転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します! 作:たかきょう
そんなわけで...今回の件で団結したCクラス。
あとは、来週に迫った審議までに証拠を用意しておけばいいのだ。
「でもよ?真鍋が言ってる話が本当だって事、審議でどう証明するんだ?」
これまで、黙っていた時任君の一言で、クラスの皆が何やら考え込んでいる。
彼のこの発言により、Cクラスの皆は感情論だけではこの事態を乗り越えられない事にようやく気づいたようだった。
「安心しろ!俺達以外にもDクラスの須藤も現場を見ている。俺達だけならまだしも、クラスが違う須藤が証言してくれれば、口裏を合わせたとは思われないはずだ。」
石崎が自信満々にそう言い放ち、小宮と近藤もそれに対してうなずいている。
「待ってください...どっちにしても彼の証言だけでは、Cクラスが須藤君を買収したと難癖をつけられるのではないのでしょうか?」
「なっ⁉...須藤の証言だけじゃ、足りないってか⁉...じゃあ、どうすんだよ⁉」
ひよりちゃんの意見に、さっきまでは余裕を見せていた石崎達が焦りの色をみせる。
「おいおい、石崎...お前はいつから、他のクラスの目撃者が須藤だけだと錯覚したんだ?」
地味に一瞬だけ私の方を見ながら、そういってくる龍園...どうやら、私が須藤以外にも他のクラスの人間を抱き込んでいる事を察しているようだ。
「龍園さん?.........あっ!...そっか‼他にも、今回のトラブルの一部始終を見てる奴がいるかもって事っスね‼」
「つまり...他のクラスにも聞き込みに行った方がいいって事かな?」
「構わないが、Bクラスにだけは聞き込みに行くのはやめとけ...一之瀬がこの件に関して、クラス中に口裏を合わせるよう指示している可能性があるからな。」
Cクラス側の主張が認められやすくなるヒントを出しつつ、Bクラスへの更なる悪感情を植え付けるという二段構えの話術...
クラスの王を名乗るだけあって、龍園は話術の方にも長けているようだ。
「よっしゃ‼とりあえず、俺達はDクラスに行ってくるぜ‼須藤に証言者になるよう頼まないとな‼」
石崎はそう言うと、小宮と近藤を連れて教室を出ていった。
それと同時に真鍋さんの周りに固まっていた生徒達も散り散りになっていく。
「ククッ‼...実際のところ、Aクラスにもお前の駒がいるみてぇだな。」
「う~ん...当たり‼...実に二人ほどいるよ。」
私の元へ来るなり、そんな事を言ってくる龍園に私はやんわりと返す。
「今回はその内の一人に一部始終を録画させている...もちろん、こちらから見て都合の良い部分からね?...で、彼女にもこちら側の証言者として審議に出てもらうつもり...」
「ほぅ?...ちなみにお前自身も審議には参加するつもりなのか?」
「もちろんだよ...真鍋さんだけじゃ、何かやらかしそうだもん...」
「Bクラスの奴らに報復として、危害を加えられないようにアルベルトを貸してやる。...だから、俺をがっかりさせるんじゃねぇぞ。いいな?武子...」
「ふふっ!了解...私にお任せあれ‼」
いやぁ...審議が待ち遠しくなってきちゃったねぇ...
・・・・・
Dクラスside
「...というわけだ。今回のCクラスの真鍋とBクラスの白波との間のトラブルについてだが...このクラスに目撃者はいるか?...いるなら名乗り出ろ。」
「先生!俺は見たぜ‼」
Dクラスの生徒達はポイントが振り込まれていない理由を茶柱から聞かされて、ザワついていた。
更にクラス三馬鹿の一人、須藤がこの件の目撃者として名乗り出たのにも驚かされた。
「須藤か...それで?二人はどういう状況だったんだ?」
「真鍋って奴の言う通りだ...アイツが白波って奴に階段から突き落とされてるのを見たぜ。それで...石崎達と問い詰めたら、白波は逆上して逃げやがったんだ
須藤の発言にまたしても、Dクラスの生徒達がザワつきだす。
『マジかよ...その白波って奴...ヤバイだろ!』
『アイツ...確か、前に俺が一之瀬に話しかけようとしたら、まるでゴミを見るような目で睨まれたからな‼』
『それな‼...いくら一之瀬が好きだからって、男性差別って...』
『おいおい、アイツ...レズだったのかよ⁉』
そして、大半が白波千尋という女子の存在に嫌悪感を覚えている。
「静かにしろ。一旦、ホームルームを終わる。須藤...Cクラスの生徒達がお前に証人として、審議に出てもらうよう頼みに来る可能性がある事を覚えておけ...」
そう言うと、茶柱は教室から出ていった。
途端にDクラスの皆の視線が須藤に集中する。
「まさか、須藤君が見ていたとはね...」
「だよな⁉意外すぎて、驚いちゃったぜ‼」
「須藤君、お手柄だね‼」
平田と山内と櫛田の発言にクラスの皆が頷いている中...堀北はどこか、今回の件に違和感を感じていた。
「ねぇ、須藤君?あなたがトラブルを目撃したのは信じるとして...何で、人気のない特別棟に立ち寄ったのかを聞かせてもらえるかしら?」
「それか?石崎と小宮と近藤が、西野から俺に特別棟に来てほしいって、伝言を頼まれたらしくてよ...ついていく事にしたんだ。...で、西野を待ってる間に上の階から物音がしたからよぉ...行ってみたら、真鍋が階段から突き落とされてたわけだ。」
(西野さんが須藤君を?...)
普通に考えたら、西野が須藤に告白でもするのか?と疑われてもおかしくないシチュエーションだ。
しかし、堀北はあの西野がこのクラスのお荷物の須藤なんかに恋愛感情など抱く要素があるのか?と疑問を覚えた。
「はぁっ⁉健‼お前、ズルいぞ‼西野ちゃんに呼び出されるなんてよ‼」
「抜け駆けしやがって‼...それで?西野ちゃんから、なんて言われたんだよ⁉」
山内と池が須藤を問い詰める。すると、須藤はため息をついた...
「おい...健?...どうしたんだよ⁉もしかして...」
「いや、それがよぉ...西野は『もし、須藤君を呼び出すとしたら、特別棟かな?』って、話していただけらしくて...それを石崎達が早とちりしちまったみたいなんだ...」
「はははっ‼なんだそれ⁉健‼ドンマイ!」
「結果的に目撃者にはなれたからいいけどな...西野には退学を阻止してもらった借りがあるから、今度は俺がCクラスを助けてやりてぇ...」
(須藤君が呼び出された場所の1つ上の階で、トラブルが起きた...こんな、Cクラスにとって都合の良い偶然なんてあるのかしら?...)
やはり、何かがおかしい...と堀北は察していていたが、確たる証拠がない事...また、クラス中が前に助けてくれた西野が所属するCクラスの肩を持つ雰囲気になっていた事からか、その考えを口に出す事はない。
(彼は...綾小路君は...今回の件をどう思ってるのかしら?...)
堀北は、無表情で須藤の様子を眺める隣人の姿を見つめながら、今回の件においてDクラスがどのような立ち回りをすれば良いかを思案するのであった...
主な原作との相違点。
◆佐倉が目撃者だと、誰にも気づかれなかった。
・・・この世界では、まさかの須藤が目撃者だというインパクトに気を取られて、櫛田が佐倉の様子を見ていなかった。
本人も須藤が名乗り出た上、厄介事を避けたい以上、自分から名乗り出るつもりはない。