異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

316 / 316
313 ガッツ

 

 

 

 

 

ベリッサ南未開地域の迷宮

五十四階層

 

 

 

 

 

 ルティナと交換していたアクセサリーを戻し、床に転がっていたドロップアイテムを回収したところで探索を再開だ。

 

 通路を進みながら、スコルについて思索を巡らせる。

 

 いま俺の腰に巻かれているこいつのスキルは魔法攻撃力二倍、知力二倍、攻撃力二倍、腕力二倍。

 つまり、魔法と物理攻撃がアップするスキルがちょうど半々ずつ付いている。

 ワンチャン、魔法攻撃力だけではなく物理攻撃力が増す効果もあったりしないかね?

 

 もっとも、たとえその効果があったとしても、今はそれを確認する手段がないんだけどさ。

 腕力二倍は剛腕のミスリル手甲を装備すればいいとしても、手持ちに攻撃力二倍が付いた装備品はなく、ボーナス装備で補うにしても攻撃力二倍の付いたものはカラドボルグとメギンギョルズだけ。

 ぶっちゃけ、物理攻撃力を引き上げる効果であれば、こっちの方に付いている可能性の方が高く、対照実験に用いる装備品としては不適格。

 そして、今はコボルトのスキル結晶を温存しておきたいため、新たに攻撃力二倍が付いた装備品を作るわけにはいかない。

 まあ、これはスキル結晶に余裕が出来てからだな。

 

 そんなことを考えていると、先頭を歩いていたロクサーヌが振り返る。

 

「ご主人様、この先に魔物がいます」

 

 おっと。考え事をしている場合じゃない。戦闘モードに入らないと。

 

 頭の中のスイッチを切り替え、通路を進む。

 

 

 

 ワンパン可能なため、これまで同様ガンガン魔物をなぎ倒していく。

 例によって攻略されていない魔物部屋も多数あるが、お構いなしに焼いてやりましたとも。

 最初のうちは部屋中にひしめいている魔物に警戒していたルティナだったが、何度もワンターンキルを目にしたことで、気負いもなくなったようだ。

 

 神官にリーチがかかっていたこともあって頻繁に確認していると、ついにその時が訪れる。

 

冒険者Lv62 勇者Lv57 遊び人Lv68 魔道士Lv62 防具商人Lv48 神官Lv50 村人Lv5 農夫Lv1 探索者Lv50 薬草採取士Lv50 盗賊Lv30 戦士Lv50 商人Lv50 僧侶Lv50 剣士Lv50 魔法使いLv53 錬金術師Lv50 薬師Lv1 武者Lv9 豪商Lv1 沙門Lv1 剣豪Lv8 技工士Lv1 禰宜Lv1 武器商人Lv50 奴隷商人Lv1 料理人Lv9 騎士Lv1 賞金稼ぎLv30 暗殺者Lv1 博徒Lv1 芸術家Lv1 武器豪商Lv1 村長Lv1 英雄Lv50 色魔Lv1

 

 狙い通り、禰宜を手に入れることができた。

 これでジョブの数は特殊なものを除いて三十。遊び人の上位職が出現する可能性がある三十六まであと六つ。オッケー、オッケー。順調、順調。

 

 一頻り喜びを分かち合ったところで、彼女たちに断って次にあげるジョブの選定を行う。

 

 戦闘で役に立つものを選ぶのであれば博徒、騎士、賞金稼ぎ、暗殺者あたりが候補となる。

 他にもレベルが上がりやすいであろう、基本職の農夫を選ぶのもありかもしれない。

 

「ご主人様! ご主人様!」

 

 考えを巡らせていたところ、太陽のような明るい声が耳に届く。

 そして、その声の主はネコミミの乗った顔をずずいと近づけてきた。

 

「トロが残る確率を上げるため、料理人を付けるのがいいんじゃないでしょうか!」

 

 ミリアはこの千載一遇のチャンスを逃してなるものかと、さらに言葉を重ねる。

 

「こんな機会は滅多にありません! ここで料理人を付けなかったら絶対後悔すると思います!」

 

 えっと、後悔するのは君だけじゃないかなぁ……。

 

