ファン3号 あのバンドとの出会い編(Bocchi meets fan of 3)   作:strawberrycake

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お久しぶりです。

一人暮らしに慣れてきたと思ったら、仕事の異動の話があったり、引っ越しなるかもしれないという話でバタバタしたりで、結局また半年弱も空いてしまいました…(汗)

そんな忙しない日々の中で、ぼざろの2期制作決定の発表があったり、本作を読んだ方からトゥイッター経由で感想を頂いたりと、モチベーションが上がる出来事があって無事第4話を書き上げる事ができました!

それでは、第4話をご覧ください!






第4話 ロックは生きている!

 

 

 

金沢八景で奇跡的・音楽的な出会いがあってからというもの、東京でも偶然的な巡り合わせが連続して路上ライブ演者2人がそれぞれ所属する各バンドのメンバーとの横の繋がりが出来る機会があった。

 

 

ここまで来ると、益々僕自身がモブとして通常営業をしているかどうか怪しくなってくるほど目立ち始めている感が否めないが、きっとまだ多分大丈夫だろう。

 

あくまで僕は結束バンドのファン三号。

彼女たちの物語に大きく関わることのない、物語の背景的な存在であるべきなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪ ♪ ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、気がつけば結束バンドのライブの日である当日がやってきていた。

 

天気予報では日本の南海上を通過すると告げていた台風8号の進路予想。

これによりライブ当日は高確率でHallelujah…じゃなかった晴れ晴れとした天気になるはずだった…

 

だったのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

(ザーザー…ヒューヒュー……)

 

 

外は大荒れの天気…台風8号は無情にも進路予想を外れ、モロに本州に上陸したのだ。

 

まるで、今日の日に向けて頑張って練習したであろう結束バンドのメンバーを嘲笑うかのように…

 

 

本来ならば安全のためにも家でじっとしていたいところではあるが、ひとりちゃんや結束バンドの他のメンバーからの期待を裏切る事など到底できない僕は、意を決してSTARRYへと向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪ ♪ ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レインコートを着て、傘を持って雨対策万全に出かけたものの、それでも全身びしょ濡れになる事は避けられないほど強い雨と風に僕はやられていた。

 

時間にかなり余裕をもって家を出たものの、台風の影響で公共交通機関が麻痺していて思うように先へ進めず、下北沢駅に着いた時には間も無く結束バンドのライブ開演時刻になろうとしていた。

 

 

下見で確認した距離的に普段なら走ればギリ開演に間に合うだろうと思うものの、雨風が強すぎて走る事はおろか歩くのもしんどい状態だから、ライブ冒頭の見逃しは避けられないだろうな…天気のせいとはいえ本当に申し訳ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪ ♪ ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞いてください、私たちのオリジナル曲で…」

 

「『ギターと孤独と蒼い惑星』」

 

 

なんとかSTARRYに到着して急いでステージに向かうと、今まさに結束バンドの演奏が始まるところだった。

 

冒頭のMCから観覧できなかった事が悔やまれるが、演奏開始にギリギリ間に合ったのは不幸中の幸いだ。

慌てたあまりにドリンクチケットの引換をせずにステージへと来てしまったが、後から引き換えに行けば問題ないだろう。

 

 

 

【♪突然降る夕立 あぁ傘もないや嫌♪】

 

【♪空のご機嫌なんか知らない♪】

 

 

 

金沢八景で聞いたひとりちゃんのギターに加えて、更に3人分の楽器が加わった演奏はそれなりに迫力があって、観客としてライブを見る経験など今までなかった僕にとってはそれなりに興奮に値するものを感じている。

 

だが…

 

 

 

【♪季節の変わり目の服は 何着りゃいいんだろ♪】

 

【♪春と秋 どこいっちゃったんだよ♪】

 

 

 

音楽的に素人な僕からしても、バンド全体の演奏がおぼつかないように思えてしまう。

 

なんと言えばいいのか、初めて聞く曲であるものの明らかに音楽のリズムが上手く噛み合わずにズレまくっているような気がして、なんだか少し違和感がある。

 

それに…

 

 

 

【♪息もできない 情報の圧力♪】

 

【♪めまいの螺旋だ わたしはどこにいる♪】

 

 

 

ボーカルである喜多ちゃんの声がどことなく本領発揮し切れていない気がする。

 

きっと、台風のせいで思ったほど観客が集まらなかった事に動揺を隠せないまま本番を迎える事になってしまったせいなのだろう…

 

