シン・ウルトラマンエヴァ   作:井上ああああ

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一応前話の2週間後設定です。


第四話「食事」

その日の夜、アメリカワシントンでは夜食会が開かれた。

数年前このアメリカは東海岸・西海岸ともに「破壊の神」と称される超大型怪獣に襲撃を受け壊滅的な被害を受けた。

 

 

だが、アメリカに襲撃した超大型怪獣による被害は今でも深刻であった。

 

この被害でカリフォルニアの全州は現在でも放射能汚染や未知の細菌、小型怪獣の群れなどによる汚染が凄まじく封鎖となっている。

その一方、ニューヨークなど東海岸の各都市では、レックス・ルーサーの支援の元で復興が日に日に進んでいる。

 

そんな復興の立役者であるルーサーは、ワシントンで開かれたワシントンの閣僚やアメリカ・及び同盟国の資産家富裕層のみが集められたパーティーを主催していた。

 

 

「紳士淑女の皆様、今宵集めっていただいたことに感謝します。」

 

 

ルーサーは、タキシードを着て周囲の人々に話を始めた。

 

 

「かつて我が国は超大型怪獣、あの忌々しい『破壊神』により多大な被害を受けました。そして、同盟国の皆様については、ご迷惑をかけました。ですが、それももう終わりです。我々は怪獣相手の戦争にも、中露相手の戦争にも、勝利するのです。」

 

 

 

拍手がおきた。

 

ルーサーは満たされる承認欲求に満足気な表情を浮かべた。

このパーティーには、アメリカ軍統合参謀本部議長であるサミュエル・レーンも参加した。

 

レーンが就任したのは数年ほど前であった。

それまでの米国は大怪獣の被害にあったことで、世界中に展開されていた米軍を本国に戻し、怪獣との戦いを繰り広げていた。

だが、レーンは、その行為がかつての同盟国・NATO加盟国への不評をかっているとわかるっていた。

 

そのため、米国から超大型怪獣が姿を消したと同時に、再び国際情勢に介入する姿勢を取り戻し、近年では台湾・沖縄・尖閣を巡る第二次日中戦争やロシアとEU諸国の間で起きた戦争にも介入し、これをアメリカ側に有利に進めることに成功している。

 

 

「中国もロシアももうすぐで我々にひれ伏すでしょう。なぜなら、我々はすでにエースを得ているのですから…。ちょうどいい、皆さんにご紹介しましょう。」

 

 

 

ルーサーは会場の奥にある大型モニターの電源のスイッチを入れた。

そこには数週間前にアルゼンチンにいた巨大な角の生えたゴリラの怪獣オーガと、金色に輝く大きな巨人の姿をしたロボットがいた。

 

 

女性客が卒倒している。

だが、彼はほくそ笑んだ。

 

 

 

「いわゆる撮影用のドローンです。生中継ですよ。」

 

 

 

ルーサー含め会場にいた全てはモニターをみつめた。

 

 

 

 

巨人が立っていたのは、アフリカコンゴだった。

金色に輝く巨大ロボットは密林を踏みながら、オーガの前に立ちふさがった。

オーガは怒り狂いながら胸をドラミングさせ、警戒のサインを示した。

 

 

ウキャアあああああああああああああ!!!!!!!!!!!

 

 

咆哮をあげながら、髪を逆立たせていた。

その髪の毛から電流が飛んでいる。

 

 

だが、その警戒の咆哮をきいても、なおロボットの中にいた赤い髪の少女は冷静だった。

 

 

 

「…いくわよ、アスカ。」

 

 

 

大きく深呼吸をついた。

先に動いたのはオーガだった。

大きな拳を突き出したオーガはロボットに向かいとびかかった。

拳がロボットに当たる直前、ロボットは素早く動いた。

 

 

グワシ…グワシ…。

 

 

機械音がなると、ロボットは四つの体に分裂した。

オーガは目の前で起きたことが信じられないのか、赤い目をぎらつかせ苛立たし気に震えていた。

四つの機械に分裂すると、銃口をとがらせレーザー光線を放った。

オーガは鬱陶しそうに掌を広げると電気を起こし、四つのロボットめがけて電流を放った。

 

 

バチィッ!!!!!

