ゲートから出て靴を履き替えキッチンへ行くと、鍋は火から下ろされておりロクサーヌはキッチンの掃除をしていた。
匂いで俺に気づいたのだろう。こちらへ振り向くと美しい仕草で礼を執る。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
改めてみても目を奪われるほどに美しい。こんな娘と一緒に暮らせるなんて本当に幸せだわ。
「ただいま、ロクサーヌ。食事の準備はどうだ。修行の時間は取れそうか?」
「はい。煮込み時間も十分ですので、あとは直前に温めなおせば大丈夫です。ご主人様のおかげで簡単に火が起こせるので本当に助かります」
ライターやマッチがないし、火を起こすだけでも一苦労だろう。
そう考えると竜人族って恵まれているよなぁ。有用な種族固有ジョブである竜騎士に加え圧倒的なフィジカル。そして、火まで吹くことができるのだ。
他にも、竜人族ほどではないにしろフィジカルに優れ、絶対に他では代用が利かない唯一無二のジョブである鍛冶師を擁するドワーフも相当だ。
運営さーん。竜人族とドワーフは優遇されすぎでーす。贔屓だと思いまーす。ナーフするべきでーす。
あ。その場合セリーとベスタもナーフされるじゃん。
運営さーん。今のは冗談でーす。
「それじゃあ今から修行をつけてもらえるか?」
「はい。お相手させていただきます」
彼女が防具をつけるのを待ち、物置から木剣を取って庭へ出る。
「ロクサーヌ、俺は本気で強くなりたい。手加減はなしで頼む。僧侶の手当てもあるからちょっとやそっとの怪我はすぐに治せるのだ。心配はいらない」
「分かりました」
おそらくこんなことを言わなくても戦闘ガチ勢のロクサーヌなら真剣に対応してくれるだろう。まあ、念のためな。
お互いに木剣を構えて対峙する。
じりじりと距離を詰めていくが彼女は涼しい顔でまったく気負ったところがない。
いや。格上相手に距離の取り合いなんて無駄だろう。
とにかく最初は全力で攻める!
地面を蹴って彼女に迫り、両手で持った得物で薙ぐ。
「くっ」
しかし、それをあっさりかわされた直後、左手に鋭い痛みを感じ思わず声が漏れた。
防具を身に着けている上にレベル差もあって、さらに非装備品の攻撃だってのにこの痛みかよ!
一瞬、手当てを使うべきかと頭をよぎるが、即座にその考えを捨てる。
魔物の攻撃を食らった場合、絶対にこんなもんじゃすまない。
これは本番を模した修行なんだ。この痛みに耐えるのも修行のうち!
体を左に向けロクサーヌと正対し隙をうかがうものの、戦闘経験の浅い俺にそんなものが分かるはずもなく、逆に惑っていると胸元へ痛みが走る。
「がっ」
正対して構えていたのに、そんなことは知るかとばかりに放たれた突きがあっさり俺の胸を捉えていた。
駄目だ! 全然反応できない! 分かってはいたがこんなに差があるのか!
守勢に回るとジリ貧だ。好き放題攻撃されてしまう。とにかく攻め続ける!
痛みで取り落としそうになる木剣を固く握り、ロクサーヌ目掛けて攻撃し続ける。
大振りをするとカウンターの餌食だ。細かく振ってなるべく隙を小さくして、とにかくチャンスを待とう。
クソっ! 長いし重いしで両手剣は取り回しが悪い! 素人に扱えるようなもんじゃないぞ!
そうはいってもメインウエポンが両手剣な以上、その扱いを学ぶ必要があるため武器種を変えるわけにもいかない。
こちらがどんなに隙を潰しているつもりでも、お構いなしに攻撃を食らい続け遂には手に力が入らなくなり木剣を取り落としてしまった……。
……なんでこんなにダメージを受けるんだ?
バラダム家の女にロクサーヌの攻撃は全く通じなかったんだよな?
おそらくそのときには彼女も装備品である武器を使っていたことだろう。
今の俺とロクサーヌのレベル差は10くらいに対し、あの女との対決時は20以上だったはず。
レベル補正とはそんなに大きいものなのか?
