異世界迷宮へ行ったなら   作:三星織苑

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081 料理

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 探索を終え、大急ぎで買い物を済ませて自宅に戻る。

 

 頭の中はセクシーランジェリーを身に纏うロクサーヌのことでいっぱいだが、真面目に修行をこなし、装備品の手入れを行った。

 日々のルーティーンは大切だからな。

 それに、落ち着きがないところをさらしてしまうと、あんまりソワソワしないでと言われてしまうだろう。

 

 

 

 バスルームへ移動して、MP回復を挟みながら大急ぎで湯を沸かしたら、彼女と一緒に夕食の支度だ。

 

 セリーの歓迎会用に俺も何か作ろうと考えていたが、今日はもうそれどころじゃない。

 料理については明日からにしよう。

 

 

 

 夕食を済ませると、すぐに風呂へ入ることにした。

 

 廊下に設置してある、着替えが入ったかごをチラリと確認してみるが、あるのはいつものかぼちゃパンツだ。

 ……ネタバレは禁止らしい。

 

 まあ、キャミソールも部屋で着替えてから寝室へ来るしな。

 

 

 

 今日も今日とてロクサーヌの艶めかしい肢体を洗っていくが、頭の中はこの体をどんな下着が彩るのだろうという妄想でいっぱいだ。

 そんな風に悶々としていると、どんどん下半身にパッションが集まっていく。

 

「ご主人様、もう少しお待ちくださいね?」

 

 すると、それに気が付いたのだろう。

 ロクサーヌの手がそこに柔らかく触れ、艶やかな笑みを浮かべた顔を俺の耳元に寄せて、いたずらっぽく囁いた。

 

 

 

 攻守交替となり、彼女はすのこへ寝そべった俺に覆いかぶさると、普段のように体をこすり合わせて洗い始めるのではなく、顔を見合わせる。

 

「ふふ。かわいらしいご主人様。我慢なさっているのですね」

 

 そう言って、おでこ、両頬、唇にキスの雨を降らせ、ハムハムと耳を甘噛みし始めた。

 

「んっ……」

 

 あまりの快感に、思わず声が漏れてしまう。

 

「気持ちいいですか? かわいらしい声をもっとたくさん聞かせてください」

 

 ひゃー!

 ヤバい! このASMRはヤバい!

 ロクサーヌの愛らしくも色っぽい、甘々ボイスが耳に直撃して、腰がビクビク跳ねてしまう!

 

 それを見て、彼女は笑い声を漏らしながら、さらに問いかける。

 

「耳元で喋ると気持ち良いのですね? ではこれはどうですか?」

 

 その言葉が聞こえた直後、耳の穴に生温かいものの侵入を受ける。

 

「ああー! ダメ! これはダメ!」

 

 耳舐めはダメだよ!

 セルフプレジャーの経験しかなかった俺では、その刺激に耐えられない!

 

「ふふ。そうですね。ここで達してしまうのはもったいないです」

 

 彼女はそう口にして、スッと顔を引いた。

 

 くっ。

 こやつ、今日はずっと焦らしテクを駆使してくるぞ。

 これでは、小悪魔さんじゃなく、サキュバスさんではないか。

 

 

 

 その後は、泡まみれの体をこすり合わせるという、いつものようなごく普通の洗い方をしてもらう。

 

 ん? 普通?

 普通とはいったい……。

 

 体や髪を洗ったところで、すぐにでも寝室に直行したいところだが、せっかく沸かしたお湯がもったいないからな。

 風呂に浸かり、ロクサーヌの体を後ろから抱きしめた。

 

「ご主人様、硬くて大きなものが当たっています」

「誰かさんにさんざん焦らされているからね」

 

 返事をすると、彼女はクスクス笑いながら答える。

 

「もう少しですから我慢してください」

 

 くそー。やられっぱなしというわけにはいかない。

 こうなったら反撃だ。

 

「ご主人様? んっ……」

 

