転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します! 作:たかきょう
いよいよ、こちら側の目撃者による証言が始まった。
「1年Cクラスの石崎大地です。自分は、白波さんが真鍋さんを階段から突き落としているのを見ました!」
「1年Cクラスの小宮叶吾です。自分も!真鍋さんが、白波さんに階段から突き落とされているのを見ました!」
「1年Cクラスの近藤玲音です!自分も石崎君や近藤君と同じくです!」
石崎、小宮、近藤の三人の目撃者の証言に、白波さんは顔が真っ青になって震えていた。
「1年Dクラスの須藤健だ!俺もだ!...俺も真鍋が階段から突き落とされてケガをしているのをこの目で見たぞ!」
そこに、私の駒..須藤が更なる追い討ちをかけてくる。その声の大きさに白波さんは、完全に萎縮してしまっている。
「異議ありです!石崎君、小宮君、近藤君は真鍋さんと同じクラス...そして、須藤君は小宮君や近藤君とは同じバスケ部同士として、それなりに親しい関係性です!」
そんな様子の白波さんの代わりに帆波ちゃんが異議を唱える。
「ほぅ?...つまり、一之瀬は今回のトラブルはCクラス側の策略と言いたいのか?」
生徒会長の堀北先輩の問いにも臆さずに帆波ちゃんは話を続ける。
「はい!おまけに最近、Dクラスの女子達がやたら、今回の件に関して真鍋さんの肩を持って白波さんに示談を進めて来ました...Dクラスは今回の件に無関係なはずなのにです。どう考えてもCクラスとDクラスが手を組んで白波さんを陥れたとしか思えません!」
「はぁっ!?ふざけんなよ!一之瀬!」
帆波ちゃんの反論が余程、頭に来たのか...須藤が机を叩いて怒りをあらわにしながら、反対側に立つ帆波ちゃんを威圧している。
...実際に彼をはじめとするDクラスの生徒達のほとんどは、今回の件が私に仕組まれたものだと知る筈かない。
よって、Dクラスのほとんど...善人の平田さえも、今回の件では私達のクラスに協力するのが正しいと信じているのだ。
Dクラスをこの状況に持っていけたのは間違いなく、私が事前におこなった恩義と真鍋さんの哀れな被害者アピール並びに、ターゲットとして選んだ白波さんの日頃の評判によるものが大きかったに違いない。
「須藤君、落ち着いて...感情的になっちゃダメだよ!」
「でっ...でもよぉ...」
「こういう裁判においては、感情論なんてものは通用しないからね...私の言葉が理解できたら、静かにしてね?」
「おぅ...」
とはいえ...須藤の言動が、堀北先輩をはじめとする審判側の心証を害する可能性も否定できないので止めておく。
そして、ついに私がBクラスを仕留めにかかる。
「一之瀬さんに質問です。本当に今回の件を私達、CクラスとDクラスが仕込んだものと考えていますか?」
「はい。現場の状況や目撃者同士の関係性から見ると、そうとしか考えられません。」
ははっ...言ったな!その発言を後から、後悔しても遅いからね!
「果たして...今回のトラブルの最後の目撃者を見ても変わらないのでしょうか?」
「えっ?目撃者は...そこの四人だけじゃ?」
帆波ちゃんと白波さん...だけではなく、こちらのメンバーも私に驚きの表情を見せる...
「失礼します...」
それと同時に最後の目撃者...真澄ちゃんが生徒会室に入ってきた。途端に帆波ちゃんに表情に焦りの色が生まれる。
「1年Aクラスの神室真澄です。私も...そこに座っている白波さんが真鍋さんに、Cクラスや西野さんの悪口を言ったあげく...逆上して、階段から突き落とすのを見ました。」
彼女の発言に両陣営の生徒達がざわめきだす。
(それも、そのはずか...)
実は...真澄ちゃんが目撃者として証言する事は、石崎達や須藤はもちろんのこと...被害者役の真鍋さんにすら、事前には伝えていなかったからね...
