異世界帰りの呪術師   作:北山 真

1 / 30
 前に書いていた作品はエタってしまったのですが、アニメ呪術廻戦とグランブルーファンタジーとのコラボを見て、妄想が捗り、書きたいという意欲が湧いてしまった結果、書いてしまいました。
 今回はエタらない様に頑張ります。
 
 また今回の話は説明が非常に多い話となっているので、サラッと読み流しても大丈夫になっております。
 それでは、本編をどうぞ。


長い長いプロローグ

 

 

 突然だが、俺の半生を語らしてくれ。

 俺の名前は禪院直樹(ぜんいんなおき)。呪力という人の負の感情から生み出されるエネルギーを用いて、呪霊という怪物を祓うことを生業とする呪術師の家系に生まれた。

 付け加えるなら、禪院家は御三家と呼ばれるほどの呪術師の大家であり、さらに数多くいる禪院家の中でもその当主、禪院直毘人(なおびと)の末の息子として生まれた。

 

 物心がついた頃。具体的に言うと、自身の年齢が3歳と堂々と人に答えられていた頃には、既に呪力を扱うための訓練をさせられとった。

 とは言え、あまり厳しい訓練をつけられていたわけじゃなく、あくまでも呪力に慣れ親しむことを目的とした軽い運動だけやったが。

 後から聞いた話やけど、この時点で歳の離れた兄の直哉(なおや)が、秀でた才を見せてたことから、次期当主候補として、俺は期待されていなかった。やから、厳しい訓練を課せられていなかったらしい。

 

 その状況が変わったんは、俺が5歳になった誕生日のことやった。

 父は、孫と言えるほど歳の離れた俺のことを可愛がることも多く、父の趣味のアニメ鑑賞を2人ですることも度々あった。

 誕生日のその日も、直毘人の私室にて「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ」いう映画を見とった。

 廃映画館「カスカベ座」の中でしんちゃんがトイレに立ったと同時に急に眠気が込み上げて来よった。

 急激な眠気に抗えず、気を失うように眠り目が覚めると

 

 

 ()()()()()()()()

 

 

 意味がわからんかった。誘拐されたとか、催眠術にかかっているとか、この状況をどうにか説明がつくようにと、必死になって色々考えとった。

 考えたものの状況を理解が出来るはずもなく、とりあえず近くに見える町に入った。

 その後の事は大体「夕陽のカスカベボーイズ」の通りになった。

 野原一家も荒野の映画の中に入り込んできて、荒野の映画から脱出するために力を合わせて、最終的には悪役ジャスティス刑事を倒したことにより、ハッピーエンドで荒野の映画は終了した。

 そして、荒野の映画が終了したと同時に俺は禪院家に帰って来た。

 ようやく家に帰ったことに安堵し、誰もいない直毘人の私室から出て、自分の部屋に向かって家の中を歩いていると、俺の顔を見た屋敷の人間が「帰って来た」と何度も叫びながら家の中を走りはじめよった。

 

 しばらくして、俺は直毘人の私室にて直毘人と対面しとった。

 直毘人はまず1番先に、俺にどこに行っていたか聞いた。俺は正直に「ジャスティスシティ」と答えた。

 何かに得心がいった直毘人から、その後も幾つかの問いかけに正直に答えた。

 

 その結果。俺の術式がおおよそ判明した。

 術式とは、呪力をエネルギーとして呪術師が起こす術のことだが、俺の能力は過去に類を見ない『異世界転移』の術式だと判明した。

 

 その次の日から呪力の訓練が非常に厳しくなり、直毘人からも直接指導を受けるようになった。直毘人曰く「いつどんな世界に行くとも限らないのであるならば、自分の身を守れるように力をつけなければいけない」とのことやった。

 いきなり厳しくなった訓練のせいで、直毘人を「クソ親父」と呼ぶようになったが、手心は加えてもらえへんかった。

 また、どこから話を聞きつけて来たのか直哉も訓練に参加し始めて、俺にキツく当たるようになった。訓練中ことある毎に「雑魚」だのなんだのと言われたから、俺も「クソ兄貴」と呼ぶようになった。

