転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します! 作:たかきょう
次の日のうちのクラスは、お祭り騒ぎだった。
「武子ちゃん!聞いた?まさか...こんなに早く、Bクラスに上がれるなんて!」
「うん!ある意味、志保ちゃんのおかげだね。彼女には感謝しきれないんじゃないかな?」
嬉しそうに話しかけてくる、美野里ちゃんに軽く返事を返した。
「あっ!真鍋さん!見直したよ!」
「非道な一之瀬さんに立ち向かって、昇格に貢献したクラスのヒーローじゃん!」
近くでは、真鍋さんが今回の件の功労者として、労われていた。
「えっ...いや、私は別に...」
そう言って、遠慮がちに私の方をチラリと見てきた彼女に私は、『称賛を受け取っておきなさい。』とアイコンタクトで伝えておく。
今後も彼女には、私の駒として動いてもらうためにも...クラス内での評価を上げておいた方がいいからね...
「西野さん、木下さん、おはようございます。」
「あっ!ひよりちゃんもおはよう!」
「おはよう。」
その時、教室にひよりちゃんと...
「よぉ、武子...いい朝になったなぁ...」
「クラスの王様の機嫌がよさそうで何よりだよ。」
龍園が入ってきた。彼の傍らには山田アルベルトの姿もある。
「単刀直入に聞くが、校内ネットの生配信...あれはお前の仕業か?」
「それです!それを私も気になっていたんです。」
案の定、龍園とひよりちゃんに生配信の事で問い詰められた。
ちなみに、実際に特別棟での出来事を生配信していたのは...私ではなく、私の指示を受けたスパイSNである。
私は、スパイSNを帆波ちゃんと真鍋さんのやり取りがおこなわれる前に...あらかじめ、特別棟に忍びこませ...帆波ちゃんの視界に映らない死角から、生配信をさせていたのだ。
さらに...念には念を入れて、匿名の上に使い捨て用のアカウントを作成させて、そこから生配信をさせたので足がつくとは考えにくいが...
「うん...お友達の志保ちゃんを陥れようとする一之瀬さんが許せなかったからね...独断であんな事をしたのは謝るよ。」
「「「.........」」」
とはいえ...スパイSNならびに、スパイYMの情報は他の皆には、まだ伏せておきたい...
なので、良いところ取りをするような形になって、申し訳ないけど許してね?
「はっ!とんだ友情じゃねぇか...」
「それほど...西野さんは、真鍋さんを大切にされてるのですね...」
「さすが、武子ちゃんだよ!私...武子ちゃんとお友達になれて、本当に良かったな~!」
どうやら、上手くごまかせたのは美野里ちゃんだけっぽい...
何せ、龍園は『ふん、綺麗事を言いやがって!』と言いたげな目をしてるし...ひよりちゃんの方も私の真意を探るような視線をこちらに向けているもの...
「席について下さい、朝のホームルームの時間です。」
この後...朝のホームルームにて、坂上先生からも自分のクラスがBクラスに昇格できた事を喜んでる旨を伝えられ、クラスの皆の士気が上がった状態で1日を終える形となった...
・・・・・
放課後、私が夕食のための食材を調達すべく、ケヤキモールへ向かおうとした時だった...
「おっ!西野ちゃんじゃん?」
「あなたは...山内君?」
偶然にも...よう実のネタキャラの筆頭格、山内春樹に出会った。
「西野ちゃんは、買い物でもするつもりだったのか?」
私を見つけた彼はさっそくとばかりに声をかけてくる。さすがは女好きだ...
「うん、夕食のね...それよりも、山内君?あなたの手に持ってる工具は何に使うの?」
「それは、博士にラジコンを改造...じゃなかった!博士に頼まれたんだよ~!なんか...その~...部屋の壁が壊れちゃったから、直したいって!」
彼がここまで...まさか、ここまで無理がある嘘をついてくるとは思ってなかったので、私は思わず吹き出しそうになるのを必死で堪えた。
(たぶん、夏休みのあの作戦のためにラジコンをね...)
山内と池と須藤による、オペレーションデルタ...試験とかには特に影響しないけど、女子達の気持ちを考えると絶対にやめてもらいたいものだ。
「嘘はよくないよ?山内君?」
「えっ?いやいや!嘘じゃないって!」
「まぁ...その工具の件については、これ以上は触れないよ...」
「おっ...おう...」
安心してる彼には悪いけど、オペレーションデルタは何としてでも防がせてもらうよ?
「これを見てほしいんだ。」
そう言って、私は携帯のとある映像を彼に見せた。
そこに映っていたのは...
『あぁっ...うっざ!堀北死ねよ!クソが!!』
「なっ!?これって...まさか、櫛田ちゃん!?」
誰もいないところで...櫛田ちゃんが本音をぶちまける、原作ファンならおなじみのあの光景だ。
「これが彼女の本性...櫛田ちゃんといい、一之瀬さんといい...根っからの善人なんてものはこの世には存在しないんだよ?」
「マジかよ...」
映像の中の櫛田ちゃんは、原作通りに綾小路に自分の胸を触らせて口止めをしている。その光景にさすがの山内もドン引きしているようだ。
「彼女...中学時代にも、この本性を隠してクラスの皆に愛想をふりまいていたんだ。で...ある日、クラスの皆の悪口をブログに書いてたのが、ばれちゃって...その後どうなったと思う?」
「いっ...言わなくてもいい...なんか俺、櫛田ちゃんがDクラスの理由...分かっちまった気がするぜ...」
「だからね?私が言いたいのは下手くそな嘘をつくのは良くないってこと。このままだと、山内君がストレスを溜め込んで櫛田ちゃんの二の舞になるかもしれないからね。」
「いやいや...さすがにそれはないって!」
嘘をつきまくってる私が人の事を言える立場じゃないんだけどね?...
「でもね?私は山内君に期待してるんだよ?あなたの嘘で大きく見せる癖なんかも、初対面の相手には有利に立ち回れるし、女子にも気安く話しかけるぐらいのコミュニケーション能力もある。」
「西野ちゃんが俺に期待?...」
「それなのに今のあなたは、その長所を上手く使いこなせていないじゃん!もったいないな~!」
そこまで言うと、山内は黙り込んでしまう...
そんな彼に私は最後に一言...
「あなたは嘘つきは嘘つきでも、優しい嘘つき...これからの行動を見つめ直して、今後は自分なりの長所を生かせるようになれば...女子からの印象も変わるかもしれないよ?...だから、女子が嫌がる事...盗撮なんかはやっちゃダメだよ?」
そう言って、私は黙っている彼の前から立ち去った...
それから、数日後の噂では...山内はあの日以来、女子にセクハラ発言を一切言わなくなり、人が変わったかのように勉強や運動に励むようになったとか。
当然、なんの事情も知らないDクラスの皆は非常に困惑していたらしい...