異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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054 桃源郷

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

「それじゃあ、準備も終わっているから夕食にしよう」

 

 俺の言葉にロクサーヌはわかりやすく狼狽えている。

 

「ご主人様に夕食の支度をさせてしまい、申し訳ありません」

「ロクサーヌは別の用事をしていたんだから気にしないで。それより、俺の作った食事を楽しみにしてくれた方が嬉しいかな?」

 

 それを聞くと、顔をほころばせ口を開く。

 

「ありがとうございます。ご主人様の作る料理はどれも美味しかったので、今日も本当に楽しみです」

 

 そうそう。そっちの方が嬉しいわ。

 

 

 

 食卓に料理を運び、ミネストローネを取り分け準備オッケー。

 

「では食べよう。いただきます」

「いただきます」

 

 まずはミネストローネを口に運ぶと、トマトの酸味と旨味。それから牛肉と竜肉から出た出汁が合わさって抜群に美味い。

 竜皮の出汁も美味かったが、竜肉もすごいな。

 コンソメキューブや粉末出汁。それに鰹節も乾燥昆布もないんだ。

 竜皮や竜肉があるおかげで、骨を長時間煮込んで出汁を取る必要がないのが本当に助かる。

 

「ご主人様が作ったミネストローネはとても美味しいです!」

 

 よかった。ロクサーヌにも喜んでもらえたようだ。

 

「いっぱいあるからどんどん食べてね」

「はい!」

 

 あら、かわいらしい笑顔だこと。

 

 メインディッシュはシンプルだが牛肉のステーキにした。そして、ソースは肉から出た脂に魚醬とすりおろしにんにくで作ってある。

 ナイフで切って口に運ぶと、こちらも文句なしだ。

 やっぱり迷宮産の食材はチートだよなぁ。

 肉の味がガツンと来るし、ソースもめちゃくちゃ美味い。

 

 そして、付け合わせのニンジンとジャガイモのグラッセもなかなかだ。葉野菜のサラダもオリーブオイルと塩だけのシンプルな味付けだが悪くない。

 

 さすがファンタジー世界。品種改良された元の世界の野菜に引けを取らないぞ。

 

「このステーキもとても美味しいです! 本当にご主人様の料理はすごいです!」

 

 俺の腕より食材の力の方が大きい気がするが、褒められると嬉しいもんだな。

 

「ありがとう。ロクサーヌの料理も毎回とても美味しいから、俺は本当に幸せ者だよ」

「ふふ、ありがとうございます。ご主人様に喜んでいただける、私も幸せ者です」

 

 

 

 食事を終えたところで、デザートのキュピコに齧り付く。

 ほのかな甘みとさわやかな酸味が口の中をリフレッシュしてくれる。

 

「うん。やっぱりソマーラ村のキュピコは美味い」

「そうですね。今まで食べた中で一番かもしれません」

 

 確かに今まで食べたキュピコの中で一、二を争う美味さだ。

 ……生まれてこの方、二回しか食ったことがないうえに、その両方ともソマーラ村産だけどさ。

 

「いずれ、お礼に行かないとなぁ」

「はい。ご近所の方々にも喜んでいただけましたし、感謝の気持ちを伝えたいですね」

 

 本当にな。

 

 

 

 デザートのキュピコを平らげ、歯磨きと洗い物を済ませると、ついにこの時がやってくる。

 

 石鹸のパッチテストでは何の異常もなかった。バスタブは明日にならないと届かないが、もう石鹸を使っても大丈夫だろう。

 ずっと憧れていた、好きな女性とイチャイチャしながらの洗い合いっこが出来るのだ。

 興奮で心拍数がやばいくらい上昇している。

 

 

 

 二階に上がって、着替えを取りに自室へ戻るロクサーヌに声をかけた。

 

「俺は準備があるので先に浴室に行っててもらえる?」

「かしこまりました」

 

 

 

 自室に戻り、着替えを準備した後に、この後必要になる神アイテムを取り出す。

 

「あ~わ~だ~て~ネット~」

 

 旧バージョンのドラえもんのモノマネをしながら準備をしていく。

 我ながらテンションがやべーことになっているな。

 もうワクワクが止められないぜー!

