転生したら西野武子だったので、原作知識を生かして無双します! 作:たかきょう
第5話.中間試験にむけて
その日の放課後、
龍園が目線で私に合図すると無言で教卓へと向かった。それを受けて、私も彼のあとを追って教卓へと向かう。
ちなみに...その後ろには石崎とアルベルトの姿まである。
どうやら、龍園は無事にこの日までにアルベルトを屈服させる事ができたようだ。
「全員、聞きやがれ。今後のCクラスは俺が王として君臨する。」
いまだにホームルームでの事が頭から抜けきれていないであろう、クラスメート達にそう宣言した。
「はぁっ⁉いきなり、そんな事を言われて納得できるわけないでしょ⁉」
今、龍園に食ってかかったのは伊吹さんだ。他にも何人かの生徒が不満を露にしている様子だ。そんな、生徒達に対して龍園は言い放つ。
「おいおい、伊吹...俺は坂上の言う通り、俺は初日でSシステムの謎を解明して、今後はこのクラスがどう立ち回れたらいいかを1ヶ月の間、ずっと考えていたんだぜ。お前はこのクラスのために何かしたか?」
「くっ‼...」
口調はウザいが、龍園が言っている事は紛れもない事実なので何も言い返す事ができない。
「ちょっと待てよ!それを言うなら、西野だって初日にSシステムを見破ってたじゃねえかよ‼」
黙り込んでしまった伊吹さんに代わって、今度は時任君が言い返す。
まぁ、私の場合は見破った...というよりかは、最初から知っていたって言うのが正しいんだけどね...
「けっ‼時任よぉ...てめぇの目は節穴か?その武子が俺の横に立っているんだぞ。これが何を意味すんのか、わかんねぇのか?.........武子はこの俺の方針に賛成してるって事だよ。」
「なっ⁉おい、西野!お前はそれでいいのかよ⁉龍園にこのクラスを任せる事になるんだぞ⁉」
時任君はそれでも納得がいかないと、今度は私に訴えかけてくる。
「時任君、ごめんね。私の事を評価してくれるのは嬉しいんだけどね、私は彼が...龍園君がこのクラスの絶対的なリーダーになるべきだと思ったの。だから、私は彼についていくつもり。」
「なっ⁉」
私にそう言われると、時任君は悔しそうな表情を浮かべて私から顔をそらした。
「これで分かったろ?まだ不満がある奴がいるなら、遠慮なくこの場で異論を言いやがれ。まぁ、内心では反対しておきながら、意見すら言う勇気もない雑魚にこのクラスのリーダーになる資格なんてありはしないがな。」
締めの龍園の言葉に今度は一つとして反対の声はあがらなかった。
彼に対する恐怖の感情だったり、彼に賭けてみようという思いだったり、そもそも無関心だったりと...それぞれの気持ちはバラバラだったが、龍園がクラスのリーダーになる事自体に反対する生徒は皆無だった。
「.........なさそうだな。なら、決定だな。今後はこの俺がCクラスの王、龍園翔だ。安心しろ、お前達が俺に従い続けると誓うならば、俺はお前達をAクラスで卒業させてやる。」
こうして、原作通りに龍園翔がCクラスの王として君臨したのだった...
・・・・・
5月が始まって、1週間が過ぎた。
あれから、私達のクラスは全員が中間試験に向けての勉強を進めている。特にこのままだと退学濃厚な石崎は皆の足を引っ張るまいと、成績優秀な金田君から勉強を教わっていた。
「石崎氏、ここは間違ってます。正しくは...」
「やっべ、 この辺が難しいな...」
そんな様子の石崎に対して、真鍋グループのメンバーはバカを見るような目をしてクスクスと笑っているが、果たして自分達の勉強は大丈夫なのだろうか?
「それで、他に分からないところはある?」
「わざわざ教えてくれてありがとう!西野ちゃんって頭良いよね。」
今、私が勉強を見ているのは矢島麻里子という女子生徒だ。彼女は木下さんと同じく陸上部に所属しており、私は木下さんを介して彼女と親しくなっていた。
「いやいや、椎名さんや金田君に比べたら大した事ないよ...」
「それでもだよ!西野ちゃんだって凄いじゃん!」
私はこうやって矢島さんと話している間にも、とある事を考えている。
(なんとかして、過去問を手に入れないと...)
・・・・・
「それで?話ってなんだ?生徒会へ入るかどうかの答えを出しにきたのか?」
「えっと...それもありますが、それ以上に南雲副会長から頂きたい物があるのですが...」
私はなんとかして南雲先輩から過去問を頂けないかと交渉しにきた。原作でCクラスが過去問の存在に気づいていたかは定かではないが、過去問は持っておくに越した事がないという結論に至ったのだ。
「ほう、言ってみろよ。」
南雲先輩が面白そうに私を見ながら催促してくる。
「中間試験の過去問です。」
「はっ‼気づきやがったか...いや、お前の場合は気づいて当然なのかもしれないな。」
そう言うと、南雲先輩は自分の鞄から、テスト用紙を何枚か取り出すと私に手渡してきた。
「ほらよ、お前がお望みのものだ。」
「えっ⁉無料で良いんですか?......というか、鞄に入れてたって事は私が過去問を要求する事を読んでたって事ですか⁉」
「ふん、初日でSシステムを見抜くようなやつが、自分から生徒会の副会長に接触するって事は...また、何か見抜いたと考えるのが自然だ。タイミング的に中間試験に関連する事だと読んで、事前に過去問を用意しておいたのさ。」
「そうだったんですね...」
「前にも言った通り、俺はお前に期待している。だから、わざわざポイントを取るまでもない。」
驚かされたけど、原作では綾小路のかませ犬的なイメージが強かった彼だが、よく考えてみると、あの堀北学が危険視するほどの人物である。
私は思ったよりも南雲雅という人間を舐めていたのかもしれないね...
「今年の1年で期待できそうなのはお前と坂柳と高円寺ぐらいか?ただ...高円寺は性格的に生徒会に興味はなさそうだし、坂柳にも断られちまったからな...今年の1年で俺が生徒会へ推薦できるのはもうお前だけだな...」
あいにく、私も原作知識を知ってるだけの凡人なんですけどね......さて、ここからが本番だ。
「南雲副会長、あなたにもう一つお願いがあるのですが...」
「はぁっ⁉もう一つだと...」
さすがに私の次の望みは南雲先輩にも分からないようで、疑問を浮かべた様子で私を見ている。
「【この学校はポイントで買えないものはない】そうでしたよね?なので、南雲副会長にポイントを払えば簡単に望みを叶えられますよね?」
「あぁ、間違いないな。ただ、俺の出来る範囲だぞ...」
「それなら十分です。」
だが、しかし...私が今から言うものは本当にポイントで買えるのだろうか?
「南雲副会長、他の上級生に対して.........
.........
「はっ⁉」
それを聞いた時の南雲先輩の唖然とした表情は忘れられない。
主な原作との相違点。
◆南雲が一之瀬と葛城を生徒会へ推薦しなかった。
・・・この世界の南雲は西野という、堀北学の卒業後に楽しめるかもしれない最高の玩具を手に入れた事で満足し、西野以下と見なした二人には見向きもしなかった。