タダでさえ大緊張している事が想像に難くないから、余計に悪循環になっているように思えて仕方がない。

 

 

 

【♪こんなに こんなに 息の音がするのに♪】

 

【♪変だね 世界の音が しない♪】

 

 

 

しかし本番は、音楽は待ってはくれない。

 

そしてメンバー全体の気持ちは乱れたまま…

 

 

 

【♪足りない 足りない 誰にも気づかれない♪】

 

【♪殴り書きみたいな音 出せない状態で叫んだよ♪】

 

 

 

歌はサビへと突入する。

 

個性豊かなメンバーが上手く結束して欲しいという気持ちを込められて名付けられたであろうバンド名とは裏腹に、空回ったまま軌道修正できないといったどうしようもない状態を、悲鳴を、そのまま歌声と歌詞に載せながら…

 

 

 

【♪「ありのまま」なんて 誰に見せるんだ♪】

 

【♪馬鹿なわたしは歌うだけ♪】

 

【♪ぶちまけちゃおうか 星に♪】

 

 

 

彼女たちはこんな演奏を観客に見せるために練習してきた訳ではないはずだ。

 

少し前に下北沢駅で見た彼女たちの仕草からも、一生懸命さがとても伝わってきていた。

 

だとするならば、こうなってしまったのは全部天気のせいなのだろう。

 

くぅ…台風め!!

なんで大人しく日本の南海を進まなかったんだ!!!

 

 

「『ギターと孤独と蒼い惑星』でした…」

 

 

そうこうしているうちに、彼女たちにとっては恐らく本調子を取り戻せないままといった様子のまま、1曲目の演奏が終わってしまった。

 

しかし…

 

 

「やっぱ全然パッとしないわ」

 

「早く来るんじゃなかったね」

 

 

現実は残酷で、恐らく他のバンドを見るために足を運んだであろう観客たちから冷たい言葉を浴びせられてしまう。

 

 

「あっ え〜っと…」

 

「喜多ちゃん、次の曲紹介しないと!」

 

「はっ はい!」

 

「次も私たちのオリジナル曲で…」

 

 

確かに、1曲目の演奏はお世辞にも上手いとは言えず、素人の耳からしても聞き心地はあまり良くない気がしてしまった。

 

ただ本当に天に見放され、運に恵まれなかっただけなのだろう…そう思わないとやり切れないほど僕自身も辛かった。

 

せめて、このライブが終わったら彼女たちに会って労いの言葉をかけてあげよう。

 

そう思った次の瞬間…

 

 

「〜♪♪♪」

 

「〜♪♪♪♪」

 

「〜♪♪♪♪♪」

 

 

なんと、ひとりちゃんがいきなりソロ演奏を始めたのだ!!

 

突然の事に驚く周りの人たちと僕。

 

 

しかし、このソロ演奏で素人の僕でも感じ取れるほど、周りの雰囲気はいい方へとガラリと変わった気がした。

 

某吹奏楽アニメでもみんなが緊張する中で孤高のトランペッターがいきなり音を出して場を和ませる場面があったが、それと同じような効果がこの場にも確実に現れた。

 

 

「♪♪♪♪」

 

「〜♪」

「〜♪」

「〜♪」

 

 

それを証明するかのように、虹夏ちゃんのドラムが入り、続けて他の3人も演奏を始める。

 

さっきの空回りが嘘みたいに、演奏が安定しているように聞こえる状態で2曲目へと突入した。

 

 

 

【♪あのバンドの歌がわたしには♪】

 

【♪甲高く響く笑い声に聞こえる♪】

 

【♪あのバンドの歌がわたしには♪】

 

【♪つんざく踏切の音みたい♪】

 

 

 

喜多ちゃんの歌声もさっきと比べたらかなり安定してきているように感じてホッと胸を撫で下ろす。

 

私が2度会う中で人見知りの印象が強いと感じたあのひとりちゃんがバンドメンバーの窮地を救った…そんな気がした僕はなんだか感動を覚え始めていた。

 

 

 

【♪背中を押すなよ♪】

 

【♪もうそこに列車が来る♪】

 

【♪目を閉じる 暗闇に差す後光♪】

 

 

 

そして、2曲目もサビへと突入した。

 

彼女たち、めっちゃいい演奏するじゃん!

 

諦めずに彼女たちを信じてよかった…!!

