シン・ウルトラマンエヴァ   作:井上ああああ

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ジンメンはデビルマンのジンメンではありません。


第七話「シンジとヒカリ」

その日がとうとうやってきた。

シンジとヒカリの初デートだ。

シンジの知っている男性青葉シゲルのライブ。

 

場所の野外ライブ場にやってきた。

 

現場にヒカリより先についたシンジは、眼で青葉シゲルを追いかけた。

しかし、会場はシーンとしていた。

当然だ設営すらできていない。

 

 

「…!?あれ、君は!!」

 

 

低い声が反応した。

シンジはこの声の持ち主に聞き覚えがあった。

 

 

「お久しぶりです!」

「…へー、まさか!こんなところであうとは!」

 

 

声の主青葉シゲルはシンジの手を厚く握った。

青葉シゲル、シンジが関西にいた時、岡山県にいた若きミュージシャンだ。

 

 

「…まさか、君とあうとはねー!!!」

 

 

青葉は笑っていた。

シンジも久々に少し笑顔が浮かんでいた。

その時だった。

 

 

「碇君!?」

 

 

ヒカリの声だ。

シンジは振り向いた。

 

 

「あ、委員長!実は…その、あの…。」

 

 

ヒカリに大事な話をしようとしたが、彼女はかき消した。

 

 

「やっぱり、あなたこの人と仲が良かったのね!!!」

 

 

青葉はフフンと笑顔を向けた。

 

 

「そうだ、俺とこの子はなんたって、命を懸けて戦った仲間だからなー!!!」

 

 

青葉はひけらかした。

シンジは苦笑いをして頭をかいた。

 

 

「そんなことより、シンジ君よォ…」

「はい?」

「キミ、あんな女の子手に入れてさ。」

「はい。」

「今度は守らないと…」

 

 

シンジは真剣な表情をして、青葉を向いた。

 

 

「僕は世界中を敵に回しても彼女の幸せだけは守ります、無論青葉さんの物も。」

 

 

青葉はロンゲヘアーの髪をかきあげながら考えた。

 

 

「…そうか、変わったな。もうあの頃のシンジ君じゃないんだ。」

 

 

ヒカリはシンジたちの話を無視すると大声で叫んだ。

 

 

「本番がんばってくださいね!」

 

 

青葉は困惑しながら、ひたすら首を縦に振った。

「うんうん、わかった」と言わんばかりに…。

青葉はその時立ち止まり叫んだ。

 

「シンジ君、音楽活動が終わったら楽屋に来てくれ!」

 

 

すっかり影が薄くなったシンジ。

頭から汗がでてきた。

まずいな、これじゃ青葉さんの方が印象に残る。

 

 

「…あ、あのヒカリちゃん、僕と君のデートなんだけどな‥・。」

「?」

「いや、気にしてないならいいです。」

 

 

シンジは頭を抱えた。

なぜだろう、ミサトさんとのデートはうまくいったのにヒカリちゃんはうまくいかない。

ひょっとしたらヒカリちゃんはかなり重い子なのではないだろうか。

少年は少女を連れると、カフェテリアにやってきた。

そこはシンジとヒカリしか客がいなかった。

 

 

「…」

 

 

シンジとヒカリの間には嫌な沈黙が流れた。

少年のあたまには「まずい」という文字が流れた。

ヒカリは困ったように顎を抑えていた。

そして、それぞれ目が合うと別の方向性へと向いていった。

「どうしたのかな。嫌いなのかな」双方がそんな勘違いをする中、シンジが沈黙を破るために発言した。

 

 

「洞木さん。」

「え?」

「あの、前に…ご飯、作ってくれてありがとうね!美味しかった!」

「…いや、私、」

 

 

ヒカリは照れていた。

そして小さく言った。

 

 

「私、碇君の弁当作ってあげたいなって。」

「…本当!?」

「うん!」

 

 

弁当か、シンジは考えたこともなかった。

今現在の自分の弁当は自分が作っている。

基本、自分で喰うものは自分で喰っている。

それが、ここにいる時のルールだ。

シンジはにこやかにいった。

 

 

「ありがとう!委員長、僕…僕、楽しみにしているよ!」

 

