転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します!   作:たかきょう

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第34話.それは合理性ではなく願望

 

 

無人島試験6日目。

 

 

いよいよ、計画実行の時だ。

 

 

(よし、この作戦が成功さえすれば...)

 

 

計画の都合上、今回の無人島試験でBクラスが1位になる事はない。だけど、その代わりにAクラスを最下位に追い込む事ができる...

 

 

既にスパイ3人と橋本くんの暗躍もあり、Aクラスのリーダー情報は入手済み。

 

 

Cクラスには現状だとスパイを作れていない。よって、最初は指名を諦めようとも考えていたが()()()()()が独自に動いてくれた事でリーダー情報を入手する事に成功したのだ。

 

 

Dクラスのリーダーは原作通りだと綾小路くんに変更されるだろうけど、資金源でもあるDクラスにできるだけ多くのポイントを稼がせたいというのと万が一にも綾小路くん以外の人にリーダーを変更される可能性も否定できないので指名するつもりはない。

 

 

この結果に持ち込む事だけでも立派な成果と言えるし、私としてはDクラスを最終的に1位にする事にもちゃんとしたメリットがあるのだ。

 

 

「...で?何で私がその堀北って奴とわざわざ、喧嘩なんかしないといけないわけ?普通にDクラスのキーカードの写真を撮らせてもらってAクラスに見せるだけでいいでしょ。」

 

 

「もし、万が一にも一部始終をAクラスの生徒に監視されていたら?Dクラスの生徒達が何の抵抗もなく、自分達のクラスのキーカードの写真を私達に撮らせている事に不審を抱くはず...そうなると、今までの計画が台無しだからね。私は最後まで絶対に油断するつもりはないよ。」

 

 

「はぁ...あんたの思考力が分からなすぎなんだけど?」

 

 

ちなみにだけど、今の説明の8割程は嘘...

 

 

私が個人的に【堀北鈴音VS伊吹澪】という原作での名勝負?をこの世界でも見てみたいからという願望にすぎないのだ。

 

 

「とにかく、今回はパス。私に対するメリットが全然ないし...」

 

 

やっぱり、そう簡単には頷いてくれないか~!

 

 

伊吹さんは私と龍園のやり方に表向きは文句は言わないけど、だからといって何でも言うことを聞いてくれるというわけでもないようだね。

 

 

だけどね?こっちにだって、ちゃんと手はある...

 

 

「最終的には一応、伊吹さんに勝ってもらうつもりで向こうとも話をつけているよ!あっ!だけど、相手は武道経験者の堀北さんだからね。少し体調が優れてないとはいえ、加減を誤られて伊吹さんが呆気なく瞬殺されちゃって大ケガしてしまう可能性もあるからね~!」

 

 

「...はぁ!?あんた、急に何を言って...」

 

 

私がそう言った途端に伊吹さんの表情が険しくなるが私は彼女を煽るのをやめない。私の想定だと、もう一押しで上手くいくはずだ。

 

 

 

「う~ん、私は優しいからね~。ボコボコにされて傷つく伊吹さんの姿なんて見たくないし...やっぱり、やめておく?怖いならやらなくてもいいんだよ?」

 

 

「いいわよ!上等じゃない!私を相手に手加減をする余裕なんかないって事を思い知らせてやる!!堀北って奴を思いっきりぶっ飛ばしてやろうじゃない!!!」

 

 

 

 

はい!チョロいね...

 

 

 

 

原作でも他の人達に煽られて、しょっちゅうキレてる場面を見かけていたから分かるけど伊吹さんは煽りに対する耐性がかなり低い...

 

 

敵として接する時ならともかく、今の伊吹さんは私の味方陣営...口先だけの勝負をする際には足を引っ張る要素になりかねないから、何とか克服してほしいと私は思っている。

 

 

「なら、早くDクラスのスポットに行くよ!堀北さんも待ってるだろうからね!」

 

 

「あんたに言われなくても分かってる...てっ!腕を強く引っ張るな!いたた...」

 

 

大げさだな~!私は軽~く伊吹さんの腕を握っただけなのに...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

そんなやり取りから数分後。

 

 

 

 

「うん...やっぱり、あの二人は強いね。」

 

 

私は堀北さんvs伊吹さんの喧嘩をこっそりと見物させてもらっていた。

 

 

『へぇ、やるじゃん!堀北、あんたって武道とか習ってたの?』

 

 

『えぇ、それなりには嗜んでいたつもり。それに伊吹さん、あなたも武術に関しては女子の中でも中々の実力者だと思うわよ。』

 

 

喧嘩自体は堀北さんが原作よりも、多少は体調が良い(山内が堀北さんに泥を浴びせていない)という事もあってお互いに善戦しているようだ。

 

