目が覚めると体の調子がすこぶる良い。
若返ってからこっち、ずっと体調は良かったが、新しいベッドの安眠効果はものすごく、疲れが一切残っていないどころか、まるで体の芯から整えてもらったかのように、その欠片すら残っていない。
「ご主人様、おはようございます。スリープウールのマットレスはすごいですね。深く眠ることができて、とてもすがすがしい気分です」
俺の右腕を抱きしめている愛しの女性から、涼やかで美しい朝の挨拶が聞こえてきた。
その柔らかで温かな感触がたまらない。
ロクサーヌだけではなくセリー、ミリアとも挨拶を交わす。
そして、セリーが驚嘆の息を漏らした。
「話に聞いてはいましたが、ここまですごいとは思っていませんでした。このベッドで毎日眠ることができるなんて、本当に私たちは恵まれています」
無意識なのか、彼女は俺の左腕をぎゅっと抱きしめる。
ほっそりしているのに女性らしい柔らかな感触が実に素晴らしい。
さらに、まだ日の出前だというのに、テンションマックスな明るい声が弾む。
「スリープウールの寝具で眠れる日が来るなんて想像もしていませんでした! ご主人様、尾頭付きやトロを好きなだけ食べることと、スリープウールの寝具で眠るという、私の夢をかなえてくれてありがとうございます! 大好きです!」
えーっと、うん。即物的すぎて少しだけ引っかかるけど、まあ大好きと言われたこと自体は嬉しいかな。
身支度を整え、朝の大切なルーティーンであるキスを交わし、いつものミーティングを行う。
とはいえ、昨日でやることを決めていたし、ざっと確認するだけで済む。
しかも、仕込みに時間がかかるものについては、昨夜で準備を終えており、シュタルクセルツァーも購入済みだ。
話し合いが終わると、ミリアは両手をぎゅっと握り、フンスと気合を入れた。
「この家は変わったことが多いですからね。私がお姉ちゃんとして色々なことを教えてあげます!」
どうやら後輩ができるということで、やる気がみなぎっているらしい。
愛らしいネコミミをピンと立て、尻尾をクネクネ揺らしている。
「うん、ありがとう。色々面倒をみてあげてね」
「はい! 任せてください!」
ロクサーヌとセリーもその様子を微笑ましげに見つめていた。
早朝の探索では待機部屋を見つけることができず、さらに誰のレベルも上がっていない。
まあ、そんなこともあらぁな。
いつでもいつも上手くいくわけないって偉い人も言っている。でも、本気で生きてるこの娘たちがいるもんな。
それでも収穫はあった。
ロクサーヌの新装備である貫通のミセリコルデの威力は確かなもので、彼女の攻撃で倒れる魔物が明らかに増えている。
その場合、獲得経験値二十倍や結晶化促進四倍の効果が乗らないのだが、全体からすれば僅かな数だし、それよりはパーティーが強化されたことを喜ぼう。
朝食をとったところで商人ギルドへ行くことにして、玄関へ見送りに来た三人に声をかける。
「それじゃあ、いってくるから」
すると、三人の声がピタリと重なり、完璧なお辞儀を披露した。
「いってらっしゃいませ、ご主人様」
その表情には自信の色がうかがえる。
やはり俺の見えないところで挨拶の練習をしていたのかもしれない。
うむ。素晴らしい。タガワ家メイド隊は世界一だ。
鼻を高くしながらワープゲートを展開する。
ワープゲートを抜け出すと、耳をつんざくような喧騒が押し寄せてきた。
ざわめきの渦に包まれ空気が熱を帯びている。どうやらかなりの人数が入札に参加するらしい。
ユニーク装備が出品された、バラダム家放出品のオークションのときと同じくらいの人だかりだ。
参加費を払うために人波をかき分けて受付に向かう。
列はかなりの長さで並んでいる者たちの表情は興奮で彩られている。
