転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します!   作:たかきょう

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第11話.救済とポイント

 

 

坂上先生の無慈悲な赤点宣告...

 

 

それを受けた当の本人の真鍋さん....そして、真鍋グループのメンバー達は混乱していた。てっきり、赤点は回避できたものとして喜んでいる最中だったからだ。

 

 

「へっ?私が赤点...」

 

 

「はい、真鍋さんは赤点を取ってしまったので、今日で退学となります。」

 

 

「坂上先生‼待って下さい!赤点は確か、38点未満のはずじゃ?」

 

 

半ば、放心状態になっている真鍋さんに代わって、同じグループの諸藤さんが坂上先生に問いかける。

 

 

「それは、小テストの話です。というか、前に説明しましたよね?中間試験では、赤点の基準が小テストとは異なるという話を。なので、改めて赤点の算出方法をお教えしましょう。」

 

 

そう言うと、坂上先生はホワイトボードに赤点の算出方法を書きはじめた。

 

 

 

 

84.2÷2=42.1

 

 

 

 

「今回の赤点のラインは各教科ごとに平均点を2で割り、小数点以下は四捨五入した数値となります。今回の英語の平均点は84.2です。よって、42点未満が赤点となります。なので、真鍋さんは英語の点数が2点足りません。」

 

 

坂上先生が無情にもそう告げる。

 

 

「それと、山下さん...あなたも危なかったですね。」

 

 

「えっ⁉私がですか⁉」

 

 

「あなたの英語の点数はちょうど42点なので、今回はギリギリセーフですが...あと1点でも得点が低かったならば、退学になっていましたよ。」

 

 

「そっ、そんな...」

 

 

坂上先生に名指しされた、真鍋グループの一人である山下さんは、自分が赤点ギリギリであったという現実を知らされ、ホッとした表情を浮かべながらも冷や汗を流している。

 

 

「ちょっ...ちょっと待ってくださいよ‼なんで⁉赤点の基準を繰り返し、教えてくれなかったんですか⁉すっかり、忘れていたんですけど⁉」

 

 

そんな中、ここまで現実逃避している様子だった真鍋さんがようやく、口を開いた。

 

 

「あのですね...赤点の基準を忘れていたとしてもですよ?真面目に勉強していれば、赤点とは無縁だったのでは?」

 

 

「ううっ...」

 

 

坂上先生の口から出る言葉はいずれも正論だ。実際に私が配った過去問を受け取らなかったのも...英語の勉強の時だけ寝落ちしてしまったのも...赤点の基準をド忘れしてしまったのを...全て真鍋さん本人の責任だ。だからこそ、何も言い返せない。

 

 

「待って下さい!採点ミスの可能性はないんですか⁉」

 

 

諸藤さんの言葉に真鍋さんの表情に僅かに希望が戻る。本当に採点ミスが1ヶ所でもあるならば、配点部分次第で赤点を回避できる可能性があるからだ。

 

 

「採点ミスを疑うなら、調べてもらっても構いませんよ。」

 

 

そう言うと、坂上先生は見比べのためか、真鍋さんの英語のテスト用紙と諸藤さんのテスト用紙を諸藤さんに手渡した。

 

 

そして...諸藤さんと真鍋さんは、最後の望みとばかりにお互いのテスト用紙を慎重に見比べていたが...

 

 

「そんな...採点ミスは、1つもない...」

 

 

「そういう事です。よって、真鍋さんの赤点は確定となります。」

 

 

 

 

坂上先生の無慈悲な赤点宣告が再び響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

「ねぇ!いやだよ‼退学なんて!どうにかならないの⁉誰か助けてよ‼」

 

 

「志保、落ち着いて‼」

 

 

「騒いだところで...」

 

 

「あんた達は退学にならないからいいわよね⁉そんな、呑気な事が言えて‼...ううっ‼...」

 

 

真鍋さんに放課後に保護者を呼ぶ旨を伝えて、坂上先生が教室を出ていった後、Cクラスの空気は最悪だった。

 

 

散々喚いたあげく、ついには涙を流す真鍋さんに...それを見て、気まずそうに宥める真鍋グループのメンバー達。

 

 

そして...

 

 

「ふん‼いい気味だよ‼あんなに威張っておいて退学なんてね!」

 

 

「全くだよ‼きっと、武子ちゃんの悪口を言っていたバチでもあたったんじゃないの⁉本当に笑える‼」

 

 

美野里ちゃんと麻里子ちゃんを筆頭に真鍋さんのこれまでの行いに不満を持っていた人達が、いい気味だとばかりに微笑している。クラスメートのほとんどが真鍋さんの退学を歓迎するムードだ。

 

 

「龍園さん‼どうするんスか⁉真鍋のやつ...しでかしましたよ‼」

 

 

「けっ!今回は俺は何もしない...真鍋を助けたところで使い道は限られるからな。まぁ...あくまで、〃俺は〃だがな...」

 

 

龍園が石崎の問いに答えながら、私の方を見てくる。これって、遠回しに救済しろって言ってるのかな?

 

 

(まぁ、ペナルティは痛いし...仕方ないか。)

 

 

ここで、真鍋さんを救済しなかった場合、せっかく原作よりも上昇したクラスポイントが水の泡になる。

 

 

そうなると、Bクラスへの昇格が私の想定よりもはるかに遅くなってしまうのだ。

 

 

私は無言で席を離れる。

 

 

「あっ‼武子ちゃん、どこに行くの?」

 

 

「ちょっと、お手洗いに...ね?」

 

 

それに気づいた美野里ちゃんと麻里子ちゃんに見送られながら、私は教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「やはり...あなたは声をかけてくると思っていましたよ、西野さん。」

 

 

「とりあえず、人がいない屋上で取引をしませんか?」

 

 

「ふふっ...いいでしょう。」

 

 

ちょうど、職員室から出てきたところの坂上先生を私は屋上へと誘導する。

 

 

そして、屋上の扉を開けると...