 

 

 

激しい音が響いたが、四つのパーツはビクともしていない。

 

 

 

「おおお!!!」

「凄いぞ!!!」

「耐電式か!!」

 

 

 

ワシントンの会合の会場ではどよめきが蠢いていた。

レーンは腕を組み満足そうにみていた。

ルーサーは微笑み呟いた。

 

 

「まだまだこれからが本番だ。」

 

 

 

コンゴの戦いでは、オーガは苛立ちながら地面を掻きむしっていた。

大きな赤い顔をした類人猿型の怪獣は全身の毛を逆立たせ電流をためていた。

四つのパーツは再び合体すると、再び人間型のロボット形態に変わった。

 

 

 

ブきゃあああああああああああッ!!!!!!!!!!!

 

 

 

オーガは電気を帯びた拳を振るい、その上腕をロボットに向かってぶつけた。

だが、ロボットは両腕を振るい、その拳を受け止めた。

体はビクともしていない。

 

 

「残念ね、このロボットは電気を吸収するの。つまり、私にそんな攻撃は通じないのよ。おサルさん。」

 

 

オーガは面食らい後ずさった。

すると、ロボットの両腕をつかみ取っ組み合いをはじめた。

その時だった。

 

 

グワシ…グワシ…。

 

 

再び機械音が響いた。

ロボットは全身のエネルギーと電気を振るうと、オーガ以上の怪力を振るい巨大な猿怪獣の体をぐいぐいを押し始めた。

 

 

オーガは信じられない怪力を目にし、苦しそうな表情を浮かべた。

彼は全身の力を使い、ロボットを押そうとしたが、パワーはロボットのが上だった。

やがて、彼は手のひらから電流を放ったがロボットはそれを吸収し、体内電池の中へとためていった。

 

 

パイロットの赤い髪の少女は叫んだ。

 

 

「もう終わりにするわよ!」

 

 

ロボットはオーガの両腕から腹部につかむ部位を変えた。

そして、そのままベリー・トゥー・ベリー・スープレックスの体制でオーガを放り投げた。

 

 

 

ぐぎゃああああああああああ!!!!!

 

 

 

放り投げられた背中を悶絶し痛めながらオーガはのたうち回った。

ロボットは左腕を多く突き上げると、赤く巨大な熱・太陽光を溜め込んだ。

そして、エネルギーを十分に溜め込んだとわかると大きくジャンプし飛び上がった。

 

 

 

「くらえっ!!!!!」

 

 

 

左腕から放たれたパンチはオーガの腹部を貫いた。

 

 

 

どごぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!

 

 

轟音が響いた。

そして、地響きとともに大きなクレーターを作り出した。

ドローンのカメラは土煙があがっている。

 

 

 

「おいみえないぞ」

「どうなった」

 

 

 

モニター上でみていた米軍関係者は声をあげた。

それを見て、ルーサーは微笑んだ。

 

 

「まあ、みていなさい。」

 

 

するとモニターに再びはっきりと風景がみえるようになってきた。

800mほどのクレーターができていた。

その真ん中には金色のロボットがみえた。

 

人類の勝利だった。

 

 

 

「おおおおおおおおおおお!!!!!」

「凄い!!!!!」

 

 

ワシントンはどよめいた。

閣僚の一人が、ルーサーに近づくと握手を求め始めた。

ルーサーはそれに笑顔で応じた。

 

 

「あのロボットは何という名前だ。」

 

 

ルーサーはレーンと1秒ほどみつめあうと、笑顔で述べた。

 

 

「キングジョーです。」

 

 

キングジョーと呼ばれた金色のロボットは怪しく光り輝いた。

その下にはオーガの亡骸があった。

もはや、それは肉塊と血だけの存在となっていたが‥。

 

 

「あれに乗っているパイロットの顔が見たい。」

「いいでしょう、ですが驚きますよ。」

 

 

ルーサーは指をパチンと鳴らすと、ドローンの映像からロボット内部のモニターにうつっていった。

そこには赤い髪の美少女がいた。

 