列に並ぶと、汗と香油、そしてかつては俺も身に纏っていた加齢臭。熱気と共にそれらが充満していた。
そのまま順番を待ち続け、自分の番が回ってきたところで千ナールを支払う。
詳しいことはよく分からないが、原作によれば奴隷を落札するとこの千ナールが落札金から差し引かれるらしい。
そして、ギルドがその分を出品者へ補填する仕組みになっている。
……もし落札者が割引スキルを持っていたらと考えると、鬼のようなシステムだよなぁ。
出品者は奴隷商人であるためカルクを備えているし、その状況では絶対に発動してしまうため、防ぎようがない。
まあ、こんなスキルを持っている奴なんて他にはいないだろうし、対策を考える必要なんてないんだろうけどさ。
思索を振り払い、商談室や会議室がある奥へと進む。
いくつもの部屋が並んでいるが、どの扉にも貼り紙のようなものはなく、どこが誰の控室なのかさっぱりだ。
ぶっちゃけ、ベスタ以外を見てもしょうがないのだが、まあ手前から順に確認していこう。
最初の部屋の扉を開けた瞬間、熱気を帯びた空気がどっと押し寄せてきた。
中はすでにかなりの人がおり、奴隷に問いかける声や興奮まじりの囁き、そしてお互いを牽制するかのような会話が混じり合い、独特の空気を形成している。
呆気に取られていると、その中から見覚えのある人物が無表情でありながら、どこか興奮の色がにじむ顔でこちらへ歩み寄ってきた。
「注目を集めているようだな」
声をかけると、アランは深々と頭を下げる。
「これも全てアユム様のおかげです」
「いや、アラン殿が誠実な商いをしているからだろう。そうでなければ、俺が彼らを売却することはなかった」
「ありがとうございます。そのお言葉は奴隷商人冥利に尽きます」
彼はバラダム家の手からロクサーヌを守り通し、俺に託してくれた。
多少なりともその恩を返せたのではないだろうか。
アランと共に入口から離れ、壁際で部屋の様子をうかがう。
人だかりはパックリ二つに分かれており、片方は冒険者や探索者、騎士や戦士といった戦闘者が多い。しかも貴族もちらほら混じっている。
魔法使いがオークションに出るとこういう客層になるのか。
どいつもこいつも、即戦力を求めているようでギラギラしたものを感じる。
もう一方の集団は、それに加え着飾った者も多く、商人や豪商といったジョブが目立つ。
貴重な回復職としてだけではなく、若くて美人でそのうえ処女というのを目当てとしているのだろう。
こちらは別の意味でギラついている。なんとも俗っぽい奴らだ。
……ベスタ目当ての俺が言えたことじゃないか。
そろそろ別の部屋へ行こうかと思ったそのとき、部屋の中がざわめき立った。
人々が一斉に入口へ視線を向けたため、俺もそれに倣う。
あっ。バラダム家じゃん。
先ほど奴らのことを考えていたばかりだ。噂をすれば影が差すとはまさにこのこと。
そこにはヤクザの親分と若頭にしか見えない、イヴァン・バラダムとステン・バラダムの姿が。
奴らはゆっくりと周囲を見回しこちらに気が付くと、重々しい足取りで近づいてくる。
えぇ……。来ないでほしいんですけどぉ……。反社とかかわりがあるなんて思われたら、今後の活動に支障をきたすんですけどぉ……。
貴族になろうってんなら、身綺麗にしとかないとじゃん。
俺は既に『反社会的勢力排除に関する誓約書』にサインをしてるっつーの。……嘘だけど。
くだらないことを考えていると、目の前に来た親分が口を開く。
「そちらもオークションに参加するのだな」
「ああ。そのつもりだ」
一瞬、奴らに緊張が走る。
イヴァンは人だかりの方へと顎をしゃくり、低い声で問いかけてきた。
「狙いはうちの奴らなのか?」
んなわけあるか。
お前らもご存じの通り、そいつらを売ったのは俺だぞ?
