思考が脇道に逸れそうになっていたものの、五人もの美女が全裸でたたずんでいるという楽園のような光景に改めて目を奪われる。
天上で暮らしていた天女が我がバスルームに降臨しておいでなのだ。
何としてでも羽衣を拝借し、彼女たちが天へ帰れないよう、鍵のかかるチェストに隠しておかなければ。
益体のないことを考えていると、ロクサーヌがルティナに声を掛ける。
「最後は下の肌着です。さあ、脱がせて差し上げてください」
「は、はい」
彼女は首肯した直後、こちらへ聞こえるほどの音量で生唾を飲み込んだ。
めちゃくちゃ緊張してんなぁ。
もっとも、俺だってさっきは同じように緊張していたし、人のことはいえないんだけどね。
ルティナは静々と近づいてくると、そのまましゃがみ込んだ。
上目遣いでこちらを見上げたものの、すぐに視線を外す。
やっば! とんでもない視覚の暴力だ!
神々しさを覚えるほどのかんばせに浮かぶ恥じらいの表情と、華奢な体躯との対比で一層大きく見える双丘のコントラスト。
ロクサーヌやベスタのような規格外の女性は別だが、相当な大きさを誇るそれは俺の心を捉えて離さない。
見る前からそうだったが、下半身へと流れ込む血流がさらに増えていくのを感じる。
チラチラこちらをうかがっていたルティナだったが、思わずといった様子で口元を手で覆い隠した。
「男性のものとはこれほどまでに大きくなるものなのですか……」
そう呟くとボクサーパンツに覆われた陰部へ視線を注ぐ。
恥ずかしそうにしてるけど、割と興味津々だったりするんだろうか?
そんなことを考えていたところ、バスルームに明るい声が響いた。
「ほら、ほら。早くご主人様を脱がせてあげて」
そちらに顔を向けると、繰り返しパンツを下ろすジェスチャーをしているネコミミさんの姿が目に映る。
この娘、すげーことをするなぁ。
直後に先輩二人から叱責の声が飛ぶ。
「ミリア、その動きはいけません」
「それはさすがにはしたないです」
どうやらライン越えだったらしい。まあ、そりゃそうだ。
笑って誤魔化している彼女を見ながら、苦笑交じりのベスタが口を開く。
「ルティナ、お姉ちゃんの動きはともかく、続きをお願いね」
ミリアよ、優しいベスタに『ともかく』とか言われてるぞ……。
「か、かしこまりました……」
ルティナはコクリと頷き、こちらを見上げた。
「で、では、失礼いたします……」
そう言うと俺の腰に手を伸ばし、そっとパンツに手をかけ、ゆっくり下ろしていく。
脚の間から布切れを抜き取ると、彼女はそれを握りしめたまま、まるで魅入られたような顔でその部分を凝視する。
恥ずかしさはあるものの、妖精のような女性が自分の一物をガン見しているというシチュエーションに、得も言われぬ興奮を覚えてしまう。
「あっ。さらに大きく……」
すまない。聞き分けのない愚息で本当にすまない。
全員が裸になったところで、まずはいつものように体を洗うことにした。
ロクサーヌ、セリー、ミリア、ベスタと、立て続けにこの世のものとは思えない体を磨き上げると、輝くような長い金髪を揺らしながらルティナが俺の前に進み出る。
「お願いいたします……」
はい! 喜んで!