 

「...そうだな、お前のクラスの伊吹はもちろんだが堀北の方も最初と比べると動きの速度や技のキレが格段に上がっている...伊吹が予想以上に強いがためにお前に言われたように手加減をする必要などないと判断したのだろう。」

 

 

「私と同じ考えだよ!さすがは綾小路くんだね!」

 

 

「いや、あくまで俺が見たままの意見を言ってるに過ぎないからな。俺は西野に絶賛されるほどの人間ではないぞ...」

 

 

ちなみに私のすぐ隣にはなぜか、原作主人公の綾小路くんの姿がある。本人曰く、自分も堀北さんと伊吹さんの喧嘩に興味を持って見物しにきたらしいが私は彼の真意が別のところにある気がして仕方がない。

 

 

まぁ...彼にはこの後、堀北さんを船まで送り届けるという原作通りの役目があるのでこの場に待機してもらうのも悪くないけどね?

 

 

『なっ⁉️このっ!』

 

 

『くっ‼️...』

 

 

私と綾小路くんが話している間にも堀北さんと伊吹さんの攻防は続いており、今は伊吹さんの攻撃を堀北さんが何とか防御しているところだった。

 

 

「伊吹さんの小手返しを堀北さんが防いだね。体調が悪いはずなのにあそこまで伊吹さんとやり合うなんて...」

 

 

「あぁ...だが、もうすぐ決着がつくだろう。」

 

 

綾小路くんの言う通りだった。

 

 

というか、この勝負はそもそも互角ではない...堀北さんは原作よりかは体調が安定しているとはいえ、体調不良である事に変わりはない。一方の伊吹さんは万全の状態...

 

 

短期決戦ならともかく、長期戦に持ち込まれた時点でこの勝負は決まったようなもの。

 

 

『はぁ...はぁ...』

 

 

『堀北さぁ...あんた、体調が悪いんじゃないの?もう諦めたら?』

 

 

疲れと体調の悪化によって、堀北さんはフラついてて今にも倒れそうだ。伊吹さんもそれを気遣ってなのか、堀北さんに降参するように促している。

 

 

『はぁ...そうね、これ以上続けても私に勝てる未来が見えない...今回は私の負けだわ...だけど、これだけは言わせて。伊吹さん、次はあなたに勝たせてもらうから...はぁ...』

 

 

その言葉を最後に堀北さんが崩れ落ちる。

 

 

一見、意識を失っているように見えるがそれは私が前もって伝えておいた【気絶した振り】であり、実際には意識を保てるだけの最低限の体力は残しているはずだ。

 

 

そうしないと堀北さんは意識があるのに伊吹さんがキーカードの写真を撮るのを阻止する素振りを見せないという事になり、事情を知らない人から見ると不自然だからね。

 

 

『ふん、上等じゃない。今度は万全な状態のあんたを叩きのめしてやるから。覚悟しておく事ね...』

 

 

伊吹さんは【気絶した振り】をしている堀北さんにそう言い放つとキーカードを奪って写真を撮影しようとしている。

 

 

「じゃあ、私は伊吹さんを連れてAクラスの葛城くんのところに行ってくるから。綾小路くんは堀北さんの事は頼んだよ...」

 

 

「分かった。お前の言う通りに堀北を船まで送り届けて、リーダーも適当な人間に変更しておく。」

 

 

堀北さんと伊吹さんの喧嘩の決着を見届けた私達がそれぞれの役目を果たすべく、別れようとした瞬間だった。

 

 

「それと、西野...最後にお前に一つだけ聞いておきたいんだが...」

 

 

綾小路くんが私に声をかけてきたのは...

 

 

「ん?どうしたのかな?」

 

 

()()手土産としてCクラスのリーダー情報をうちのクラスに持って帰ってきたのは...ただの気まぐれか?それともお前が何かしたのか?」

 

 

「う~ん、何の事かよく分からないかな?」

 

 

まずい...一瞬、顔に出ちゃったような気がしたけど大丈夫かな?

 

 

「そうか...ならいい。わざわざ、呼び止めて済まないな。」

 

 

「いいよ、私は全然気にしてないから!」

 

 

Aクラスのリーダー情報のみならず、Cクラスのリーダー情報まで知れたのはDクラスから見ても一応はメリットであるからか、綾小路くんはそれ以上は私に追及してくる事はなかった。

 

 

しかしだよ?綾小路くんが終始、私を探るような目を向けていたのを私は見逃してないからね...

 

 

 





主な原作からの相違点。


◆山内が堀北に泥を浴びせなかった。

・・・ストーカー事件の一件で既に佐倉とはメアドを交換済みのため、やる理由がない。大体、成長した山内がそんな事をするわけがない。

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