シン・ウルトラマンエヴァ   作:井上ああああ

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以前の話から数日後という設定です


第六話「アスカvsシンジ」

オーストラリア、ゴールドコースト

1年のほとんどが温暖で知られるその地域はなんと雪がふぶいていた。

海は凍り付き、人々はなれない長袖や毛布をはおりながらなんとか避難所にいた。

 

 

このオーストラリアには今二体の怪獣が姿をみせていた。

 

巨大な水陸両用の青白いイカのような姿をしたクラーケンはその触手を使い、その場にいる全ての気温を奪う怪獣だった。

蜘蛛のような形態に代わると、クラーケンは陸上を氷で埋め尽くした。

 

クラーケンは大気の気象までに悪影響を及ぼしその結果、ゴールドコーストに季節外れの吹雪がふいていた。

クラーケンは海水を凍らせると、体中から液体窒素のような液体を放出し、陸上すらも凍り付かせた。

 

 

凍り付いた高層ビルを破壊しつくしたクラーケンは、氷漬けになった人々の死骸に触手を伸ばし捕食しようとしていた。

 

 

そこへ、今ウルトラマンがやってきた。

だが、シンジは想像以上に寒さを感じた。

 

 

「寒い!!!」

 

 

その時、シンジは前任者であったエヴァの記憶の1部がシンジに入り込んでくるのがみえた。

ウルトラマンは低温に弱い。

ふとみれば、雲で太陽が覆いつくされている。

これもあの怪獣のせいか。

ウルトラマンは地上に降り立つと、構えをとった。

 

 

だが、ウルトラマンの体は想像以上に寒さが答えるようだ。

手がかじかんでしまい、集中ができない。

クラーケンは触手を伸ばし、鞭のように振るった。

 

 

「…ッ!!!!」

 

 

冷たい触手はウルトラマンの胸を突き刺すように当たった。

あまりの冷たさにシンジは悶絶している。

体を震わせながら、クラーケンの攻撃に耐えていた。

 

 

そんなウルトラマンを知る由もなく、クラーケンは何度も何度も極低温の触手を使いウルトラマンを攻撃した。

触手から液体窒素がとびかい、ウルトラマンをさらに苦戦させた。

寒さは、ウルトラマンを刺激し苦しめた。

 

 

「…まずい、このままではまずい」

 

 

シンジの頭にそんな言葉がよぎった最中だった。

 

 

 

クラーケンの動きがピタリと止まった。

すると、大きなイカの体を突き破るように青い血しぶきが上がった。

クラーケンの頭部はを貫いたのは閃光だった。

哀れな冷凍怪獣は、自らの死を認識する暇もなく死に絶えた。

クラーケンが倒れると、そこにいたのはキングジョーだった。

 

 

 

ウルトラマンは起き上がった。

キングジョーは米軍の対怪獣対策用ロボット。

援軍か?

 

 

シンジが手を差し伸べようとしたその瞬間だった。

キングジョーは掌を伸ばすと、体中から電流をためこんでレーザー光線を放出し始めた。

シンジは思わず、防御の体制が取れず、そのまま攻撃を受け止めてしまった。

 

 

「!!!!!!!????」

 

 

ウルトラマンはそのまま地面に倒れ込んだ。

レーザー光線の激痛は想像以上に痛い。

ウルトラマンは胸を抑えて、激痛に苦しんだ。

 

 

「…何をするんだ!」

 

 

そんなことを言う暇もなくキングジョーはとびかかると、光の戦士の胸の上に飛び込んだ。

 

 

グワシ…グワシ…。

 

 

機械音がした。

キングジョーは何度も何度もウルトラマンの顔面をつかむと剛腕を振るい殴り始めた。

ウルトラマンは何が起きているのか理解できなかった。

気が付くと、カラータイマーが点滅していた。

このままでは死ぬ。

 

 

「糞、もういい加減にしてくれ!!!!!」

 

 