 生意気と思われて余計にボコボコにされたが。

 

 そんな事が続き2年が立った頃。術式を自分で発動させようと思っても発動せず、勝手に発動することもなかったから、気が緩みきっていた頃にまた術式は発動した。

 その日の分の訓練が終わり、疲れ果てた体で自室に戻って布団に倒れ込み、気絶するように眠った後、目が覚めると俺は()()()()におった。

 その後、周囲の同い年ぐらいの子供達に話を聞くと、そこはゲームの中やった。

 そしてゲームをクリアするために、ジャック・ザ・リッパーを捕えるため、ロンドンの街を回ることになった。

 その最中に、次々と起こる事件により参加者が消えていく中、俺もその中の1人となりゲームから退場した。その後、江戸川コナンの活躍によりゲームクリアとなった結果、俺は現実の世界に帰って来れた。

 

 その後、また直毘人との面談により俺の行った世界が判明したが、正直に言うて、めっちゃ怖かった。「クレヨンしんちゃん」の時はコメディ感が強くて、あまり実感が湧かへんかったが、俺の術式は、俺を容易く死の世界へ転移させることをその時にようやっと実感した。

 その次の日から訓練に対して一切気を緩めることはせえへんくなった。

 また、直毘人にこれまでの態度を謝罪して、呼び方も「親父」に戻して、さらに厳しく指導してくれることを望んだ。親父が正しかった。親父は俺の命を守るために厳しく指導してくれとっただけやった。

 ただ、クソ兄貴は指導ではなく体罰、あるいは己より弱い俺をいたぶり、虐待することに愉悦を見出すだけやったから、呼び名は変えへんかったが。

 

 その後、俺は急激に成長していった。

 それは、厳しく修練していたからという事も理由のひとつやったけど、1番大きな理由は、俺が疑似的とはいえ死を経験したからやった。

 呪力が、負の感情を元としてエネルギーを引き出すが故だからか、死に際になって覚悟を決めた呪術師が、成長することは稀にあるらしい。逆に言えば、死に際になっても成長出来ひんやつはそのまま死ぬいうことらしいが。

 

 順調に成長していく俺やったけど、『異世界転移』術式の制御は順調にはいかへんかった。

 大小様々な異世界転移を経験したが、特に印象に残るものを挙げていくなら

 

 10歳の頃に「ポケットモンスター ディアルガVSパルキアVSダークライ」の世界に行き、サトシと共に伝説のポケモンが引き起こす事件に巻き込まれた。

 時にポケモンの助けを借り、時に呪力で強化した肉体でポケモンをぶん殴り、事件が解決した時には伝説のポケモンの力によって元の世界へと帰って来た。

 

 11歳の頃に「デジモンアドベンチャー」の世界に行き、八神太一らと共に電脳空間を一夏の間旅した。

 こん時は、初めての長期間にわたっての異世界転移だったことも含めて、非常に大変やった。

 時にデジモンを助け、デジモンに助けてもらった。

 また、時にはデジモンを蹴り飛ばし、時には仲間と喧嘩して、最後には仲間全員で、それぞれ元の世界へと帰ることが出来た。

 

 12歳の頃にクソ兄貴との修行中に、何にイラついたんかは知らんけど、術式を使われてしばらくの間意識不明にされたこともあった。

 呪術を学ぶ教育機関である呪術高等専門学校に勤める家入硝子(いえいりしょうこ)による、反転術式という負の感情から発生した負のエネルギーである呪力を、正のエネルギーに変換して肉体を癒すという高等技術により、肉体的には万全の状態になるも目が覚めず。一時期は脳死状態と疑われる状態に陥ったこともあったらしい。

 

 らしい言うのは、実際には臨死体験という形で死後の世界のとある学校に通っていたからや。その世界では死んでも蘇るため、幾度かの死と蘇生を繰り返すことになった。

 その結果、また一歩成長して、俺も反転術式を扱える様になった。

 まあ、その時には他人に使えるほど習熟できてへんかったけど。

 最終的には全く通えてなかった学校生活を満喫した後、卒業式という形で無事にその世界から成仏し、臨死体験から回復する事が出来た。

 