と声を上げそうになるものの、明らかに緊張している娘に対してそんなことを口走るわけにはいかない。
ワンチャン空気が和む可能性もないわけではないが、ムードが台無しになる確率の方が高いだろう。
そう、俺は徳の高い男。その証拠に沙門や禰宜のジョブだって持っている。自分の心をコントロールすることなどお手のものだ。
ルティナは初めてなんだから、優しく導かなければならない。
神職に相応しい柔らかな表情を心掛けながら、彼女の言葉に答えた。
「ええ。安心して身も心も私にゆだねるのです」
その瞬間、凍えるかと思うほどの冷たさを宿した声が耳に届く。
「はあ?」
思わずそちらに視線を向けると、どうしようもないアホを見るような表情をしているセリーの姿が目に映る。
「その詐欺師のような口調は何なのですか?」
いや、何と言われましても……。
さらにミリアも苦笑いを浮かべながら話し掛けてくる。
「お股を大きくしたままそんなことを言っても、あんまりかっこよくないかなって」
痛いです……。言葉のナイフが痛いです……。
心にとんでもなく深い傷を負った俺を慮ったのか、ロクサーヌが慈愛の表情をこちらへ向けた。
「初めてで緊張しているルティナを和ませようと、冗談を述べたのでしょう。さすがはご主人様です」
「はい。ご主人様はとてもお優しいですから」
ベスタもにこやかな顔で頷いている。
戸惑った様子で一連の流れを見ていたルティナの顔に理解の色が浮かぶ。
「なるほど、そういうことだったのですね。アユム様、お気遣いいただきありがとうございます」
あの、私は本気で言ってて、冗談のつもりはまったくなかったんですけど……。
……でもまあ、幻滅されるよりはそう思われていた方がマシかもしれない。
「気にしないで。じゃあ、洗っていこうか」
「はい。お願いいたします」
言葉を交わし、ロクサーヌが作った泡を受け取ろうとしたところで、特徴的な声が聞こえてきた。
「冗談ですか? 本当に?」
セリーの顔には先ほどと同じく、呆れの色が残っている。
どうやらこの娘は全然納得していないらしい……。
丸く収まったんだから、混ぜっ返さないでおくれよぅ。
……いや、そんなことはどうでもいいか。今はルティナを洗うことに神経を集中しないと。
セリーの言葉を華麗にスルーし、まるで後光でも差しているのかと錯覚するほどの神々しさを誇る体へ、泡に包まれた手を伸ばす。
「んっ……」
豊かなふくらみに触れた瞬間、愛らしい唇からくぐもった声が漏れた。
最初に伝わってきたのは圧倒的な肌触り。最高級の絹を撫でたような心地良さが指先を刺激する。
続けて何とも言えない柔らかさを、信号として脳内に伝えてきた。
沈み込むような感触なのに弾力も併せ持った、そのアンビバレントな心地良さに、心を奪われてしまう。
さらに深く味わうため、今度は下から支えるように手を添えてみる。
重い……。なんという重量感……。
いま我が手の上に載っているのは脂肪の塊ではない。これはいと尊きルティナの命そのものと言っても過言ではないだろう。
そう。俺は彼女の心と体を託されている。そのことを決して忘れてはならない。
温かさのこもった吐息を受けながら、手の中にある命そのものをポヨポヨと揉みしだき続けた。
浮世を忘れてルティナの生命の息吹を感じ取っていたところ、バスルームに重々しい咳払いが響き渡る。
「全身を洗うには泡が足りませんよね。ご主人様、追加をどうぞ」
とんでもないプレッシャーを放ちながら、手を差し出す一番奴隷さん。
「そ、そうだね。ありがとう、ロクサーヌ」
手を絡めながら泡の受け渡しを行い、息も絶え絶えのルティナの前にしゃがみ込む。
眼前には収穫前の小麦畑を想わせるような金色に輝く淡い茂みと、まっすぐな一本の筋。
よ、よし。いよいよだ。いよいよこの娘の大切な部分に触れることができるのだ。
頭が茹だるような興奮に支配されながら、ゆっくりと手を伸ばしていく。
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いつまでも楽園にとどまっているわけにはいかないため、断腸の思いで洗うのをやめて立ち上がる。
だが、未練たらしくも自分の手に視線を落としてしまった。
