転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します!   作:たかきょう

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第29話.真の0ポイント作戦!

 

 

「よく聞け、俺達Cクラスは今回の特別試験は放棄してバカンスを思う存分に楽しむつもりだ。せっかくの夏休みなのにこんな面倒な試験に付き合ってられるかよ。」

 

 

さて、この特別試験に対する龍園の方針を聞いたクラスメート達の中で、即座に彼の本当の意図を理解する事ができた人間は...果たして何人いたんだろうね?

 

 

私だって原作知識がなければ、龍園が単に面倒さから特別試験を放棄したのだという認識だっただろう。

 

 

実際にクラスメート達は最初は戸惑ってはいたが、最終的には特別試験に挑むよりも無人島で豪遊したいという気持ちが勝ってしまったらしい。今ではどの娯楽の道具を購入しようかで盛り上がっている。

 

 

ただ、龍園は何かを購入する際には自身の許可を得るように指示する事も忘れていなかった。

 

 

(まぁ、原作通りなら龍園はAクラスに交渉に行くはずだからね...そのためには流石に全てのポイントを娯楽用に使い切られるわけにはいかないからね...)

 

 

そう思いながらも、今後の打ち合わせのために私は龍園に近づく。

 

 

「流石に娯楽用に全部のポイントを使い切らせないという事は...今後に向けてAクラスと何かしらの契約でも結ぶつもりなんでしょ?」

 

 

「ほう?だが、契約を結ぶか結ばないかは別としてどうして俺が契約を結ぶ相手がAクラスだと思ったんだ?CクラスやDクラスの可能性もあるはずだが?なぁ、言ってみろよ。」

 

 

それはね?原作知識だよ~!と言ってやりたい気持ちをグッと堪えておく。

 

 

「当たり前じゃん!暴力事件の件で私達と険悪状態のCクラスがうちのクラスと交渉に乗る可能性は低いし、私達よりも遥かにクラスポイントの少ないDクラスが相手だと旨みがほとんどない...そうなると必然的に私達よりも上クラスでプライベートポイントもたくさん保有しているAクラスを狙うんじゃないかな?って。」

 

 

「ククッ...その通りだな。俺は今回の試験でAクラスの自称優等生どもからプライベートポイントを根こそぎ奪いにいくつもりでいる。」

 

 

そう言いながら、龍園は私に持っていた契約書の中身を見せてくる。その内容自体は原作とほとんど一致していた。

 

 

なお、有栖ちゃんは当たり前のように今回の特別試験は欠席(真澄ちゃん情報)なので今回、Aクラスの指揮をとってるのは葛城康平くん。

 

 

原作と違って中間試験において有栖ちゃんの派閥がやや失速しているため、Aクラスのリーダー争いという面ではかなり有利に立っている彼ではあるが、それはあくまで私と南雲副会長の関与があったからこその結果であって、彼自身が出した成果ではない。

 

 

そのため、今回の特別試験でそれなりの結果を出さなければいけないという点については変わっていないはずだ。

 

 

(下手をすれば有栖ちゃんが復権...自分に有利に傾いていたリーダー争いが振り出しに戻ってしまいかねないからね...)

 

 

葛城くんからしても自分達のクラスのポイントを節約できるのは願ってもない話だからこそ、原作でも龍園と契約を結ぶに至ったのだから...

 

 

「それと、Dクラスにスパイとして伊吹を送り込む。アイツには隙をついてDクラスのキーカードを奪わせるつもりだ。」

 

 

「うん、そこの部分だね。私が修正したかった部分は...」

 

 

「ほう?」

 

 

そう...このままの計画だと綾小路くんに見破られてしまうからね...

 

 

だったら、どうするかって?

 

 

 

 

...あえて気付かせる!

 

 

 

 

「ねぇ、龍園くん?このままだとAクラスからプライベートポイントは奪えても、Aクラスのクラスポイント自体は200ポイント近くも増やされちゃうよ?ここは更にAクラスの獲得ポイントを減らしにいく気はないかな?」

 

 

「どういう事だぁ?」

 

 

疑問に思っている龍園に先程、手渡された契約書に書かれた内容の一部分を指で差す。

 

 

それは、『BクラスはDクラスのリーダーの情報を調べ、それをAクラスに教える』と記された部分だった。

 

 

「この部分にはリーダーの情報が誤っていた場合の私達のペナルティなんて書かれてないよね?」

 

 

「つまり、武子が言うにはAクラスの奴らに偽のリーダー情報を伝えるというわけか?」

 

 

「いや、違うね...Dクラスと接触してリーダーを変更させる。Aクラスには変更前の情報を伝えればいいんだよ。」

 

 

私がそう言うと、一瞬だけ龍園の顔が歪んだ気がした...

 

 

「なに?リーダーを変更だと?」

 

 

「うん、先生達は『正当な理由がなくリーダーを交代してはいけない』と言っていた...つまり、裏を返せば体調不良や怪我などの()()()()()()()()()リーダーを交代させる事が可能なんじゃないかって事だよ。」

 

 

「なるほどなぁ。だがな...」

 

 

龍園は私の考えに理解を示すも、何やら納得いかないような部分があるようだ。

 

 

「わざわざ、そんな面倒な事をしなくても俺が言ったように適当にAクラスに偽のリーダー情報を伝える方が効率が良い気もするんだがな。それに関してはどうなんだ?」

 

 

言ってくると思ったよ...確かに効率さだけを考えるなら龍園の意見は間違ってないもんね...

 

 

「やれやれ、甘いね...私がこんな事をするのはDクラスが私達のクラスのリーダーを当てにいくのを防ぐためなんだよ?」

 

 

「あの不良品どもがか?」

 

 

この世界では暴力事件を仕掛けた相手がDクラスではないためか、龍園はDクラスを過小評価しているのかな?

 

 

「Dクラスのみんなにあえて、リーダーの交代を提案する事で『Bクラスも【リーダーの交代】という同じ手段を使ってくるかもしれない』という先入観を間接的に伝える。そうなれば、Dクラスは私達のクラスのリーダーは当てにならないと考えて指名には至らないんじゃないかなって?少しでもポイントを稼ぎたいからさぁ...」

 

 

「なるほどな。そのやり方なら、リーダーを隠す必要もない...むしろ、堂々とキーカードを他のクラスの奴らに見せる事もできるな。お前は本当に面白い女だぜ。なぁ?武子。」

 

 

いやいや!王様のお目に叶ったのならば、誠に光栄な事ですよ~!

 

 

「あっ!でも伊吹さんは私の作戦に必要だから連れていかせてもらうね?」

 

 

「そうかよ。なら、さっさと伊吹を連れてDクラスのところに行ってきやがれ。どうやら、お前はDクラスの奴らからの好感度も高いみたいだしな。具体的な交渉は任せるが、くれぐれも俺達のクラスが一方的に損をするような条件は出すな。分かったか?」

 

 

「もちろん!そっちも計画を悟られないように上手くAクラスと交渉するんだよ!」

 

 

 

 

こうして、私と龍園による真の0ポイント作戦が始まったのだった...

 

 

 





主な原作との相違点。


◆Cクラス(一之瀬クラス)に金田がスパイとして送り込まれなかった。

・・・暴力事件の事で恨まれている上に一之瀬と白波に対する不満が募っており、原作ほどの仲良しクラスではなくなっている。

よって、龍園はCクラスにスパイを送り込むのはリスクがあると判断したらしい。

ちなみにこれに関連する形なのか、伊吹も龍園にボコボコにはされずに済んだ。

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