 ロクサーヌの頬に手を添えて後ろを振り向かせ、唇を重ねる。

 さらに、その手を大きな胸へ移動させ、そのまま揉みしだき、逆の手は大切な部分へ刺激を与えていく。

 

 

 

「もう、強引なご主人様です」

 

 しばらく続けていると彼女は唇を離し、荒い息を漏らしながらそう呟いた。

 

「いたずらっ子にお仕置きしただけだよ」

「私をこんな風にしたのはご主人様です」

 

 いや、そんなことはないと思うな。

 君は出会ったその日から、わりといたずら好きだった気がするんだが。

 

「そうなんだ。それなら責任を取らないとね」

「そうです。責任を取って一生大切にしてください」

「もちろん。ロクサーヌこそ、一生隣にいてくれる?」

「当然です。私のほうからご主人様のおそばを離れることは、絶対にありません」

 

 彼女の言葉に感極まり、再び唇を重ねる。

 

 

 

 

 

 洗濯を終え、体を拭いてバスルームを後にした。

 恋人つなぎで寝室の前まで移動すると、ロクサーヌの手がするりと離れていく。

 

「では、準備をしてまいりますね」

 

 そう言い残し、彼女は自分の部屋へ歩いていった。

 

 

 

 ベッドへ腰を下ろし、まんじりともせず待っていると、興奮で頭がどうにかなってしまいそうになる。

 セクシーな下着を身に着けたロクサーヌは一体どんな感じなんだろう……。

 想像しているだけで下半身に血が集まってくるぞ。

 

 

 

 悶々としているうちに、寝室へノックの音が響く。

 返事をすると扉が開き、緑色のキャミソールを身に纏ったロクサーヌが入ってくるが、シースルーではないため、その下のランジェリーが見えるということはなかった。

 

 くっ。彼女にそんなつもりはないのだろうが、ずっと焦らされている気になるぞ。

 

「ロクサーヌ、その下に着ているの?」

 

 問いかけると、恥ずかしそうな表情を浮かべて答える。

 

「はい。ご主人様、確認していただけますか?」

 

 本当に、この娘はもう!

 どこまでも、俺を惑わすんだから!

 

 

 

 ゆっくりと彼女へ近づき肩紐に手をかけると、ブラジャーの肩紐が目に入った。

 

 グリーンだ……。ということは、この下にも……。

 

 心臓が激しく打ち鳴らされ、口から飛び出してしまいそうだ。

 

「いい?」

「はい。お願いします」

 

 問いかけると、彼女はそう言って頷いた。

 

 その言葉に後押しされ、震えそうになる手で肩紐を体から離して、そのままキャミソールをするりと下ろす。

 

 俺の目に飛び込んできた、想像を遥かに上回る光景は、言葉や体の動きだけではなく、思考能力さえも奪い去ってしまう。

 

 

 

「ご主人様? あの、お気に召しませんでしたか?」

 

 どのくらい見つめ続けていただろうか。

 口を半開きにし、瞬きさえも忘れて凝視し続ける俺に不安を覚えたのだろう。

 ロクサーヌがおずおずと口を開く。

 

 まずい! 呆けすぎて彼女を動揺させてしまった!

 

「そんなことはない! ロクサーヌのあまりの美しさに見惚れていただけだよ! 本当にこの世のものとは思えないほど美しくて驚いた。こうして見ていても女神そのものにしか見えない」

 

 彼女は驚いた表情を浮かべるも、すぐに言葉の意味を理解したのだろう。徐々にはにかんだような笑みを浮かべる。

 

「女神だなんて、ご主人様はいつもいつも、大げさすぎます」

「そんなことはない。信じられないくらい綺麗だよ。それに、ロクサーヌは俺の女神だしね」

「本当に困ったご主人様です……。でも、その、お気に召していただけて嬉しいです……」

 

 照れている彼女を抱きしめ、触れるだけのキスを交わして問いかけた。

 