 鼻息がかかるほどの距離で見つめ合いながら、内心で呟く。

 

 それにしても特徴的な光彩に三角のネコミミ、整った目鼻立ちなのに顔の輪郭は丸みを帯びていて、本当に可愛らしい。

 

 まあ、可愛いからいいか。

 

「では、料理人を付けることにしよう」

 

 すると、彼女の顔に満面の笑みが浮かぶ。

 

「はい! ありがとうございます!」

 

 うむ。実にめんこい。

 

 苦笑を浮かべているロクサーヌとベスタ、呆れた表情のセリー、戸惑っているルティナ、そして待ちきれない様子のミリアに見守られながらジョブの変更を行う。

 

 

 

 その後もレベル上げを続けていると、ロクサーヌから声がかかった。

 

「ご主人様。夕方には少し早いですが、明日の迷宮討伐に向けてルティナの戦闘訓練を行いましょう」

 

 師匠によると、今日のうちにバトルマーメイドの動きに慣れておいた方がいいとのこと。

 

 やはりというかなんというか、ルティナは今日加入したばかりでレベルも低いというのに、手心を加えるつもりは一切ないらしい。本当に厳しい師匠である。

 案の定、言われた当人も困惑していた。

 とはいえ、本当にルティナの身を案じるのであれば、彼女の言う通りぶっつけ本番で最上階のボトルマーメイドに挑むより、あらかじめ予行演習をしておいた方がいいだろう。

 

 しかし、ボスとのタイマンとなれば詠唱中断が付いた装備品は必須となるが、現在フリーの詠唱中断武器はないし、コボルトのスキル結晶を温存しなければならないため、作り出すことはできない。

 

 その旨を問いかけたところ、ベスタの柔らかで温かみのある声が耳に届く。

 

「でしたら私の装備している強権のレイピアをルティナに使ってもらいましょう」

「それではベスタ姉様の武器が一つ減ってしまいます。貸していただくわけにはまいりません」

 

 ルティナは思わずといった様子で、遠慮の言葉を口にする。

 二人の様子を見ながら問いかけた。

 

「ベスタ、いいのか?」

「はい。問題ありません」

 

 ベスタが微笑みながら頷くと、セリーも同意を示す。

 

「そうですね。魔物に大きなダメージを与えているのはご主人様だけなので、私たちの武器が多少変わったところで、それほど影響はないでしょう」

「はい。貫通のミセリコルデと剛腕の古代樹手甲を装備しているお姉ちゃんならともかく、私たちの武器を入れ替えても大丈夫だと思います」

 

 ミリアもそう言い、こちらに向けてサムズアップを行った。

 彼女の仕草を見てロクサーヌは何か言いたげだったが、迷宮内だということもあり、自重したのが見て取れる。

 

 この娘は天真爛漫なところが魅力だから、あまり厳しくしないであげて。

 もっとも、そんなこと言ったら俺までお小言の餌食になるので、口にすることはないのだが。

 

「では、待機部屋で用意をしよう。ベスタ、済まんが頼むな」

「はい。大丈夫です」

 

 彼女の返事を確認しつつ、ワープにポイントを振って通路にゲートを開いた。

 

 

 

 

 

ベリッサ南未開地域の迷宮五十二階層

ボス待機部屋

 

 

 

 

 

 誰もいないとは思うが直接移動するのではなく、これまで同様、一番近くの小部屋を経由して待機部屋へ入る。

 そして、ルティナのひもろぎのスタッフを預かり、そのままアイテムボックスにイン。

 

 ベスタから受け取った強権のレイピアで素振りをしている彼女を横目に、キャラクター再設定を開いた。

 

 今回はルティナのレベル上げが優先なので、獲得経験値二十倍のままでいい。

 それから訓練なのでジョブを変更する必要はないし、魔法も使わないからガンマ線バーストを外しておくべきだろう。

 んで、この1ポイントは鑑定に回してっと。

 

 自分に向けて鑑定をかけたところ、防具商人が49でリーチがかかっていた。それに料理人のレベルも30。

 冒険者、勇者、遊び人、魔道士に動きがないのは残念だが、まあ仕方ない。

 

