たれぞうです(ゼウス)
「リヒト!お前は天才だ!」
生まれた時から気づいてた。
「私ね?将来はリヒトのお嫁さんになるの!」
「え?あの時の約束?…あぁ、あれまだ覚えてたんだ」
俺はいつだって1人だ。
「なんで友達を助けなかった!?」
初っ端から、誰も助けちゃくれなかった。
「貴方はもう人じゃない…!私の息子じゃないわ!」
他人のことを考えたって意味はない。
なら俺はもうーーー
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「さあて、どうしたものかの」
円卓を囲む五つの椅子。
それぞれの椅子に
老人が
図体のでかい男が
顔立ちのいい好青年そうな男が腰掛けている。
しかし、この円卓は異様なものだった。
円卓を囲む席は五つ。
腰掛けているのは三人だけで、残りふた席は空席になっていたのである。
「…奴は勢力の均衡を破った大罪人だ…!なぜ皆で奴に挑まない…」
1人は怒気の滲んだ声を絞り出した。
「『絶対に勝てない』、とわかっているから、さ。勝てない勝負を挑むほど、皆んなも、俺も、馬鹿じゃない」
と、好青年は答えた。
「…しかしこれは由々しき事態じゃ…!
新世代の『四王』の内の二王が、僅か半年で王座から引き摺り下ろされるなど…!」
「舐めてかかるからだ、2人とも。
奴がどういう人間かも知らずに。」
好青年は天井を見上げ、言った。
「奴は誰も信用しない。誰の味方でもない。誰も護らない。奴に付け入る隙はない。奴は魔術も天才的だが、先見の明を持ってる。他の人間を、人だとは思っていない」
「『護剣の魔術師』、リヒト・グラデーってのは、そういう人間なんだ…そういう人間に、なっちまったんだよ…ッ」
その声には、僅かに懺悔の念がこもっていた。
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魔術師の都、ラルク
その名の通り、この街には魔術師ししかいねぇ。
当然それを育てるための学校もごまんとある。
俺はその中でも最もランクが高いとされている魔術学校、リルカドラム
魔術学園に、今年の春合格した。
こんな矛盾した魔術式を持った俺でも入れるくらいにはぬるい試験だった。
そしてそれから半年ぐらい経ったいた現在。
俺はいつもの人気のないベンチで日向ぼっこをしていた。
さすがは最高位の魔術学校、シャバい知識しか教えねぇ割には敷地は広いし、設備はいい。
特に気に入ったのは、『敷地が広い』、という点だ。
この学園は、当時四つの『派閥』に分かれる。
パワー系の『ゲドリウム』
知識の『リドリス』
技の『ライク』
医療、治癒系の『クラリス』
四つともかなり歴史があるらしい。まあうち二つはもうないが。
それぞれには頭がいて、そいつら4人を当時『四王』とか言ってたんだが…
まあ、名前の割に大したことない連中だが。
これが敷地の広さとなんの関係があるかって?
この学園の中央には、今俺がいる馬鹿でかい公園がある。
その敷地はさっきの組によって四分割されているのだが…!
(派閥の違う者が他の派閥が管理する領に侵入するのは基本禁止されている)
なんと、派閥から独立して新たな派閥を作り出し、四王の1人を倒すと…
四王が所有する敷地の一つを、自身の作った派閥のものにすることができるのだ!
(ちなみに新しい派閥ってのは1人でも作れる。)
それを聞くまでの俺は私生活にまで他者との助け合いを強制され、半ば生き地獄をあじわっていたのだが…
それを聞いてからの俺の行動は早かった。
手始めに四王のうちの最弱って言われてた『クラリス』の頭と戦ったんだが…
まあ、噂通り弱かった。
調子に乗った俺は止まらなかった。
勢いで『リドリス』の頭にも勝ってしまった。
こうして公園の二割を手中に収めた俺は、授業以外の時間をただ1人で過ごせる理想の楽園を築いた訳だが…
そのせいで一つ悩み事が増えてしまったのだ。
辺りから魔力を感じる。
この生暖かい鬱陶しい感覚は…クラリスの連中か
連中はどうも俺に奇襲をかけるつもりらしい。
潜伏していた茂みから一気に生徒が飛び出てくると、あっという間に俺のベンチを囲んでしまった。
そう、これが公園二分の一独占唯一の弊害。
元管理者による領地奪還である。
「これで終わりだ…!リヒト・グラデー…!!」
「諦めて我らがクラリスの長、ミリン様にこの土地を返しなさい!」
「…っっくww」
「?!」
あぁ、そうだった。俺はコイツと会話してると笑わずにはいられないんだ。
「あのさ、ちょっとは考えろよ」
「テメェらの情けねぇ頭よりも情けねぇお前らの奇襲(笑)に俺が気づかない訳ねぇだろうが」
「ッ」
ほら、こうして凄むとコイツらはすぐビビる。
「なら、何故反応しなかった…?!
我々の接近に気づけなかったからだろう!?」
「…人間がクマノミやら何やらの微生物を感知出来ねぇのと一緒さ、次元が違いすぎるんだよ。俺にとってお前らはただの雑菌なのさ」ボウ
ッ!
「ッこの炎!」
この物語は
「魔術が発動する前に叩け!」
自身の平穏な日々を守るため
「おせぇよ」
ただ1人戦う、自己中心的な少年の
「起動・紅蓮魔術:滅式」
奮闘の物語である…
ちなみにその後、黒焦げになった虫の息なクラリスの生徒達が連絡通路で見つかった。
世界観とか設定集は後ほど出す…と思います。