「もう一度じっくり見てもいい?」

「はい、どうぞ……」

 

 抱きしめていた腕を解き少し離れて、改めてロクサーヌの下着姿を目に焼き付けることにした。

 

 フォレストグリーンとでもいうのだろうか? 濃い目の緑がロクサーヌの白い体に映え、艶めかしい魅力にあふれている。

 ブラはシースルーのため、彼女の肌が透けておりとても色っぽい。それに、大きな胸をしっかりと支えているようで、谷間がいつもより深いように感じた。

 きっと重力に対抗する工夫がされているのだろう。

 パンティのほうも同じくシースルーで作られており、どちらも異性へのアピールを目的にデザインされている気がする。サイドでリボン結びになっている紐もかなり煽情的だ。

 

 

「ロクサーヌ、本当に美しい……」

「ふふ、ありがとうございます」

 

 思わず漏れた言葉に、嬉しそうな声が返ってくる。

 

「後ろも見せてくれる?」

「はい、どうぞ」

 

 お願いしてみると、くるりと後ろを向いてくれた。

 

 すごいなぁ。

 ロクサーヌの美しいラインを彩るグリーンが本当に艶めかしい。

 

 日本にいるときグラビアで目にした下着と比べても、決して劣っているようには見えないぞ。

 この縫製技術があるのに、なぜ今まで作られていなかったのだろうか?

 なんとも不思議なことだ。

 

 この下着は百点満点で一億点くらいのすばらしさだが、今回はセクシーランジェリーをオーダーしているため、日中に身に着けるというわけにはいかない。

 次は、普段使いできるようなものをオーダーするか。

 ついでに、俺もかぼちゃパンツからトランクスにクラスチェンジを図ろう。

 

 

 

 ……もう余計なことを考えている余裕はない。

 ロクサーヌに近づき、後ろから抱きしめる。

 

「いいかな?」

「はい、可愛がってください……」

 

 そっと右手を下着の中に侵入させると、そこは潤いに満ちていた。

 

 

 

 

 

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 何度も何度も愛し合い、気を失ってしまったロクサーヌの体を清めて抱きしめる。

 この状態の彼女へ下着やキャミソールを付けるなんてスキルは、さすがに持ち合わせていない。

 それは気が付いたときに自分でやってもらおう。

 

 暖かく柔らかな重さと心地良い疲労感を覚えながら、ロクサーヌの背中の毛をゆっくり撫でさする。

 彼女の存在を感じているだけで、幸せが溢れて止まらない。

 いつまでもこんな日々を過ごしていきたいなぁ。

 

 そうしているうち、いつの間にか眠りへ落ちていく……。

 

 

 

 

 

「んっ……」

 

 ……なんか、すべすべで気持ちいい。

 目が覚めると、体に滑らかな感触が伝わってくる。

 

「おはようございます、ご主人様」

 

 ああ、ロクサーヌが着ているキャミソールか……。

 

「おはよう、ロクサーヌ。昨日は本当に最高だった。ありがとう」

「私の方こそ、たくさんかわいがっていただきありがとうございます。購入した肌着はあと三つありますので、今日もたくさんかわいがってくださいね」

 

 そうだ。両方の店で二セットずつ購入しているんだ。

 今日も、明日も、明後日も新鮮な喜びを味わえる。

 

「もちろん。今日もよろしくね」

「はい! ご期待ください!」

 

 本当にこの娘さんは、朝イチからかわいさに満ちているなぁ。

 

「それじゃあ、準備をして迷宮に行こう」

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

 それから毎日、ひたすら魔物を倒し続け、夜はロクサーヌのランジェリー姿を堪能していった。

 一昨日は白で、昨日はピンクだった。今日は一体何色なんだろう?

