異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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061 バスタイム

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 ロクサーヌには夕食の支度をしてもらい、俺は風呂を沸かさないとな。

 細かいことだが彼女には石鹸で手を洗ってもらうことにする。

 

 

 

 当たり前だがこの世界では、帰ってきたときや料理の前、それからトイレの後に石鹸で手を洗うという習慣は一般的ではない。

 今までも手を洗うように求めてきたが、今日からは石鹸まで使えと言っている。

 

 ……ロクサーヌに口うるさい男だと思われていないだろうか?

 

 でも、健康維持のためには必要なことだしなぁ。

 市販薬もなければ医者もいないのだ。こんな状況では風邪をひいただけでも大変なことになってしまう。

 もっとも、ある程度の病気なら万能丸で治るのだ。

 それを市販薬のように使って、病気に対処しているのかもしれないな。

 

 まあ、だとしても単純に不潔なのは耐えられない。絶対に無理だ。

 ロクサーヌには申し訳ないが、我が家のルールだと思って慣れてもらおう。

 

 田川家家訓その二

 外から帰ったときとトイレの後、それから料理の前には石鹸での手洗いを!

 

 我が家に出来た二つ目の家訓である。

 

 手を洗い終えるとロクサーヌが声をかけてくる。

 

「では、火が必要になったらこちらに参りますね」

 

 そう言うと彼女はバスルームを出て行った。

 

 

 

 さて、それじゃあお湯を沸かす作業に取り掛かろう。

 

 バスタブに直接ウォーターウォールで水を貯め、それにファイヤーボールを撃ち込みたくなるが、そんなズボラな真似をすると壊しかねないからな。

 原作通りバスタブに水がめを並べ、その上にウォーターウォールを発生させよう。

 

 念じると、水の壁はそのまま空中に留まり、しばらく経過した後、重力を思い出したかのように水がめへと落ちていった。

 そして、その水へ向けてファイヤーボールを二発ずつぶち込む。

 

 よし。熱湯になったそれを一旦バスタブに空けよう。

 

 水がめを掴んだ瞬間、手のひらに痛みが走る。

 

「あっつ!」

 

 痛い! 熱い! ヤバイって!

 

「あー!!」

 

 いってー! くっそ!

 

手当て! 手当て! 手当て!

 

 

 

「ふぅ」

 

 ようやく痛みが引き、思わずため息をついてしまう。

 ああ、びっくりしたわー。

 

 それにしても馬鹿か俺は。二発で水が熱湯になるほどの火球をぶち込んでいるのだ。そりゃ水がめだって熱々だろうがよ。

 それを、素手で掴もうとする奴があるか。何を考えとんねん。

 

「ご主人様! 大丈夫ですか!」

 

 バタバタと走る音が聞こえ、大声と共にロクサーヌが飛び込んできた。

 その顔には焦りの表情が浮かんでおり、叫び声を上げた俺のことをだいぶ心配しているのが見て取れる。

 

「心配をかけてごめんね。ちょっとした不注意で大声を上げただけで、特に問題はないから安心して」

 

 その言葉を聞いて表情を緩めると口を開く。

 

「ご主人様に何事もなくてよかったです。もし何かあったらと思い焦ってしまいました」

 

 安堵の表情を浮かべているロクサーヌを見ていると、本当に申し訳なさでいっぱいになる。

 馬鹿なミスでこんなに心配をかけてしまうなんて思わなかった。

 これからは気を付けるとしよう。

 

 ……でも、今まで人からこんなに心配されたことなんてなかったよな。

 不謹慎だが、嬉しい気持ちも湧いてくるわ。

 

「ロクサーヌ。その気持ちがとても嬉しい。ありがとう」

「私の大切なご主人様なのです。当然のことです」

 

 そう言って微笑むとキッチンへ戻っていった。

 ロクサーヌ……。本当にいい娘だよぁ。

 惚れてまうやろー!

