転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します! 作:たかきょう
綾小路side
今回の無人島試験が開始されてから、俺は改めて西野武子という女子の異常さを思い知らされる事となった。
まず...Aクラスを欺くためとはいえ、支給されたポイントを全て使い切るなどという方法は普通なら思いつかないものだ。事情を知らない第三者から見たら、あたかもBクラスは今回の試験を捨てたようにしか見えない狡猾なやり方だった。
実際にこっそり、Aクラスのスポットを偵察しに行った際にAクラスの連中からはBクラスを小馬鹿にするような言動や発言がチラホラと聞こえていたのだから...
(とはいえ...これに関しては西野だけではなく、龍園の意向もあった可能性もあるから何とも言えないが...)
俺にとってそれ以上に予想外だったのは、うちのクラスの高円寺がリタイアしなかったという点だ。正直、俺はどこまでも個人主義なアイツならば仮病を使うなりしてさっさと今回の特別試験から離脱するものとばかり思っていた。
まぁ...それだけなら単なる気まぐれで済む話かもしれないが、なんと高円寺は独自に動いてCクラスのリーダーの情報を伝えてきたのだ。
本人の性格上、奴がただの善意でそのような事をするわけがないのは明らか...よって、俺以外の誰かが高円寺と何かしらの裏取引をして奴がDクラスのために働くように仕向けている可能性が高いという結論に至った。
その最有力候補として俺が予想したのが、他でもない...西野武子だったのだ。
...そもそも、5月の中間テストにおいて須藤が赤点をとった際に西野が例の契約をDクラスに持ち掛けた時点で俺は確かな違和感を感じていた。
絶対にこの契約に賛同しないであろうと考えていた高円寺が何故か、あっさりと同意したという点...さらに高円寺が西野に興味または、関心を持っているような言動をしていた点...
これらから読み取れるのは、西野が5月以前に高円寺と何かしらの取引をしたのではないかという事...そう考えると今回の特別試験で高円寺がクラスのために積極的に貢献した事にもちゃんと説明がつくのだから...
要するに、まとめてみると西野の思考は...
Dクラスを自らの資金源にする→利益を増やすべく、今回の特別試験であえてDクラスを勝たせる→そのために何かしらの取引で高円寺がクラスのために動くように仕向ける...といったところだろうか。
また、クラスが違うのにも関わらずだ...西野が高円寺の事をただの変人としてではなく、実力は圧倒的だがそれを自分のため以外には決して発揮しないイレギュラーな存在である事実を早い段階から見破っていたのは中々の観察眼と言えるかもしれないな。
「ううっ...綾小路くん...」
「堀北、今は無理して喋らない方がいいぞ...お前はただでさえ、体調不良だったんだからな。」
「綾小路くん...私を気遣ってくれてるのは感謝するわ...だけど、心配ご無用よ...」
ちなみに堀北は今回の特別試験開始前からの体調不良と伊吹との戦いでの疲労とダメージによってほとんど動けそうにない状態...そんなわけで俺が堀北を抱えて船まで送っているところだ。
「今回の特別試験でうちのクラスは1位になれる...クラスの奴らは大喜びだろうが、お前はどうなんだ?」
「確かにAクラスを目指す私からしても喜ばしい事だと思うわ...ただ、素直には喜べない。全てが西野さんの手の平の上で踊らされているような気がして仕方ないのよ...」
堀北の懸念はもっともだろう。今回の特別試験でDクラスが1位になれるとはいえ、それは西野が持ち掛けてきた策があったからこそだからだ。
「そうだな...だが、それを言ったところでクラスの奴らから見れば【今回の特別試験で1位になれた】という実績に対する喜びの感情の方が遥かに上回っているだろう。ひとまず、今はそれに水を刺すような真似はせずに素直に勝利に浸っていた方が良いかもしれないな。」
「そうね...心残りがあるとすればBクラスのリーダーも当てたかったところかしら。」
「それはやめておいた方がいいな。西野はわざわざ、リーダーを変更する方法を伝えてきたんだ。あちらも同じ手を使うのは明らかな以上、今からBクラスのリーダーを当てにいくのはリスクしかない。」
西野はこうなる事も読んでいたのだろうか...
