転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します!   作:たかきょう

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第12話.信頼を得るのだ!

 

 

堀北side

 

 

西野さんに言われた通り、クラスメート全員を教室内に留める事には成功した。軽井沢さんや幸村君達、一部の生徒は不満そうにしていたが、クラスの人気者の平田君や櫛田さんの説得もあって、何とかなった形だ。

 

 

「それで、堀北さん?こうやって、皆を集めたって事は須藤君を救済する方法が見つかったのかい?」

 

 

「えぇ...一応はね。」

 

 

私のその言葉に教室内がざわめく。

 

 

「ほっ...ほんとか⁉堀北⁉俺...退学せずに済むのか⁉」

 

 

「良かったな‼健!」

 

 

当事者の須藤君や、彼と仲が良い池君や山内君からは喜びの声があがっている。粗暴な性格の彼にも人望というものはあったのだと、改めて痛感させられる。

 

 

「安心するのは、まだ早いわ。詳しく説明させてもらうわね...」

 

 

そして...私は、テストの点数は1点につき、100万で買えるということ...Cクラスの西野さんに100万ポイントを借りる事にしたこと...それと引き換えに、西野さんとDクラスの間で契約を結ぶ事になったこと...

 

 

など、屋上での一件を全て説明した。

 

 

「マジかよ⁉西野ちゃん、優し過ぎだろ⁉」

 

 

「そもそも、どうやって500万ポイントも稼いだんだろうね?」

 

 

「いいな~。西野さんにどうやって、稼いだのかを聞かなかったの?」

 

 

「待て‼話が上手すぎる!これは、絶対に裏があるだろ⁉リスクを考えろよ⁉」

 

 

「私もそう思う。私達がどんな契約を結ばされるかも分からないのに...」

 

 

「はぁっ⁉お前らは西野ちゃんと直接会った事がないからそんな事が言えるんだ‼なぁ?綾小路‼お前もそう思うだろう?」

 

 

「おいおい、俺を巻き込まないでくれ...」

 

 

皆の反応は、見事なまでにバラバラだった。

 

 

池君、山内君、櫛田さんといった、西野さんと面識がある人達は彼女が優しい人物だと思っているので、彼女を絶賛している。

 

 

一方で幸村君や軽井沢さんは、話が上手すぎるという点と西野さんが私に事前に契約内容を教えなかった事からか、彼女を少し疑っている。

 

 

あと、意外なのは...

 

 

「ほほぅ、ウェストフィールドガールがどんな契約を結ぶつもりなのか、楽しみだねぇ。」

 

 

一番、他人のために動きたくなさそうな彼...高円寺君がこの取引に前向きというところ...

 

 

彼の口振りからして、二人は顔見知りなのかしら?

 

 

「皆、落ち着いて‼とりあえず、今は西野さんが来るのを待とう‼話はそれからでも遅くないんじゃないかな?」

 

 

平田君の一言で教室内は落ち着きを取り戻す。

 

 

(西野さんが、どんな契約を持ちかけるのかを...事前に聞けなかったのは失敗だったかもしれない...)

 

 

そう不安にかられながらも、私は西野さんが来るのを待つのだった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

綾小路side

 

 

「Dクラスの皆!お待たせ‼」

 

 

「来たか、西野...」

 

 

その日の昼休み...

 

 

その声と共にDクラスの教室にやって来たのは、俺達の取引相手...1年Cクラスの西野武子だ。

 

 

彼女の話はあの日、生徒会長である堀北の兄から聞いていた。

 

 

上級生の間では、西野武子は入学初日で【Sシステム】の全貌を完璧に見抜いた天才だったり、生徒会副会長の南雲雅の後継者などと呼ばれている存在らしい。

 

 

また、南雲を快く思っていない一部の2年生が漏らした話によると...彼女はその南雲を利用して、1年Aクラスだけに偽の過去問を渡させたというのだ。さすがに俺もこの発想には内心、驚いていたのかもしれない。

 

 

何らかの手段を使って、1年Aクラスにその事を伝えてやっても良かったのだが...俺達のクラスから見ても、1年Aクラスがやらかしてくれた方がメリットが大きいと判断したので、見て見ぬ振りをする事にした。

 

 

今頃、偽の過去問を手に入れた1年Aクラスの生徒は、事の戦犯としてクラスメート達から責められていることだろうな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

「早速だけど、契約の内容を確認してもらってもいいかな?」

 

 

そう言って、私はDクラスの皆に見えるように契約用紙を教室の中央にある机の上に広げた。

 

 

 

 

ーーーーーー契約書ーーーーーー

 

 

1.西野武子(以下、甲)は須藤健(以下、乙)の退学阻止に協力するため、Dクラスに100万ポイントを譲渡する。

 

 

2.Dクラスの生徒40人はこの契約が成立した月から2年間、毎月1日に支給されたプライベートポイントの5割を甲に受け渡すものとする。部活関係や個人的な取引で手に入れたポイントに関しては対象外とする。

 

 

3.Dクラスの生徒40人はこの取引の内容を第三者(乙のクラスメートも含む)に話す事を禁じる。もしも発覚した場合は、2の項目にて甲に渡すプライベートポイントの額を7割に増やすものとする。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

