ユリアはユリアンがモデルの別キャラです
ゾフィーがゾーフィなのと似ている感じです
あとちなみに重要キャラが死にますのでご注意ください
ウルトラマンの故郷、M78星雲またの名を光の国にシンジはたどり着いた。
周囲は眩いばかりの光で包まれている。
その中をウルトラマン数名が囲んでいた。
「…あなたたちはなんなんですか。」
『我々はウルトラマンだ。宇宙に漂っている君をここまで連れてきた。君は本当なら死んでいるんだ。だが、私が生命を戻してやった。君の力の元の持ち主は消えてしまったようだ…。』
ゾーフィと呼ばれたウルトラマンのリーダーは残念そうに言った。
「…僕を戻してください。」
『戻すとは‥?』
「とぼけないでくれ!僕をさっさと戻してあの怪獣をやっつけさせてくれよ!このまま黙って放置していれば、多くの人がゴジラに殺されるんだぞ!今こうしている間にだって殺されてるかもしれない!!!」
ゾーフィは冷たくいった。
『それがどうしたというのだ』
「え!?」
『あの怪獣どもは元々別の次元にいた、その次元の壁を割き呼び寄せたのは君たちものだ。自業自得だよ。』
シンジは怒りでいっぱいになりそうだった。
「それは部分的だ!多くの人はそうじゃないぞ!」
『まあ、それはそうかもしれん。だが手を貸すことはない。』
なんて無責任な連中だ。
人間も大概だが、こいつもひどい。
「なんであんたらは、怪獣を倒さないんだ!」
『我々の目的は宇宙の調和を守ることだ、あとついでに言っておくが、我々が束になっても、ゴジラには勝てない。』
「な、なんだって!!」
シンジは驚いた。
ウルトラマンが束になってもゴジラには勝てないのか。
『それに今地球で何かしている場合ではない。我々は我々でトラブルがある。先ほど、銀河連邦でクーデターを起こそうとするテロの首謀者の特定ができた。我らウルトラマン一族の裏切り者だ。そいつを倒す事を優先しろ。』
ウルトラマンの裏切り者がいたのか。
でも、地球はどうなるんだ。
「でも、地球が…!!!!」
『我々は何もする気もない。君も何もするな。君が戻ることも許さん。君はここで一生をウルトラマンとして過ごす。話は終わりだ。少し経てば、貴様には作戦会議に参加してもらう。』
ゾーフィは冷酷に告げると、姿を消した。
それに次いで、複数のウルトラマンが姿を消していった。
「何だよあいつら!!!!…話にならない!!!!!」
シンジは頭を抱えた。
宇宙最強の戦士の種族がまさかこれなんて…。
その時だった。
あるウルトラマンがやってきた。
他の個体と比較すると小柄で細くみえた。
『私、あなた様を看護することになりました。ユリアと申します。』
女性の個体のようだ。
「…」
『ご機嫌がすぐれないと思いますが、何とぞよろしくお願いします。』
シンジはふてくされていった。
数分の沈黙の後に彼は話した。
「地球はどうなるんですか。」
ユリアは少し首をひねった。
『…話しにくい事なのですが…』
「教えてください」
『今より72時間以内に、ゼットンが送られ太陽系ごと破壊されます』
シンジは目を見開いた。
あのまま破壊されるとすれば…ヒカリちゃんが!!!青葉さんが!!!ケンスケが!!!
「…!そんな」
『ゼットンでなければゴジラを倒すことはできないです。ゴジラがあのまま暴れれば次元破壊級の規模の災害がおきてしまうかもしれないのです。それがおきるまえにあの地球ごと破壊してしまうのです。』
ユリアと言われる個体は不満そうに肩を捻った。
『…納得いきませんよね。あの地球には何億という生命体と抱負な水資源がある。研究するにふさわしい場所なのに、破壊するなんて』
ようやく話が分かる相手がいた。
シンジはユリアをみつめた。
「…どうすればいいかな。」
『…一つだけ考えがございます。』
ユリアは、シンジを連れてある場所に呼び込んだ。
彼女は指を鳴らすと一瞬で瞬間移動をした。
「わ!」
『フフ、びっくりしますよね。』
「するのはなれっこなんだけど、自分がされるのはな。」
ユリアは指をさした。
その咆哮には、大きなエメラルド色の鉱石があった。
そこからは光を放っていた。
『アレはスペシウムエネルギーの原石、プラズマスパークその破片。アレを手にいれ何らかの形で体内にいれればあなたのエネルギーはさらに増幅。さらなるパワーを得ることができます。』
「どういうことだ?」
ユリアはシンジの顔をみつめた。
『わかりやすくいえば、地球の環境では3分しか活動できない我々の活動領域がほぼ無限大になります。』
「ですが?」
『死ぬかもしれません。』
シンジは再び目を見開いた。
こんなに死への躊躇がないのか。
人間と感覚が違うようだ。
あっさりと言われた。
「死ぬって…。」
『どうしますか?』
シンジは考え込んだ。
その時、頭に何かが浮かんだ。
洞木ヒカリ。
彼女の笑顔、愛くるしい四肢。
彼女を失いたくない。
『いかがいたしますか?』
「…僕は、地球に愛する人を残しました。その人を死なせるぐらいなら僕が死んだ方がマシだ。」