 

「彼女の名前はアスカ・ラングレー、人類の希望です。」

 

 

年端も行かない少女が操っている。

このことに驚きどよめく声もあれば、嘆く声もあった。

だが、そのほとんどは肯定的であった。

 

 

アスカは自信満々な表情を浮かべていた。

ワシントンでの声は、アスカにも聞こえていたのだ。

 

 

会食はその後、盛況とともに終わった。

ルーサーは大成功の元、キングジョーのお披露目を終えることができた。

 

 

 

全てが終わった後ルーサーは、生まれ故郷の友人であり、デイリープラネット社のエース記者をしていたクラーク・ケントとともに自身が運転する車に乗った。

下戸であったルーサーは酒を飲まなかった。

 

 

「素晴らしかっただろ、クラーク。」

「ああ、想像以上だったよレックス。でも僕が一番驚いたのは…。」

「なんだ?」

「あの中にいるパイロットがまさか少女だったとは」

 

 

ルーサーは助手席にいたクラークをみた。

少し失望したという表情だった。

 

 

「…おかしいか?」

「いや、あんな子供を巻き込むのはどうかと思って。」

「君にはわからんだろう、だが彼女は『特別』なのさ。今にわかる。見ていろ、クラーク。俺は世界を救ってみる。」

 

 

 

ルーサーは笑顔だった。

自信満々の笑顔。

彼は今日、米軍及び同盟国との契約を手に入れたのだ。

 

 

 

 

 

翌日

 

 

シンジは胸を躍らせていた。

その日は、ヒカリの家で開かれる夕食会に行くからだ。

 

叔父と伯母には約束を取り付けていた。

元々シンジの動向に無関心で、親を失った子供を得る事で受ける助成金などを頼りにしている夫婦だったので好都合だった。

シンジはヒカリに教えられた住所に行くと、そこは少し寂れた団地そのものだった。

 

彼は、ヒカリの家である305号実に向かっていった。

 

階段を駆け上がった。

そこは、あまり人が住んでいないようにみえた。

 

 

「ミサトさんと住んでいたマンションみたいだ」

 

 

シンジはそんな風にいうと、305号室に到着した。

そして、チャイムを鳴らした。

 

 

シンジは胸がドキドキするのがわかった。

ミサトの時とは違う、妙な胸の高鳴り。

なんだろう、ミサトの時とは何もかもが違うような気がしてきた。

少年は胸の高鳴りを抑えることができずにいた。

 

 

ドクンドクン…

 

 

心臓が高ぶっている音が聞こえてきた。

思えばミサトさんには無意識的に母や姉を求めていたのかもしれない。

だからある意味ではいびつ過ぎた。

今ではそれに感謝している、けど今回はある意味では正常な物だ。

 

「誰ですか?」

 

ヒカリと声が少し違うな。

シンジは少し面食らった顔をした。

 

「碇です」

「碇君?」

 

すると、チャイムの向こうで何かが騒ぐような声が聞こえた。

 

「今行くわ」

 

ヒカリの声だ。

シンジは少しほっとした。

ドアが少し開いた。

 

 

「ごめんね、碇君!!!」

 

 

ヒカリはドアを開けシンジを招いた。

いつもとは違う学生服ではないが、高級そうな白いブラウスを身にまとっていた。

 

 

「洞木さん…今日は招いてくれてありがとう。」

 

 

すると、後ろでポニーテールをした少女がニコリと微笑んでいた。

この少女はシンジも覚えがあった。

ウルトラマンと出会った時、彼女ともであった。

彼女はニヤニヤと笑っていた。

 

 

「姉ちゃん、あの人やっぱカレシなの?」

 

 

ヒカリは顔を赤くしながら叫んだ。

シンジも顔を赤くして俯いていた。

 

 

「バカ!」

 

 

ヒカリはシンジの方に向き直ると、照れたように微笑んだ。

 

 

「ご、ごめん…碇君。」

「いいよ別に」

 

 

