「やあ」
「……お前は暇人なのか?」
「いいや?仕事がひと段落ついたからちょっと雑談でもしようかと思って来ただけさ」
「……わざわざここに来るとは。暇人じゃなくて変人だったようだな」
「皆からも変人ってよく言われるよ」
「…そうか」
「あ、そうだ。良ければ君の名前を教えてくれないか?」
「名前か?俺の事を調べ上げたんだから周りから何と呼ばれてるかなんて知ってるだろう…まあ良い。周りからはレイヴンと呼ばれている」
「そうかそうか。君の名前はレイヴンか。ありがとう」
「……お前は?」
「私かい?私はドクターと呼ばれている。君もそう呼ぶかい?」
「いや。やめておく、ここの関係者でも無いしな」
「そうか。それは残念だ。それと、もうそろそろ一人ここに来ると思うよ」
「は?」
「お邪魔しまーす!」
「やあブレイズ」
「…うげ」
「…え。何、私なんかした?」
「いや。私の記憶違いでなければブレイズとレイヴンが会うのは二回目の筈だから無いと思う。」
「だよね〜良かった良かった」
「…すまない。お前の方は何もしてない。気にしないでくれ」
「別に良いけどさ〜」
「さて、私はここらで失礼しようかな。まだ仕事が残ってるし」
「そうか」
「ドクターが戻るなら私もついてく〜」
「ブレイズは今来たばっかなのにかい?」
「うん。だって私だけがいたら落ち着かないでしょ」
「……そうだな。正直な所、一人にしてくれると有難い」
「ほらね〜」
「それなら、私たちはお暇するとしよう」
「じゃあね〜!」
「………」
「……まさか明日も来ないよな…?」
とんでもなく存在感のある奴だったな……。
とりあえず、これからどうしたものか。
「……退院の指示が出るまで大人しくしておこうか」
出来ればさっさと此処からおさらばしたい所だが、波風立てて面倒な事を起こすよりも大人しくして何事もなく済ませる方が良いだろう。
正直、ここに居るとなんだか息苦しいが……まあそれだけだ、そこまで気にする事でもなかろう。
最初の不審者…もといドクターが病室に訪れた日から数日が経ち。
退院してよしと判断されたレイヴンは、何故か、ドクターの執務室に居た。
「……なんでここに呼ばれたんだ?」
レイヴン本人も何故ここにお呼ばれしてるか分からないようで、その顔には困惑が見て取れる。
「ん?いやほら、まだ契約の事どうするか聞いてなかった…から?」
呼び出した当の本人であるドクターも何故か疑問系になってしまう。
「何故にお前が疑問系になるんだ」
「さあ。それはどうでも良いから置いといて。どうする?ロドスと契約を結んでくれるかな?」
「…そうだな。その契約、乗ろう」
レイヴンは十秒程考え込んでから、了承する。
「助かるよ。この前も言った通り、今のロドスは人手不足でね。一人でも多く人手を確保する為に日夜奮闘してるのさ」
執務机で某ヱヴァン◯リオンのゲ◯ドウと同じポーズをしながら話すドクターは、顔こそ隠しているので表情は分からないものの、雰囲気から疲れが滲み出ている。
「…苦労してるんだな」
「だから君が契約に乗ってくれてとても嬉しいよ」
「そりゃ良かったな」
「さて、正式な契約はまた後日って事で。何か他に聞きたいことはあるかい?」
「……今回の俺とロドスの契約についてはお前が独断で決めた方なのか?」
「いや、ちゃんと他の人にも話は通してある。だから後は人事部に君のオペレーター登録の手続きをお願いするくらいかな。あ、君用の部屋もちゃんと用意するからね」
「わざわざ用意するのか…」
「勿論、ロドスは福利厚生が手厚いからね」
そう言い切ったドクターは立ち上がる。
「さて、今からロドス内の案内をしようかと思うけど、どうだい?」
「お言葉に甘えて案内してもらうとしようか」
「よしきた。ロドスは広いから覚悟しておきなよ」
「そんなにか?」
ーーー
「ここが見ての通り甲板。輸送機の発着スペースがあったり、居住区からさっきの…仕事場?まで行くための通路がある」