先ほどまで、俺の手には大地の重みが宿っていたに違いない。
サラサラで、ぷにぷにで、しっとりすべすべでめちゃくちゃ気持ちよかった……。
「感触を、思い浮かべるのは、おやめください……」
幸せに浸っていると、荒い呼吸を繰り返しているルティナからお咎めを頂戴してしまう。
え? あ、ごめんなさい。
その後は俺の体を洗ってもらったのだが、ルティナは逆襲とばかりにユニコーンの角を握りしめ、激しく擦り上げていた。
そんなことをしたら暴発の危険性があると伝えたものの、彼女はクスクス笑いながらマジックワンドをしごき続ける。
もし暴発させてしまえばクイックドローの達人だという、あらぬ誤解を招きかねない。
もちろん、おのこの沽券に関わるため、必死で堪えましたとも。ええ。
他の娘たちもチェシャ猫のような笑みを浮かべて、俺たちの様子を見守っていた。
まったく。とんでもない、いたずらっ子たちである。
そして髪の毛を洗う段になると、お嬢様は大興奮。
石鹸での洗髪や、ビネガーリンスにも喜んでいたが、とりわけカメリアオイルによるトリートメントはいたくお気に召したようだ。
本来であれば昨日がそれをする日だったのだが、セ二号作戦のためにボーデの宮城に詰めており、実行できていなかった。
そのおかげでこれだけ喜んでもらえたわけだし、結果オーライってことで。
さらに今日は本当に色々あったため、トリートメントだけではなく、リラックスも兼ねてカメリアオイルを用いたオイルマッサージも行うことにした。
体に纏わりつくオイルの音と、声にならない熱い吐息が混じった退廃的なサウンドが漂っているバスルームの中で、境界線が分からなくなるほど全員が一塊になって、くんずほぐれつ体を絡ませ合う。
漫画やドラマのヒロインが発するありがちな言葉に『幸せ過ぎて怖いの』というものがあるが、まさに今の俺の心を代弁しているような台詞だ。
歩、幸せ過ぎて怖いの……。
……我ながらクソキモイな。
オイルマッサージが終了し、身体を洗い流している間もルティナの興奮は収まらない。
肌が艶々だの、すべすべだの、髪を梳く指の通りがいいだの、嬉々として語っている。
「伯爵家でもこのような体験をしたことはございません。おそらく皇族であろうともそう簡単に味わえることではないでしょう」
いやー。さすがに皇族が望めば簡単にできるんじゃない?
まあ、これだけ喜んでいるのに茶々を入れるのもなんだし、口には出さないけどね。
ほんと、浮かれポンチなルティナも可愛いわぁ。
ロクサーヌはそれを聞くと、我が意を得たりとばかりにドヤ顔で頷いた。
「ええ。間違いありません。これほど幸せな経験ができるのは、ご主人様の傍にいる私たち以外にはいないと断言できます」
さらにミリアとベスタも同意を示す。
「そうですよねー。とっても高い良い匂いのする石鹸をこんなに贅沢に使える人なんて、いないんじゃないですか?」
「カメリアオイルもそうですよね。普段はあまり気にしていませんでしたけど、考えてみればとんでもないことだと思います」
カメリアオイルはドロップ品だし、石鹸は自作。ほとんど金は掛かっていないが、この世界基準だとかなり贅沢かもしれない。
まあ、だとしても皇族なら味わえそうだけどな。
すると、顎に手を添えたセリーが口を開く。
「私はお酢で髪の毛のお手入れができるという話は聞いたことがありませんし、実際にやっている人もいないはずです。効果は絶大なので交渉ごとの切り札となり得るのではないでしょうか? この情報は内密にしておきましょう」
お? ミチオの必殺技じゃん。君が言うんかい。
しかし、本当にこれが交渉に使えるもんなのかね?
訝しく思いながらも、無邪気にはしゃいでいる五人を見守り続けた。
オイルを洗い流したところで、一日の疲れを癒すためにお湯に浸かることにする。
湯船に入り、壁面に背中を付けて全身の力を抜いていると、ロクサーヌが右隣に、セリーが左隣に腰を下ろした。
そしてミリアとベスタが入ってきたところで、ロクサーヌはワクワクが隠しきれていないルティナに声を掛ける。
「さあ、あなたも入ってきてください」
「はい」
彼女は嬉しそうに頷くと、脚を上げて湯舟の縁を跨ぐ。
ここ!