 

 そして、この日のために用意しておいた、カメリアオイルが入ったペットボトルを持って部屋を出た。

 

 

 

 次に物置部屋へ入り、まだ緩いコイチの実のふすまとオリーブオイルで作った方の石鹸を小さな壺に入れる。

 魚醬の入っていた壺だが、よく洗ってあるしロクサーヌの匂いチェックをパスしているのだ。問題はないだろう。

 

 詰め終わると一階に降りて再びキッチンに移動し、匂いの少ないビネガーを取る。

 二度手間だがロクサーヌに喜んでもらいたい。いわゆるひとつのサプライズってやつだ。

 

 ……でも、考えてみればいくら匂いが少ないとはいえ、ロクサーヌの鼻ならビネガーに気づきそうだな。

 

 まあいいや。これですべての準備が完了だ!

 

 いざ参らん! 約束の地へ!

 

 

 

 バスルームへ入るとロクサーヌが雑巾で掃除をしていた。

 

「ごめん。待たせたかな?」

「いいえ、手持ち無沙汰だったので少し拭いていただけです」

 

 本当に気の利く良い娘だわぁ。

 

 さあ、いよいよだ。

 とりあえず、持ってきた物を壁に設えてあるニッチへ置き、いつものようにお湯を沸かす。

 

「丸一日確認をしてみたけど問題はなかったから、今後は石鹸で体を洗うことにしよう」

「ご主人様、ありがとうございます。まさか石鹸を使えるなんて思ってもいませんでした」

 

 石鹸を使えることが嬉しいのか、ロクサーヌは笑みを浮かべながら感謝の言葉を口にした。

 

 

 

 衣服を脱ぎ終えロクサーヌを見ると、大切な部分を手で隠しただけの産まれたままの姿が目に入る。

 本当に綺麗だよなぁ。毎日見ていても全然慣れることがない。

 

 やばい。見ているだけで波動砲のエネルギー充填が百二十パーセントになってしまう。今は体を洗わなくては!

 

 石鹸と泡立てネットを手に取り声をかける。

 

「それじゃあ、まずは俺がロクサーヌを洗っていくから」

「あの、先にご主人様をお洗いした方が……」

「ロクサーヌ」

「は、はい」

 

 ロクサーヌは俺のガチトーンに少しばかり気圧されたのか、戸惑ったように返事をする。

 

「俺には夢があるんだ。いや、違うか。夢があったんだ」

「え、あの、はい」

「俺の故郷では、夫婦や恋人は一緒に風呂に入り、石鹸を使ってお互いの体を洗い合ったり、泡まみれの体をこすり合わせたりしていたらしい」

「そうなのですか?」

 

 アカデミックな書物や動画に記されていたのだ。間違いないだろう。

 なにせ、あのふたりエッチにも出てきたからな。

 ロクサーヌの問いかけに頷きを返して話を続ける。

 

「うん。俺は今まで女性と親しくなったことがないからよくわからないんだけど、そういうものらしい」

 

 その言葉を聞いたロクサーヌは、輝くような笑みを浮かべ大きな声を上げた。

 

「そうなのですか! ご主人様も初めての経験なのですね!」

 

 ロクサーヌさん、俺の童貞エピソードをそんなに喜ばなくても……。

 

 ……話を続けよう。

 

「それが本当に羨ましくてさ。もし俺に親しい女性ができるようなことがあったら、絶対にやってみたいと思っていたんだ。そして今日、遂にその夢が叶う! それも、ずっと恋焦がれていたロクサーヌとだ! だから、最初は俺に洗わせてもらえないかな?」

「えっと、あの、はい。よろしくお願いします」

 

 恥ずかしそうに頬を染めながら頷く。

 よかった。ロクサーヌに納得してもらえた。

 よし、じゃあやるぞ!

 

 お湯に浸けて水を含ませた泡立てネットに石鹸を付けて擦り合わせていくと、見る見るうちに泡立っていく。

 うん。ふすまとオリーブオイルの石鹸でも問題なく泡立つな。これなら全然問題ない。

 

 もこもこ泡を手に取りロクサーヌに声をかける。

 

「じゃあ、洗っていくね」

「はい、お願いします」

 

 とりあえず、頭と顔は最後にしよう。

 まずは、俺の目を惹きつけてやまない、このけしからん物体に手を伸ばす。

 

 

 

 

 ずっしりと重たいふくらみを泡まみれにして揉みしだいていると、手のひらからヌルヌルと滑って抜け出していく。

 

「んっ……」

 

 夢中になってそれを続けているとロクサーヌから声が漏れた。

 

「柔らかくてとても触り心地がいい。ロクサーヌ、痛みはない?」

「あっ、ん。あの、大丈夫です。その、気持ちがいいです……」

 

 おお! 気持ち良くなってくれている!