シンジは重く言った。
洞木ヒカリ、彼女だけは死なせたくない。
『では、決意はできたようですね。私が時を止めておきます。その間にいってくださいませ。』
ユリアは指を鳴らした。
すると、周囲の時間が止まったように感じた。
シンジはその隙に走っていった。
「ありがとう、ユリアン!生きていたら必ず恩を返す!」
シンジは走った。
そして、エメラルドの塊を手に入れた。
やがて、彼はそれを飲み込んだ。
「………!!!!!」
時は動き出した。
周囲のウルトラマンたちが気付いた。
ユリアはそれをみつめている。
奥からやってきたゾーフィは呆れたように話しかけた。
『何をしてるんだ、ユリア。』
『愛で溢れた殿方、若き日のあなた様によく似ています。兄上』
ゾーフィはため息をついた。
ユリアはさらにたたみかけた。
『非常に面白いサンプルでございます。それにこのタイミングちょうどよいではありませんか、あの方は生き残るかも。あの方が生き残り、ゴジラに勝てば…ゼットンを派遣させるまでもありませんのでは?』
『…勝手なことを、まあいい。』
ユリアンとゾーフィはみつめた。
シンジは胸をもがき苦しみながら倒れた。
ユリアンは心底ガッカリした。
ゾーフィはため息を深々とつくと妹に言った。
『…死んだようだな、大事な戦士を失った。いくらお前といえども、あとでこの責任はとらせてもらうぞ。』
その時だった。
ドクン…。
心臓の音がした。
その場にいる全てが聞こえた。
ゾーフィとユリアンは振り返った。
そして、沈黙が続いた。
その時だった。
ゴオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオン!!!!!!!!!
巨大な衝撃波と轟音が響いた。
下級戦士は衝撃波に吹き飛ばされ、多くがケガを負った。
ゾーフィもたじろいた。
圧倒的なエネルギーの前に何もできない。
シンジの体をさらなる光が包み込んだ。
それは、あらゆるウルトラマンの中で、シンジが最強になったことを意味していた。
『な、なんだこれは…ゼットンを越えるエネルギーを感じるぞ…!!!!』
『なんだなんだ!!!!』
周囲のウルトラマンたちは騒いでいた。
ゾーフィはその騒動を他人事のようにみていた。
シンジはウルトラマンに変身すると、ゾーフィをみつめた。
「ゾーフィといったな。」
『ああ。』
「地球の破壊計画をやめろ、さもなければ、今ここでお前を殺すぞ、わかったな!!!」
『‥‥わかった、貴様に全てを任せる。』
「約束だぞ。」
シンジはそのまま、M78星雲を抜けていった。
ゾーフィはそれを黙って観ていた。
『あれが、それがどこまで強いのか。まあわれわれはしばらく観察しておくか。』
『その通り、負ければそれまで。死ねばそれまでです。』
『やはりお前は残酷だ、ユリア。』
ゾーフィはあきらめたようにつぶやいた。
その頃、地球
ウルトラマンが消えた。
キングジョーも負けた。
そして、ゴジラが戻ってきた。
このニュースは世界中を震撼させた。
アスカは、そんな中ある場所に訪れていた。
ウェイン邸。
かつて世界一の大富豪であったが、ルーサー家に負け没落したかつての東海岸の名門一家。
なぜ、彼女がここに来たのか理由があった。
彼女は、知り合いの米軍人ジョン・スチュワートからある情報を聞いていた。
ルーサーと対立する大富豪ウェインが、ゴジラの細胞を抑制する物質を生み出すことに成功しているとの事だった。
アスカはスチュワートと仲が良かったが、数日前に彼は東南アジアでの戦線に送られてしまった。
ルーサーの嫌がらせだろう。
彼女はインターホンを押そうとした。
すると、娼婦数人を脇にいれた胡散臭そうな大男がやってきた。
「…何アイツ。」
大男は、アスカの存在に気が付くと近寄ってきた。
酷く酔っているようだ。
「あー?なんだい?アンタ、どこのガキだ?」
「アンタ誰」
「おいおい、このガキ、僕を知らないってさァ!僕はな、ブルース・ウェインだっつーの!!ハハハ!!」
アスカはあっけにとられた。
そして、思い出した。
先代のトーマスウェインは引退し、現在息子のブルースが受け継いでいる。
まさかコイツがそうだとは…。
「あの…」
「なんだ?ハロウィンならもうすぎちまったぞ?」
ブルースのジョークに娼婦たちは笑っている。
「…あなた、ジョン・スチュワートを知っている?」
ブルースの表情が一瞬で変わった。
「ちょっと待て、どこでその名前を知っている。」
「ジョンが教えてくれたの、あなたがとんでもない研究をしているって…。」
ブルースは周囲を見ると、娼婦たちに向かって怒鳴り始めた。
「おい、お前ら!邪魔だ!さっさと帰れ!アバズレ!もうパーティーは終わりだ!失せろ!」
「ええええ?何よそれ!」
「死ね!ブルース!」
娼婦たちはブーイングを言った。
ブルースは彼女たちに小切手を渡すと、早々に追い出した。
そして、アスカをみつめた。