「ご主人様……。大丈夫ですか?」
不安気にロクサーヌが尋ねてくる。
あー。全然駄目だったなぁ。
情けねー。
「ロクサーヌ、真剣に立ち会ってくれてありがとう。それから、不甲斐ない主人ですまない」
「そんなことありません!」
うおっ!
「ご主人様は強くなるために本気で取り組んでいらっしゃいました! それを不甲斐ないだなんて思うはずがありません!」
ロクサーヌ……。
そうだ。俺は本気で強くなるつもりなんだ、泣き言なんて言ってられない!
よし! 手当てで傷を癒して続きと行こう!
一時間ほどたっただろうか。
気合を入れて戦い続けたものの、俺の攻撃が彼女に届くことはなく、逆にこちらは好き放題攻撃されて何度も地面に転がる羽目になった。
……まあ、そうだよな。
ただの事務職のおっさんがガチの達人と戦えばこうなることは火を見るよりも明らかだ。
こんなのは想定の内さ。
だが、日本にいたころにはなかったような気持ちが芽生え始めているのも確かだ。
どんなに望んでも、もうデスクワーカーに戻ることはできない。そして、それを望むつもりもない。
そのためにはいつまでも貧弱なままではいられない! 絶対に強くなってみせる!
明日からも毎日これを続けていこう。
今日、何度目なのか忘れてしまうほど使った手当てを再び使用し怪我を癒す。
やっと本来の意味での手当ての出番だったが、このダメージは魔物からではなくパーティーメンバーから受けたものなんだよなぁ。
「ロクサーヌ、修行をつけてくれてありがとうな。今日はここまでにしておこう」
「え?」
え? なんだ?
もしかしてこの程度で終わるなんて甘いとか言われるんだろうか?
「どうしたんだ? まだ続けた方がいいだろうか?」
「いえ、あの、オーバーホエルミングを使ったご主人様と戦えるという話は……」
ああ。それがあったか。
「すまない。自分の修行のことで頭がいっぱいでうっかりしていた。では、これから始めるか」
「はい! ご主人様、よろしくお願いします!」
うわー。すげー嬉しそうだよ。この戦闘狂めー。
先ほどの修行では好き放題やられてしまった。
ここはロクサーヌの期待に応えるためにも、また主人の威厳を保つためにも、ボーナスポイントを十全に活かしたうえで挑んでやる。
「準備をするから、少し待っていてもらえるか」
「はい」
彼女を相手にするうえで一番必要になるのは、あの回避能力を超えて攻撃をあてることのできる何かだろう。
初陣の盗賊戦の焼き直しになるがポイントを振るべきは足装備。
MP回復速度二十倍を外し足装備六にチェックを入れる。
藕絲歩雲履 足装備
スキル 敏捷五倍 回避力五倍 跳躍力五倍 空中跳躍 移動力増強 速度低下無効
なんかすごいのきたー!
藕絲歩雲履ってあれだよな! 孫悟空が四海竜王からパクって身に着けている宝道!
さすが63ポイントも要求し、大層な名を冠するだけあってデュランダルに勝るとも劣らないチートスキル!
きっとオーバーホエルミングとのシナジーもバッチリだろう。
上手く使いこなせるか分からないが、こいつでロクサーヌの度肝を抜いてやる。
歩雲履に履き替え、皮の靴をアイテムボックスにしまいロクサーヌに声をかける。
「すまない、待たせた。では、始めるか」
「はい。お願いします」
ロクサーヌ殿、お相手仕る。
先ほどと同じように木剣を構え対峙する。
よし。とにかく先手を取ろう。
オーバーホエルミング
世界全てがスローモーションになる。
時の流れを置き去りにして地を蹴ると、その一蹴りで彼女の眼前へ到達しそのままの勢いで木剣を薙ぐ。
だが、そこはさすがのロクサーヌ。木の盾で防がれてしまった。
敏捷五倍、跳躍力五倍、移動力増強の効果なのか、常人では不可能な動きをしているはずなのに、持て余すことなく能力の全てを把握し完全に制御できていた。
おそらくそれも含めてスキルの内なのだろう。
彼女が剣を持っている方に回り込む。
オーバーホエルミングと歩雲履のスキルの効果が重なり、ものすごい速さで動いているはずの俺を捕捉し続けており、目は常にこちらを追っていた。
そのままさらに回り込んで後ろを取り、突きを放つ!