 

 

 

【♪耳塞ぐ 確かに刻む鼓動♪】

 

【♪胸の奥 身を揺らす心臓♪ 】

 

 

 

 

ここに来るまで台風のせいで散々だったものの、無理をしてでもここに来てよかった…♪

 

 

 

【♪ほかに何も聴きたくない♪】

 

【♪わたしが放つ 音以外♪】

 

 

 

そして、いい演奏を保ったまま2曲目が終了した。

 

感動した僕は結束バンドに向けて大きな拍手を送っていると…

 

 

「ちょっといいじゃん!」

 

「ねっ!」

 

 

さっきまで冷たい視線だった観客も、感動した様子で褒め言葉を発していた。

 

 

「めっちゃカッコよかった!」

 

「ねぇ〜!」

 

 

前からも、興奮した観客の声が聞こえてきた。

 

バンドの窮地を救いたいと無我夢中で必死にソロ演奏したであろう、我に帰ったひとりちゃんが突然固まり、恐る恐る後ろを振り向くが…

 

 

「…!♪(ニコッ)」

「…♪(スマイル)」

「…♪」

 

 

メンバーたちはひとりちゃんに笑顔でアイコンタクトを送る。

 

そして…

 

 

「2曲目、『あのバンド』でした!」

 

「じゃあ次、ラストの曲です!」

 

「『ドッペルゲンガー』」

 

 

 

「〜♪(ジャーン)」

 

「♪♪♪♪」

 

「〜♪」

 

「〜♪」

「〜♪」

「♪♪♪♪」

 

 

 

最高な雰囲気の中、最後の曲の演奏が始まった。

 

さっきまでの悪循環な流れは完全に消え去っており、4人の演奏はイントロの音からいきなり僕の心をひきつけてきた。

 

 

 

【♪近づいてくる 足音がする♪】

 

【♪後ろの正面は誰?♪】

 

 

 

喜多ちゃんの歌声が歌詞と共に僕の中にスッと入ってきた。

 

ドラムもベースもギター2つも、いい意味でこの場を支配するかの如く奏でる演奏で、耳にすんなりと入ってくる。

 

 

 

【♪まんまるの銃口がこめかみを冷やすんだ♪】

 

【♪心臓の位置を確認するとき♪】

 

【♪ついに奴の顔を見た♪】

 

 

 

気分はもう、結束バンドの演奏にロックオンされたようだ。

そしてどんな歌詞が飛び出してくるのかワクワクする自分が居た。

 

今なら彼女たちの演奏に、発砲された弾に撃たれて○されたって構わないという錯覚に陥るほど、僕は彼女たちの演奏に完全に夢中になっていた。

 

 

 

【♪ドッペルゲンガーは言った♪】

 

【♪君は僕で僕は君なんだ♪ 】

 

【♪ねえ 代わってあげる♪】

 

 

 

そして3曲目もあっという間にサビへ。

 

僕が素人すぎて言葉のボキャブラリーに乏しくて、この感情を上手く表現できないのが申し訳ないほど歌詞と演奏が見事にマッチした迫力のあるライブが繰り広げられている気がして、さっき以上に興奮が冷めやまない状態になっていた。

 

 

【♪ほら息を吸って吐いて♪ 】

 

【♪それだけで十分だよ♪ 】

 

【♪怖がる心 捨てていいんだよ♪ 】

 

【♪僕が君を 救ってあげる♪ 】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪ ♪ ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、最高な演奏の余韻が残る中、結束バンドのライブは無事終了した。

 

まさか、涙腺を軽く壊されるとは思いもしなかったな…あんな凄い歌詞を散りばめてオリジナル曲として仕上げてくるとは控えめに言って凄いよ君たち!

 

 

状況が状況なだけあってしっかりと歌詞まで堪能できたのは最後の曲だけではあったものの、前2曲の歌詞も機会があればじっくりと堪能してみたいと思った。

 

この瞬間、私は本当の意味での結束バンドのファンになれた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪ ♪ ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結束バンドのライブが終わってからトイレを済ませ、今更ながらドリンクチケットを引き換えて飲み物を飲んでいると、もう一つの目的を思い出した。

 

そう、廣井きくりさんにこの前貸した電車賃の千円を返してもらう事だ。

 

少し前に山手線で遭遇した時には酷い有様ではあったものの、流石に千円を返済する約束までは忘れていないだろう。

寧ろ、忘れていられたら非常に困る。

 

 

という事で、ライブハウスに来ているであろうきくりさんを探していたら、なんと意外な場所に居た。

そう、関係者しか入れないバックヤードで、何やら結束バンドのメンバーたちと会話している様子だった。

 