それをオークションで買い戻すなんて、どんな大馬鹿野郎だ。
「いや、そいつらにはまったく興味がない」
ガチでこれっぽっちもな。
「……そうか」
それを聞き、彼らは安堵したように小さく息を漏らした。
まあ、せいぜい他の連中と競り合ってアランを儲けさせるといいさ。
バラダム家とのやり取りのせいで、周囲の視線がこちらへ集まっている。
その好奇と警戒の入り混じった視線が、めちゃくちゃ鬱陶しい。さっさと次の部屋へ行こう。
アランに一声かけて部屋を後にした。
隣の部屋に入ると、香水のきつい匂いが鼻を刺す。
むせ返るほどの甘い香りが空気に充満しており、思わず鼻にしわを寄せてしまった。
そこにいたのは多くの女性、それもマダムと呼ばれるような年齢層ばかり。
なんぞなもし?
気になって彼女たちが群がっている方に目を向けると、金髪で耳の尖ったイケメンが視界に飛び込んできた。
ロラン ♂ 28歳
剣豪Lv27
へぇ、剣豪ねぇ。剣士の上位ジョブなんだろうか?
これだけ顔が整っていて耳が細いんだから、おそらくエルフなのだろう。
ハルツ公には到底及ばないものの、かなりの美形だ。
彼はご婦人方から次々に話しかけられていたが、どこかうんざりした表情で応じている。
どうやら、彼女たちに落札されるのは本意じゃないらしい。
それにしても、こんな男は原作にいなかったはず。
ミチオがスルーしただけなのか、それとも本当に出品されていなかったのか。
うーん……。まあ、彼の入札に参加するつもりはないし、どうでもいいか。
次の部屋へ行こうかと思ったところで、不意に彼と視線がぶつかった。
その瞬間、強張っていた表情がわずかに緩み、まっすぐこちらへ歩み寄ってくる。
「迷宮探索を生業にしているお方とお見受けします。自ら申し上げるのははばかられるのですが、私は剣豪のジョブに就いています。必ずやお客様のお役に立つことでしょう」
いやー、それは無理じゃないかなぁ。
トリプルアタックがあるため、俺の物理アタッカー性能は文字通りチート級。剣士の上位ジョブ程度では、正直アシストにしかならない。
それに我がパーティーにはヒーラー兼回避タンクのロクサーヌや、工廠兼参謀のセリー、デバッファーのミリアといった、その道のスペシャリストが揃っている。
ぶっちゃけ普通の人材では、パーティー構成に食い込むことは不可能だ。
さらに、残りのパーティー枠はベスタとルティナのリザーブで埋まっている。
悪いが他の奴を入れる余地はない。
厳正な選考の結果、誠に残念ながら今回はご期待に添えない結果となりました。
大変申し訳ございませんが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
ロラン様のこれからのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
内心でテンプレお祈りをしつつ、前のめりで売り込んでくる男をあいまいな笑みでやり過ごして、スタコラッサッサとその場を離れた。
……金持ちの女性に囲われて贅沢な暮らしをするより、迷宮探索で生きていきたいのか。
中級ジョブのレベルを27まで上げているあたり、これまで真面目に鍛え、それに対する自負もあるのだろう。
彼の希望が叶うことを祈るばかりである。
それから順番に部屋を回っていくものの、ベスタはおろか原作で描写のあった人物すら見当たらない。
原作とは違いアランの控室が一番手前に配置されていたし、彼の出品奴隷が増えたことにより、控室の割り振りがシャッフルされてしまったのだろう。
それにしても、どの部屋の奴隷も美男美女ばかり。やっぱこの世界の人の顔面平均は相当なものだよなぁ。
ほんと、他の人たちは俺の顔についてどう思っているんだろう?
ガチで世界一のブサイクという可能性すらあるぞ……。
そんなことを考えながら次の部屋へ入ると、清楚な雰囲気を纏う美女が目に入った。
おお? もしかして彼女は原作に登場した、お嬢様風の女性だろうか?