「入れ。」
「ありがと。」
ふとみると、年老いた執事が部屋の掃除をしていた。
「おい、コイツは娼婦じゃないぞ!それだけは言っておく。」
「承知しました。」
執事は淡泊に返した。
馴れているみたいだ。
「お前、どこのガキだ?なぜあの研究を知っている。」
「私はルーサーのキングジョーのパイロットよ。」
「あのガラクタの!?ハッ!ルーサーに、あんなもん作るより生物兵器を作るほうがいいって言ってやったんだが…あのアホはまとも話を聞かなかったんだ!」
ウェインは彼女を屋敷に通した。
「いいか、誰にも言うなよ。」
「わかっているわ。」
「ホントだぞ、ホントのホントだぞ。」
「しつこいって!」
ウェインは、屋敷のリビングを抜けると、階段をおり地下室へと向かった。
そこには金庫のようなものがあり、そこにはパスコード式のドアがあった。
「お前のせいで酔いが冷めちまった、まあ…いいか!」
ウェインはボタンを押すと乱雑に案内した。
アスカは驚いた。
そこは研究施設だった。
複数名の研究者が働いていた。
「あいつはバリー、俺がCSIからスカウトした。あそこにいるのはレイ、ノーベル化学賞を受賞した科学者、そしてあそこはパメラ、イカレた保護活動家だったのでこっちへ呼んだ。」
「…で、ここで何をしているの。」
「わかっているだろ、抗Gバクテリアだ。」
アスカはキョトンとした。
「まさか、怪獣と戦っているくせに、怪獣の事も知らんのか、だからルーサーはダメなんだ。いいか、怪獣の中でも一番強いゴジラはゴジラ細胞で動いている。このゴジラ細胞があるおかげでヤツは不死身であらゆる攻撃に耐性がついている。だが、俺はこのゴジラ細胞の動きを弱める物をみつけた。まあ、出所はいえないがね。」
ブルースはある試験管を指さした。
「…俺は長年研究していた、ゴジラを倒すにはこれしかないとな。だが、軍は同盟国にキングジョーを叩き売りたいから俺のプランを蹴りやがったのさ、それがあのザマだ。ざまみろ!」
アスカはブルースをみつめた。
その表情は悔しさと憎悪が滲んでいた。
「じゃあさ、一緒に連中の鼻をあかしてやらない?あいつらが間違っていて私たちが正しいと証明しましょうよ。」
ブルースも笑顔で返した。
どうやら答えは同じのようだ。
数時間後
シアトルを破壊しつくしたゴジラは満足して上機嫌で太平洋を横断していた。
この太平洋はこの個体の縄張りだ。
ゴジラは数年をペースに狩りを行う。
このゴジラの狩り場はここと決まっている。
彼は東に、東に進んでいった。
太平洋艦隊はそんなゴジラを追いかけ、幾度も幾度も攻撃を行ったがゴジラは全く無反応だった。
1200m以上の巨躯は陸上の動きでは信じられないスピードで突き進んでいった。
米国の艦隊はゴジラを止めようとしていたが、そのほとんどが背びれだけで切り裂かれて行った。
時々、邪魔に感じるものは尻尾で払いのけ轟沈させた。
アメリカ、ペンタゴンではその様子を苦々しく見ている男がいた。
サミュエル・レーン将軍。
米軍制服組のトップ。
彼はモニターを苦々しくみていた。
「…ゴジラは北太平洋に向かい横断中、」
「戦艦シカゴからの反応なし、轟沈した様子。」
「このままでは日本に上陸するな。」
「ヤツのペースで進んでいる。」
オペレーターが繰り返している。
レーンは頭を抱えた。
彼は今までキングジョー計画にベットし続けていた。
だが、それも全て白紙となった。
「…アレを使うしかない。」
レーンは呟いた。
その場にいる全ては思わず身をのけぞった。
「ですが…将軍。」
「ほかにヤツを止められるかね?」
レーンはあるボタンを取り出した。
それは絶対零度砲。
恐らく太平洋前後は氷河で包まれる。
だが、レーンは人間のプライド・存亡のために決断を迫られていた。
彼自身の指が震えていた。
「将軍お待ちください!!!」
レーンを制止する声が聞こえた。
女性の声。
彼はそれをモニター状で散々聞いていた。
アスカ・ラングレーだ。
「君はキングジョーのパイロットだったかな?」
「はい。」
「君はルーサー預かりだ。残念だが、ここでの発言権はないぞ。」
アスカはニヤッと笑った。
「あいつを倒す方法があるといえば?」
レーンは表情を一変させた。
「…本当か?」
「将軍はウェインをご存知ですか。」
ウェインか、トーマス・ウェインとは長い間友人だったが、代替わりしたボンクラ息子とは交友を結んでいない。
「…何が言いたい。」
「ウェインは、開発をしていました。ゴジラの細胞の中にある物質を弱体化させる特殊な生物兵器をね。それを大きな弾道ミサイルに搭載し、それを投下するんです。」
レーンは考え込んだ。
ウェインの案は採用とならなかったはず。
何を隠そう、ルーサー家とコネのあるレーンが潰させた。
だが、今は世界の危機だ。
「…リスクが大きすぎる。ほかに感染者が出るかもしれんぞ。」
「…太平洋を氷の塊に変える爆弾よりはマシですよ。」
彼は考えを張り巡らせた。