ウルトラマンはキングジョーの顔面に向かい大きな拳をぶつけた。

キングジョーは轟音とともに、破片が飛び散りながら地面に倒れた。

シンジは起き上がると、とどめをさそうとした。

その矢先だった。

 

 

「……!?」

 

 

キングジョーのコントロールルームがみえた。

 

人がいる。

まさか、搭乗型か。

ダメだもうちょっとで人を殺すところだった。

それはいけない。

 

シンジは、カラータイマーの残量のことも考えると空中にそのまま飛び立った。

 

 

アスカは気が付くとウルトラマンに去られていた。

 

 

「ちっ、逃がしたわね。」

 

 

アスカは毒づいた。

運転席が露骨に見えている。

あのウルトラマン、一撃でキングジョーの装甲を砕いた。

ツァーリ爆弾の60発に耐え照れるキングジョーの装甲が一撃で…。

 

 

「あいつ何者?」

 

 

その時、マイク腰に何かが聞こえた。

 

 

「回収班をよこす、しばらく待て。」

 

 

ルーサーの声だ。

従うしかない。

彼女は回収班を待ち望んだ。

 

 

 

その頃、シンジは日本に帰ってきた。

なんだか馴れている。

彼はそのまま帰路についた。

家に伯母叔父がいる。

 

 

「はあ…」

 

 

シンジは深々と疲労の溜息をついた。

彼がドアを開けると、そこには伯母がいた。

伯母はシンジをみて、小さく「おかえりなさい」と返した。

 

 

「ただいま」

 

 

シンジはすぐさま自室に向かおうとした。

その時だった声が聞こえた。

伯母の声だ。

 

 

「フン、かわいくない子だわ。」

 

 

冷たい声。

蔑んだ声。

シンジはこの伯母の本性を知っていた。

 

 

「もうちょっとの辛抱だろ、我慢してくれないか。」

 

 

叔父は情けない声で伯母をおちつかせようとしていた。

 

 

「大体なんでうちが引き取らなきゃいけないの?」

「…次の選挙のために子供がいるのはかなり有効なんだ。わかってくれ。」

 

 

シンジはため息をついた。

元々地方議員をしていた叔父は選挙戦でシンジを利用しようとしている。

それだけだ。

 

 

「…あの子をみてると、義姉さんを思い出すの。顔も似ているし。アンタも六分儀を思い出すでしょう。あいつはろくでもないごろつきだった。二人が結婚してようやく会えなくてもよくなると思ったらこれよ!!!!」

 

 

伯母は怒鳴り声をあげていた。

全部聞こえている。

シンジはため息をつくと、自室に入っていった。

彼はベッドで横になった。

 

 

今日は思ったように戦えないし、いきなり横やりが入ってくるし、家に帰ったらあの人らが喧嘩してるし…最悪だな。

 

 

そんな時だった。

シンジのスマホに何か着信音がきた。

彼は急いで電話をとると、話し始めた。

 

 

「もしもし…」

「洞木です。」

 

 

ヒカリだ。

 

 

「ああ、洞木さん。」

「…碇君急だった?」

「いや気にしてないよ、何?」

 

ヒカリは少し間を置くと照れ臭そうに言った。

 

 

「…あの、姉さんが、行くはずだった。『コバルトスカイ』のコンサートのチケット余ってるのよね。だから碇君行くかなと思って…。」

 

 

シンジは首をかしげてコバルトスカイで検索をしてみた。

そこにはシンジが2年前にあったはずの、あのロンゲの男性がそこにいた。

バンドを再結成したようだ。

 

 

「僕このバンドの人と多分知り合いだ!」

「え?本当!?」

「…うん、行こう!!!!」

 

 

ヒカリは喜んだ。

シンジも大いに喜んだ。

そしてその時二人には、ある単語が思い浮かんだ。

 

 

『デート』。

 

 

「あ、いや…あの、その…」

「え!?あ、うん…あ…」

 