いや、でも、うーん……。確かに美人なんだけど、ロクサーヌたちに感じたような情動はまったく湧かない。
というか、それを言うならカシアレベルの美貌でも、感じることはなかったわけだが。
興味もないのに長々と眺めるわけにはいかないし、営業トークに捕まっても面倒だ。
よーし、次いってみよー。
それから部屋を回り続け、竜騎士の男や美人親娘の姿を見つけることはできた。
しかし、肝心のベスタの姿がとんと見当たらない。
……まさか俺の行動がバタフライエフェクトのような影響を及ぼし、彼女が出品されることがなくなった、なんてことはないだろうな?
にわかに湧き始めた焦燥感を抑えきれず、次から次へと部屋を回っていく。
だが、どれだけ扉を開けても彼女の姿はどこにもない。
おい、嘘だろ? 次でラストだぞ? マジで出品されていないのか?
焦りを通り越し、胸の奥で何かがざわめき始める。
半ばパニックになっている自分を自覚しながら、最後の部屋の扉に手をかけた。
「あっ」
中にいた女性を見た瞬間、口から勝手に声が漏れ、視線が彼女から離せなくなる。
明らかに俺より頭一つ以上高い身長。
水平線に沈む夕日のような赤いショートヘアーに、健康的で生命力に満ちた小麦色の肌。
体の大きさに比べて顔のサイズは驚くほど小さい。まるで神が造形したフィギュアのような均整美だ。
その小顔には美しいパーツが絶妙な配置で収まっており、特にルビーのような赤い瞳は優しげに垂れていて、その穏やかな笑みは見ているだけで安心感をもたらす。
そして、何より目を奪われたのはそのバスト。俺がこれまで目にしてきた中で最も大きく、実際に存在しているというのに現実感がまるでない。
胸の奥が焼けるように熱くなり、思考がすべて吹き飛ぶ。
魂を鷲掴みにされたように、俺の世界から彼女以外の存在が消えた。
「いらっしゃいませ」
惚けていると、奴隷商人がこちらへ声を掛け、女性も丁寧に一礼しながら言葉を紡いだ。
「よろしくお願いします」
その声は春の陽だまりのような響きを伴い、心の奥をそっと撫でていく。
清らかで、柔らかで、ホッとするようなぬくもりが感じられた。
それは聞くというより、優しく包み込まれるような感覚に近い。
再び呆然としていたところ、奴隷商人がセールストークに入る。
「彼女は本日成人を迎えた、竜人族のベスタ。お客様は迷宮探索を生業にしているとお見受けいたします。それであれば彼女はうってつけかと」
ベスタ! やっぱりベスタ!
ロクサーヌ、セリー、ミリア、ルティナ。
彼女たちと初めて出会ったときとまったく同じ感覚が胸を打つ。
見ているだけで魂が震え、共に人生を歩みたいという情動が全身を駆け巡る。
よかった……。
いてくれて本当によかった……。
安堵と感動が一気に押し寄せ、息が詰まりそうになる。
そこでようやく、まだ鑑定を使っていなかったことを思い出した。
ベスタ ♀ 15歳
村人Lv2
頭にその表示が浮かんだ瞬間、思わず両の拳を握り締める。
よしっ! 間違いない! ベスタだ!