獲ったと思った瞬間、彼女の身体が斜めに流れ攻撃を回避されてしまう。
この娘ヤベー! 後ろにも目がついてんのかよ!
体勢を整え振り返ろうとしているロクサーヌへ、もう一度突きを入れた。
再び無理な避け方をしたため彼女の体勢が崩れる。
チャンス!
さらに距離を詰め、軸足を刈るようにローキックを放つ。
しかし、キックをした瞬間にはすでにジャンプをしておりかわされてしまう。
なんで攻撃前に回避行動に入ってんだ! ニュータイプかよ!
でも、空中では動くことができないだろう! これで詰みだ!
空中のロクサーヌへ向け木剣を振るう!
嘘だろ!?
空中で身を捩り木の盾で軌道をずらされた!?
彼女は体が地面に落ちるとその勢いを利用し、ゴロゴロと転がって距離を取っていった。
これだけのアドバンテージがあったのにかすりもしなかった。
いや、これは俺がどうこうじゃない。
ただただ、この娘がすごすぎるんだ。
ロクサーヌが起き上がり木剣を構えたところでオーバーホエルミングの効果が切れてしまう。
それに気がついたのだろう。こちらへ話しかけてきた。
「さすがご主人様です。危うく攻撃を食らうところでした」
なんでだよ! そこは食らってくれよ! こっちがどんだけチート能力をガン積みで攻撃したと思ってんだ!
「どうだ? ロクサーヌの修行になりそうか?」
「はい! 思いもよらない攻撃をされて良い鍛錬になりそうです。ご主人様との模擬戦は今までで一番ワクワクしています!」
「そうか。楽しめているなら何よりだ」
うわー。この娘本当にワクワクとか言っちゃったよ。
ロクサーヌの度肝を抜くはずが、逆に俺の度肝が抜かれてしまった。
まあ、しょうがない。仕切り直しと行こう。
「それじゃあもう一度行くぞ」
「はい! お願いします!」
彼女の顔を見ると目は爛々と輝き、口角が上がり攻撃的な笑みが形作られている。
こんなに嬉しそうにしているんだ。限界まで付き合ってやるさ。
それにまだまだ試していないこともあるしな。
オーバーホエルミング
再び引き延ばされた時間のなかで一足飛びに彼女の後方に回り込み、今度は反応される前に地を蹴って空中へ体を移動させる。
ロクサーヌの体が振り向こうと動いた瞬間に今度は空中を蹴った。
完全に背後を取ることに成功し、そのままの勢いを体に乗せて木剣を振りぬく!
さすがに空中を蹴って移動するのは予想外だったのだろう、今度こそクリーンヒットの手応えがあった。
硬いような、柔らかいような、弾力のあるものを叩いたような、なんとも言えない感触が手に残る。
弾き飛ばされたロクサーヌは地面を転がっていったが、オーバーホエルミング中の俺の主観だがゆっくりとした動作で起き上がろうとしている。
彼女はまだまだやる気だ!
ここで怪我の心配をして手心を加えるなんてロクサーヌへの侮辱でしかない。出し惜しみなしの本気で行く!
再び背後へ回り、彼女の正面へ向けて念じた。
ウォーターウォール
オーバーホエルミングの最中にあってなお、ほんの一瞬。本来なら隙とならないような一瞬だけ意識がそちらへ向いた。
その瞬間に背中を強かに打ち据える。
クリーンヒットを食らい、よろめいたところを思いっきり蹴り抜くとそのまま体が吹っ飛んでいった。
そして、彼女の体は地面へ倒れ動かなくなる。
「ロクサーヌ!」
やばい! 攻撃がまともに入っちまった!