 

二人はお互いに言葉を詰まらせると顔を赤くした。

そして、ヒカリは叫んだ。

 

 

「来週!駅で待ってるからーっ!!!!」

「ぼ、ぼくも!」

 

 

電話は切れた。

その時、シンジは首から下がるペンダントをみつめた。

ミサトさんの形見。

ペンダントを優しく触った。

 

 

「ミサトさん、僕…新しい恋人をみつけた。いいよね、許してくれるよね。」

 

 

シンジは微笑んだ。

ペンダントは暖かく彼を包み込んだ。

その日の夜、シンジは未来に希望を抱きながら夜眠った。

 

 

 

同じ頃

アメリカ、中西部。

 

 

ルーサーのデスクに、アスカが呼び出されていた。

 

 

「…今帰って来たわ。」

 

 

ルーサーは無言だった。

アスカは気が付いていないのか、と疑問に感じた。

 

 

「あの、ルーサー?」

「…なあ、アスカ。」

 

 

彼は背中を向けていた。

だが、怒りで覆われているのがわかった。

 

 

「…?」

「俺はあいつを殺してほしかったんだ。なぜ逃がしたんだ?」

「それは…キングジョーが大破してたから」

「…ほお、君は俺のせいにするのか、なるほど。」

 

 

アスカは困惑した。

 

 

「いや、そんなわけじゃ。」

 

 

ルーサーはデスクから立ち上がり、彼女を睨んだ。

 

 

「キミにはチャンスがあったんだぞ、アスカ。それを捨てる気か?私は世界中から優秀な人間を集め、そのクローンを産んだ。その生き残りが君だ。君なんだ。あの潰れていったクローンたちのためにも、そこは奴を倒すところではないのかね。」

 

 

アスカは口を閉ざした。

 

 

「…キミは優秀な人間だ、特別な人間だ、と思っていたのだがあてがはずれたのかな?」

 

 

アスカは怒りに震えた。

違う、そうじゃない。

私は特別な人間なんだ。

 

 

「…そんな事はない。」

「だろう?だったら、ほら…大破しただのいいわけをせずに、きっちりとトドメを刺すべきではなかったのかね!?」

「…ごめんなさい。」

 

 

アスカはその時、気が付いた。

あいつは大破していた私を見てトドメをさすのをやめた。

 

「…ルーサー。」

「なんだ?」

「あのウルトラマン、大破していた部分から私がみえていた。それを見て、攻撃をやめたの。わからない?アイツはひょっとしたら…侵略者じゃないんじゃ。」

 

 

ルーサーは厳しく睨んだ。

 

 

「今はその話をしていない。」

「…。」

「…俺を失望させるような真似はやめろ。」

 

 

アスカは水をかけられた犬のようにしょげた。

 

 

「…わかりました、ミスター・ルーサー。」

「じゃあな。」

 

 

ルーサーはそういうと、自室からアスカを追い出した。

 

 

 

私は特別なんだ。

他の何物でもない、特別なアスカ。

その私が、負けた…。

 

 

アスカは自室に戻った。

そして、ベッドにくるまりながら憎悪に震えていた。

 

 

「…ウルトラマン、よくも私を…。」

 

 

アスカは小声で震えあがった。

全てはウルトラマンのせいだ。

こうなったのも…。

全部ウルトラマンのせい。

 

 

「私を…なぜ殺さなかったんだ!!!!!!!!!アイツ!!!!!!!!!!!!」

 

 

怒りが勝った。

眠気がこない。

怒りがたちこめている。

死ねばよかったんだ、私は。

なのに生きている、なぜ…。

 

 

そんな時だった。

アスカの部屋にエージェントがきた。

 

 

「パイロット、出番です!」

「!?」

 

 

アスカはエージェントにつられるまま、移動しながら、資料を読んだ。

また今日、別の怪獣がきた。

シンガポールだ。

どうやら複数の怪獣が出ているようだ。

 