 13歳になり、本来なら中学生になっていたはずの時には非常に長い間、異世界転移した事があった。

 転移先では同い年の沢田綱吉(さわだつなよし)、通称ツナが、リボーンという赤子の家庭教師から強制的にボンゴレ言うマフィアの十代目となるように強要され、様々な問題に晒されとった。

 俺は不審な人間としてリボーンに疑われた結果、一対一の面談を行った。

 最終的にはボンゴレの外部協力者という立場になって、ツナを中心として起こる事件に巻き込まれていった。

 

 十代目の座をかけたヴァリアーいう組織との決闘では修行に協力し、その直後に10年後の世界へ飛ばされた時には、死ぬ気の炎と呼ばれる人間の生体エネルギーをリングを通して扱う術を身につけた。

 特に反転術式と特性が似通った「活性」の力を持つ晴の炎を、反転術式により生じた正の呪力により扱う事で、高いレベルで他者への反転術式を可能とすることに成功した。

 10年前の世界へと戻った後に起きた戦いの数々では、主に回復役として、怪我を負った人々の治療を請け負った。

 

 全ての戦いが終わった後には、夜の炎と呼ばれる空間転移を可能とする能力を習得することに成功した。

 教えてくれたバミューダも驚愕しとったが、この能力は呪力の特性と、俺の術式との類似性があった。

 まず、バミューダが絶望をエネルギーとして会得したこと。これは呪力が負の感情のエネルギーという点で同じやった。また、俺の術式が異世界転移という夜の炎の空間転移能力の亜種とも言える力やったこと。やから、夜の炎を習得出来るという確信が俺にはあった。

 結果として夜の炎を習得した俺は初めて自力で異世界からの帰って来れた。

 お土産として等級の高めの晴のリングと、呪力を流し込んで呪具化した夜のリングと言えるものを持ちながら帰って来れた。

 

 その翌年、14歳になる前の頃、転移した先は人喰い鬼の蔓延る大正時代の異世界の日本やった。

 転移直後に人食い鬼に襲われ、反射的に呪霊やと勘違いして、反転術式による正のエネルギーを叩きつけると、途端に灰となって消滅した。

 その様子を煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)やと名乗った、燃え盛る炎を体現した様な、凄まじい存在感を放つ男に見られて大変なことになった。

 初めは、俺の呪力による力を鬼の特殊能力である血鬼術やと疑われたけど、徐々に俺のことを信用してくれる様になり、力を合わせて鬼と戦うようになった。

 その過程で、煉獄さんに半強制的に弟子にされ、鬼殺隊という鬼退治の組織に協力する事となり、炎の呼吸という戦闘技能を教えてもらいながら、鬼を討滅する任務をこなしていった。

 

 その後は様々な事が起きた。鬼殺隊最高戦力の柱という階級の者が集まり行う柱合会議に参加した事。無限列車での死闘、その直後に起きた強力な鬼と煉獄さんと協力して戦ったこと。翌年には柱による厳しい稽古。そして、鬼の親玉鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)が率いる鬼の勢力との決戦。その果てに起きた、竈門炭治郎(かまどたんじろう)の鬼化。

 

 全ての事件を解決し、負傷者への反転術式の治療後、生き残った鬼殺隊のメンバーに見送られながら、選別として幾本かの日輪刀をもらって、夜の炎によって帰還した。

 

 ここまでが俺のこれまでの人生やった。

 

 そして現在…

 

 

 【2017年 12月24日】

 

 

 クリスマスイブ当日。俺は京都におった。

 

 高め建物の屋上に立って、眼下の街を見下ろしている。

 

 最悪の呪詛師夏油傑(げとうすぐる)によって解き放たれた、千体にも及ぶ呪霊と、それに協力する呪詛師共との戦いのために。

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。