 

 あ、これ以上ないくらい惚れてたわ。

 

 

 

 さて、気を取り直して続きだ続き。

 アイテムボックスから硬革のグローブを取り出して装着し、慎重に水がめに触れてみる。

 問題なさそうだったのでゆっくりとお湯をこぼしていった。

 

 うん。大丈夫そうだな。そのまま続けよう。

 

 

 

 半分ほどお湯が貯まったところでMPが心許なくなる。

 だが、さすがは消費MP半減の効果。MP回復は一度で済みそうだな。

 まだあと数回は魔法を撃てそうだが、ベイルまで行く必要があるんだ。一回目はこんなもんでいいだろう。

 

 しかし、早いところ魔道士と遊び人のジョブを得て、ミチオがやっていたように空中でアクアウォールとバーンウォールを重ねて一気にお湯を作り、あっというまに風呂を沸かせるようになりたいもんだ。

 

 

 

 バスルームを出てキッチンへ行くと、夕食の支度をしているロクサーヌに声をかける。

 

「ロクサーヌ。悪いんだけどMP回復を行いたいから、迷宮まで頼める?」

「おまかせください。では、装備品を身に着けてきますね」

 

 間違ってもここで、『ちょっと行ってくるだけだから装備品はいらない』なんて口にするわけにはいかない。

 これは好感度ダウン間違いなしのバッドコミュニケーションだ。

 

「じゃあ、俺も準備をしてくるから玄関に集合ってことで」

「はい」

 

 

 

 自室に戻って準備を行う。

 毘盧帽と硬革のグローブ、それにメギンギョルズは装備している。

 そして、靴は玄関で履き替えるからいいとして、とりあえず硬革の鎧を身に着ければオッケーか。

 

 鎧を身に着けた後はリュックを背負う。たとえ少数だとしても魔物を狩るんだから魔結晶は必要だよな。

 一ナールを笑うものは一ナールに泣くだ。

 

 そんじゃ、玄関でロクサーヌを待ちながらボーナスポイントの振り分けを見直そう。

 

 

 

 玄関に着くとキャラクター再設定を開く。

 

 うーん……。

 今回は五階層の魔物をチャチャッと狩って、手早く済ませたい。

 一撃で片づけるため、腕装備二にもポイントを振っておくか。

 

 ジョブ設定を外して詠唱省略を詠唱短縮に落とし、3ポイントをひねり出す。

 そして、硬革のグローブをアイテムボックスにしまってから、腕装備二にチェックを入れ、出現した技工の革グローブを腕にはめた。

 

 よし。迷宮で毘盧帽とデュランダルを入れ替えればオッケーだな。

 

 

 

「おまたせしました」

 

 ロクサーヌが来たので、二人で靴を履き替える。

 

「それじゃあ、行こうか」

「はい」

 

 目の前のドアへ向かい呟く。

 

「ワープ」

 

 

 

 

 

ベイルの迷宮

五階層

 

 

 

 

 

 ワープゲートから探索途中の小部屋へ出ると、キャラクター再設定を開き頭装備六のチェックを外し、武器六にチェックを入れる。

 デュランダルのグリップをギュッと握りしめ、ロクサーヌに声をかけた。

 

「では、一番近い魔物のところへ頼む」

「かしこまりました」

 

 俺の言葉に頷くとスンスンと鼻を鳴らして確認をし出す。

 一頻りそれを続けると、程なくして口を開いた。

 

「ご主人様。こちらです」

 

 

 

 ロクサーヌの案内に従い、出会った魔物を屠っていく。

 それを続け、MPが満タンになったところで話しかける。

 

「MPはもう大丈夫だ。それではアラン殿の商館を確認してから家に戻ろう」

「ご主人様、ありがとうございます」

 

 なあに。気にするでない。

 

 再びデュランダルと毘盧帽を入れ替えて、腕装備二のチェックを外し、詠唱省略にポイントを振る。

 そして、通路の壁へワープゲートを開いた。

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 やはり、まだ仲間が集まっていないのだろう。

 今日も盗賊の姿は確認できず空振りに終わった。

 早くても原作で襲撃が発生した十二日。

 いや、仲間が一人減っているのだ、おそらくそれ以降になるのだろう。

 

 しかし、万が一早まるようなことがあれば、取り返しのつかないことが起きる可能性があるのだ。

 日々の確認を怠るわけにはいかない。襲撃が起こるまではずっと続けよう。

 

 今日はこの後装備品を使う予定がないため、靴を履き替えると手入れを済ませる。

 

「じゃあ、俺は続きをしてくるね」

「はい。私も夕食の支度に戻ります」

 

 

 