「ついでにその時の場面を録画していますので、確認してください。」
真澄ちゃんの続いての発言に更に審議の場がざわめく...本当に録画してある映像があるなら、この審議の明暗を分ける大きな決め手と成りうるからだ。
生徒会室に設置されたスクリーンに録画された映像が映し出される。
そこには...
『ふん!こんな、あなたがいるようなCクラスがかわいそうだね!』
『はぁっ!?私の事は悪く言っても良いけど...Cクラスの皆を悪く言うのはやめてよ!』
『本当の事じゃない!あんなに簡単な中間試験で赤点を取るなんて...』
『くっ...』
白波さんがCクラスの悪口を言う瞬間が、はっきりとおさめられていた。
ちなみに都合よく、白波さんが悪口を言い出した瞬間から録画させておき...真鍋さんには、白波さんがCクラスや私の悪口を言い始めたら、わざと防戦一方に追い込まれるように指示しておいた。
最後に真鍋さんが階段から突き落とされる原因となる最後の煽りを白波さんにぶつける。もちろん、映像では聞き取られないように耳打ちでだ...
そうするとどうだろう?
『なっ?生意気な!』
『きゃっ!』
ついに堪忍袋の尾が切れた白波さんが真鍋さんを階段から突き落とした...
これでだ...
他のクラスの悪口を言ったあげく、逆上して相手を階段から突き落とす理不尽な暴力女...白波千尋...
ケガをしてまで、クラスの悪口をやめさせようとした悲劇のヒロイン...真鍋志保...
私が偽り描く人物像の完成である。
「どうですか?これでもまだ、今回のトラブルはCクラスが仕組んだものと言いたいのでしょうか?」
「ううっ...それは...」
さすがの帆波ちゃんもこの状況に追い込まれた以上、打つ手がないようだ。
Bクラス以外の3クラスが手を組んだと主張しても...Aクラスの生徒はDクラスと違って、誰一人としてBクラスを訪ねて白波さんに示談を進めてきてなどいないのだから...主張は認められない可能性が高い。
(ここから、負ける要素なんてない...いや、一つだけあるね...)
懸念してるのは...先程の帆波ちゃんの問いかけによって、真鍋さんは特別棟を
その人気のない場所にクラスがバラバラとはいえ、5人もの目撃者がいるというのは、冷静になって考えてみると違和感しかない。
だが...今の帆波ちゃんは焦る余り、思考がそこまで追いつけていない。
(これが、原作通りに堀北さんだったら...気づかれてただろうね...)
私がそう思った時だった。
「時間の都合上、そこまでだ。これまでの話からして...どちらかが嘘をついているのは明らかだな...よし、明日の4時に再度、審議の場を設ける...今日のところは解散だ。以上...」
ん?妙だね...Cクラスの勝ちが決まったも同然のこの状況で再審議の場を設けるなんて...
堀北学は何を考えてるんだろ?
・・・・
「真澄ちゃ~ん!お疲れ様!」
「はぁ...全くよ...ある意味、重労働だったわ...」
審議が終わった後、私は真澄ちゃんを労っていた。
「.........」
「あれっ?真澄ちゃん、どうしたの?なにか、悩み事?」
「いや、大した事じゃないわ...もしもの話よ?今回の件の真相がバレて、協力者の私にも何かしらの処分が下ったらどうしようかなって...」
いやいや...仮にそんな展開になっても、さすがに退学はないでしょ?
「正直...坂柳を残して、この学校を離れるのが心配ね...あの子、私以外に本当のお友達って呼べる存在がいないからさ...」
「心配しすぎだって!真澄ちゃんが退学するなんて事はないって!」
原作知識を知っている私が言うんだもん!真澄ちゃんが退学するなんて事は絶対に...
...ないよね?
注意!
主人公は、よう実の2年生編10巻からの展開は全く知らない...