「以前、私は重力爆弾を投下させたがやつはそれを迎撃した。高い反射神経を持っているんだ。ただのでかくてのろまな恐竜ではないぞ。」
「キングジョーがヤツの相手をします、その間に攻撃をしてみてはいかがですか。」
この小娘中々の策士だ。
レーンはアスカのアイデアを呑む事にした。
その様子を沈黙とともにレックス・ルーサーはみつめていた。
彼は黙認した。
成功すればキングジョーの箔も上がる。
悪いプランではない。
「いいのか、レックス。」
ルーサーの自伝を書いているジャーナリストのクラークが言った。
「何がだ?」
「お前のプランではないのだろう。」
「それは不満だ、だがそんなことを言っている場合ではないだろう。」
ルーサーには考えがあった。
だが、今それは関係がない
彼は沈黙を選んだ。
アメリカでは着々とゴジラ討伐に向かっての作業が進んでいたが、日本では別の作業が始まっていた。
ゴジラが日本に向かい上陸が進んでいる。
しかも、もうすぐ名古屋湾に上陸をする。
日本は数多くのゴジラ災害に苦しんでいた。
世界で最初に被害にあった東京および関東地方は現在封鎖されている。
数年前に被害のあった山口県・大阪府も同様だ。
住民たちはパニックに包まれていた。
洞木ヒカリとその妹も同じだった。
名古屋の街にサイレンが響いていた。
ヒカリは妹を抱き寄せながら避難所に向かっていた。
「大丈夫だから!!!!」
「おねえぢゃん!またアイツなの?まだあいつ!?」
妹は困惑していた。
今までの怪獣とは違う。
「大丈夫、ウルトラマンがいるわ!だからあたしたちは逃げるしかないの!!」
「でもウルトラマンはあいつに宇宙に吹き飛ばされちゃったじゃん!!!死んじゃったじゃん!!!」
ヒカリは立ち止った。
彼女はウルトラマンを思い浮かべた。
碇君。
彼は、負けてしまった。
ゴジラに。
だが、彼女は認めたくなかった。
「死んでなんかいないわ。」
「姉ちゃん。」
「ウルトラマンは死んでない…!」
ヒカリはそういうしか無かった。
気休め程度の言葉しかかけられなかった。
その時だった。
ドォォォォォォォォォン!!!!!!!!!
轟音と地響きがきた。
その場にいる全てがこれが何を意味するのかわかった。
死と破壊をつかさどる神がやってきた。
怪獣たちの王族がやってきた。
「あ、ああああ…」
「俺たち死ぬんだ」
「あああ…」
人々が絶句した。
街並みが破壊されて行く。
日本第三の首都として建造された新名古屋市が、ゴジラに蹂躙されようとしている。
その場にいた人々は恐怖のあまり、逃げる事すら放棄していた。
もはや、死しかない。
そんな諦めがあった。
ゴジラは、白い目をギロリと向けた。
「…あ、あああ…ああああああ‥」
ヒカリは妹が絶望に苦しむ声を耳にした。
彼女は震えあがっている。
彼女も怖くなってきた。
ゴジラが、山口県を襲撃した時彼女は、強姦されそうになった。
「フウッ、ああ、はあ…。」
ヒカリの胸を動悸が走った。
胸がざわめく。
苦しい。
「姉ちゃん…?」
「ごめん、私‥私…。」
その時だった。
上空から三つの物体が降ってきた。
それはレーザー光線をゴジラにあてた。
ゴジラはこの光線のエネルギーを吸収すると、背びれの中に溜め込んだ。
物体は人型に合体すると本性をみせた。
キングジョーだ。
グワシ…グワシ…。
機械音が響いた。
キングジョーはゴジラから人々を守るためにゴジラに突撃をしようとした。
だが、キングジョーの中にいるアスカはゴジラの巨大さに改めて驚かされた。
「なんて大きさなの…。」
キングジョーの4倍以上ある巨体は見下ろしていた。
100mほどのキングジョーはその時、さながら巨神に挑む小人のようだった。
アスカは恐怖が腕の中に走ってくるのがわかった。
「…!!!!」
アスカはその時、初めて恐怖を覚えた。
レッドキングや今までみたいに山のように強い敵と対峙した。
だが、これは違う。
今までのそれではない。
まさしく、「破壊神」。
「は、はあ…!!!はあッ!!!」
アスカは息を粗くし恐怖を抑えようとした。
彼女は身震いが止まらなかった。
ゴジラはそれをじーっとみると、通り過ぎようとした。
彼女は気が付いた。
「…おいっ!!!」
彼女は怒りのあまりゴジラの尾をつかんだ。
1億トン以上の物を持ち上げる怪力ならこいつを…。
「……ッ!?」
キングジョーは綱引きで引き摺られる下級生のように、ゴジラに引きずられた。
「ちょ、えええええッ!?」
アスカは全力で力をいれた。
だが、なすすべがない。
引き摺られるだけだ。
ゴジラは気づいてすらいない。
「畜生、チクショウ…チクショウ…。」
アスカは自らの無力さに打ちひしがれた。
何もできない。
無力。
ああ、この私は作戦の発案者は私なのに…。
その時、さらに無常が起きた。
ゴジラは尾の力を軽く使うと、まるで上機嫌の犬のように尾を振るった。
振り回されたアスカは、太平洋に吹き飛ばされた。
「あああッ!!!!」
バシャァーン!!!!!!