 

「シンガポール?」

「シンガポールです、死傷者も甚大かと。」

「黙っている場合ではないわね。」

 

 

アスカはすぐさま、ケージに向かった。

そこにはキングジョーがいた。

破損した修復部分は完全に、修理できているみたいだ。

 

 

「より強化コーティングをしました。」

「助かるわ。」

「ご武運を。」

 

 

 

 

アスカはキングジョーの搭乗口に向かっていった。

やがて、金色の巨人は動き始めると、ジェットパックを使い空中に飛びあがった。

そして、音速を越えたキングジョーがすぐさま、上海に降り立った。

 

 

 

そこは地獄だった。

 

 

 

上海の市街地から噴煙と火柱が上がっていた。

破壊された街並みには、巨大なコウモリのような姿の怪獣の死骸があった。

腕を引きちぎられているようだ。

さらに別の地域では、巨大なムカデの怪獣が食いちぎられたような姿があった。

 

 

「これは何なの!?」

 

 

アスカは目を驚かせた。

怪獣同士が殺し合っている。

彼女が目を向けると、そこには彼女がかつて戦ったゴリラ型怪獣オーガがいた。

オーガは追い詰められていた。

巨大な恐竜のような姿をした相手はオーガを覆い隠すような巨大さをしていた。

 

 

ホキャア…!!!!

 

 

 

電気を溜め込んだ拳をオーガがぶつけたその時だった。

怪獣は電気などどうでもいいと言わんばかりに放電した拳をつかんだ。

そして…。

 

 

ぐきっ!!!!!

 

 

オーガの拳はグチャグチャの状態になった。

骨がむき出しになり肉が避けている。

オーガは激痛に顔を歪めていると、怪獣はオーガの首の尾を巻き付けた。

そして…。

 

 

ゴキッ!!!

 

レッドキングはまるで飴細工を砕くように首の骨を砕いた。

オーガはそのまま死に絶えた。

まるで、糸の切れた人形のようにオーガの手足はプランと垂れ下がっていた。

 

 

 

「…!!!??」

 

 

アスカはこの怪獣の凶暴性に戦慄した。

彼女も好戦的な方だ。

だが、こいつはただの短気では済まされない。

 

戦闘狂だ。

殺戮と破壊を愛する戦闘狂なのだ。

他者を殺し命を奪う瞬間を愛し、そのために生きているんだ。

 

 

「なんて化物なの…アンタ。」

 

 

怪獣はキングジョーの存在に気が付くとゆっくりと顔を向けた。

黄色く蛇腹状の肌をした恐竜型怪獣レッドキングは挑戦者を待つチャンピオンのように立ち伏せていた。

 

 

「…!!!!」

 

 

その存在感・凄味は今までの怪獣の比ではない。

レッドキングはキングジョーを睨むと、空気を吸い込んだ。

そして…。

 

 

 

ギィイイィガアアああああああああああああおおおおおおおおォおォオオオオオオおオオオン!!!!!!!!!

 

 

 

咆哮を出した。

レッドキングの咆哮は一種の衝撃波となると、市街地の高層ビルを吹き飛ばした。

そして、怪獣の死骸も吹き飛んでいった。

キングジョーは吹き飛ばされそうになったが、脚の部分からアンカーを出し食い耐えた。

 

 

 

「ぐぬうううううううううううううううううううう!!!!!」

 

 

 

キングジョーと神経をつないでいるアスカは思わず吹き飛ばされそうになったが何とか耐えた。

レッドキングはキングジョーをみつめ、ギロリと黒目だらけの目を動かした。

アスカはその目に何の後悔も躊躇もないことに背筋が凍り付きそうになった。

 

殺される、さっきの怪獣のようにまるで玩具のように殺される。

死にたくない。

死ぬのは嫌、死ぬのは嫌、死ぬのはイヤ・・・・・。

 

 

「…こ、こんちくしょーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」

 