 

シンジの言葉を聞き、ヒカリは喜んだ。

シンジもそれを悦び、笑顔を返した。

 

 

 

 

その時だった、心臓がまたドクンとなった。

気配がする怪獣だ。

場所はここと遠くない。

また、三重県だ。

 

 

 

 

「ヒカリちゃん、ちょっと用事があるんだ。もしも何かあったら席に座っていてくれ。」

「!?」

 

 

 

シンジはそういうと、ヒカリを置いて仮設トイレに向かって走っていった。

そろそろ入場なのかファンがうごめちている。

ここからそう遠くない場所で、怪獣がいる。

ヒカリや青葉を巻き込む気などない!

 

 

シンジはトイレに入り込むと自らの念を込め、光のエネルギー・スぺシウムエネルギーを溜め込み、ウルトラマンに変身した。

そして、本能の呼ぶまま空中に飛びあがると、怪獣の気配を探した。

 

 

 

三重県四日市市。

 

 

 

そこに怪獣がいた。

それは80mほどの巨大な人型のような姿をしていた。

人型のそれは、複数の顔を肩・股間にはやしていた。

まるで男性の顔のようだった。

シンジはそれをみて肝を冷やした。

完全に人間を真似ている。

否、人間を改造し生み出しているのだ。

 

 

シンジは腹が立った。

なぜ、こんなことをするヤツのために戦わなければいけないのだろう。

こんなことをするヤツは怪獣以下だ。

 

 

シンジはそうおもいながら、巨人ジンメンとの勝負に参加した。

ジンメンは腕を伸ばすと、ウルトラマンの腕をつかんだ。

シンジは面食らった。

 

 

このまま、力比べなのか?!

 

 

だが、違った。

ジンメンの腕をつかむと、エネルギーが徐々に吸い取られて行くことに気が付いた。

 

 

「!!!!?」

 

 

シンジが困惑していると、すると、巨人の体中についてる複数の口型から腕のようなものがのびてきた。

その腕はシンジの動きを押さえつけ、あるいは絡みつき締め上げようとしていた。

 

 

 

「………こんなのおおおおおおおッ!!!!!!!!」

 

 

だが、動かない。

中々動かない。

まずい、まずいぞ。

 

 

その時だった。

 

 

 

「アンタそんな奴に倒されてんじゃないわよッ!!!!!!!!!!」

 

 

 

キングジョーだ。

まずい、この時期にコイツは…。

シンジがそんなことを想っていると、ジンメンはキングジョーに腕を伸ばし始めた。

だが、キングジョーは素早かった。

赤いライトニングソードを取り出すと、ジンメンの首が斬りおとされて行った。

 

 

ようやく解放されたウルトラマンの足元にジンメンの顔がふってきた。

シンジは、そのジンメンの頭に触れた。

そして、サイコメトリーを行った。

これも先代ウルトラマンの能力(パワー)。

 

 

シンジは目をつぶった。

そして、このジンメンの歴史を紐解いた。

やはり、この宇宙人はもともと人間だった。

 

 

彼は元々普通に生きている人であったが、病を崩しホームレスとなった。

そして行き着く先に男とあった。

男の顔にモヤがかかっていた。

シンジは意識を集中し、その男の正体をみた。

 

 

うすい靄が徐々に晴れていった。

その中にはいた。

その様子をみたシンジは手が震えて唖然とした。

 

 

『父さん!?』

 

 

父、碇ゲンドウだ。

2年前に怪獣の手で焼き殺された親父。

シンジの集中力は乱れ、ヴィジョンは消えた。

 

 

「…父さん…。」

 

 

もしかしたら、この人間怪獣には父の影響力があるのか。

だったらシンジはとても耐えられなかった。

彼は沈黙した。

 

 

「…なぜだ。」

「キャあああああああああああッ!!!!!!」

 

 

 

シンジが呆然としていると、そこには怪獣ジンメンにとらえられているキングジョーとアスカの姿があった。

ジンメンは巨大な複数の腕でキングジョーを取り押さえている。

そして、その手からは高熱のエネルギー波が発生している。

 

 

 

「…おい!やめろ!」

 

 

 