太平洋の水がアスカを包んだ。
その冷たさにアスカはハッとした。
「畜生、あのトカゲ!!!!」
キングジョーを起き上がらせると、アスカは右腕の全てのエネルギーを込めた。
もしかしたら、オーバーヒートをおこすかもしれない。
これが原因で、死ぬかもしれない。
だが、それでも…勝利の栄光のためならッ!!!!!
「いくぞ~~~~~!!!!!」
その時だった。
『もういいよ』
声がした。
アスカは行動を止めて、振り返った。
そこには、ウルトラマンが立っていた。
「…アンタっ!生きていたの?」
アスカは希望が心の中に戻っていくのが分かっていった。
『…何か作戦があるんだね、僕にも手伝わせてよ。』
「…心を読んでいるのね。」
『ごめんね。』
「…高いおつりをつけるわよ。これが終わったら顔をみせなさい!」
『そうしよう。』
キングジョーとウルトラマンはゴジラに近づいた。
そして二体は素早く、その拳をゴジラにぶつけた。
ゴォオオオオオオオオオン……!!!!!
地響きがした。
衝撃波は響いている。
周囲のビルが崩れていっている。
ヒカリは、その煙の中妹を抱きかかえた。
そして、彼女は景色が見えるようになると、周囲を確認した。
金色に輝くキングジョーとその横にいる。
白銀の巨人ウルトラマンが。
「あッ!!!」
ヒカリは思わず声を出した。
妹もそれにつられ観た。
「お姉ちゃんの言っていた事、正しかった…ウルトラマン生きていた。」
「でしょ…!」
洞木ヒカリは安堵した。
生きていた、碇君は生きていた。
彼女は心の中で言った。
『おかえり碇君。』
ウルトラマンにも、シンジにもその声が聞こえていた。
人々の中にも希望の声があがった。
「おおおおおっ!!!」
「生きていたじゃねーか!!!」
「やったぜ!!!」
「ゴジラをやっつけてくれよ!!」
ゴジラは、どうだったのか。
人々はみた。
黒い怪獣。
怪獣たちの王は、傷一つなかった。
『何ッ!?』
「なんで…」
アスカとシンジはそれぞれ戸惑いをみせた。
しかし、ゴジラの様子は今までと違った。
白い目は先をとがらせ、眉間にしわがよっていた。
その時、シンジはわかった、意外と効いている。
『少し痛かったようだ。』
シンジはその時、ゴジラの気持ちがわかってきた。
コイツは怒っている。
静かに、怒っている。
そして、彼の全身の筋肉が戦闘モードに入っている。
『怒っているな、だがな…バケモノ、僕もお前に怒っているんだよ!!!!』
ウルトラマンはすぐさま、スペシウム光線の構えをとるとすぐさま放った。
だが…ゴジラはそのエネルギーを吸収した。
ウルトラマン最強の必殺技が通じない。
『だったら、こうだ!』
彼は後ろに下がるとギロチン状の光輪を飛び出した。
光輪は複数枚飛び出すとゴジラに降り注いだ。
だが、ゴジラの強靭な皮膚は傷すらつかない。
『くっ…』
「ったく、あんたバカぁ!?私の作戦に乗るんでしょ、だったら無駄なことをするんじゃないわよ。」
アスカは冷や水をかけた。
ウルトラマンは念じた。
『だったら…こうだ!』
その時、ゴジラの動きがピタリと止まった。
念力だ。
従来の念力の倍以上の力…。
そのはずだが、ゴジラの前では足止め以外に何もできない。
骨を折ろうにもこれ以上の念力を出すことはできない。
「やるじゃない。」
アスカは感心した。
『おい、キングジョー!!!みているだけか!!!さっさと頼む!!!!』
アスカは動いた。
彼女は無線を通じて連絡を出した。
「こちら、ジョー。スーサイド・スクワッド、任務を開始せよ。」
その時、ヘリコプターとともに米軍の一団がやってきた。
あらゆる国のお尋ね者、アウトサイダー、戦争犯罪者に米国国籍と米軍の所属を与える反面。
死をいとわない部隊として送りこむ。
人は、それを『自殺部隊』またはスーサイド・スクワッドといった。
隊長のスレイド・ウィルソンは眼帯の中に仕込んだカメラをのぞかせた。
この特殊なバクテリアは、ゴジラの皮膚にあてても意味がない。
ヤツの口にいれなければ意味がないのだ。
彼らはその任務を背負い、ここにやってきた。
その時だった。
『グ、ダメだ…。』
念力が通じない。
ウルトラマンの念力の力が弱まった。
と、同時にゴジラは動き始めた。
そして、咆哮をあげた。
グルゥオォオオオオオオおおおおおおおおおおおおおおオオン!!!!!!!!!!
その衝撃波とともに、ウルトラマンとキングジョーは吹き飛んだ。
そして、海の中に両者ともに倒れた。
『ぬわああああああああああああああああああああああ!!!』
「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!」
キングジョーは、ゴジラの放った衝撃波で装甲が砕けていった。
まるで飴細工のように特殊合金は砕けていった。
ウルトラマンも衝撃波とともに、左肩の骨が砕けていくのがわかった。
両者は吹き飛ばされ、海の中に倒れた。
バシャあああン!!!!!