 では、これはどうだ。

 

 コリコリと硬くなっている麗しの果実を軽くはじく。そして強くならないように気を付けながらしごいてみる。

 

「ご主人様……、あの……」

 

 すると、ロクサーヌから声がかかった。

 

「あ、ごめん。痛かった?」

「いえ、そうではなくて……」

 

 恥ずかしそうな表情を浮かべながら、言い淀んでいる。

 

「ん? どうしたの?」

「あの、もう少し……」

 

 あっ! これはもしかして……。

 

「もう少し強くした方がいい?」

 

 問いかけにコクリと頷いた。

 

 すごい! ロクサーヌが俺の手で気持ちよくなっていて、その上更に刺激を欲しがっている!

 もっともっと喜ばせなければ!

 

 カリカリと軽く爪を立ててみたり、優しくしごいてみたり、ピンピンと指ではじいてみる。そのたびにかわいらしい声を上げるロクサーヌの姿に、改めて愛おしさがあふれてきた。

 

 

 

 しばらく続けていると、大きな声が上がる。

 

「ご主人様! これ以上は!」

「大丈夫。ちゃんと支えているからもっと気持ちよくなって」

「は、い……。んっ!」

 

 ロクサーヌの口から声にならない叫びが漏れ、そしてくたりと体から力が抜けた。

 荒い呼吸を繰り返す体を抱きしめ、背中をゆっくり撫で続ける。

 

 

 

「ロクサーヌ。とてもかわいかったよ」

「……恥ずかしいです」

 

 恥ずかしがっているところもかわいいんじゃー。

 

 

 

 再び、体を洗っていく。

 首筋から鎖骨を伝い、右脇を洗っているとロクサーヌがクスクス笑いだす。

 

「ふふ、ご主人様。くすぐったいです」

「ごめんごめん。気を付けるね」

「いえ、大丈夫です。続けていただけますか?」

 

 笑顔のまま続きを催促するのが、めちゃくちゃかわいい!

 気合を入れて磨き上げるぞ!

 

「じゃあ、続けるね」

「はい」

 

 脇を終え、そのまま右腕を洗う。手のひらを洗うときはヌチャヌチャと音を立てて指を絡め合う。

 同じように左手を洗うと、脇腹、お腹、背中を泡まみれにしていく。

 

 それから、尻尾に泡をつけて梳くように指を通していき、それが終わると美しい脚を付け根の方から下まで片方ずつ洗っていった。

 

 そして、泡を追加しロクサーヌの大切な場所へゆっくりと手を伸ばした……。

 

 

 

 

 

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 その部分を洗い終えて手を離す。

 ロクサーヌは頬を赤く染め恥ずかしそうにしている。本当にかわいいなぁ。

 今回はこの後が重要だ。ここで全力アタックというわけにはいかない。

 

 

 

「じゃあ、次は俺の体を洗ってもらえる?」

「はい! おまかせください!」

 

 おお、すごい気合いだ。

 ここはあれをお願いをしてみよう。

 

「あの、ロクサーヌ。少しばかりお願いしたいことがあるんだけど……」

「え? はい。なんでしょう?」

 

「ええっと、あれ。あのすのこを床に敷きます」

 

 そう言って、浴室の壁に立てかけられているすのこを指さした。

 

「はい?」

 

 戸惑ったように、頭の上から大きなハテナマークが出てそうな表情で、首をかしげる。

 

「俺がその上に寝そべり、そしてロクサーヌさんが泡まみれの体を使って、俺の体を洗ってもらえたらなぁ、なんて思うのですが、いかがでしょうか?」

 

 顔に浮かんだ戸惑いをさらに深くしながらロクサーヌが答えた。

 

「あの、私は問題ないのですが、ご主人様はそれをされると嬉しいのですか?」

「はい! とても嬉しいです! 無上の喜びだと思います! 間違いないです!」

 

 勢い込んで言葉を返す俺に、少しだけ驚いたような表情に変わる。

 

「では、ご主人様の希望通りにいたしますね」

「ありがとう、ロクサーヌ」

 

 お礼を述べると、ロクサーヌは表情を引き締めて口を開く。

 

「ところでご主人様。主人が奴隷に敬語を使うなんて、あってはならないことです。先ほどの様子を他人に見られたら大変なことになりますので、お気をつけください」

 

 あ、はい。誠に申し訳ありませんでした。

 