 女性陣のレベルも確かめたところ、狙い通りルティナの魔法使いが23になっている。

 微々たるものではあるが、間違いなく防御力がアップしたことだろう。よきかな、よきかな。

 さらにロクサーヌの巫女も上がっており、こちらは40の大台に到達。

 あと10で中級ジョブが解放される。よきかな、よきかな、超よきかな。

 

 続いて装備の変更をしようとしたところで、ロクサーヌが素振りをしているルティナに声を掛ける。

 

「先ほどまでと同じように、ボス戦でも魔法の詠唱を試みてください。きっといい訓練になるでしょう」

 

 その表情はにこやかで、百パーセント善意からの発言であることは間違いない。

 それでも今日加入したばかりの娘に無茶を言いすぎである。

 

 口を挟もうかと思ったが、ルティナは顔をキリッと引き締めた。

 

「はい。わたくしもそうするべきだと考えておりました」

「ふふ。あなたは本当に見所があります」

 

 マジでそれな。ボスとタイマンさせられると聞いて驚いていたのに、このやる気はすごい。

 儚げな姫君然とした外見に反して、めちゃくちゃ根性があるわ。

 がけっぷちの領地を何とかしようと足掻いているうちに、メンタルが鍛えられたのかね?

 まさに迷宮探索を生業とする我が家にぴったりの人材だ。

 俺と同じく凡人枠ではあるが、きっとへこたれることなくロクサーヌたちに追従することだろう。

 

 そんなことを考えながら、装備品を変更する。

 

 

 

 

 

ベリッサ南未開地域の迷宮五十二階層

ボス待機部屋

 

 

 

 

 

 ボス部屋へ突入し、ルティナが片方のボスを引き付けている間に、五人でもう一匹のボスと雑魚二匹に猛攻撃。

 武器が一つ減ったベスタも剣を両手で持って攻撃したかと思えば、片手で保持してガントレットに覆われた拳を魔物にぶちかます。

 なんというか、実に独特で迫力のある戦闘スタイルである。

 

 元から余裕ではあったが、五対三と数的優位がさらに広がったこともあり余裕綽々しゃくとり虫。あっという間に魔物の体は霞のように消えていった。

 さて、邪魔にならないように壁際まで移動して、ルティナの戦闘を見学しよう。

 

 要所要所でロクサーヌが回復と防壁展開を入れるため大きな問題は発生していないが、やはり相当手こずっている。

 ルティナは必死で食らいついているものの、バトルマーメイドは宙を飛べるため、天井付近に逃げられ魔法の発動を許してしまった。

 だが彼女も負けてはおらず、自らも魔法を使うことでダメージレースに持ち込んでいる。

 バフと回復がある以上、MP切れ以外の負け筋はない。

 この訓練を始めたばかりのころの俺と比べればめちゃくちゃ優秀だし、ノーガードの殴り合いを選択できるガッツもたいしたものだ。

 

 ……もっとも、バトルマーメイドは全体攻撃魔法を使用しているため、俺たちも攻撃をもらってるんだけどさ。

 回復があるとはいえ、痛いものは痛いでござるよ。

 

 

 

「そろそろ時間ですね」

 

 戦闘開始から二十分が経過したのだろう。ロクサーヌはそう言うと、壁と天井を足場に二段ジャンプを繰り返して、天井付近に陣取っていたバトルマーメイドへ迫り、ミセリコルデで強かに打ち据え地面に叩き落とす。

 

 さて、俺の出番だな。どれ、いっちょ揉んでやろうかね。

 

「砕岩剣」

 

 賭場に雇われた用心棒のようなことを考えつつ属性付与を発動し、体を起こそうとしているバトルマーメイドへ向けて歩を進める。

 

 

 

「お疲れ様でした。とても一対一でボスと戦うのが初めてだとは思えない、素晴らしい立ち回りでした」

 

 消化試合をサクッと済ませると、ロクサーヌがルティナに労いの言葉を掛け、セリーも頷きながら言葉を重ねた。

 

「ええ。特に距離を取られた際に魔法の打ち合いに持ち込んだのは良かったですね」

 

 さらにミリアとベスタもそれに続く。

 