 リュックを部屋に置き、装備品をアイテムボックスに戻してからバスルームに戻ってきた。

 続きに取り掛かろうとすると、ロクサーヌが火を求めてきたので、薪を燃やして手渡しておく。

 

 んじゃ、続きといくか。

 

 

 

 再び時間をかけてウォーターウォールとファイヤーボールを撃つ作業を繰り返し、遂に十分な量のお湯を作り出すことが出来た。

 

 なんとも言えない満足感がある。

 しかし、これは広くていい風呂だなぁ。

 俺が暮らしていたアパートはおろか、実家のバスタブよりもかなりデカい。

 

 俺の身長より大きいため、そのままプカプカ浮かぶこともできそうだ。

 本当に入るのが楽しみだわ。

 

 

 

 キッチンに移動するとロクサーヌが調理の途中だったので、そのまま手伝い、完成したものをダイニングに運び込む。

 そして、彼女の作ってくれた美味しい夕食を平らげると、歯磨きと後片付けを済ませ、着替えを持ってバスルームへ戻る。

 

 ロクサーヌはまだか……。

 

 そんじゃ、中に入って待つことにしよう。

 脱衣所がないため着替えは廊下に置いておく。

 洗濯カゴのようなものを設置した方がいいかもしれないな。

 明日スキル結晶を受け取りに行くときに雑貨屋を回ってみるか。

 

 沸かしてから時間が経っているため、お湯が冷めてないか確認し、念のためファイヤーボールで追い炊きをしておいた。

 すると、ドアが開く音が響き、続いてペタペタという足音も聞こえてくる。

 

「ご主人様、すごいです! こんなにたくさんのお湯なんて見たことがありません!」

 

 振り替えると、そこには美しい体を惜しげもなくさらけ出し、驚いた表情でこちらを見つめる女神の姿があった。

 

 おお、本当に綺麗だよなぁ。

 毎日、見る度に感動を覚え、ハートを鷲掴みにされてしまう。

 

「今日からは毎日一緒に入ろうね」

 

 その言葉を聞くと、輝くような笑みを浮かべ大きな声で返事をした。

 

「はい! ありがとうございます、ご主人様。これからもよろしくお願いします」

 

 ありがとうも、よろしくも俺の言葉なんだよなぁ。

 

 

 

 泡立てネットで泡を作り。それを手に広げロクサーヌの体を滑らせる。

 

 大きく柔らかな塊を揉み洗い、その頂点に息づく果実を刺激し、尻尾を扱き、張りのある桃を撫でるように洗っていく。

 快感を堪えながらも、時折漏れる声が本当に愛らしい。

 

 そして、デリケートな部分まで済ませると攻守交代となる。

 

 立てかけていたすのこを床に敷き、お湯で流してそこに横たわるとロクサーヌが口を開いた。

 

「次はご主人様の番ですね。意地悪なご主人様。覚悟してくださいね」

 

 悪戯っぽい表情を浮かべながら、俺に覆いかぶさると体についている泡を擦り付けてくるのではなく、いきなり乳首をぺろぺろと舐めだした。

 

「んっ」

 

 あまりの快感に声が漏れ、体がビクンと跳ねてしまう。

 

「ロクサーヌ。くっ、これは違う。体を洗ってない……」

 

 それを聞くと顔を上げ答えた。

 

「ふふ。違いません。ご主人様の敏感な部分を私の舌で洗っているだけです」

 

 そう言って再び責め始める。

 

 ああ! やばいって。このままでは、乳首だけで達してしまう。

 十八の頃はまだ乳首開発をしていなかったのに、なぜこんなに感じてしまうんだ!

 

「ダメですよ。それは全て私の中に下さい」

 

 ロクサーヌは舌の動きを止め、体に着いた石鹸を擦り付け始めた。

 

 そんな……。生殺し過ぎる……。

 

 

 

 その後、俺の体の上で絶世の美女がくねっているという見た目のインパクトや、体が触れ合う直接的な刺激に、何度も登りつめそうになるが、その度にタイミングを外されてしまう。

 そして、全身泡まみれになった後はお湯で体を流し、洗髪、洗顔、ビネガーリンスを済ませると、いよいよお湯に浸かることにした。

 

 まず俺が、大量のお湯をこぼしながらバスタブに座っていく。

 

「あ゛あ゛~」

 

 思わず口からおっさん特有の声が漏れてしまった。

 いや、一週間以上お湯に浸かっていなかったんだ。別におっさんだからというわけではなく、誰だってこうなるさ。

 それに今の体は十八歳。おっさんではないのだ。

 

 ……そういえば、さっきは乳首責めでイキそうになったが、十八の頃はまだ乳首でこんなに感じることはなかった。

 三十を過ぎた頃にネットの記事を見つけたことから、新たな扉を開くべくチャレンジしたのだ。

 なぜこの体で乳首イキができるのだろう?