急いで彼女へ駆け寄り、何度も手当てを使い続ける。
「ご主人様、大丈夫です……」
よかった。意識ははっきりしている。
「ロクサーヌ、大丈夫か? 痛いところはないか? 辛いなら手当てを使うから遠慮なくいってくれ。我慢して怪我を悪化させる方がよっぽど問題だからな」
「ありがとうございます。では、もう少し手当てをかけていただけますか?」
「もちろんだ」
さらに手当てを使い続けると彼女から声がかかる。
「ご主人様、ありがとうございます。もう大丈夫です」
ロクサーヌは立ち上がると体の調子を確かめるように動かしている。
……本当に大丈夫そうだな。
彼女が倒れたときは恐ろしくてたまらなかった。
もし何かあったら俺は気が触れてしまっていただろう。
ロクサーヌに謝り、こんなことはやめにすると言ってしまいたくなる。
しかしそんな言葉は絶対に口にするわけにはいかない。
今後迷宮探索を生業にしていくなら俺自身を鍛える必要がある。
そのために彼女へお願いして模擬戦をしてもらったのだ。これをやめるわけにはいかない。
オーバーホエルミングを使用した模擬戦のみをやめるか?
だがそんなことロクサーヌは絶対に納得しないだろう。
彼女は戦士だ。それも、自分の力に誇りを持った気高い戦士なのだ。
ロクサーヌが傷つくから模擬戦をやめるなど、その誇りを踏みにじる最低の言葉と受け取られる。
模擬戦をしたい等と言うべきではなかったのだろうか……。
今後の訓練について懊悩していると、興奮した様子で彼女が話しかけてくる。
「さすがご主人様! 目にも留まらぬ動き! とんでもない高さのジャンプをしたかと思うと、空中を移動して一瞬で背後を取られていました! そして、魔法を利用して虚を突き、剣と蹴りでの連続攻撃! こんな鮮やかに攻撃を受けたのは生まれて初めてです! 本当にすごすぎます!」
……もー。この娘は本当にもー。
まるでアトラクションを体験した子供のようにキラキラした目でこちらを見つめている。
俺は本気で悩んでいたのに大興奮だよ。
「それでは模擬戦を再開しましょう!」
おい!
完全にレジャー気分じゃないか!
「いや。オーバーホエルミングと手当てを連発したせいでMPが心許ない。今日はここまでにしておこう」
「そうでしたか。では、明日からもよろしくお願いしますね」
このまま続けるのはまずい。事故でも起きたら一大事だ。
まだMPに多少の余裕はあるが嘘も方便。今日はここまでにしておこう。
このあとお湯を沸かすのに魔法を使うからMPが心許ないのは本当だし。
しかし、俺のやったことが全て把握されていたぞ。
……これ、明日からはこちらの攻撃に対応してくるってことはないだろうな?
「ご主人様、教えていただきたいことがあるのですが」
「うん? なんだ?」
「どうやって空中を移動していたのですか?」
ロクサーヌを翻弄できた最も重要な要素だもんな。そりゃあ気になるか。
あたりを見回し鑑定を行い誰もいないことを確認するが、念のため皮の帽子に守られた彼女の耳に顔を寄せ囁く。
「先ほど履き替えた靴はボーナスポイントで出した装備品で藕絲歩雲履という。これには空中跳躍というスキルがあってな。それを利用した」
「そんなスキルがあるのですね」
ロクサーヌは納得したかのようにふんふん頷いている。
ぶっつけ本番で使ったが、これについては俺も気になる。
スキルの能力でどの程度の距離を移動できるのか、どのくらいの高さまで跳べるのかはなんとなく把握できているが、少しばかり試運転と行こう。
「ちょっと試してみる」
「はい! お願いします!」
まるで手品を楽しみに待つ子供のような表情でこちらを見つめている。
膝を曲げ全力でジャンプをしてみると、一気に自宅二階の高さに到達した。
そして、何もない場所を蹴り空中跳躍での移動を試す。
すると、目指した庭の端の上空へ着いている。
さらに同じように空中を蹴ってみるが、今度は何の感触もない。
スキルがもたらす感覚で何となくそんな気がしていたが、やはり一回だけか。
所謂二段ジャンプが可能になるスキルってことだな。
そして、体が重力を思い出したかのようにそのまま落下してしまう。
しかし、結構な高さから着地したはずだが何の痛みも感じなかった。
おそらくこういったこともスキルでケアされているのだろう。
検証して気づいたが歩雲履は迷宮で運用するにはオーバースペックだな。
高さも広さもないせいで、この移動能力が活かしにくい。宝の持ち腐れだろう。
考え込んでいるとロクサーヌが全力ダッシュで駆け寄ってくる。
「ご主人様! すごすぎます!」
おおう。めちゃくちゃ興奮してるぞ。
「明日からの修行でオーバーホエルミングを使う場合、これも使った方がいいか?」
「はい! これも魔法も全部でお願いします!」
はいはい。出し惜しみはなしでお相手仕りますよ。ロクサーヌ殿。
まあ、さすがに魔法を直撃させるのは訓練の域を越えているのでナシだがな。
ボーナスポイントに戻すため歩雲履を脱ぎ皮の靴に履き替えていると、彼女が羨ましそうにそれを見つめていることに気が付く。
やってみたいのかな?