「ごめんね、ロクサーヌ。あまりの嬉しさにどうかしてた」

 

 謝罪の言葉を伝えると、表情をフッと緩めた。

 

「いいえ。私の方こそご主人様に対して生意気なことを言ってしまい、本当に申し訳ありませんでした」

「いやいや。俺のために言ってくれたことなんだから、生意気なんて思うわけがない。ロクサーヌ、いつもありがとう」

「こちらこそ、いつもありがとうございます。ご主人様」

 

 

 

 すのこを敷きそれに寝そべると、泡を追加したロクサーヌが覆い被さってくる。

 

 泡のヌルヌルとロクサーヌの柔らかさがヤバいくらいに気持ちいい。

 これはすごすぎる……。

 

「ご主人様、では動きますね」

 

 そう言うと、ロクサーヌは俺の上で体をくねらせ始めた。

 

 ヌチャヌチャという音がバスルームに響き、蝋燭の明かりと相まって淫靡な雰囲気を作り出す。

 そして、ロクサーヌから絶え間なく快感を送り込まれた。

 本当にすごい。こんな極上の快楽を覚えてしまったら、俺は頭がおかしくなってしまうのではないだろうか。

 

「ご主人様? こちらがとても硬くて大きくなっていますよ? そんなに気持ち良いのですか?」

 

 いたずらっぽい笑みを浮かべながら、耳元で囁くロクサーヌの声にゾクゾクしてしまい、思わずビクンと体が跳ねる。

 それを見た彼女は笑みを濃くするとさらに囁く。

 

「ふふ、気持ちいいのですね。では、これはどうですか?」

 

 俺の胸元に自分のふくらみを寄せると、コリコリと硬くなった愛らしい果実で、こちらのモノを刺激しだした。

 

 乳首合わせだとっ!

 

 ずっと憧れていた乳首責めのバリエーションを味わい、イチモツがさらに硬くなるのを感じる。

 一人で行うチクニーでは絶対に味わえない快感に打ち震えてしまう。

 

 こやつめ、とんでもないテクニックを隠しておった。

 

「んっ……」

 

 興奮のあまり頬に手を添え、口づけを交わすとロクサーヌの口から、吐息が漏れる。

 

 

 

 絡み合わせていた舌と口を離し、声をかけた。

 

「ロクサーヌ、すごすぎるよ。頭がおかしくなるほど気持ちいい」

「ふふ、ご主人様。まだまだですよ」

 

 ロクサーヌはスルスルと下の方へ下がると、俺の股間へ胸部を移動させ、その豊かな谷間にモノを挟み込んだ。

 

 なんだとっ!

 これはもしかして、アレなのか!? ずっと夢見ていたアレなのか!?

 そのうちお願いしようと思っていたことを、何も言わなくてもやってくれるなんて!

 

「私の胸で気持ち良くなってください」

 

 あっ……。

 

 そう言うとロクサーヌは両手で胸を動かし始めた。

 

 

 

 

 

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 ああ、本当に気持ち良かった……。

 

「ロクサーヌ、ありがとう。まるで天国にいるようだった」

「ご主人様に喜んでいただけて、嬉しいです」

 

 俺が出してしまったものでロクサーヌの体を汚してしまったので、すのこから体を起こし、背中は手で洗ってもらった。

 

 そして、汚れと泡を洗い流したところ告げる。

 

「今度は顔と髪を洗おうか。ロクサーヌ、このスツールに座って、髪と顔をお湯で濡らしていてもらえる?」

「はい」

 

 壁際に置いていたスツールに腰かけてもらい、新しく泡を作りロクサーヌに近づく。

 

「それじゃあ、まず髪を洗っていくから目を閉じていてね」

 

 泡で優しく洗いながら声をかける。

 

「おきゃくさまー、痒いところはありませんかー?」

「え? なんですか?」

 

 目を閉じたまま不思議そうな表情で疑問を口にした。

 

「故郷の理髪店で定番の問いかけなんだ。思い出してつい言ってしまった」

 

 ロクサーヌは表情を笑顔になると言葉を返す。

 

「そうだったのですね。いきなりだったので、少し驚きました」

 

 それにしても、俺は定番のこの問いにあると答えたことはないんだが、そう答える人はいるんだろうか?

