー帽の男が現れ、商談室へと案内される。

 

 ソファーに腰を下ろし、軽く挨拶を交わすと、ルークはアイテムボックスから次々とスキル結晶を取り出し、ローテーブルに並べていく。

 鑑定でざっと確認したところ、コボルトが三つにヒツジ、つぼ式食虫植物、海水魚、スライム。

 

 オッケー、問題ナッシング。

 

 すべて出し終わり、彼はいつものセリフを口にする。

 

「それではギルド神殿で確認を行いましょう」

 

 だからやらないってば。お前さんもしつこいねぇ。

 問題ないことが分かっているのに、六百ナールを無駄にするなんてありえない。

 

 ……それにしても不思議なもんだ。

 装備品や彼女たちの給金、それに食事や衣服、消耗品に家具。そういったものにかかる金はあまり気にならないというのに、こういう少額を無駄にすることについては妙な抵抗を覚える。

 この感覚ってなんなんだろう? いわゆるメンタルアカウンティングってやつなのかね?

 

 どうでもいいことを考えながら、ギルド神殿による確認を行わない旨を伝えると、ルークは困ったように息を漏らした。

 

 悪いね。君がすり替えを実行しない限り、ギルド神殿を使うつもりはないから。

 

 支払いを終え、握手を交わして部屋を出た。

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 高級服屋でドレスの確認を終えると、時間はすでに昼近くになっていたため、昼食の買い物をして自宅へ戻る。

 食事を済ませたらリビングでのんびりしつつ、今日手に入れた装備とスキル結晶についての話し合いだ。

 

「セリー、バックルシューズは魔法の威力が上がるって言ってたけど、ビットローファーと比べて効果が高いのはどっち?」

 

 胸元でスンスン匂いを嗅いでいるロクサーヌの髪を撫でながら問いかけると、セリーはいつものように当意即妙で答えた。

 

「ほとんど変わらないそうですが、バックルシューズの方がわずかに威力は上がるようです」

 

 ふむ。となれば、俺がそちらを履き、ビットローファーはルティナ用にした方がいいかもしれない。

 

 そんなことを考えていると、セリーが言葉を付け加える。

 

「ですが、ご主人様がバックルシューズを装備するのは、やめておいた方がいいかと」

 

 うん? どうしてだ?

 

 視線で促すと、彼女は説明を行う。

 

「装備制限というほどではありませんが、男性が履いた場合、常時違和感に苛まれるのだそうです。女性が皮革系の鎧を身に着けた場合も、胸の形が露になる以外にそれと同じようなデメリットがあります」

「確かにそういう話を聞きますねー」

 

 ミリアも頷きながら相槌を打った。

 

 マジで? そんなデメリットがあったの?

 

「そうなの?」

「はい。他にもティアラにオペラグローブ、ジャケットやハイヒールブーツを男性が装備した場合も同様です」

 

 今まで女性用と聞いても疑問を覚えることなく聞き流していたが、そんなシステムになっていたのか……。

 これは原作でもそうだったのか? それともこの世界だけの仕様?

 

 ……でも、言われてみれば納得がいく。

 もし皮革系のデメリットが胸の形が出るだけなら、その上から何か一枚羽織るだけで済む話だ。

 しかし、それをしている人を見かけたことがない。つまりそれなりの理由があったということなのだろう。

 

「違和感を抱えたまま戦闘を行うことも不可能ではないのでしょうが、少しのミスが取り返しのつかない事態を引き起こす迷宮において、それは自殺行為に等しいでしょう」

 

 まあそうだな。そんなリスクを抱え込んでまで使う必要はない。バックルシューズはルティナ用ってことで。

 

 

 

 それにしても、セリーの話を聞いて気になることがある。

 女性用と言っていたのが、ティアラ、オペラグローブ、ジャケット、ハイヒールブーツ、そしてバックルシューズ。

 対して、男については皮革系の鎧しか出てこなかった。他にはないんだろうか?