 転移の際に行われた肉体の処理は単純な若返りではない?

 

 その可能性はあるな……。

 元の体を使ったのか、一から構成したのかはわからないが、各種パラメーターやジョブシステム。そして、スキルやインテリジェンスカードといった、この世界のシステムに対応した肉体を用意し、脳に宿っているはずの知識や人格。そして、開発された乳首は元の体から引き継いだと考えられる。

 

 ……いや、考えられるか?

 もしそれが正しいなら、この転移を起こしている存在はかなりのクレイジー野郎ってことになるぞ?

 知識や人格はともかく、なんだって乳首の開発状態を引き継いだんや。

 

 

 

 おっと。益体もないことをグダグダ考えている場合じゃない。ロクサーヌにも早く入ってもらわないとな。

 

「ロクサーヌもおいで」

「ありがとうございます」

 

 声をかけると、おずおずと縁をまたぎ俺の隣に腰を下ろした。

 

「ふぅ」

 

 彼女の口から気持ちよさそうな声が漏れる。

 

「どう?」

「お湯に浸かるのはこんなに気持ちがいいものなのですね……」

 

 問いかけると、とろけるような表情を浮かべながら答えた。

 よかった。ロクサーヌも気に入ってくれたようだ。

 

 

 

 だが、これはまだ俺の理想であるイチャイチャ入浴ではない。

 隣に座っている彼女の膝と背中に手をやり、浮力で軽くなっている体を持ち上げる。

 

「きゃっ」

 

 ロクサーヌから声が漏れるが、そのまま俺の脚の間に座らせ、後ろから抱きしめた。

 これだよこれ。恋人同士でのお風呂と言えばこの姿勢だ。

 

「あの、ご主人様? これは?」

 

 こちらへ振り返り、戸惑った表情で問いかけてきた。

 

「俺のいた世界では恋人同士はこういう風に入浴していたようなんだ。まあ、経験じゃなくて伝聞なんだけどさ」

「そうなのですか」

 

 ロクサーヌは嬉しそうに微笑むと、抱きしめている俺の腕に手を重ねた。

 そして、俺のイチモツをパタパタと優しく叩く尻尾の感触が伝わってくる。

 

 

 

「はぁ……。とても気持ちがいい……」

「はい。そうですね……」

 

 思わず漏れた声に返事がくる。

 

 ああ、幸せだなぁ。

 大好きな女性と肌を合わせながら、温かいお湯に浸かることが出来るなんて……。

 たとえクレイジー野郎だって構うもんか。転移させてくれた存在には感謝の気持ちを持ち続けていよう。

 

 

 

 ロクサーヌのお腹のあたりに回していた腕を解く。

 

「ご主人様?」

 

 その声を無視して、そのまま大きなふくらみの下に手のひらを添え、掬い上げるようにタプタプと揺らしてみる。

 すっご。

 いつもよりもだいぶ軽い。おそらく浮力が働いているのだろう。

 添えていた手を放してみても下まで降りてこない。

 

 浮いている……。

 

 胸が大きな女性のそれは水に浮くという、アカデミックな説を立証してしまったのか。

 本当に素晴らしい検証結果だった。

 

 今度は柔らかく握り、揉みしだいていく。

 

「あっ、んっ……。だ、め、です……」

 

 ロクサーヌの口から漏れるかわいらしい声がバスルームに響いていた。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

探索者Lv25 英雄Lv21 魔法使いLv24 僧侶Lv15

 

BP振分 残BP:16

キャラクター再設定:1

フォースジョブ:7

必要経験値十分の一:31

鑑定:1

詠唱省略:3

ワープ:1

MP回復速度二十倍:63

 

所持金:162,840ナール

 

春の8日目

 

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