 それを考えるだけで、モチベーションが湧き上がってくるぞ。

 

 

 

 

 

ベイルの迷宮

九階層

 

 

 

 

 

 いつものように繰り返し魔物を倒していく。

 同じことを続けているうちに、動きが最適化されているのだろう。

 サクサクと魔物を片付け、MP回復のタイミングで確認したところ、遂にそのときが訪れた。

 

田川 歩 男 18歳

探索者Lv30 英雄Lv25 魔法使いLv29 戦士Lv28

スタッフ 鋼鉄の盾 硬革の帽子 硬革の鎧 硬革のグローブ 硬革の靴 メギンギョルズ

 

「っしゃ!」

 

 それを目にした瞬間、思わず握りこぶしを作り、声を上げてしまう。

 

 探索者のレベルが30になった!

 とうとう派生ジョブの解禁だ!

 

「あの……、ご主人様?」

 

 ロクサーヌは戸惑ったようにこちらをうかがっている。

 

「探索者のレベルが30に到達した。確認を行うので、少し待ってもらえるか」

「そうだったのですね! もうすぐだとは思っていたのですが、こんなに早くですか! おめでとうございます!」

 

 そのことを伝えると、彼女のほうも一気にテンションが上がった。

 探索者になって二十日ほどでレベル30になっているのだ。興奮してしまうのも当然だろう。

 

「この成果は、ロクサーヌが魔物を素早く見つけ、注意を引いてくれるおかげだな。本当にありがとう」

「そんなことはありません。ご主人様の力が圧倒的だからです。私のしたことなど、些細なことです」

 

 謙遜の言葉を口にするが、大きく揺れている尻尾で褒められて喜んでいるのが丸分かりだぞ。

 本当にかわいい娘さんだ。

 

「いや、間違いなくロクサーヌのおかげでもあるんだから、そこはちゃんと誇ってくれ」

「ご主人様……。ありがとうございます!」

 

 うんうん。

 嬉しそうにしているロクサーヌを見ているだけで、幸せな気持ちになるな。

 彼女がしてくれていることに対して、感謝の言葉を忘れないようにしなくては。

 

「では、確認を行うので、周囲の警戒を頼む」

「はい、おまかせください」

 

 とりあえず、増えていた残ポイントをジョブ設定に振り、その画面を開いたところ、それを発見した。

 

料理人Lv1

効果 器用小上昇 体力微上昇 敏捷微上昇

スキル レア食材ドロップ率アップ アイテムボックス操作

 

 よっしゃ! ちゃんと料理人をゲットしている!

 レア食材ドロップ率アップは、魚を求めるミリアのためにも、食道楽を追求するためにも重要だからな。

 それに、ドラウプニルのレアドロップ率二倍と重複するのかを、そのうち確認してみよう。

 

 ……しかし、武器商人と防具商人は出なかったか。

 やはり、ウェブ版ではなく、書籍版以降に近い世界なんだろうな。

 

 

 

 ジョブの確認を済ませると、MP回復のためにポイントの振り分けを行い、準備が出来たところでロクサーヌに声をかける。

 

「無事、料理人のジョブを獲得していた。では、MP回復を行うので、魔物のところへ頼む」

「おめでとうございます。それでは、ご案内いたします」

 

 

 

 その後、朝食、昼食を挟みつつ、ルーティーン作業のように魔物を倒していった。

 異世界の迷宮を探索しているというより、日々の仕事をこなしているような感じだな。

 

 だがそれがいい。それで問題ない。ご安全にだ。

 この調子で地道なレベル上げをしていこう。

 魔物を倒して、ゲームのキャラではなく、自分自身のレベルが上がるとは、なんて幸せなことだろうか。

 

 

 

 

 

クーラタル

 

 

 

 

 

 ドロップアイテムの売却を済ませ、中心街へ向けて歩きながら、ロクサーヌに声をかける。

 

「ロクサーヌ、今日も俺が一品作ろう」

「ありがとうございます! 一昨日のビーフシチューも昨日のバターチキンカレーも、最高でした。朝食として食べたときも、味に深みが出ていて本当に美味しかったです……」

 

