さて。
私に課せられた依頼はバスキュラープラント周辺の封鎖衛星の破壊。
といってもレールガンの付け根をもぎ取って本体を機能不全になるまで穴ぼこにするだけなのだが。
私への命中精度はたかが知れてるのでそんなに苦労はしなかった。
一方その頃....
――深度1――
防衛フェーズ1.0
対象を排除します
V.Ⅶ「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
――深度2――
防衛プログラム フェーズ3.0
強制執行モードへ形態変更
対象を 排除します
V.Ⅶ「ぬわーっっっっっ!」
――深度3――
防衛プログラム フェーズ5.0 パターンC
危険因子を排除します
V.Ⅶ「なぜ私ばっかりぃぃぃぃ!」
V.Ⅶ、彼のルビコン3での人生史上最大の不幸に見舞われていた。
「あいつなんであんなに狙われるんだ?」
「彼が囮になってるおかげで楽々撃破できたしいいでしょ。イグアス」
「まあ、そうだな。強制執行システムとやらの考えは分からんが相当頭にくるような事をアイツがしでかしているのは確かだ」
実態としてはスネイルがシステムに狙われやすいようV.Ⅶ本人の脅威度データをカーラに頼んで改竄工作をさせていたからである。
カーラは「堅物でイヤミっぽそうなやつだと思っていたが...案外面白いやつだねえ。」
なおスネイル本人は会社の金を横領しようとするV.Ⅶを再教育センター送りにすることを考えたが、未遂かつIFの未来のできごとであるため、彼の心にお灸をすえること、そして突入部隊の損耗を抑えるために依頼した。
「ここが...私の故郷...」
遂に技研都市へと辿り着いた合同部隊。
技研都市防衛用のMT達が出てくるがこれをACのみで迎撃する。
まだ温存した戦力を使うべきところではないからだ。
「やっと...集中砲火から解放された...」
封鎖機構のAI制御のMTではないのでV.Ⅶは束の間の休息を得ることができた。
道中のMTを蹴散らしながら目的地点へと進む。
「ここがコーラル集積地点...」
見ただけではただの湖に見えるが、コーラル量計が高い数値を示していることから大量のコーラルがあることには間違いない。
「後はヤベえのがいるってぇ話だが、こう空が明るいんじゃあ見つけづらいぜ。」
「そうだね...あれは?」
差し込む光の中に何かの影が見えた気がした。
その瞬間赤い光と警告音が621達を襲った。
コーラルを使用した砲撃が621達のいた地点に降り注ぐがこれを回避し、戦闘態勢を取る。
「あれが言ってた奴か!V.Ⅶ!準備はいいだろうなあ!」
「大丈夫です。ミサイルMT部隊、発射だ!」
温存していた戦力、対CEL240用のミサイルMTが一斉にミサイルを放つ。
中にはRaDの大型ミサイルMTも混じっており、いくら機動力に優れているといえど大量のミサイルにはどうにもならずスタッガーを取られ、大型ミサイルとACの近接武器が叩き込まれ沈黙する。
勿論再起動することも教えられているので後処理用の砲撃型MTとスタンニードルランチャーを搭載した特殊MTからとどめの砲撃が加えられる。
「どうだ!これがアーキバスだ!」
CEL240はあれだけ砲撃を食らったにもかかわらずそこまで大きな損傷を負っていなかったが手足、内装とパーツ毎に分離したのでもう動くことはないだろう。
待機していたベイラムとアーキバスの土建用MTやRaDから購入したWRECKERフレームのACが621達とすれ違いでバスキュラープラントの修復と改築に向かう。
「あ、そうだ一部焼却と言ったな。」
「あれは噓だ。」
「ここに及んでですか。ふざけないで頂きたい。」
「いやお前らなんでタンクにコーラル大量に詰めるんだよ」
「9割焼却しても残った一割を増やせば無限資源になるだろ」
「要は真空にせず、コーラルを大量に詰め込まなきゃいいんだから空いた容積に空気でもなんでも詰めときゃいいじゃねえか」
「成果を上げることに急ぎすぎてるんだよ、ここに採掘に来てるのはお前らだけなんだからさあもっとゆっくりしな。」
「地元企業との分配だったり焼却基準の設定とコーラル潮位の監視体制についての協議もあるんだから」
「もうちょっとコーラルと向き合ってほしい」
「...言われてみればそうですね。わざわざ大量にコーラルを持ち出す意味はないですが、なぜ気がつかなかったのでしょう。」
「何もかも一回燃えてしまっているのだから情報がないのは仕方ないさ」
「正しく取り扱う気がなかったからこそアイビスの火は起きた」
多分、コーラルがないと食料の生産もままならなかったからこそコーラルの取り扱いがなあなあでされてたんだろうな。
で、バスキュラープラントを使っての大規模なコーラルの吸い出しを行った結果潮位の急激な上昇とそれによる破局が訪れた。
爆発寸前の48時間前にアイビスシリーズを出す、「まだ間に合う!」っていう言葉が出ざるを得なかったのだろう。
「だが...それだと上の馬鹿どもは納得しないだろうなあ。」
「俺達レッドガンを使い捨てようとする奴らだ。」
「...いっそルビコンで起業でもしてみたらどう?五花梅とかいるし...まあ、元の経歴はあれだけども...商売については悪徳だろうが通じるものはあると思うよ。」
「まあ、そこはコーラル絡みが落ち着いてから考えるとするさ。」