「ルティナもすぐに間合いを離されないような動きができるようになるよ」

「魔法だけではなく、近接戦でもパーティーに貢献できるね」

 

 彼女たちの言葉を受け、ルティナの表情が綻んだ。

 

 目の前の麗しい光景に、ご主人様は一安心である。

 

「ルティナの成長が楽しみだな」

 

 ほっこりしながら笑いかけると、彼女は弾むような声を発した。

 

「はい! アユム様のご期待に沿えるよう、努力いたします!」

 

 至近距離から神秘的なスマイルビームを食らい、心臓がドクンと跳ねる。

 

 綺麗に締まったと思ったが、そこは優しくも厳しいロクサーヌ師匠。

 俺たちのときと同じく、次からは距離を取られない立ち回りを心掛け、攻撃も食らわないようにしろとの課題を与えていらっしゃった。

 無茶を言われて戸惑いを隠せないルティナが、質問を口にする。

 

「あの、どうすればそのようなことが可能となるのでしょうか……」

 

 もっともである。やれと言われたところで、できることとできないことがあるよな。

 

 しかし、問われた師匠は自信満々に告げた。

 

「どのような存在であろうと動き出す前には必ず『起こり』というものがあります。目の前の敵だけに意識を向けるのではなく、周囲の状況を一連の流れとして捉えてください。そうすることで自ずと対処できるようになります。ご主人様を筆頭に、私たちはそのように戦闘を行っているのです。あなたもすぐにできるようになるでしょう」

 

 あの、俺はそんな特殊能力を持ち合わせていないんですが……。

 

 うんうん頷いているミリアは別として、セリーとベスタもドン引きである。

 きっと、この娘たちもそんな意識で戦闘を行っていないのだろう。

 

 混乱した様子でルティナがこちらに顔を向けるが、そんな目で見られてもどうしようもない。

 俺たちも通った道だし、頑張ってもろて。

 

 ただ最初はこの娘と同じ状態だった俺とセリーとベスタも、ラッキーパンチを食らうことはあるものの、基本的には攻撃を食らうことなく、相手を逃がさない立ち回りができるようになっている。

 ルティナも何とかなるんじゃないかなぁ。おそらく、きっと、そうだといいなぁ……。

 

 

 

 気を取り直して全員でドロップアイテムの回収を行い、受け取ったそれを見ていると、ある考えが脳裏をよぎる。

 

 アイテムボックスの中で出番を待っているラブローションの数は三十近い。

 それにルティナも加入したことだし、記念すべき最初のローションプレイを六人で楽しむことが可能となっている。

 

 いよいよか? いよいよ夢が叶うときがきたのか?

 

 愛欲の宴に対する期待が際限なく膨らんでいきそうな状況で、わずかに残った理性がブレーキを踏んだ。

 

 ……駄目だな。明日は帝国解放会の昇格試験として最上階のボスに挑むことになるのだ。体調は万全に整えておかなくてはならない。

 俺は人よりほんの少しだけ性欲が強い可能性が低いと言い切れない部分がないわけでもないため、そんなことをすれば限界を超えて彼女たちを求めてしまうだろう。

 初めてのルティナに無茶なことを要求するわけにはいかないし、暴走してしまえば他の娘たちだってグロッキー待ったなし。

 色魔には愛し合った相手の体調を整える効果があるのかもしれないが、あるかどうかも分からないものに頼るわけにはいかない。

 さすがにこの状況では自重しておくべきか……。

 

「ご主人様、どうなさったのですか?」

 

 ラブローションを見ながら思索に耽っていると、ロクサーヌが問いかけてくる。

 

 おっと。迷宮で浮ついたことを考えてちゃ駄目だよな。

 

 手のひらに載っているラブローションをアイテムボックスに放り込み、彼女の言葉に答える。

 

「いや、何でもない。明日の試験について、少し考えていただけだ」

 

 すると、半眼のセリーが呟きを漏らした。

 

「明日の試験ですか……」

 

 こら。その嘘つきを見るような目をやめなさい。

 本当に明日の試験のことを考えてたし、嘘は吐いてないっての。

 まるでエロエロ大魔王だと言わんばかりの態度は失礼だぞ。

 この場合、事実か否かが重要なのではなく、君が愛するご主人様をそんな風に思っていることこそが問題なのだ。反省したまえ。

 