 

 その旨を問いかけてみた。

 

「男性用ですか? えーっと、そうですね……」

 

 すると、彼女は長考に入ったものの、やがて絞り出すように答える。

 

「……申し訳ありません。女性用なら他にもいくつかあるのですが、皮革系の鎧以外に男性用の装備品で思い浮かぶものがありません。次に図書館や資料室に行く際に調べておきます」

 

 おいおい、嘘だろ? 女性用の装備品ならスラスラ諳んじることができるのに、男用はまったく思い浮かばないくらい少ないってこと?

 男女の装備品にそれだけの差をつけるなんて、まるでドラクエじゃねーか。

 

 釈然としないものを感じつつ、次の話題に移る。

 アユムフレグランスを堪能しているお嬢様はおいといて、スキル結晶の融合について相談だ。

 

 ミリアの暗殺者取得にリーチがかかっているが、現状メテオクラッシュのおかげで戦闘が安定しているため、急いで融合する必要がなくなったこと。

 さらにベスタの加入が近いため、いまセリーが身に着けているダマスカス鋼のガントレットとグリーヴをどうするかについて。

 そして、その他にもつけるべきスキルとその装備品の候補。

 

 一通り話を聞いたところで、セリーが意見を述べる。

 

「まだ戦闘には余裕がありますので、ご主人様のおっしゃる通り、しばらくは状態異常攻撃用の武器を作る必要はないでしょう」

「残念ですけど、私もそう思います」

 

 がっかりした表情ではあるものの、ミリアも同意してくれた。

 

「分かった。それについては保留ってことで」

 

 状態異常用の武器についての話がまとまると、再びセリーが口を開く。

 

「私の装備品についてなのですが、ダマスカス鋼のガントレットとグリーヴはベスタ用として置いておくことにしましょう。物置にスロットが三つの古代樹の手甲と駿馬の竜革靴がありますので、それに変更します。あっ、それから耐風のダマスカス鋼額金もベスタ用にして、スロットが一つの竜革の帽子に変更した方がいいですね」

 

 その言葉を聞き、ミリアが疑問を投げかける。

 

「でも、今まで装備していたものには魔法ダメージ削減と体力二倍のスキルが付いていたのですよね? 交換するとセリーさんの受けるダメージが大きくなりませんか?」

 

 いや、それなら何とかなりそうだ。

 

「物置には以前ロクサーヌが身に着けていたオラクル竜革ジャケットが余ってたはず。それにさっきスライムのスキル結晶を手に入れているし、それを古代樹の手甲に融合すればいいんじゃないかな」

 

 俺の案にセリーとミリアも同意を示す。

 

「はい。私もそれがいいと思います」

「なるほどー。確かにそれなら安心ですねー」

 

 他にも融合した方がいいスキルがないかを尋ねてみたが、頻繁に装備を入れ替える現状では、必要になってから対応する方が効率的だということで話がまとまった。

 スキル結晶の融合は午後の探索に行くときでいいし、それまではのんびり過ごすとしますかね。

 

 

 

 ソファーに体を預けてくつろいでいると、不意に首筋にゾクゾクとした感触が走る。

 

 ちょっ、鼻息がくすぐったい!

 

 ロクサーヌが俺の首筋に顔を埋め、匂いを嗅いでいる。

 

 この娘、全然話し合いに参加しなかったなぁ。

 それに遠慮もまったくなくなっている。

 でも、それがたまらなく幸せだよなぁ。

 

 愛しい人の体を抱きしめ、トントンと背中を優しく叩く。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

冒険者Lv50 勇者Lv41 遊び人Lv54 魔道士Lv49 戦士Lv42

装備 サンダル 身代わりのミサンガ

 

ロクサーヌ ♀ 16歳

巫女Lv29

装備 サンダル 身代わりのミサンガ

 

セリー ♀ 16歳

鍛冶師Lv28

装備 サンダル 身代わりのミサンガ

 

ミリア ♀ 15歳

戦士Lv29

装備 サンダル 身代わりのミサンガ

 

BP振分 残BP:0

キャラクター再設定:1

フィフスジョブ:15

必要経験値二十分の一:63

詠唱省略:3

鑑定:1

ワープ:1

ジョブ設定:1

買取価格三十パーセント上昇:63

 

所持金:3,045,849ナール

 

春の82日目

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。