 

アスカは雄たけびをあげ、恐怖をかき消した。

そして、左拳にエネルギーをためた。

昼間にためた全エネルギーをこめた。

そして、ジャンプして巨大な拳を放った。

 

 

「くらええええええええええええええっ!!!!」

 

 

アスカの熱エネルギーを帯びた拳はレッドキングの頬に当たった。

レッドキングはビクともしていない。

 

 

「!?」

 

 

アスカは掌を伸ばすとレーザー光線を放った。

だが、レッドキングはビクともしていない。

まるで不動の沈黙する山のようにそびえたっていた。

 

 

「…なら。」

 

 

アスカは再び拳を振るい何度も何度もレッドキングに浴びせた。

素早く連打を浴びせた。

だが、傷ついていない。

まるで、子供のパンチを受けるレスラーのようだ。

 

 

 

「はあ…はあ…はあ…」

 

 

アスカは大きく息をした。

ダメだ、こいつ「硬すぎる」。

殴っているキングジョーの装甲がはがれていってる。

まるで岩山に子供が殴りかかっているようなもの。

相手にならない。

 

 

その時だった。

レッドキングは動いた。

蛇腹状の腹部をした爬虫類型怪獣は、キングジョーの腕をつかもうとちかづいた。

キングジョーもそれにおうじ取っ組み合いをした。

だが、レッドキングの怪力はすさまじかった。

 

 

 

「うぐううううううううう~~~~~~~~ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

引き摺られている!?

まさか、キングジョーが!!!

そして、次の瞬間だった。

 

 

ビキッ…。

 

 

 

レッドキングはキングジョーの腕をつかみ引き千切った。

神経をつないでいたアスカの両腕に激痛が走った。

 

 

 

「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

この怪力・タフさ…今までの怪獣と格が違う。

何もかもが。

 

 

 

「あ、あ…あがッ!!!!!!!!」

 

 

アスカは激痛に苦しんだ。

そして、次の瞬間だった。

レッドキングの尾がキングジョーの首の部分に絡みついた。

そして、怪力とともに圧迫した。

 

 

「ンぐ…ぐ、ふっぐ!!!!」

 

 

アスカは呼吸ができなくなった。

このままでは死ぬ。

レッドキングは白目の無い黒目を歪ませた。

まるで喜んでいるようだ。

 

 

無線で声がする。

 

 

「ルーサーさん、どうしますか?」

「続けろ、あいつが死んでも代えはいる」

 

 

ルーサーはアスカの命に興味がないようだ。

なんてことだ。

これで終わるのか。

アスカは目を閉じた。

 

 

何かが見えた。

草むらだ。

草原。

 

 

『アスカちゃん』

 

 

女の声がする。

おかしい、私に母はいない。

クローンのはず。

だったら、これはオリジナルの記憶か。

こんな、なんでこんなことに…。

アスカの意識が薄れていったその瞬間だった。

 

 

眩い光と友に轟音が轟いた。

 

 

「!?」

 

 

そして、レッドキングの後頭部に巨大な何かが当たった。

脚だ。

彼はレッドキングの後頭部に大きな蹴りを入れた。

 

 

レッドキングは唐突な攻撃に、驚き身をゆがめた。

薄れゆく意識のなか、アスカはウルトラマンを確認した。

それと同時に、彼女をしばっていた尾の力は緩んでいった。

彼は矛先をウルトラマンに変更した。

 

 

そして、地団太を踏んだ。

地震が起き、周囲の建物が音を立てて崩れていった。

その時だった。

 

 

 

 

ギィイイィガアアああああああああああああおおおおおおおおォおおオオオン!!!!!!!!!