 

 

 

 髪とかわいらしい犬耳を洗い終えたところで、今度は洗顔に取り掛かる。

 

「じゃあ、次は顔を洗うからそのまま目と口を閉じていてね」

「はい。お願いします」

 

 ロクサーヌは返事をすると、キュッと口を結ぶ。

 めちゃくちゃかわいいな、これ。

 

 おでこから鼻筋を優しく泡で洗い、それが済むと顔全体。そして、目元、口元は特に慎重に泡をあてていった。

 

 すべてを済ませると、お湯でしっかり泡を洗い流していく。

 

「ご主人様、石鹸って本当にすごいですね。肌がすべすべして気持ちいいです」

「喜んでもらえてよかった。これからは毎日一緒に体を洗おう」

「はい! では次はご主人様を洗わせていただきますね」

「じゃあ、お願い」

「おまかせください!」

 

 

 

 髪と顔を濡らしてスツールに座っていると、泡を用意したロクサーヌが近づいてきた。

 

「では、お洗いしますので、目を閉じていただけますか?」

「うん。よろしく」

 

 目を閉じると、優しくワシャワシャと髪を洗い始めた。

 

「ごしゅじんさまー、痒いところはありませんかー?」

 

 ロクサーヌの問いかけに思わず吹き出してしまった。

 この娘本当にかわいいわぁ。

 ここで股間が、とか言って触ってもらいたいところだが、そんなおっさんがするお座敷遊びのような真似は、確実にドン引きされることだろう。

 ……いや、まあ中身はおっさんそのものだけどさ。

 

「ないでーす」

「ふふ。それは良かったです」

 

 

 

 その後、髪と顔を洗ってもらって、泡を流す。

 

 さて、洗髪が済んだし髪のケアをしよう。

 

 抜け毛に悩まされているときにネットで見た情報だが、シャンプーは界面活性剤やシリコンが含まれており、抜け毛の原因になるということだった。

 オーガニック系の石鹸を使って洗う方が髪には良いらしい。

 だが、石鹸で洗うと髪がアルカリに偏り、キューティクルが開いてキシキシするし、これも抜け毛の原因になり得るとのこと。

 それを防ぐために、お酢を使ったリンス。所謂ビネガーリンスを行って髪を弱酸性にすると良いそうだ。

 

 一時期試していたが、すぐに面倒になりスカルプシャンプーを使うようになった。

 しかし、この世界にそんなものはない。

 であれば、面倒でも石鹸シャンプーにビネガーリンスを続けることができるだろう。

 これはきっと、二十年後の毛量に大きな差を生むはず。

 

 そして、秘密兵器のカメリアオイル。

 椿油でトリートメントをするのは現代日本でも行われているケア方法だ。

 きっとこれもすごい効果をもたらして、年老いてもフサフサでいられることだろう。

 

 

 

「じゃあ、ロクサーヌ。髪の手入れの準備をするから少し待ってて」

「髪のお手入れですか? そんなことまでしていただけるなんて、まるで貴族のようです」

 

 そりゃそうか。

 この世界で長い髪は手入れに時間がかかるため、貴族や金持ちにしか許されない贅沢らしいからな。

 

 ん? でもセリーは髪が長いよな?

 元貴族のルティナはともかく、セリーの家は父親の事業の失敗で裕福ではなくなっていたはずなのに、なぜ長い髪を維持し続けたんだろうか?

 しかも、彼女はくせ毛でめちゃくちゃ手入れが大変だろうに、ずっと長髪でいたのか……。

 何か思い入れでもあったのかな?

 

 

 

 ……いかんいかん。

 今はロクサーヌに集中しなければ。別の女性のことを考えるなんて、とんでもなく失礼なことだ。

 

 

 

 お湯を張ったたらいにビネガーを大匙二杯くらい入れてかき混ぜる。

 そして、それをスツールの上に載せた。

 

「先ほどからしていたお酢の匂いは髪の毛の手入れの為だったのですね」

 

 匂いが少ないとはいえ、ロクサーヌの鼻ならやっぱり気付くわな。

 

「匂いはどう? これを髪の毛に付けるのはきつかったりする?」

「薄めていただいているので大丈夫です」

 

 よし、準備オッケーだな。

 

「それじゃあ、ロクサーヌ。たらいの中に髪を浸してくれる?」

「はい」

 

 ロクサーヌはすのこに膝をついて髪を浸す。

 そのたらいに手を入れ手櫛で梳くように浸透させた。

 

 その後は同じように尻尾を浸して梳き、最後にすのこにうつぶせになってもらって、背中の毛に少しずつかけていった。

 