 

 

「なっ⁉西野さん⁉」

 

 

「西野...」

 

 

「おや、坂上先生?それに1年Cクラスの西野武子か。」

 

 

屋上には綾小路君と堀北さん...そして、1年Dクラスの担任を勤める茶柱先生の姿があった。

 

 

「...おやおや、屋上にはどうやら、先客がいたようですね。」

 

 

どうやら、この世界の須藤君も赤点を取ってしまったらしく、今は点数を売ってくれと交渉しているところだろうか?

 

 

それにしては、堀北さんの顔色が悪いが...

 

 

「それよりも、茶柱先生‼1点につき、100万ポイントなんて...いくらなんでも高すぎませんか⁉」

 

 

「1点につき、1000ポイントなどでは勉強する意欲をなくしてしまうだろう?」

 

 

「くっ!...」

 

 

「払えないようだな。なら、話は終わりだ。」

 

 

そう言って、茶柱先生が立ち去ろうとする。

 

 

ん?堀北さんは今、何て言った?1点につき、100万ポイントだって⁉原作よりも10倍にはね上がってるじゃん‼

 

 

「坂上先生...真鍋さんの点数を売ってほしいのですが...もしかして、坂上先生も1点につき、100万ポイントを要求しますか?」

 

 

私のその言葉に堀北さんが驚き、綾小路君と茶柱先生が何やら、興味深そうな視線で私をみつめる。綾小路君と同じ事を考えていたのが、興味深かったのだろう。

 

 

「茶柱先生が1点につき、100万ポイントですか...そうですね、私も同じように1点につき、100万ポイントで点数を売りましょう。真鍋さんを助けるには200万ポイントが必要ですね。」

 

 

いやいや‼なんで、こんなに1点にかかるポイントが増加してるのさ⁉.........ん?待てよ?

 

 

(この状況を上手く利用すればDクラスを...)

 

 

もしも、この場に綾小路君や堀北さんがいなかったら、この策は浮かばなかっただろうな...

 

 

「まぁ、さすがに無理ですね。真鍋さんの事は諦めたらどうです?別に...」

 

 

「.........払いますよ。」

 

 

「はい?」

 

 

本当ならポイントをもう少し温存しておきたかったが、やむを得ない。

 

 

「だから、払います。200万ポイントですね?これで足りますか?」

 

 

そう言うと、私は端末を自分のポイントの残高を表示する画面にして、坂上先生の方に向けた。

 

 

 

 

その額...512万6300ポイント。

 

 

 

 

「なっ⁉」

 

 

「500万ポイント以上だと⁉」

 

 

「いったい、どうやって⁉」

 

 

堀北さんに加えて、今度は坂上先生と茶柱先生まで、驚きの表情を見せている。綾小路君も先程以上に私を興味深そうに見つめる。

 

 

「まぁ、いろいろありまして...それよりも、坂上先生。これで、真鍋さんの退学は取り消しですよね?」

 

 

「あっ...はい‼そうですね‼真鍋さんに伝えておいて下さいね。」

 

 

「いいえ、ここは帰りのホームルームにて、坂上先生の口から伝えて下さい。ギリギリまで、焦らせて彼女にお灸を据える目的もあるので!」

 

 

「そういう事なら...分かりました。」

 

 

取引を終えると、坂上先生と茶柱先生は屋上から去っていった。さて、ここからが勝負所だ。

 

 

「私も帰りますね~‼」

 

 

「待ちなさい!」

 

 

おっと?私の予想通り、堀北さんが食いついてきたね...

 

 

「西野さんにお願いがあるの‼100万ポイントを...私達に貸してもらえないかしら⁉」

 

 

「西野、俺からも頼む。この通りだ。」

 

 

綾小路君と堀北さんが頭を下げて、私に懇願してきた。そりゃ、このチャンスを逃せば須藤君の退学が確定しちゃうからね...

 

 

「大方、私と同じように誰かのために点数を買おうとしたけど、ポイントが足りなかった感じ?」

 

 

「えぇ、そうよ...」

 

 

「いいけど、その代わりに私とDクラスの皆とで...とある契約を結んでほしいんだ。」

 

 

「Dクラスと契約ですって⁉...わっ、分かったわ。」

 

 

「OK!堀北さん、まずは携帯を出して。」

 

 

そう言うと、私は堀北さんの携帯に50万ポイントを送金する。それを終えると、携帯をこっそりと録音モードにした。

 

 

「これは...」

 

 

「まず、前払いで50万ポイントを貸す。次に私達は一旦、それぞれの教室に戻ろうか...私は契約書の作成するから、あなた達はDクラス全員を教室に集めておいて。そして、契約成立後に残りの50万ポイントを渡す。それで構わないかな?」

 

 

「......えぇ、それで構わないわ。」

 

 

「二言はないね?」

 

 

「もちろんよ。」

 

 

よし、言質は取った。これで、万が一にも堀北さんが50万ポイントを持ち逃げしようものならば、この録音データを証拠として訴える事ができる!

 

 

「じゃあ、お互いの教室に戻ろうか‼」

 

 

「えぇ、準備しておくわ。」

 

 

「西野、感謝する。」

 

 

 

 

払うポイントがはね上がったのは想定外だったけど、それ以上にDクラスとの間に収穫もありそうだし...良しとするか。

 

 

 





主な原作との相違点。


◆1点につき、かかるポイントがはね上がった。

・・・まさかの10万ポイントから、100万ポイントに...Dクラスは西野ちゃんがいなければ、詰んでいたかもしれない。

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