 

 

 

レッドキングは咆哮をあげた。

だが、ウルトラマンはその咆哮を耐えきった。

怪獣レッドキングは怒り狂うと、はしりながら頭突きを食らわせようとした。

ウルトラマンはそれを避けた。

レッドキングの頭は超高層ビルの残骸にぶちあたった。

 

 

グルルル…。

 

アスカはようやく全てがみえてきた。

意識が整ってきた。

どうやらウルトラマンはレッドキングをあしらっているようだ。

 

 

「強い…。」

 

 

レッドキングは怒っている。

歯ぎしりをしながら、腕を振るい怒りの表情をみせると両腕を使い、ウルトラマンにつかみかかった。

ウルトラマンは両腕で耐えきろうとしたが、レッドキングの怪力はウルトラマンよりやや上だった。

 

 

 

シンジはウルトラマンを通してレッドキングの怪力に驚いた。

今までの怪獣とは全く違う。

コイツは強い。

まずい、その時だった。

レッドキングは口を開くと、その大きな牙でウルトラマンの肩に噛みついた。

 

 

 

「あう…………ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

蛍光色状の血がウルトラマンに噴出した。

レッドキングはそれを嘲笑っている。

やがて、レッドキングは噛みついたまま腕を離すとその剛腕でウルトラマンの腹部にしがみつくかたちでつかむと思いっきり締め上げた。

 

 

 

「!!!!!!!!!!!!??????」

 

 

 

ウルトラマンは悶絶した。

想像以上の怪力だ。

カラーテイマーは赤に点滅している。

まずい、このままでは死ぬ。

 

 

 

アスカは自らの無力さに震えた。

私は何もできない。

このままでは、次殺されるのは私なのか。

 

 

 

「……そんなのごめんだわッ!!!!」

 

 

キングジョーの頭部のゴーグルが赤く光った。

すると、熱線がレッドキングの背中を強く焼いた。

 

 

 

グギャあああああッ!!!!

 

 

レッドキングは背中に感じる痛みに気が付いた。

そして、ウルトラマンに噛みついていた肩から離れた。

ウルトラマンの腹部を締め上げた腕の力を弱めた。

キングジョーのレーザー光線の影響で、レッドキングの装甲のような肌は傷がついていた。

 

 

 

「おい、化物!!!!!」

 

 

 

アスカは叫ぶと再びレーザー光線を放った。

その光線はレッドキングの黒い目に当たった。

目に大きな傷ができた。

 

 

 

グぎゃああああああああああああああああああ!!!

 

 

 

悲鳴をあげながらレッドキングは悶絶した。

そして、ウルトラマンを解放した。

 

 

「アンタ!ボヤッとしてないで今のうちにとどめさしなさいよ!!!」

 

 

アスカは思わず叫んだ。

その声に気が付いたウルトラマンは起き上がった。

 

そして、大きく後転すると両腕に全エネルギーを溜め込んだ。

宇宙の脅威の力、スペシウムエネルギーが溜まっていった。

そして、腕をクロス状にさせると光線を放った。

スペシウム光線はレッドキングの腹部を突き刺すと暴れ怪獣レッドキングの体は爆破四散した。

終わったのだ。

 

 

 

シンジは何とか勝てたことに驚いた。

そして、両腕を失い立ちすくんでいるキングジョーの存在に気が付いた。

 

 

 

『ありがとう。』

「勘違いしないで、アンタを助けたくてやったわけじゃないから!次に会う時はあなたを倒す!」

『首を長くして待っているよ、その時まで傷を治していてくれ。』

「フン!」

 

 

アスカは消えゆくウルトラマンを見送った。

 

だが、正直、ルーサーの言っていることがわからないでいた。

果たして、アレは侵略者なのか、そうではないのか。

彼女にはまだわからなかったのだった。

 

 

そして、途中で見えてきた自分の記憶。

アレはなんだったのか。

ひょっとしたら、自分には闘い以外の道があるのかもしれない。

夕陽がさしている、アスカは運転席から見えるシンガポールの景色を少し楽しむ事にした。

 




次回ですが、週末に更新いたします。
ちなみにですが、大体本作は15話前後で終了する予定です。
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