二体は海の中に倒れると巨大な水柱が上がった。
やがて、二体はなんとか起き上がるまでには至った。
「おい大丈夫か」
『大丈夫なわけないでしょ』
ウルトラマンは片腕を痛めた。
カラータイマーが点滅している。
死が迫りつつある。
キングジョーの装甲は8割ほどはがれている。
鉄骨がはがれている。
左腕左足はもげている。
大破した装甲はこれ以上の攻撃を受け切れる余裕はない。
「…あ、あああああああ…!!!」
『…腕が、動かない…。』
「アレだけで、私の装甲が…」
ゴジラは、市街地ではなく海に近づいている。
シンジは絶望した。
普通のウルトラマンの倍以上の力がある。
事実上三分以上の活動ができる。
なのに、そのはずなのに…負けかけている。
立ち上がることで、精一杯だ。
「ねえ、アンタ」
『なんだ』
「私、足手まといよね。」
『まさか、そんな!!!』
「素直に言って。」
シンジは先ほど彼女の心を読んだ。
彼女は一番言われると嫌な言葉は「足手まとい」だ。
だが、今の戦力さをみると、実際に足手まといだ。
『残念だが、今の君のロボットの装甲の損傷をみると、戦えないね。』
「そうよね…。」
アスカは微笑んだ。
皮肉だ、一番言われたくない言葉を一番言われたくない相手に言われた。
でも、不思議と嫌な気はしない。
『ごめん。』
「謝ることじゃないわ。」
アスカは現実を受け入れた。
そして、覚悟を決めた。
「アンタ、今あそこにいる米軍の部隊は口を狙うためにいる。バクテリアはゴジラの口に入れて意味があるの…。」
『何が言いたいんだ。』
「…バクテリアがうまく働けば、あいつの全てを吸収するゴジラ細胞の動きは沈黙するよ。アンタの体からあふれるそのエネルギー、その時、あいつにぶつけてよね。アンタ動けるんだから。」
シンジはその時わかった。
こいつは死を覚悟している。
「アンタ、名前は」
『碇シンジ、君は』
「アスカ」
シンジはその時、何かを思い出した。
そうだ、この娘。
どこかで会っている。
頭の中で浮かび上がった。
記憶の中に隠した少女の思い出。
『…!!!アスカ!?アスカって…!!!』
「そんなことより今からやること、全部アタシのプライドのためだから止めないでね。役立たずなんかより死ぬ方がマシだもの。」
役立たずのまま終われない。
だったら、あいつに一矢報いてやるほうがいい。
『いや、やめろ!』
「シンジ、色々と楽しかったわ。」
アスカはウルトラマンに向かい、微笑んだ。
『待て!!!!!!』
シンジは静止した。
足が動かない。
アスカは耳を貸さなかった。
「フン、シンジ…あたし、アンタの事好きかもしれない、バカ。」
アスカは呟いた。
悔しいけど、ウルトラマンの勝ちだ。
何をやっても彼女は勝てない。
だったら、せめて、時間を作りたい。
シンジはその呟きが聞こえてしまった。
そして、声も。
その時、シンジは気が付いた。
自分は、このオリジナルを知っている。
名前も知っている。
惣流・アスカ・ラングレー。
シンジはうめき声をだした。
『アスカ…!!!!!!』
キングジョーの全身が動く。
そして、大きく飛び上がった。
脇からバーニングブレードを構えた。
「喰らえ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」
ブレードがゴジラの下顎に突き刺さった。
だが、ゴジラは噛みつき、それを一瞬でかみ砕いた。
そして、再び咆哮をあげた。
グルォオオオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオン!!!!!!!!!
キングジョーはその咆哮に耐えられなかった。
その装甲はボロボロにはがれていった。
風圧と衝撃波で全てが吹き飛んだ。
そして、アスカと愛機は塵となって消えていった。
「‥バイバイ、バカシンジ」
アスカの最期の声が聞こえた。
嬉しそうな寂しそうな声だった。
『‥‥!!!!!!!!』
ウルトラマンは腕を抑えた。
その力が治癒していく。
そして、怒りのエネルギーが全身をかけめぐった。
『お前ェ!!!!!』
コイツのために父は死んだ。
コイツのためにミサトさんも狂ってしまった。
そして、次はあの人生もろくに知らない少女だったクローンのアスカが死んだ。
世界を守るために、自分の無力感を知りながら。
その覚悟はどんなものだったのだろうか。
『もう、許さん!!!!』
シンジは気配を探した。
アスカが言った特殊部隊がいる場所もわかった。
その咆哮を確認したウルトラマンはゴジラにとびかかった。
そして、地面に押し倒し何度も何度も殴り飛ばした。
『お前!!!お前!!!!!お前!!!!!!!』
ゴジラはその打撃を少し不快な表情をすると、ウルトラマンの顔をその巨大な爪の生えた掌で叩きつけた。
『ぐっ!!!!』
ウルトラマンはたじろいた。
すると、背後からゴジラの尾が背中に絡みついてきた。
『グ…ああ…!!!!』
怪獣王は縛る力を強めた。
カラータイマーの点滅は激しくなっている。
呼吸ができない。
このままでは、死んでしまう。
その時不思議な事が起こった。
避難所には青葉シゲルと伊吹マヤがいた。
二人は身を寄せ合いながら、抱き合った。
「お願い…だれか、あいつを倒してっ!!!」