(西野について気になる部分は他にも幾つかある...この試験が終わり次第、手駒を作って探らせるか...)
何はともあれ、最後に俺だけが勝っていればいいのだから...
・・・・・
「では、これより今年度初となる特別試験の結果を発表する。なお、結果に対する質問は一切受け付けないつもりだ。」
いよいよ、無人島試験の結果発表の時...
Aクラスはリタイアした二人と特別試験不参加の有栖ちゃんを除いた37人。
Cクラスは40人全員。
Dクラスはリタイアした堀北さんを除いた39人。
そして、Bクラスは私だけが集合場所に集まっている状態だ。
「最下位はAクラス、60ポイント。」
「バカなっ!?何が起こっている...」
その結果にAクラスの生徒達のほとんどが動揺している。特に葛城くんなんか、驚きのあまりに声が出ちゃってるもん...
「おい!葛城!いったい、どういう事だ!?」
「えっ?嘘でしょ?」
「最下位はBクラスなんじゃ!?」
「まさか、私達が最下位なんて!どうしてくれるの!?」
坂柳派はここぞとばかりに葛城を責め、葛城派の生徒達は何とかその場を収めようとしている。
「くっ...おいっ!橋本に神室!お前達の仕業だろ!?お前達が葛城さんを陥れたんだ!」
「おいおい、俺と真澄ちゃんは
「はぁっ!?何だと!?」
「弥彦!よせ!やめろ!」
「葛城さん...でも!」
戸塚からの問いに橋本くんはやんわりと言い返す。それに対して戸塚は怒りをあらわにして橋本くんに詰め寄ろうとしたが、葛城くんに止められて渋々ながらも引き下がった。
「静粛に!続いて3位はCクラス、90ポイント。」
こちらもAクラスほどではないが、クラス皆がザワついている様子だった。
「そっ...そんな...」
「ううっ...」
そして、リーダーであった網倉さんとこの特別試験を指揮した帆波ちゃんに対して幾つかの冷たい視線が向けられた。
アニメ版では白波さんがリーダーだったが、さすがにこの世界では問題行動を起こした白波さんをリーダーにする訳にはいかなったらしい。
「みんな、本当にごめんなさい!私の...私のせいでっ...」
「違うよ!別に麻子ちゃんが悪いわけじゃないから!落ち込まないで!ね?」
悲しそうな表情で皆に謝罪している網倉さんを帆波ちゃんや仲の良い女子数人が必死に励ましているが、冷ややかな視線が減る気配はない。いや、厳密には冷ややかな視線は網倉さんよりかは帆波ちゃんに向けられてるといった方が正しいかな?
ただでさえ、Cクラスに降格してしまったために今回の特別試験で何としてでもそれなりの結果を残しておく必要があった状況...
それなのに、
特に帆波ちゃんは暴力事件の一件で評判を落としていたが、今回の試験の結果でさらにクラス内での評判を落とす事になった。
幸いにも仲良しクラスとしての絆が多少は残っているため、Aクラスのように暴言を吐かれるような事はなかったがこの調子だと一之瀬クラスが崩壊するのも時間の問題だろうね...
「2位はBクラス、126ポイント。」
うん、妥当な結果だね。正直、一之瀬クラスのリーダーの情報を手に入れられるかは完全に高円寺くん次第だったけどね...
「そして...1位はDクラス、255ポイント。」
その瞬間、Dクラスの生徒達から喜びの声があがったのは言うまでもない...
今回の無人島試験の結果、クラスポイントは...
坂柳クラス 1017cp(+60cp)
龍園クラス 842cp(+126cp)
一之瀬クラス 668cp(+90cp)
堀北クラス 342cp(+255cp)
また、一歩...Aクラスに近づいたね~!
とはいえ、船に戻った後も船上試験とかいう更なる特別試験がおこなわれる事を私は知ってる。だから、気を抜くつもりはないよ~!
主な原作との相違点。
◆無人島試験の結果が変わった。
・・・タネ明かしについては船上試験編にて語られる予定です。
無人島試験編終了~!次からは船上試験編に入ります。次の更新がいつになるかは分かりませんが、よろしくお願いいたします!