契約内容を見たDクラスの生徒達はというと、

 

 

「えっ⁉いいのかよ?西野ちゃん‼100万ポイントを返さなくても‼」

 

 

「心広すぎでしょ‼マジで神だわ~‼」

 

 

山内と池は、私に100万ポイントを返さなくてもいい事に喜んでいた。

 

 

「本当にいいのかい?これじゃ...僕達があまりにも有利な気がするんだけど。」

 

 

「そうだよ‼毎月1日に支給されるプライベートポイントの半分をもらえるといっても、今後のDクラスのクラスポイントは100にも満たないはずだよ⁉西野さんの取り分が少なすぎるよ‼」

 

 

確かに今のままでは...最高でも10000÷2×40で、20万ポイントしか支給されない。それどころか、Dクラスのクラスポイントが引き続き、0の場合はポイントを受け取る事すらもできないのだ。

 

 

平田君と桔梗ちゃんは自分達に有利すぎる契約内容に困惑している。

 

 

「大丈夫だよ、私は困ってる人を見たら放っておけない性格だからさ‼」

 

 

「「「西野さん...」」」

 

 

当たり前の話だが、私はそんな聖人君主なわけがなく...この契約には裏が存在する。

 

 

まず...桔梗ちゃんは、今後のDクラスのクラスポイントは100にも満たないと話していたが、あくまでこれは、Dクラスがこのまま成長しなかったらの話だ。

 

 

原作ではその後、綾小路君の暗躍により、無人島試験をはじめとする特別試験でDクラスのクラスポイントは増加するのだがDクラスの生徒達にとっては、まだ先の話であり、実感を持てていないはずだ。

 

 

それに、Dクラスが支給されるポイントが多いほど、私に払われるポイントも比例して増える。

 

 

要するにDクラスは、成長すると私の資金源となり、成長しなかったら卒業するまでの間、昇格もできずに不良品として見下される日々を送る羽目になり、Aクラス争いから事実上...脱落扱いとなり、ライバルが減る。

 

 

更に簡単に言えば、ブラック企業に就職するか、ホームレスになるかの地獄の2択を強いているようなものなのだ。

 

 

(こんな風にどっちに転がっても自分にメリットがある戦法を取るのが私らしいのかもしれないね...)

 

 

さて...Dクラスを見渡してみると、ほとんどの生徒が自分達に有利な契約で100万ポイントをもらえると盛り上がっているか、困惑しているかの2択だ。

 

 

この契約の危険性に気づいているのは、見たところ...綾小路君と高円寺君だけかな?あっ‼堀北さんと幸村君も完全じゃないけど、なにかしらの違和感を感じてるようだね...

 

 

「ごめんね!もうすぐ、教室に戻らないといけないからさ‼早く、全員の署名が欲しいんだけど‼」

 

 

「おっと、西野ちゃん‼待たせてすまないな‼ほら、皆!早く名前を書こうぜ‼」

 

 

「うん!これで、須藤君が助かるなら...」

 

 

私がそう急かすとDクラスの生徒達は我先にと契約書に署名していく。

 

 

「残りは、綾小路君と高円寺君と堀北さんと幸村君だね?どうするの?嫌なら、この契約はなかった事にするけど?」

 

 

私のその言葉に、

 

 

「おい、四人とも!早く署名してくれ‼そうすれば、俺は助かるんだ!」

 

 

「綾小路君!高円寺君!堀北さん!幸村君!」

 

 

須藤と櫛田ちゃんが四人を説得する。それが、同調圧力を起こしたのか...他の生徒達も四人を急かし始めた。

 

 

「ウェストフィールドガール、これからも期待させてくれたまえ。」

 

 

「分かった...」

 

 

クラス自体にそこまでこだわりを持ってなく、私と先月にちょっとした()()()()をした高円寺君...そして、目立つ事が嫌いな綾小路君も署名した。

 

 

「堀北さん?幸村君?」

 

 

「......分かったわ、私も署名する。」

 

 

「ちっ‼...」

 

 

最後まで、どこか違和感を感じてたっぽい二人だったが、同調圧力と須藤の退学までのタイムリミットが迫っていた事もあり、最終的にはこの契約書に署名した。

 

 

この契約の罠に完全に気づかれる前に署名させる事ができて良かったよ...

 

 

「契約成立だね。堀北さん‼残りの50万ポイントを渡すから、携帯を出してくれる?」

 

 

「えぇ...」

 

 

そして、堀北さんに残りの50万ポイントを渡す。

 

 

「じゃあ、契約も成立したし...私は自分の教室に戻るね。」

 

 

「あっ‼西野...だったよな?その...ありがとよ‼俺なんかのために...」

 

 

「西野さん、本当にありがとう‼この借りは返すから‼」

 

 

「感謝するぜ!西野ちゃんには試験前から助けられっぱなしだな‼」

 

 

帰ろうとすると、退学を回避できた須藤を皮切りにDクラスの皆からお礼を言われた。

 

 

(さて、資金源並びに信頼も確保できた...次は真鍋さん達とじっくり話さないとね...)

 

 

そう思いながら、私は自分の教室へと戻っていったのだった...

 

 

 

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