シンジはヒカリの家に入った。

想像以上にきちっとしている。

食卓をみるとシンジが作る以上にきっちりとした食事が並んでいた。

 

 

「…これ、全部キミが?」

「うん」

 

 

味噌汁、主菜は焼き魚、煮豆腐。

そしてホカホカのご飯。

 

 

「凄いね」

「ありがとう、さあ食べましょう」

 

 

シンジは椅子につくと「いただきます」と小声で言い、味噌汁から手を伸ばした。

すると驚いた。

 

 

「僕の作るのより美味しい、これは鰹節かな?」

「そう、漁港の人とお父さんが知り合いだったから、そのつながりで」

 

シンジはふと、遠くにある仏壇をみた。

眼鏡をかけた男性と優しそうな顔をした女性の遺影があった。

 

 

「…そうか」

 

 

やはり、この家も親を失ったのか。

 

 

「やっぱお似合いの二人」

 

 

ヒカリの妹が冷やかすとヒカリは彼女の頭をパチンと叩いた。

 

「殴らなくてもいいじゃん!」

「しつこいのよアンタ!」

「姉ちゃんだってまんざらでもないくせに」

「もういいから!」

 

ヒカリは照れている。

シンジはそのやり取りをボーッと眺めていた。

 

「いいな」

 

思わず声が出てしまった。

ヒカリと妹はキョトンとその表情をみつめた。

 

「僕には兄弟も姉妹もいなかったんだ、だから羨ましいよ」

 

シンジは皮肉そうに笑った。

ヒカリはそれを黙ってみていた。

妹も冷やかすのはやめにしたみたいだ。

 

「今日呼んでくれてありがとう」

「…いいのよ」

 

ふと、シンジは一人の食事が余っているのがみえた。

ここにいるのはシンジを覗けば、二人のみ。

 

「ここにあるご飯は誰の?」

 

ヒカリはそれに答えた。

 

「ああ、姉さんの。銀行員なの。」

「三姉妹か、いいなあ…にぎやかなんだろうな。」

 

ヒカリの妹は微笑んだ。

 

 

「もうお兄ちゃんもこっちに住めば?」

 

ヒカリもこれにはさすがに少し微笑みがこぼれていた。

シンジは少し真面目な表情で考えた。

ヒカリの家は騒がしいが、とても家庭的だ。

正直、叔父夫婦の家よりはこちらの方が住む価値があるかもしれない。

 

 

「考えておくよ」

「…よかったねお姉ちゃん」

 

 

ヒカリは笑顔で返した。

 

 

「うん!」

 

 

だが数秒後ヒカリは顔真っ赤にして否定した。

 

 

「…って違う違う!!!なにいってるのよ!!!本気で!!もう!!!碇君もそこは否定してよ!!!」

「ごめん、なんか呑まれちゃって雰囲気に」

 

 

シンジは微笑んだ。

その時だった。

 

 

『碇シンジ、おまえに用がある』

 

 

あの声だ。

シンジは怒りに震えた。

手に持っていた茶碗が震えた。

 

 

「碇君、どうしたの」

「ごめん委員長電話だ、ちょっと外に出るすぐに戻ってくるよ」

 

 

シンジはそう言い、電話をとるふりをして外に出た。

団地の外では、いかにも育ちが悪そうな子供が遊んでいた。

普段だったら避けていたかもしれないが、シンジと目が合うとその子供たちは彼を避けるように散っていった。

今の彼にはそれほどの凄味があった。

 

 

「何の用?」

『怪獣だ』

「もういい加減にしてくれないか、4度目だ。君たちが何なのか説明してくれ、なんで僕がこんなことをしなきゃいけないんだ!」

『いいか、こんなくだらない問答をしている間に多くの人が死ぬ、それでもいいのか』

 

 

シンジは腹藁が煮えくりそうになった。

だが、抑えた。

 

『そうだ、シンジ…お前は逃げる事ができない。お前の宿命だ。まあ、人が多いから今回は念じるだけで変身できるようにしよう』

 

 

声の主に従い、シンジは念じた。

すると体を光が包み込んだ。

そして、気が付くとシンジはインドにいた。

 