 なんか、すげーうっとりした顔をしてんなぁ。

 ここまで喜んでもらえると、本当に作り甲斐があるわ。

 

 さて、今日は何にするか……。

 

 あ、そういえば、ウサギ肉で唐揚げをしようと思っていたな。

 ウサギの肉はまだまだ残っているし、オリーブオイルも問題ない。それに、菜箸だって作ってある。

 昨日カレーに使ったスパイスもあるし、魚醬もバッチリ。コボルトフラワーは嫌って程あり余っている。

 あとは、ニンニクとしょうが、それにスライムスターチか。

 

 

 

 途中でニンニクとショウガを購入し、中心地にあるパン屋で買い物を済ませたところで、路地裏に入り、冒険者ギルドを思い浮かべながらワープゲートを展開した。

 

 

 

 

 

クーラタル郊外

アユムの家

 

 

 

 

 

 スライムスターチを購入して自宅に戻り、修行の前に唐揚げの仕込みを行う。

 

 鼻の利くロクサーヌが辛くないよう、確認をしてもらいながら、ボウルの中にすりおろしたニンニクとショウガに魚醬、それからカレーで使用したクミン、コリアンダー、シナモンを入れてかき混ぜる。

 そして、ウサギ肉を食べやすいサイズに切ってボウルにぶち込み、揉み込んだ。

 唐揚げ美味しく作るなら、もみもみだからな。

 本当はフリーザーバッグを使いたいところだが、限られた数しかないものを使うわけにはいかない。臭い移りなんてしたら悔やんでも悔やみきれないだろう。

 

 もみもみが終わると、一旦ボウルに布巾をかぶせ、漬け込んでおく。

 

 

 

 その間に修行をこなし、装備品の手入れを行い、風呂を沸かして、いつものルーティーンを終える。

 キッチンに行くとロクサーヌがスープを作っている最中だった。

 

 おっ。ミネストローネだ。

 ポトフも絶品だが、こいつも美味いからなぁ。

 

「じゃあ、隣を使うね」

「今日の料理はどんなものなのか楽しみです」

 

 ふっふっふー、ロクサーヌくんや、楽しみにしておきたまえ。

 

 収納棚からオリーブオイルを取り出し、次から次に薄皮を破り鍋へ入れていく。

 その行動に驚いたのか、彼女が声をかけてきた。

 

「あの……、ご主人様……、そんなに油を使うのですか?」

 

 なんかめちゃくちゃ引いてるぞ。

 この量の油を飲むとでも思われているんだろうか?

 

 まあ、揚げ物が一般的ではないなら、そう思っても仕方ないわな。

 

「大丈夫。この油を直接飲んだり食べたりするわけじゃないよ。高温の油で加熱する揚げ物という調理法なんだ」

「そうなのですね。でも、それなら調理に使った後の油はどうするのですか?」

 

 彼女は安心した表情を浮かべるも、俺の言葉に疑問を覚えたのだろう。不思議そうに問いかてくる。

 

「何度か繰り返し使った後は悪くなるから、そうなったら石鹸の材料にでもするかな」

 

 原作では確か、廃油と蜜蝋で蝋燭を作るといったエピソードがあったはず。

 蜜蝋をドロップするグラスビーの階層まで到達したら、作ってみるのもありだ。

 

 まあ、それまでは石鹸にしておこう。

 体を洗う他にも、洗濯用や食器洗い用で石鹸を使い倒しているからな。

 

 

 

 ……そういえば精油を買って、匂い付き石鹸を作るつもりだったのにすっかり忘れていた。

 明日は買い物の日だし、ハーブを扱っている店へ寄って、良い匂いの精油を買うことにしよう。

 

 ロクサーヌが見守るなか、火にかけた鍋に菜箸を入れて細かい泡が出たら準備完了。

 漬け込んでいたウサギ肉に、スライムスターチとコボルトフラワーの衣をまぶし揚げていく。

 