今日は恐らく観客として来ているはずなのにいいのか? そんなところに入って…

バンドメンバーと会話できるVIP観客か何かか?と思ったものの、あの酒癖強いきくりさんなら普通の観客でもバックヤードにも入りかねない気はした。

 

店長さんにとっては大学時代の後輩で一応身内だから緩い感じなのかな…少し前に僕がSTARRYに来た時も「特別」といったくせに、なんだかんだVIP的にもてなしてくれてたしな…ツンデレ店長さん。

 

 

「ヘクシュン!! ん〜?」(※音夏から少し離れた場所で)

 

 

とはいえ、流石に僕までバックヤードに入る訳にはいかないし、どうしたらいいものか…

やはり、きくりさんがバックヤードから出てくるのを待つしかないのだろうか…?

 

 

「あら〜? そんなところから覗いてどうかしたんですか〜?」

 

「ひっ!?(汗)」

 

 

きくりさんの様子を観察するのに夢中になっていた僕は、背後から人が近づいているのに気がつかなかった。

 

その人は耳や口元にピアスを沢山付けており、威圧感あるロックな雰囲気から思わず素早く距離を置いてしまったが、ここのスタッフさんなのだろうか…?

 

 

「すみませんが、ここから先は関係者以外立ち入り禁止なんですよ〜」

 

「あっ、す、すみません! 実はバックヤードに今居る廣井きくりさんに用事がありまして…」

 

 

やっぱり勝手に入っちゃダメじゃないかきくりさん…というのは置いといて、目の前のスタッフさん(後から聞いた話だとPAエンジニアのスタッフさんだったようだ)に事情を説明したところ、そのまま店長さんに話を通してもらった上で特別にバックヤードに通してもらえた。

 

僕がバックヤードに入り始めてからもきくりさんは結束バンドのみんなとまだ会話を続けている様子ではあったものの、一旦話に水を差してでも返してもらわなければならない…これは約束なのだから。

 

 

「あっ、音夏さんだ!」

 

 

自分からきくりさんに近づいて話しかけようとしたら、その前に虹夏ちゃんが真っ先に僕の姿に気がついた。

 

 

「音夏さん! こっちにも来てくれたんですね!」

 

「おっ、鈴じゃーん! いやぁ〜今日の結束バンドのライブ最高だったねぇ〜!」

 

「あっ、ど、どどど、どうも…」

 

「楽しい話の途中ですみませんが、きくりさん、先に約束の千円を返してもらってもいいでしょうか?」

 

「あれ〜千円…何のことだったっけ?」

 

「忘れたとは言わせませんよ? ほら、金沢八景から帰れないからって事で千円渡しましたよね?」

 

「廣井さん、音夏さんにお金借りてたんですか?」

 

「あっ、カクカクシカジカなわけで、わ、私の代わりに音夏さんが貸してあげていたんです…」

 

「えぇ〜↓…(事情を知って引いて)」

 

(廣井さんって、意外と貧乏なのかしら…?)

 

 

借金返済を優先して結束バンドの方を一瞬放置しているのが少々申し訳ないが、金銭の約束の方がよっぽど大事だからそこはしっかりしないとな…

 

 

そんなこんなで、僕が言うまでは完全に忘れてた様子のきくりさんであったものの、結束バンドのメンバー3名の後押しもあって結果的には千円を返還してもらう事ができた。

 

その後はライブ中に僕が心の中で宣言した通り、結束バンドメンバーに対して演奏に関する褒め言葉をかけて暫く話した後、楽しい時間はあっという間に過ぎてそろそろおいとましようとしたが…

 

 

「では、僕はそろそろこれで…」

 

「あれー? もう帰っちゃうのー?」

 

「? そうですけど何か?」

 

「この後結束バンドで打ち上げがあるみたいだから、鈴も一緒にどうかなーって思ったんだけどね!」

 

「いやいや…僕、ライブハウスや結束バンドの関係者外ですよ? ただのファンである僕がそんな関係者のみの打ち上げに参加するのはどうかと…」

 

「えー、いいじゃん! 私も参加するし、鈴も思い切って参加しちゃいなよー!」

 

「そうですよー! 駅で会ってからずっと音夏さんの事気になってて話したい事いっぱいありますし!」

 

「きくりさん!? 喜多ちゃん!?」

 

 

あれっ、元はといえばきくりさんからの千円返納が大目的でバックヤードに入ったはずなのに、なんか凄い事に巻き込まれようとしてる??(汗)