マヤは叫んだ。
その声を聴いた青葉も叫んだ。
「頼む、あいつを止めれくれっ!!!!」
その声がシンジの頭に響いた。
青葉さん、マヤさん。
ここにいるんだ。
彼はマヤのお腹の中に、青葉の子供がいることも知った。
別の場所にいたのは成歩堂法律事務所の弁護士だった。
彼は若い女性を抱き寄せていた。
恐らく彼女だろう。
「あいつを、誰か倒してくれッ!!!!」
悲痛な声をあげている。
優しい人だった。
そして、ゴジラとウルトラマンが戦っている場所からそう遠くない場所にいた洞木ヒカリと妹は祈っていた。
「お願い神様、ウルトラマンを守ってあげて…。」
ヒカリの妹はそう言っていた。
横にいたヒカリは心の中で言った。
『碇君、私信じてるから…。』
ゴジラの尾で締め上げられていたシンジの体に再び力が入っていった。
希望の力がウルトラマンを強くした。
人々の想いが、ウルトラマンのスペシウムエネルギーを満たしていった。
すると、カラータイマーの点滅は止まっていった。
『負けられないっ…。』
ウルトラマンはゴジラの尾を力づくで掴むと、無理矢理こじあけ大きな隙間を作った。
ゴジラは、思わぬ反撃に、怪獣の王は歯ぎしりをしながら憎々しい希望の戦士を睨んだ。
そして、口を開けた。
口は青白く光っていた。
シンジはその時思い出した。
コイツの熱線はこう光ってくるんだ。
凄まじいエネルギーが伝わってくる。
10兆度はくだらないエネルギーを感じる。
『…まずいぞ、こんなの本気で出たら…ここが吹き飛んでしまう!!!』
いや、それだけじゃない。
このゴジラはキレている。
完全にブチギレている。
怒りと憎悪のパワーがこいつを強くする。
ということは…。
『もしかして、これが出たら太陽系は滅びる。』
絶望が強くなると、シンジの腕の力は一気に弱まった。
その時、ゴジラの尾は再び締め上げた。
『うああああッ!!!!!」
ウルトラマンを通じてシンジの背に激痛が走る。
シンジは完全に絶望した。
これだけやっても、コイツには勝てない。
強い、強すぎる…。
その様子をみていたスレイドはようやく自分の近くに怪物が来たことを確認した。
冷静沈着な彼は、ウルトラマンは人類の味方でゴジラは人類の敵であることがわかった。
「目標を確認した、今より攻撃する。」
スレイドはバクテリアの入った弾の搭載したライフルを向けた。
そして、引き金を引いた。
狙った弾は、まっすぐ、ゴジラの口の中に突き刺さった。
すると、弾丸の中にこもっていたナノマシンはすぐさま起動した。
ナノマシンから放たれたバクテリアは瞬時に、働いた。
バクテリアはフル稼働する全身のゴジラ細胞の働きを鎮静化させていった。
ゴジラの青く光った背びれと熱線はすぐさま効果を失っていった。
徐々に背びれの光は消えていった。
口の中を走る熱線のエネルギーも。
それだけではない、体内を駆け巡る不死身の生命力も消えていった。
さらにいうと、皮膚の強度も下がっていた。
全てがゴジラから失われていた。
その様子をスレイドは微笑んだ。
「やったぞ!アイツから力が抜けていく!!!今だ!!!もっとやれ!!!」
スレイドは無線で部下に命じた。
各方面に散らばった米軍の兵士たちはゴジラに向けてバクテリアのつもったライフルを撃ちまくった。
ゴジラの口の中にそれは次々と入っていった。
ゴジラは胸を掻きむしった。
そして、悶絶するような悲鳴を上げた。
アンギャおおおおおおおおおおおおオオオンンンンンンンンンン!!!!!
確実に苦しんでいる。
スレイドは自身の勝利を確信した。
そして、ウルトラマンに言った。
「あとは頼むぜ、ウルトラマン!」
尾の力が完全に緩まった。
ウルトラマンはようやく抜け出せた。
『はあ・・・はあ』
粗い呼吸を吐いた。
背中がまだ痛い。
その時、シンジにはあるものがみえた。
大きな剣。
キングジョーの剣だ。
『アスカ、お前が、役立たずじゃないってことをアイツにわからせてやるからな!』
今がチャンスだ。
とうとうあのゴジラを殺すときがきた。
ウルトラマンはふと、アスカ=キングジョーの持っていたブレイドを手にした。
そして、全身のスペシウムエネルギーを溜め込んだ。
ブレイドはスペシウムエネルギーを吸収すると、再生した。
巨大な剣ができた。
こんなこともできるのか、シンジは改めてウルトラマンの力に驚愕した。
『‥‥。』
頭の中に父の顔が思い浮かぶ。
父はゲンドウは人を怪獣に変えることをしていた。
だが、父の本当の目的は別にあったと信じている。
そもそもコイツがこの地球にこなければあんなことしなかった。
『父さん。』
次にミサトの顔が思い浮かんだ。
ゴジラのために全てを狂わせた悲しい女軍人。
僕を愛してくれたたった一人の女性。
『ミサトさん。』
最後はアスカだった。
彼女が残したこの武器、これでケリをつける。
『アスカ…!!!』
感じる人々の気持ちが、希望の力が。
みんなゴジラに打ちのめされた。
『お前は、みんなの仇だ!!!!!!!!!!!!!!!!』
シンジ=ウルトラマンは飛び上がった。
巨大なスペシウムエネルギーの塊でできた巨大な大剣はゴジラの左肩に向かって振り下ろした。
その剣はゴジラの半分ほどの大きさがあった。
ザクッ!!!!