「ロクサーヌもやってみるか?」
「よろしいのですか!」
満面笑顔で歩雲履を受け取り、嬉しそうに皮の靴と履き替えている。
準備が整い動き始めると、目にも留まらぬ速さで縦横無尽に駆け回っていた。
……やっべー。
当たり前かもしれないが、普通に俺より使いこなしている。
慣らしが終わったのだろう。今度は二段ジャンプを試しだす。
あ! 木を足場にしてさらに上空へ跳んだ!
なるほどな。彼女なら迷宮でも壁や天井を利用して変則的な軌道ができそうだ。
いや。俺だってオーバーホエルミング中ならきっとできるはずだ。たぶん、きっと、おそらく……。
スキル結晶があるのか、それともボーナス装備品からしか出ないスキルなのかは分からないが、今後、ロクサーヌには空中跳躍のついた装備品を用意するのがいいかもしれない。
次に会うときにルークへ確認してみよう。
いや。長いて。
相当気に入ったのだろう。彼女は楽しそうに動き続けている。
「ロクサーヌ! そろそろいいかー!」
遠くにいる彼女に大声で呼びかけると、動きを緩めこちらの方に向かってくる。
「ご主人様! ありがとうございます! とても楽しかったです!」
「そうか。ロクサーヌに喜んでもらえたのなら何よりだ」
「先ほどご主人様がどのように動いていたのかが分かりました。これはすごいですね」
うそーん。
これ、間違いなく明日からは対応される流れですやん……。
ロクサーヌから歩雲履を返してもらい、MP回復速度二十倍に付け替える。
二人とも地面に転がっているため服や装備品についた土や砂、草の葉なんかをお互いに払い落す。
ロクサーヌのお尻にタッチしてしまうが、これは断じてセクハラなどではない。ないったらない。
おっと。可愛らしい尻尾についた汚れも落とさなければ。
しかし、天気が良くて本当に良かった。これが雨で泥まみれだったら最悪だ。
うーん……。今後、どうするべきか……。
今日は雨だから修行はなし。なんて言おうものならロクサーヌに呆れられてしまうだろう。
……よし。天気が悪いときはあらかじめ風呂を沸かしておき、修行の後ですぐに入れるようにしておくか。
もしぬるくなっていたとしても魔法一発で追い焚きが可能なんだ。風呂蓋もいらないだろう。
バスタブが搬入されるまで雨が降らないことを祈っておこう。
汚れを落とし終えたところで彼女に声をかける。
「夕方まで時間があるので、装備品の手入れが終わったら俺はちょっとした作業をしようと思う。ロクサーヌはどうする?」
「私は掃除の続きをしたいと思います」
つくづく思うが働き者のいい娘だよなぁ。
「それじゃあよろしく頼むな」
「はい。ご主人様」
田川 歩 男 18歳
探索者Lv21 英雄Lv18 魔法使いLv21 戦士Lv18 僧侶Lv15
装備 皮の帽子 皮の鎧 皮のグローブ 皮の靴
BP振分 残BP:0
キャラクター再設定:1
フィフスジョブ:15
鑑定:1
必要経験値十分の一:31
詠唱省略:3
ワープ:1
ジョブ設定:1
MP回復速度二十倍:63
結晶化促進四倍:3
所持金:386,357ナール
春の4日目