 

 

「あはは…喜多ちゃん、音夏さんと話したがってたもんね? ちなみにぼっちちゃんはどう?」

 

「あっ、み、みなさんが問題ないという事なら、わ、私も特に問題は…」

 

「そ、そっか…じゃああとはリョウ次第かぁー…」

 

「それにしてもリョウどこいったー?…って、あんなところで寝てる!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪ ♪ ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ:今日の結束バンドの話イ】

『Ryo meets fan of 3』

 

(数分後)

 

「あれっ、いつの間におまけに切り替わってる!?」

 

「あっ、『本編と直接関係する内容なのでそのまま本編と繋げてみた』って、どこかの誰かさんが…」

 

「そしてどこかの誰かさんって、本当に誰?(汗)」

 

「これが本当の『おまけも本編』…」

 

「君たち急にメタるねぇ…?←」

 

「………ん…?」

 

「あっ、リョウ先輩が目覚めたみたいですよ!」

 

「リョウ! もー、こんなところで寝てたら風邪引くでしょ!!」

 

(本当にクサタベテタ時点で既にアウトな気が…)

 

「とことんワイルドなリョウ先輩も素敵!♡ 私も見習わないと!」

 

「喜多ちゃん〜? 寧ろ見習っちゃダメな人だからね〜?(汗)」

 

「ごめん…緊張が解けたら急に疲れが出て寝てた…」

 

「もう、リョウは相変わらずなんだから…(汗)」

 

「あっ、紹介しますね! この子はベースの山田リョウです!」

 

「えっと、寝起きで自己紹介していいかどうか分からないけど…結束バンドのファンとなったファン3号と申します、よろしくお願いします」

 

「おー、この人が…こちらこそよろしく」

 

「それで今ね、こちらのファン3号さんが結束バンドの打ち上げに参加しそうな流れになっているんだけど、リョウはどう思う?」

 

「えっ、この人も参加するの!!?」

 

「!? び、びっくりした…そ、そうだよね、急に僕なんかが参加してm…」

 

「ライブ中に見かけて様子を見てましたけど、確か私たち1人1人を目線で追ってましたよね?」

 

「もしかして、音楽に興味があったり…する人?」

 

(!?)

 

(無言で少し怖い印象があったけど、きくりさんみたいにこの子も私の視線の動きを見抜いていた!?)

 

「た、確かに4人全員の演奏を順番に見守っていたけど…音楽についてはみんなほど詳しくはないよ? 多分…」

 

「それなら、好きな音楽のジャンルは何ですか?」

 

「す、好きな音楽のジャンル?」

 

(一体何の意図でそんな質問を!?)

 

「と、特にジャンルを絞って聞いたりはしてないけど…強いて言えば今の音楽よりも昔の歌謡曲、俗に言うフォークソング系をよく聞く傾向にはあるかな?」

 

「!!! という事は、YMOもご存知ですか!?」

 

「YMOなら、『君に胸キュン』や『ライディーン』が代表曲のアーティストだよね? 最近だと『ライディーン』が吹奏楽部をテーマとした深夜アニメの演奏曲として使われたりしたのも記憶に新しいし…」

 

「深夜アニメ…ひょっとしてきららアニメなんかも好きですか?」

 

「えっ、もしかしてリョウちゃんも良く見てるの!? 僕は大きく物騒な事が起こらないほのぼの系が好きだから、きららアニメはモロどストライクなんだけど!!」

 

(ここに来て再びまさかの奇跡が起きちゃってる!?)

 

「後期のYMOを知ってたり、きららアニメを知っている人なら無問題。音夏さんも是非打ち上げに参加しませんか!?」

 

「あ、えっと…僕も結束バンドのみんなさえ良ければ…」

 

(しまった…いつの間にかリョウちゃんと波長が合ってついノッてしまった!!)

 

「イエスマンが多数…それなら、私も特に、音夏さんが打ち上げに参加して頂くのは問題ないですよ!」

 

「ほ、本当に!?(棒)」

 

「念のためにもう一度確認するけど、僕は本当にただのファンの1人にすぎないよー?」

 

「へーきへーき! 私たちSICK HACKも普通にファンを打ち上げに呼んじゃってるから〜!」

 

「意外とみなさん軽いノリで!!?」

 

 

(という事で、気がついたら僕まで打ち上げに参加する流れになってしまったのだった…)

 

 

(ねぇ、どうなるの!?)