刺さった。
シンジは全力を込めた。
ウルトラマンの全力がこもった一撃を、その斬撃をゴジラの左肩にブチあてた。
『うおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!』
その斬撃は怪獣王を切り刻んでいった。
ゴジラも、怪獣王も何かしないとと思い力を込めた。
だが、ゴジラが食うことのできない希望のエネルギー、そしてゴジラ細胞を抑制するバクテリアの影響でゴジラは全力を出す事も傷を再生することもできなかった。
斬撃は血管を切り裂き、肉を抉り、骨を砕いた。
『うらああああああああああああああああッ!!!!!!』
それは心臓に達した。
そして、とうとう怪獣王の心臓を抉り切り裂いた。
ゴジラは、怪獣の王は何もできなかった。
深々と切り刻まれたゴジラは赤い血をまき散らすと、地面に倒れた。
熱線が出ない。
不死身の再生能力も発揮できない。
全身を、ゴジラの食えない希望の生命エネルギーがつつんでいく。
熱を、電気を、放射能を、そして魂と憎悪と憤怒・恐怖のエントロピーを食うゴジラが勝てなかった。
死だ。
不死身だった怪獣の王がとうとう死ぬ時がきた。
シンジは目の前で倒れ、死に逝くゴジラを冷酷にみた。
ゴジラはそのまま皮膚がはがれ、肉が消え、骨だけになると朽ちていった。
ウルトラマンの背中を夕焼けが包んだ。
騒ぎは終わった。
夕焼けを包む、ウルトラマンを観て人々は喜んだ。
『ありがとう、みなさん。』
ウルトラマンは、その場にいる全ての心に礼を言った。
そこには、洞木ヒカリと妹がいた。
彼女らは微笑んでいた。
青葉とマヤも避難所から出ると、ウルトラマンをみつめていた。
成歩堂と恋人のマヨイも微笑んでいた。
ヘリコプターで一部始終をみていた、スレイド・ウィルソン大佐は敬礼をした。
ペンタゴンにいた全ての軍人も、ウルトラマンに敬礼をした。
彼は空中に高く飛び上がった。
人々は希望の心を取り戻した。
シンジは空中内で瞬間移動を行い、人々の前から姿を消すとある場所に来ていた。
そこは、ドイツハンブルグ。
現在ドイツ率いるEU連合軍はロシア率いる人民軍との戦いをポーランドとスウェーデンで行っている。
ドイツ製のEU軍戦車がどこかへ向かっている。
シンジは、アスカが死ぬ前に彼女の魂をみてしまった。
キングジョーに乗っていたアスカ、ここにいる少女をベースに生み出された合成人間だった。
彼は心の中の記憶を頼りに、ある場所へ来た。
「ここだ…。」
大きな屋敷だった。
ドイツに名高いラングレー家。
シンジは、5歳の頃、まだ怪獣被害が少なかったドイツに母とともに住んでいた。
その頃、出会ったのがアスカだった。
「ここは昔のままだ。」
ドイツは比較的怪獣の被害が少ない珍しい国だ。
シンジはアスカの屋敷のゲート前に来ると、誰かが話しかけた。
「アンタ…誰?」
声がした。
思わず、シンジは振り返った。
赤い髪の少女だ。
その美貌は相変わらずだ。
シンジは、彼女の名前を知っていた。
オリジナルのアスカ。
惣流・アスカ・ラングレーだった。
「僕を覚えてない?」
「…?」
アスカは腕を組んだ。
そして、記憶を張り巡らせた。
「碇だよ。日系人用の幼稚園で一緒だった。」
「…ごめん、覚えてない。」
「…そうか、ドイツによって懐かしく感じてきたんだ。でも覚えてないならいいよ。幸せそうでよかった。」
シンジはそう言い、アスカの元から去ろうとした。
アスカはその寂しげな表情に何か思い入れを感じると声をかけた。
「嘘よ、覚えてる。泣き虫のバカシンジでしょ。」
「!?」
「…ご飯ぐらい食べていきなさいよ。アンタ、バカァ?」
シンジは立ち止り微笑んだ。
彼女の口癖は抜けていないようだ。
その後、アスカの屋敷にいた執事がシンジのことを覚えており、執事とアスカとシンジの3人で昔話で盛り上がった。
ウルトラマンは、碇シンジは、つかの間の平和を楽しんでいた。
だが、彼はあらゆる事象に気が付いていなかった。
まず一つ、ウルトラマンという種族は宇宙規模の社会事変に巻き込まれつつあった。
もう一つは、地球内部自身で彼の敵がいたこと。
そして、もう一つ。
彼が倒したゴジラはまだ『子供』にすぎなかったこと。
これらは、彼を徐々に巻き込みつつあった。
それは、一つの悲劇を生み出していくのだった。
次回更新
11月後半になります
次回以降は怪獣というより宇宙人メインの回が増えます
また、速く終わらせる予定でしたが少しずれこみます
一応ラストは考えていますので、最後までお付き合いください