 しかし、俺の内心を見透かしたのかロクサーヌ、ミリア、ベスタの顔にも苦笑が浮かぶ。

 反論したいところではあるが、そんなことを口にすれば百倍になって返ってきそうだし、さらに呆れられそうなので言葉を飲み込んだ。

 

 一方、ルティナだけはキョトンとした表情で小首をかしげている。

 

 この娘の前では性的な言動はしていないため、この反応も当然だ。

 これまで積み重ねた信頼を裏切らないためにも、彼女の前では紳士の振る舞いを心掛けた方がいいのかしらん?

 

 おバカなことを考えていると、ロクサーヌが口を開く。

 

「ご主人様、ルティナの歓迎会についてなのですが、今日ではなく明日行うことにしませんか?」

 

 うん? 歓迎会を明日に回すの?

 

 突然の話題転換に戸惑っていると、セリーが補足を入れる。

 

「先ほどロクサーヌさんと相談したのですが、突然の加入だったのでごちそうの準備をしていません。それに迷宮討伐や帝国解放会の昇格というおめでたいことが重なるのです、まとめてお祝いした方がいいと思います」

 

 なるほど、そういうことね。

 歓迎会とお祝いを連日するのはどうかと思うし、今日からであればいろいろな料理を用意できる。まとめて盛大に祝うのはありだな。

 

 女性陣の方へ視線を向けると、ミリアとベスタも笑顔で頷いている。

 だが、当の本人であるルティナは戸惑いを隠せない。

 

「わたくしがパーティーに加入した経緯を考えると、歓迎会をしていただくのはいささか……。皆様に受け入れていただけたことで、十分恵まれております。本当にありがとうございます」

 

 そう言うと彼女は静かに頭を下げた。

 

 まあ他の娘と比べると、この娘の加入ルートは特殊過ぎる。固辞するのも当然だよなぁ。

 

 すると、天使のような笑みを浮かべたセリーが口を開く。

 

「私も含め、ご主人様は新メンバーが加入した際にはごちそうを用意し、温かく迎え入れてくださいました。あなただけそれをしないというのでは道理が通りません」

 

 そういえば、セリー以降に加入したメンバーは歓迎会をしたが、ロクサーヌはやってないな。

 というか転移翌日だった上に宿に泊まっていたし、資金もカツカツ。おまけに盗賊のねぐらの襲撃までしていた。

 彼女に対しても何かするべきかもしれない。

 

 そんなことを考えていると、ミリアも言葉を発する。

 

「そうそう。ご主人様の魚料理は本当に美味しいから、期待しててね」

 

 おいおい。この娘、歓迎会のメニューを魚料理に寄せよったで。

 

 さらにベスタもルティナに微笑みかけながら告げた。

 

「ルティナ、ご主人様のデザートはすごいよ。信じられないくらい美味しいからびっくりするかも」

 

 うん。こっちは納得できる。

 

「彼女たちの言う通りだ。加入の経緯は不幸なものだったが、俺たちは君が加入したことを本当に喜んでいる。歓迎会をするのは当然だ」

 

 自分の気持ちを伝えたところ、ルティナの顔に泣き笑いのような表情が浮かんだ。

 

「ありがとうございます……。アユム様や姉様たちのお心が本当に嬉しいです……」

 

 ルティナ、みんなで幸せになろう。

 

 優しい雰囲気に包まれながら帰り支度を整え、迷宮を後にする。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

冒険者Lv62 勇者Lv57 遊び人Lv68 魔道士Lv62 防具商人Lv49 料理人Lv30

装備 頑強のアルバ 身代わりの竜革グローブ オラクルビットローファー 身代わりのミサンガ

 

BP振分 残BP:27/160

ワープ:1

必要経験値二十分の一:63

獲得経験値上昇:1

シックススジョブ:31

MP回復速度十倍:31

鑑定:1

ジョブ設定:1

詠唱省略:3

キャラクター再設定:1

 

所持金:4,607,024ナール

 

夏の18日目

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