「なるほど」
「まあ居住区から仕事場に行くのにわざわざここを通らなくても良いんだけどね。ロドス内に通路あるし。ただ朝日とかがよく見えるから私はここを通ってるよ」
「ふむ」
ーーー
「で、ここが4F。中心部に制御中枢があって、その他に応接室、事務室とかがある。書類仕事関連はこの階層に集中してるね。後は貿易所もある」
「応接室?」
「来客がいらした時に使ったらするさ。あんまりその機会に恵まれないけど」
「それで良いのか」
ーーー
「次に3F。製造所に加工所。他には訓練室と武器保管庫とか。あ、言い忘れてたけど宿舎っていう所謂休憩所的な部屋が4Fを除いた各階にあるから、休憩したいけど部屋に戻るのが面倒な時にでも使って」
「…サボる奴がいそうだな」
「実際居るね。けど割り振られた仕事はこなしてるから…サボりではないの…かな?」
「…まあ、問題になって無いのなら、いいんじゃないか?」
ーーー
「お次は2F。ここは発電所と…うーんと…何て言えば良いんだ…?」
「…?」
「えっと、医療関連の事がここに集中してる。あまり医療部のお世話にならないようにね」
「あぁ……」
ーーー
「最後に1F。ここはガレージと昇降口がある。他の移動都市に移動する時とか、車両を使う時は昇降口を使うね」
「…色々とあるな…本当に製薬会社なのか?お前ら」
「製薬会社ですとも」
「怪しい所だな」
「さて、これで大雑把な案内は終わりかな。細かい所まで案内してると日が暮れるからそこら辺は自分の目で確かめてみて」
「まあ…気が向いたらそうする」
「さ、これから人事部に行って君の手続きをしないとね」
「……案内する前に終わらせてた方が良かったんじゃないか?」
「それは私も思ったよね。ま、今更言ってもどうしようもないから早く行くとしようか」
「こんな奴がトップとはな……」
「こんなのがトップでもどうにかなるくらいにはロドスは安定してはいるからね。人手は足りないけど」
ーーーー
「さ、ここが君の部屋だ。要望通り個室だから、プライベートに関しては他の人の目を気にしなくてもいいぞう!」
「おう……感謝する」
謎に高いテンションは一体なんなんだ?
側から見たら不審者が更に加速するぞ。
「それじゃあ、私はここら辺で失礼するよ。仕事があるしね」
「そうか」
「じゃ、細かい諸連絡とかはまた後日すると思うからよろしく〜」
「あぁ」
さっき手渡された携帯端末を片手に、これからどうしようかと考える。
「…意外と、家具は揃ってるな」
ベッド、椅子、テーブルに本棚と必要最低限のものは既に置かれており、無機質な感じが少々気になるがそれ以外は貶せるところもないだろう。
「はぁ……なんで乗っちまったかねぇ」
ただ、生きる意味があるのかと疑問だった。
故郷も焼かれ、仲間を見捨て、約束を果たそうともせずにふらふらと生きて。分からなくなった。だから、いっその事楽になろうと……。
「けど、生きてる。死のうと思えば死ねる今も尚、生きてる……」
偶然繋がれた命だ。捨てようと思えばすぐにでも捨てれる。
けど、手が動かない。体が動かない。考えれば考えるほど、自分がどうしたいのかが分からなくなる。
死ぬのが……怖いのか?それとも、昔の約束があるからか?
「……いや、やめよう。どうせいつでも死ねる世界なんだ、踏ん切りが付くまでは居させて貰うとしよう」
なんだか、疲れた。
少し……寝させて貰おう。
……ちゃんとしたベッドで寝るのはいつ振りだろうか。
ロドス号は仕事場と居住区が別設定で参ろう。
あ、購買部、商業区(二次創作お馴染みのバーや居酒屋等)は居住区に隣接してるって事で…。
えー、投稿遅れて、誠に申し訳ございません。
本業pixivの方にお熱で放置しておりました。
ただ、構想というか何させたいとかは考えてたので失踪はしません。多分。
なんで、超スローペースですがやっていきます。評価付いたら……うれちいなぁ。まこんな作品になんか付かへんか……。