 

 

 すべて揚げ終わると、ロクサーヌが嬉しそうに口を開いた。

 

「こんな調理方法は初めて見ました。それにとても食欲をそそるいい匂いです」

 

 お嬢様はもう待ちきれない様子だぞ。

 

「それじゃあ、食卓に運ぼうか」

「はい!」

 

 

 

 ロクサーヌの作ってくれたミネストローネと、葉野菜のサラダ。俺の作ったウサギ肉の唐揚げにいつものパン。

 うん。どれも美味そうだ。

 

 ミネストローネを取り分けて声をかける。

 

「それじゃあ、いただきます」

「いただきます」

 

 とりあえず、唐揚げの出来を確認するため、フォークでぶっ刺し放り込む。

 

「あっふ! はふ、あふい」

 

 慌てて口の中に水を含んで熱さを和らげ、さらに手当を連発して口の火傷を癒す。

 

 あー、熱かったぁ。

 

「ご主人様、大丈夫ですか?」

 

 心配そうにこちらを見ながらロクサーヌが問いかけてきた。

 

「大丈夫、問題ないよ。熱々だからロクサーヌも気をつけてね」

「はい」

 

 それを聞くと安心したようで、フォークに差した唐揚げをフーフーして口に運ぶ。

 咀嚼をすると目を見開き、口の中の物を飲み込んで大きな声を上げた。

 

「ご主人様、とてもおいしいです! 外側はサクサクなのに噛むと肉汁が溢れて、それがスパイスと合わさることで、素晴らしい味になっています!」

 

 おおー。お嬢様も大興奮だ。

 

「気に入ってもらえて良かった。たくさんあるから、ドンドン食べてね」

「ありがとうございます。こんなに美味しいものを食べることが出来るなんて、私は本当に幸せ者です」

「大好きなロクサーヌに喜んでもらえた俺の方が幸せ者だよ」

 

 彼女は照れたような表情を浮かべ、口を開く。

 

「もう。すぐにそういうことを言うのですから。本当に困ったご主人様です」

 

 そんなことを言われても、本当のことなんですもの。

 

 

 

 

 

 いつものように風呂に浸かりながら、ロクサーヌの体を抱きしめていると、彼女は俺へ体重を預け、リラックスした様子で話しかけてきた。

 

「今日の唐揚げは本当に美味しかったです。あれは絶対にセリーの歓迎会に出すべき料理だと思います」

 

 そんなに気に入ってもらえるなんて、本当に作ってよかった。

 

「それじゃあ、唐揚げは決定ということで。他にはロクサーヌのポトフも本当に美味しいから、是非セリーにも食べてもらおう」

「ふふ。ありがとうございます」

 

 あとのメニューは、もうすぐ出来上がる、フードプロセッサー兼撹拌器を使った料理を食べてもらってから検討しよう。

 

 

 

 ……抱きしめていた手を離し、水の浮力により重力の軛を逃れているそれへ手を添える。

 毎日触れるたびに感動してしまう。本当になんと心地良い感触なのだろう。

 今俺の手が触れているのは脂肪の塊ではなく、幸せそのものだ。

 はみ出す程の幸せが我が手の中にある……。

 

「んっ……」

 

 ゆっくり揉みしだいているとロクサーヌの声が漏れた。

 

「あの……。もっと強い方が、その……」

 

 かわいらしいおねだりに応えて手に力を込め、彼女の口から漏れる声を堪能する。

 

 

 

 

 

田川 歩 男 18歳

探索者Lv30 英雄Lv26 魔法使いLv29 戦士Lv28 僧侶Lv15

 

BP振分 残BP:3

キャラクター再設定:1

フィフスジョブ:15

必要経験値十分の一:31

詠唱省略:3

鑑定:1

ワープ:1

ジョブ設定:1

MP回復速度二十倍:63

敏捷:9

 

所持金:1,033,160ナール

 

春の21日目

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