 

(ねえ、どうなっちゃうの、僕!!?)

 

 

『ファン3号カード』 (続くぅ!!(汗))

 

 

 

 







キャラクター紹介&解説

音夏鈴
 結束バンドのライブを観覧するために台風で荒れた天気の中を無理してでもSTARRYまで足を運んだ本作オリ主。結束バンドの演奏にとても感動し、真の意味での結束バンドのファンになる事ができた。ライブが終わってからは結束バンドのメンバーと軽くお話してきくりに貸していた電車賃を回収したら、物語的に目立ちすぎないようにすぐさまSTARRYをおいとましようとしていたが、きくりと結束バンドのメンバーから打ち上げに誘われてそのまま参加する事になった事で、またモブになりきれない展開が起きそうな事を恐れ始めている。(※なおもう手遅れな模様)

PAさん(俗称)
 本家でも本名が一切不明なPAエンジニアのスタッフさん。バックヤードエリア付近に居る音夏に対して注意をしたが、事情を聞いてからは星歌に話を通し、星歌からバックヤードエリアへの立ち入りが特別に許可された事でそのまま音夏をバックヤードエリアに通した。

伊地知星歌
 虹夏の姉であり、ライブハウスSTARRYの店長。PAさん経由で音夏がバックヤードエリアに入りたい旨を知りそのままバックヤードエリアに通した。また、音夏に『ツンデレ店長さん』と心の中で噂された事により、密かにくしゃみをした。

廣井きくり
 SICK HACKのボーカルベーシスト。予定通り結束バンドのライブを観覧した後、スタッフの居ない隙を見て勝手にバックヤードエリアに入って結束バンドのメンバーと会話をしていた。その後は音夏に電車賃をしっかり返還した後、音夏をそのまま結束バンドの打ち上げに誘った。

後藤ひとり
 結束バンドのリードギターの原作主人公。今回も相変わらず出番少なめではあるものの(毎回存在感薄めでごめんね!)、きくりが借金をする事になった経緯を虹夏に説明した他、音夏が結束バンドの打ち上げに参加する事に対して同意した。

伊地知虹夏
 結束バンドのドラム担当。音夏が近くに来ている事に誰よりも早く気がついて声をかけた。音夏が合流した後で『音夏も結束バンドの打ち上げに参加する』話が出た時はメンバー全員の意思を確認し、全員が音夏の参加に同意したのを確認した事で自分自身も最後に同意した。また、きくりの借金の話を先に知ってしまった事により引いてしまい、この世界線のスピンオフ(深酒日記)の4話においては序盤からネ○ティの目できくりを見る事になったようだ。

喜多郁代
 結束バンドのギターボーカル。音夏が結束バンドの打ち上げに参加する話を聞いた時は速攻で同意した。リョウに対する憧れの眼差しもまだまだ健全な模様。きくりに関しては意外と貧乏なのかという印象を抱いた。

山田リョウ
 結束バンドのベース担当。ライブが終わって楽屋に入ったら所構わず速攻で寝るといったようなマイペースな故に本編未登場が続いていたが、今回遂に音夏との初対面を果たした。ライブ中に演奏中のメンバー4人を真剣に見つめていた音夏に対して最初から好感度高めでは合ったものの、話す中でテクノ歌謡ときららアニメで音夏と共通の趣味があると知り、もっと話してみたいと思うようになったと同時に、音夏の打ち上げ参加についても同意した。

モブ観客たち&ファン1・2号(俗称)
 今回の話では音夏と直接関わる事はなかった為、本作においても本家と同じ言動をする役割を担った。


という事で、今回もライブ中のオリ主の心情描写およびその後の会話展開において苦労した難産回ではあったものの、なんとか書き切る事ができました。

とはいえ、更新が遅れていた事によりずっと謎だったライブ3曲目の公式からの曲名答え合わせ(劇場版Re:Re:)が出た後の執筆となった為、正しい解釈でライブ描写が出来た事に関しては非常にラッキーだったと感じております。

ちなみに答え合わせが出る前に執筆する場合は「Distortion!!」を3曲目に割り当てる予定でした。(作者お気に入りのED曲の1つなので)


4月からは仕事が変わる為にコンスタントに更新できるかはまだ不明確ではあるものの、アニメ2期放送開始までには1期の物語を完結できたらと思っています。

拙い部分も多いかと思いますが、これからも応援してくれたら嬉しいです。


次回、「エソラ 〜人それぞれの音楽トーク〜」

お楽しみに。

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