オーバードライビング
千載一遇の機会を得たことで、思わず時の流れを引き延ばしていた。
欲望まみれの自分に呆れてしまうが、今はこのチャンスを活かすべきだろう。反省は後でもできる。
スローモーションで開かれていくそこを凝視していたものの、それでも中身がはみ出すことはない。
素晴らしい。何と可憐で愛らしいのだろう。魂が浄化されていくようだ。
こんこんと湧き出る感動に包まれていると、程なくしてボーナスタイムが終了し、周囲に色が戻る。
ありがとう。感動をありがとう。
決して声に出すわけにはいかないので、心の中だけで感謝の言葉を伝えておいた。
身動き一つしていないため、スキルの使用を気付かれることはないはずなのに、ロクサーヌだけは意味ありげな目をこちらへ向けている。
……まさか気が付いているのか?
戦々恐々としていると、彼女はため息とともに言葉をこぼす。
「本当に困ったご主人様です」
完全に気付かれてるー!
しかし俺の体面を慮ったのか、他の娘たちにそのことを伝えることはなかった。
かたじけない。必ずこの恩に報いると約束するので、今後もそこもとの心の内にしまっていてはもらえぬか。何卒、何卒。
内心で拝み倒していたところ、彼女は苦笑を浮かべながらルティナの方を向く。
「約束通り、今日はあなたの番です。さあ、ご主人様の脚の間に座ってください」
ロクサーヌどのー! 恩に着るでござるよー!
「失礼いたします」
無罪を勝ち取った俺の目の前に、白くて艶めかしい桃が降ってきた。
しかし彼女の体がガチガチになっており、体と体の間には微妙な空間が発生している。
そりゃ、初めてなんだから緊張するのは当然だよな。ここは俺が積極的に動く場面だろう。
ルティナの細い腰に手を回し、そっと抱き寄せた。
「あっ……」
声を漏らしたものの、彼女は力を抜いてこちらへもたれかかる。
「たくましくて、とても安心できます」
「それはよかった」
悪霊に取りつかれたのか、勝手に胸部や臀部に向かいそうになる腕を調伏し、美しいおへその前で祈りを捧げるように指を組む。
俺たちの様子を見守っていたロクサーヌたちは優しく微笑み、新入りさんも含めていつものようにおしゃべりに興じ始めた。
小鳥たちのさえずりに耳を傾けながら、大切なルーティーンである回復スキルを使用する。
効果があるのかは不明だがデメリットはMP消費くらいだし、全員にこれでもかってくらいかけまくっておいた。
もちろん、これからも末長く付き合っていく長いお友達である髪には、毛根に浸透していくイメージを浮かべながら念入りに、だ。
俺はこのAGA対策を、休むことなく百日以上継続している。
一回あたりの効果は微々たるものであっても、おそらく二十年後には大きな違いが表れているに違いない。
この一歩が道になり、その一歩が道となる。ってやつさ。
きっと未来は眩いほどの輝きを放っていることだろう。
のぼせる前にお湯から上がり、体を拭いて下着を身に着けると、彼女たちは妖艶な笑みをこちらへ向けた。
「私たちは寝間着に着替えてきますので、ご主人様は寝室でお待ちください」
ロクサーヌがそう言うと、ルティナもそれに続く。
「姉様たちにアユム様のお好みをご教示していただきますので、どうぞご期待ください」
そして、彼女たちはクスクス笑いながらバスルームから出て行った。
……俺の好み?
うーん……。俺の好みねぇ。
彼女たちであればどんなことだろうとバッチこいだし、自分でもよく分かっていないんだよなぁ。
でもまあ、せっかくの機会だし、期待させてもらうとしましょう。
心の中で呟きながらバスルームを出た。
田川 歩 男 18歳
冒険者Lv62 勇者Lv57 遊び人Lv68 魔道士Lv62 防具商人Lv49 沙門Lv1
装備 身代わりのミサンガ
BP振分 残BP:29/160
必要経験値二十分の一:63
シックススジョブ:31
MP回復速度十倍:31
鑑定:1
ジョブ設定:1
詠唱省略:3
キャラクター再設定:1
所持金:4,605,847ナール
夏の18日目