シンジは腕を十字にクロス状にするとスペシウム光線を放った。

怪獣ジンメンはバラバラに砕けていった。

その生々しい血しぶきは滝のように降り注ぎ、人の腕のようなものが垂れ下がっていた。

シンジはアスカに手を差し伸べた。

 

 

『大丈夫?』

 

 

アスカは自分で立ち上がった。

 

 

「アンタに心配されるようじゃ終わりよ。」

『…どうやら、人間を怪獣に変えている連中がいる。』

「それって!?」

『…そいつらが怪獣を操っていたら…どうなる?」

「…そいつらも倒さないと。」

『また会おう、僕は僕のやり方で調査するよ。』

 

 

ウルトラマンは去った。

アスカはそれを見送った。

どうやら最近ルーサーはウルトラマンを必要以上に追いかけるのはやめたようだ。

 

 

 

シンジは三重県に戻ってきた。

トイレの前でヒカリは待っていた。

 

 

「遅いよー!!!」

「…ごめん!」

「さ、いこう!」

 

 

シンジとヒカリは野外ステージに向かっていった。

そこのボルテージは最高潮だった。

ステージに立った青葉は非常に色っぽく声援とともに講演は終わった。

シンジとヒカリは、講演が終わった後、青葉に誘われた。

 

 

「よーっ!シンジ君まーってたぜ!!!」

「青葉さん。」

「まーったく、こんなかわい娘連れてきちゃってよー!!」

 

 

青葉がそういうと、その場にいる全てはヒカリをみた。

ヒカリは照れていた。

すると、そんな青葉を制止するように、黄色のシャツを着た地味そうな女性がきた。

その顔はシンジに少し似ていた。

 

 

「はいはい、それ以上その娘に絡まない!」

「なんだよ、ちぇーっ!」

 

 

青葉とメンバーは舌うちをした。

 

 

「ああ、シンジ君教えておこう。こいつはマネージャー兼俺の奥さんのマヤだ。」

「え?!結婚してるんですか!」

「前の会社の同僚だよ。」

 

 

マヤは照れ臭そうに笑っていた。

 

 

「いつもこんな感じの人よ。一緒にいて楽しい。」

「なあ、シンジ君。ヒカリちゃん。帰りは俺の専属ドライバーが運転する車に乗って行けよ。」

「そこまでしてくれるなんて…。」

「さあ、今日はぱーっといこうぜー!!!」

 

 

青葉たちは酒瓶を開けた。

シンジは青葉と電話を交換し、ヒカリの門限が迫っていると教えると、二人で青葉の読んだ車に乗った。

車の中で、シンジとヒカリは話をしなかった。

 

 

「…楽しかったわ!碇君、あなた、本当に私の知らないものを多くしっているのね!」

「うん!」

「でも、碇君。」

「?」

「…なぜあなたは、いつも中途半端な時に姿を消すの?」

 

 

シンジはゾクっとした。

ヒカリは賢い。

彼は固唾を呑んだ。

 

 

「それは…」

「?」

 

 

ヒカリの目を見た。

純粋な疑問だ。

だが、そのうちわかるだろう。

 

 

シンジは決意した。

 

 

「…洞木さん、君だけに僕の秘密を教えるよ。他の誰にも言わない?」

「ええ」

「内緒にしてくれる?」

「何なの?」

 

 

ヒカリは嘘をつかない。

シンジは大きく息を吸い、体のエネルギーを溜め込んだ。

そして、誰もいない路地裏の中で彼は変化した。

『ウルトラマン』へ…。

 

 

「僕は、ウルトラマンだ。」

 

 

ヒカリは呆然としていた。

シンジは変身を解くと、ヒカリに話し始めた。

 

 

「…キミはどう思う?」

「とってもセクシー。」

 

 

気がつけば、ヒカリはシンジの肩に飛び乗ると抱擁を始めた。

そして、ヒカリの甘い唇がシンジの唇と重なった。

 

 

 

そんな中、シンジは疑問に感じていた。

なぜ父が怪獣人間を生み出していたのか。

父は怪獣と何か関係があるのか。

 

 

彼はその答えを知る人間を探す事を決意したのだった。

 

 

 

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