 ビネガーリンスを終えると、お酢の成分が残らないようにしっかりと流していく。

 

 

 

「では、次はご主人様の髪のお手入れをさせていただきますね」

「うん。よろしく」

 

 作ってくれたビネガーリンスに髪を浸すと、彼女の細い指が俺の髪を梳いていった。

 

 

 

 しっかりと洗い流した後に髪と体を拭いているとロクサーヌから声が上がる。

 

「ご主人様!これはすごいです! 髪も尻尾もサラサラです!」

 

 おお! めちゃくちゃ嬉しそうにしている。

 こんなに喜んでもらえるなんて、髪のケアをしてよかったなぁ。

 

「喜んでもらえてよかった。ロクサーヌ、髪の毛に触ってもいい?」

「はい。ご確認ください」

 

 ロクサーヌの許可をもらい、髪の毛に触れると心地よい感触が伝わってくる。

 サラサラしていてめちゃくちゃ気持ちいいな。

 

「背中と尻尾もいい?」

「はい。ご主人様、どうぞ」

 

 返事をすると、くるりとこちらに背中を向けた。

 すっご。背中からはみ出したおっぱいが見える。こんなすごいものを見ることができるなんて幸せだなぁ。

 

「ご主人様?」

 

 おっと。確認しないと。

 首筋から背中、腰、お尻と順番に撫でていく。そして尻尾に到達した。

 本当にめちゃくちゃ触り心地が良いぞ。

 

 尻尾を軽く握り、逆なでしないように気を付けながら、扱くように撫でる。

 

「んっ……。ご主人様……。なんだか触り方が……」

「ごめんね。あまりにもかわいくて興奮してさ。嫌だった?」

「もう。その聞き方はズルいです……」

 

 そう言うとロクサーヌはプイっと顔を逸らした。

 ロクサーヌさんがかわいすぎるのがいけないと思いまーす。

 

 

 

 思う存分撫でた後は、秘密兵器の出番だ。

 

「それじゃあ最後の手入れをしよう」

「まだあるのですか?」

 

 ふっふっふー。ロクサーヌくん、もっとすごいケアだぞー。

 

「うん。カメリアオイルで髪の毛の手入れをする。これは俺の世界でも行われていたし、この世界でも貴族や富豪は行っているらしい」

 

 確かセリーが言っていたよな?

 その話の際にセルマー伯の性癖が晒されたはずだ。

 

「そのように貴重なものを使ってよいのでしょうか……」

 

 何を言いなさる。

 

「これはロクサーヌのために準備したものだから、使ってもらわないと困る」

「ご主人様!」

 

 おわっ!

 その言葉を聞いたロクサーヌは、俺の体をぎゅっと抱きしめる。

 

「ご主人様、本当にありがとうございます」

「大切なロクサーヌのためだからね」

 

 ロクサーヌの頭に手を移動させ、ゆっくりと撫でる。

 

「ふふ。ご主人様は本当に私のことが大好きですね」

 

 そう言うとロクサーヌは俺の背中を撫で始めた。

 

「そりゃあもう、生まれ故郷を捨てるくらいには」

 

 顔を見つめ笑いながら言うと、ロクサーヌも満面の笑みで答える。

 

「私もご主人様のことが大好きです。ご主人様にお会いしてから毎日信じられないくらい幸せで……。本当にありがとうございます」

「それを言うなら俺の方こそだ。ロクサーヌ、いつもありがとう」

 

 

 

 しばらく抱き合っていると、恥ずかしそうにロクサーヌが口を開く。

 

「あの、ご主人様のモノが私のお腹にあたっています……」

 

 だってしょうがないじゃん、大きくて柔らかいものが胸に当たるんだもん。男なら誰だってこうなる。

 

「ごめん。ロクサーヌと抱き合っていると、どうしても興奮してそうなってしまう」

「大丈夫です。このあと寝室でたくさんかわいがってくださいね」

 

 はにかんだ笑みを浮かべながら殺し文句を口にするロクサーヌを抱きしめ、その悪い子な口を塞いだのだった。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

探索者Lv25 英雄Lv20 魔法使いLv24 戦士Lv22 僧侶Lv15

 

BP振分 残BP:0

キャラクター再設定:1

フィフスジョブ:15

必要経験値十分の一:31

鑑定:1

ジョブ設定:1

詠唱省略:3

結晶化促進二倍:1

MP回復速度二十倍:63

敏捷:7

 

所持金:168,265ナール

 

春の7日目

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