奴隷商人がベスタの戦闘能力や種族的な特性についていろいろと説明しているが、そんなのはどうでもいい。
彼女の顔を見上げながら話し掛けた。
「俺たちは毎日迷宮探索を行っているが、それは問題ないか?」
すると、彼女は一つ頷き、穏やかな笑みを浮かべながら答える。
「はい。大丈夫だと思います。迷宮に入ったことはありませんが、迷宮外に湧いた魔物を倒していました」
おっ。ベスタの口癖『大丈夫だと思います』だ。
ああ、可愛い。実に可愛い。
その後、俺はベスタに話しても問題ないことについて、思いつくままに説明していく。
食事の支度をみんなでして、同じ食卓で同じものを食べること。
オイスターシェルを狩りまくっていたためボレーが大量にあること。
それから不衛生なのは苦手なので、うちの奴隷には服や下着を複数用意し、毎日お湯で体を清めていることを伝える。
彼女は話を聞くたびに目を丸くし、信じられないという表情を浮かべながらも、その瞳の奥にほんのりと希望の色を宿していった。
ベスタ、絶対大切にする。だから、俺たちの所に来てくれ。
入れ替わり立ち代わり人が入ってくるが、オキニのキャバ嬢に話しかけてくる他の客を牽制するおじさんのように、彼女に話しかけてくる奴をブロックし続ける。
……まあ、キャバクラに行ったことがないから、完全に想像だけどな。
世間話を続けていたところ、外からベルの音が響いた。
「どうやら出品の順番が決まったようですね。まもなくオークションが開始されるでしょう」
いよいよか……。
不安や緊張、そしてベスタを迎えることに対する高揚。
それらがないまぜになり、心臓の鼓動が一段と速くなる。
胸の奥がぎゅっと締めつけられ、身体の奥でスイッチが切り替わったのが自分でも分かった。
「ベスタは絶対に俺が落札する。オークションが終われば家で美味しい食事をとろう」
うちの生活について話していたからか、彼女はその言葉を聞いて控えめに微笑む。
その笑みは静かで優しく、まるで信頼の灯が宿っているようだった。
「はい。よろしくお願いします」
ロクサーヌたちがごちそうを用意しているからな。きっと今まで食べたことがないくらい美味しいぞ。期待しててくれよ?
大柄なのにどこか儚げな笑みに見送られ、後ろ髪を引かれる思いで部屋を後にする。
ロビーに戻ると、人の数は減るどころかむしろ増えていた。
空気は熱を帯び、興奮とざわめきが渦のように広がっている。
その喧騒の中で、ひときわ大きな声を張り上げる男が一人。
「魔法使いは白金貨を超えるぞ! お前らにその覚悟はあるか! 俺にはあるぞ! ない奴は今すぐ引き返せ!」
おお! 原作にいた白金貨おじさんじゃないか! お前もちゃんといたのか!
おそらく他の参加者を牽制しているつもりなのだろう。
足りない頭で必死に考えた作戦なのかもしれないが、ぶっちゃけあれって何の意味もないよなぁ。
そんなことで帰ったり入札を控えたりするやつはいないし、アランの話によると白金貨はむしろスタートラインだ。
しかも今回はバラダム家が出張っている。
落札できる可能性はほぼないが、まあ頑張ってくれたまえ。
喧騒の中、ギルド職員は声を張り上げアナウンスを行なっている。
「抽選の結果、順番が決まりました。まもなくオークションを開始いたしますので、二階の会場へ移動してください。順番をお知りになりたい方は会場入口の貼り紙をご確認ください」
よし。いざ、出陣!
気合を入れ、人の波に合わせながら歩き出した。
ざわめきの中、胸の鼓動はそれ以上に耳の奥で鳴り響き、血の流れすら熱を帯びているように感じる。
二階へ上がると、会場前にはさらに人が詰めかけていた。
壁際には進行表が貼り出され、参加者たちが群がっている。
俺もその中に混じり、貼り紙に視線を落とした瞬間、思わず舌打ちが出そうになった。
初っ端が巫女であるジェニー。三番目が令嬢風の女性で、四番目が魔法使いのエリク。
中盤には剣豪のロランや竜騎士の男、さらに親娘のペア。どうやら彼女たちはまとめて出品されるようだ。
そしてベスタはというと、ラス前……。
しかもトリを飾るのは男性探索者。これでは入札控えは期待できない。
深く息を吸い、意識的に呼吸を整える。
焦りは判断を鈍らせるだけだ。冷静になれ。
……最悪三百万ナールが吹き飛んでも構わない。ベスタを迎えるためなら、どこまでも突っ走ってやるぞ。
断固たる決意を固めながら入り口を潜る。
田川 歩 男 18歳
冒険者Lv52 勇者Lv46 遊び人Lv57 魔道士Lv52 剣士Lv42
装備 オラクルビットローファー 身代わりのミサンガ
BP振分 残BP:2
キャラクター再設定:1
フィフスジョブ:15
詠唱省略:3
必要経験値二十分の一:63
鑑定:1
ワープ:1
ジョブ設定:1
三十パーセント値引:63
所持金:3,209,749ナール
夏の休日