 

何十何万という人間がまるで洪水で流れる水のように逃げている。

シンジは、人々が何から逃げてるか視線で追った。

そこにはかれですら見たことがない怪獣がいた。

 

 

それは人の顔をしていた。

その大きさは尋常ではなかった。

青白い生首からは、鱗と人肌が混じったような胴体がはえ、カニのような長い脚が複数生えていた。

シンジはその異形さに背筋が凍り付いた。

 

 

「なんだあれは」

 

 

生首のような顔が大きく舌を出すとその先は複数の銛のような形になり次軽ぎに人を突き刺した。

突き刺された人は恐怖と苦しみに顔を歪ませそのまま怪物に食われた。

 

 

『アレは人工的に作られた怪獣だ、やはり誰かが悪意を持って行動している』

 

 

声の主が言った。

 

 

シンジには心当たりがあった。

数年前、ミサトを凌辱した怪獣たち。

アレは人間が怪獣に変えられたものだ。

 

 

「悲しいけど、人間は残酷なんだな…」

 

 

シンジは群衆から離れると、空き家の中に隠れた。

そして、ウルトラマンの姿を思い浮かべ念じた。

シンジの体を眩い光が包み込むと、巨人の姿へ変身した。

 

怪物は、シンジの方に向きなおった。

生首は歪んだような笑顔を浮かべシンジを見つめた。

青白い顔をしていた。

 

顔と胴体は人間だが、手足はカニ。

ウルトラマンの言うように悪意ある誰かがこの怪物を生み出したのだろう。

ならば答えは一つだ。

 

 

「お前はこの世に生きてはいけないやつだ。消してやる。」

 

 

怪物マングラーは雄たけびをあげると、大きな口を開け舌先を飛ばした。

その先は銛のようにとがっていた。

ウルトラマンはそれをつかんだ。

 

 

『動きが早くなってきたな』

 

 

珍しく褒めたな。

シンジはそう思うと、マングラーの舌を引きちぎった。

赤い血しぶきが吹き荒れた。

シンジはありったけの怒りをこめてマングラーに飛び掛かった。

 

 

そうすると、何度も何度もマングラーの顔を殴り飛ばした。

マングラーの歯が吹き飛んだ。

やはり人間の顔と形をしているから、少しシンジの中で哀れみが浮かんできた。

 

 

『同情はやめろ、そいつを殺してやるのが情けだ。』

「いい加減黙ってくれ!」

 

 

その時だった背中に激痛が走った。

カニのような脚が背中を突き刺していた。

蛍光色の血しぶきが上がっている。

 

 

ウルトラマンでも、血は出るのか。

シンジは後悔した。

 

 

「うぐっ!!!!」

 

 

そして、マングラーの顔を観た。

狂ったような笑顔を浮かべていた。

 

 

「お前に同情するのはやめだ!」

 

 

シンジはウルトラマンの左腕を使い、怒りのエネルギーを溜め込んだ。

そして…マングラーの顔をめがけて、拳を振り下ろした。

 

 

 

どごおおおおおおおおおおん!!!!

 

 

轟音と地響きがした。

 

 

「砕けて死ねッ!!!!」

 

 

人型の顔は潰れ、赤い血しぶきと脳味噌が粉々に砕けていった。

マングラーはそのまま息絶えた。

 

 

シンジは戦いが終わったことを知った。

その時、人々をみつめた。

その目には、畏怖の視線があった。

 

 

「…彼らからすれば僕もバケモノか。」

 

 

シンジはそう考えると、すぐさま天空に姿を消した。

そして、素早く日本に戻ってきた。

運がいいことに、たった3分しかたっていなかった。

 

 

 

「…もう、次呼ぶときはいい加減君たちの目的を教えてくれ」

『考えておく』

 

 

 

シンジはすぐさま洞木家に戻っていった。

彼の心には大きな疑問が残った。

それにしても、誰があんな怪物を生み出し世に放ったのだろうか。

 

彼にはまだわからなかった。

怪獣以外にも彼の敵がいることに。

まだ知ることはなかったのだ。

 

 

 

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