転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します! 作:たかきょう
中間試験から、3日後...
今日はいよいよ、中間試験の結果発表が行われる日だ。
「あっ‼おはよう!武子ちゃん‼」
「おはよう。美野里ちゃん、麻里子ちゃん。」
教室に入るなり、美野里ちゃんと麻里子ちゃんに声をかけられた。
「二人は今回のテスト、高得点を取れてる自信ってある?」
「またまた~‼自分が頭が良いからってさぁ...まぁ、武子ちゃんがくれた過去問のおかげで楽勝だったよ~‼」
「こんな、簡単なテストで不安そうにしてる、どこかの誰かさんの気持ちが分からないね~‼美野里ちゃんもそうでしょ⁉」
「うん!しかも寝落ちって...もう、笑えてきちゃう‼」
美野里ちゃんと麻里子ちゃんの視線の先には真鍋グループの姿があった。
(これは...間違いなく、真鍋グループを意識して言ってるね...)
実際に真鍋グループは4人全員が顔を真っ青にしており、ガクガクと震えている。
「おっ‼武子姐さん!待ってましたよ~‼」
「あっ、石崎君?」
「武子姐さんのおかげで、今回のテストはめっちゃ、自信があるっス‼ほんとに武子姐さんに感謝してます!」
一方で、以前までは退学候補だった筈の石崎は余裕を見せている。彼は私が主催する勉強会にも毎回、姿を見せていたので、学力そのものが大きく上昇している。
なので、よっぽどの事がない限り、彼が赤点を取るなんて事はないと見ていいだろう。
「よぉ、随分と人気者じゃねえか...武子。」
「あっ‼龍園さん!」
「龍園君?私に話しかけてくるって事は、何かあったの?」
「ちょっと、面を貸せぇ...」
「ん?」
これから龍園が話す事はどうやら、周りにはあまり聞かれたくない話っぽかったので、言われるがままに彼に連れられて廊下に出る。
『それで...今回の試験で退学者は出ると思うか?』
『私から過去問を受け取らなかった四人の内...一人は、ほぼ確定と言ってもいいかな?下手をすりゃ、他に三人も怪しいラインだから、四人全員が退学しちゃうかもね?』
『ちっ‼要するに...このままだと、一気にクラスポイントが400も削られるってわけか...バカな奴らめ...』
龍園が罵りたくなるのも分かる。5月の時点で575ポイントあったクラスポイントが、四人の退学が決定してしまう最悪の展開になったとするならば...Cクラスのクラスポイントは175までに減らされてしまうからだ。
『...だけどね、それは私達が何もしなかったらの場合だから。今となっては、大量のポイントをくれた南雲先輩に感謝してるよ。』
『なるほどなぁ、点数を...ポイントで買えって事か?』
さすが!...クラスの王を名乗るだけあって、理解が早くて助かるよ。
『そうだよ。初日にこの学校でポイントで買えないものはないって言われてたからね。教師との交渉次第で購入できるはずだよ。』
『だが、ちょっと待ちやがれ...仮に点数を売ってるにしてもだ。相当高い値段じゃねぇのか?1点につき、1000ポイント程度じゃぁ、俺達が勉強する意欲を失いかねねぇからな...俺の予想だと、100万ポイントは必要になると思うんだが?』
何も知らない者からすれば、それぐらいはポイントがかかると思うのも当然だろう。実際には1点につき、10万ポイントで済むのだが...
『大丈夫...私の推測だと、かかるポイントはそこまで高くないと思うんだ。だから、私が持ってるポイントで払えるはずだから安心して。』
『ククッ‼...そうかよ‼なら、俺はポイントを出す必要はないって事か...くれぐれも後で俺を頼るんじゃねぇぞ。』
『えっ⁉出してくれるつもりだったの⁉あなたはあなたなりにクラスメートを大切にしてるんだね...』
『勘違いするんじゃねぇぞ。ここで退学者を出そうものなら、クラスの士気に関わるからだ。もしも退学者を出した際のペナルティがなかったなら、速攻で見捨てている。』
『そっか...』
『話は終わりだ。教室に戻るぞ。』
そんな事を言ってけど、龍園が自分のクラスメートの事に関しては比較的、愛着を持っていたという事実を原作を読んでいる私はちゃんと知っているよ。
...その後、私達が教室に戻ってくるなり、美野里ちゃんと麻里子ちゃんが...
『『龍園君‼武子ちゃんに変な事してないよね⁉』』
...って、問い詰めてきて...それに対して龍園が、
『ふざけんな...何を言ってやがる。お前達は俺をいったい、何だと思ってんだよ...』
...って、返したら...更に横から、
『学生の制服を着てると違和感を感じる、龍園さんらしいっすね‼』
...と、呼ばれてもないのに勝手に話に割り込んできた石崎の一言で私を含む女性陣が吹き出してしまった。
ちなみに龍園は監視カメラの死角から、石崎の足を思いっきり、踏みつけて彼に制裁を与えていたとさ...
・・・・・
「では、中間試験の結果発表を行います。」
ようやく、始まった朝のホームルーム...坂上先生の一言でクラスの一部の人間に緊張が走る。
そして、坂上先生はホワイトボードに結果が書かれた紙を貼り付ける。そこには、クラスメート全員の各教科ごとの得点、順位、平均点が書かれていた。
「まさか、全教科100点が二人、全教科90点台も大勢...見事な結果と言っていいでしょう。」
ちなみに全教科100点はひよりちゃんと金田君だ。この二人は元々、成績が優秀だったからね...そういう私は5教科中、4教科は100点だが...
「よっしゃ‼やったぜ!武子姐さん!やりましたよ!」
「おめでとう、石崎君。」
退学候補だった石崎は、最も点数の低かった数学が68点で、それ以外の教科は、70~80点台と十分な出来だった。
そして、肝心の真鍋グループはというと...
「危ない...ギリギリセーフ...」
「私もだよ...」
「志保、良かったね。」
どの教科も40~50点台が並ぶお粗末な成績だ。しかも真鍋さんの英語は40点ちょうどだし...
それでも、彼女達は赤点を回避できたと思って喜んでいる。真鍋さんは中間試験の赤点ラインが38点未満だと思っているのだろう。
(...ちょっと待てよ?今回の英語の平均点って、何点だっけ?...)
だが、それはあくまで小テストの話。中間試験となると赤点の算出方法が異なるという事実を真鍋グループはすっかり忘れているようだった。
教科ごとの平均点次第では、真鍋グループの四人は赤点である可能性は十分にあり得るのだ。...彼女達は、それを忘れてしまっている。
「皆さん、本当によく頑張りましたね。」
私が英語の平均点を計算し始めるのと同時に坂上先生が再び口を開いた。
「...ですが、」
さっきまでのお祭りムードから一点、坂上先生は声を落とした。そして、一瞬だけ私達の方をチラリと見たかと思うと、英語の成績の枠の中の真鍋さんの名前の上でペンで赤線を引いた。
「真鍋さん、あなたは赤点です。」
「はっ⁉」
坂上先生の無慈悲な宣告が響き渡った。真鍋グループの四人は坂上先生の話が理解できないとばかりに言葉を失っている。
(あちゃ~、やっぱり‼こうなっちゃったか...まぁ、いいや‼ポイントも十分に持ってるし、ここは救済して恩を売っとくか...)
そんな風に事を楽観視していた私だったが...この後、予想外の事態に直面する事となる...