稲妻の剣鬼   作:you are not

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六幕「荒瀧一斗対鬼刀斎」

 

「流石に…骨が折れるな」

 

ここにして、初めて鬼刀斎は疲れを見せ始めた。ここまで本当に長かった。、綾人が足元を攻撃して防御を崩し、早柚や私で近距離戦で戦い、宵宮が狙撃でアシストしながら、神子や沙羅は状況に合わせて殺生株や鳥羽を巻いて戦場をかく乱する。後は怪我を負った人から忍が回復させる。この連携を続けて30分ほどでやっと鬼刀斎と互角なのである。相性の問題もあったのだろうが今のところはうまく戦えている。

 

「この鬼刀斎ここまで追いつめられるとは久方ぶりだ。肝を冷やしたものよ…だが、それもここまでだ」

 

【無常の一太刀】

 

正眼の構えを取った後、鬼刀斎の姿がぶれる。残っているのはくっきりと地面に付いた草鞋の足跡だけだった。後ろで風切り音が遅れて聞こえてくる。

 

「っ!どこに!?」

 

「旅人後ろだ!忍の方にいる!」

 

振り返ると宵宮と沙羅の弓が真っ二つにされていた。これでは狙い撃ちできない。

 

「!?」

 

鬼刀斎はこの陣形の要である忍に狙いを定めてきたのだ。パイモンの時と言い、こいつはほんとに一斗と同じ人物なのかと疑いたくなるほどに卑劣だ。

 

「まずは、回復を担う貴様を狙わせてもらう!」

 

忍が鬼刀斎の毒牙にかかるその時、鬼刀斎の太刀が止まる。

 

「なぜ…!?」

 

『俺様の……俺様の子分に何しやがる!』

 

二つの言葉は鬼刀斎の体から交互に発せられた。この現象にその場の者は困惑を隠せなかった。八重神子ただ一人を除いて…

 

「なるほどのぉ…どうやら妾たちの予想もしていなかったことが起きていおったようじゃ」

 

この一言で皆の視線が鬼刀斎から八重神子に移る。

 

「神子、一体どうゆうことなんだ!?」

 

パイモンがみんなを代表して神子に問いかける。

 

「うむ。じゃが、その前にやるべきことがあるのぉ」

 

神子は鬼刀斎にもっと旅人に近づいてくれといい旅人が渋々いう通りにした後、大幣を一振りする。

 

「旅人よ、その体ちと借りるぞ?」

 

その言葉と共に旅人の意識は途絶えた。

 

 

――――――

 

 

「荒瀧派初代親分荒瀧一斗見参!!」

 

蛍の姿で、歌舞伎の見得のポーズをとる。旅人改め荒瀧一斗は旅人の持っていた剣を持ったまま、元の体である鬼刀斎に突撃していった。

 

「えぇ、旅人が一斗になっちゃたぞ!?」

 

「うむ、成功したようじゃな」

 

一人納得する神子に周りのものは先ほどよりも必要に説明を求めた。

 

「そうじゃの、妾の憶測に過ぎんが今のあやつは恐らく二人分の心を持っておる」

 

「??」

 

パイモンはわっかんねという顔をする。

 

「つまりは、一斗と言う善の人格と鬼刀斎という悪の人格に別れているというわけじゃ」

 

すると、周りの人たちは理解したものといまいちピンとこないものとでわかれた。

 

「なるほど、大体わかったぞ!つまり、荒瀧親分と鬼刀斎は別人なんだな!でもなんで、別れさせたんだ?」

 

「簡単よ、本人の禍根はその者にすすがせなければならんからの他人ができるのは支え、励まし、見守る、それだけじゃ」

 

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